そこは獣人たちの世界

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第三章

大蛇戦

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擬態草蛇のせいでまっすぐにはすすめずガロの予想通り二日半程かけて森にと到着する。道中のご飯は全部僕の作ったサンドイッチを歩きながら食べてきてて、今もちょっと変わり種に作ったフルーツサンドを食べている。
食パンとはいえないけど、型を使ってがんばって四角く形成したパンの白いところだけを使ってイチゴとキウイと桃とブルーベリーにクリームたっぷり挟んだフルーツサンドだ。
クリームといえばカスタードクリームにも挑戦した。ガロにはカスタードも好評だったからカスタードとイチゴだけを挟んだフルーツサンドも用意してある。バナナがあればチョコバナナカスタードも出来たんだけどな。なんかクレープ食べたくなってきた。
持ち運べるコンロもあることにはあるけど、こんなところで料理するわけにはいかないだろう。急がなきゃいけないってわけじゃないけど、予定より遅れてるし山脈の下の森だからそれなりの魔物もいるだろうし。何より今はお腹は満たせたうえにクレープはもっとゆったり作りたいもんだ。

「キオ、確かにうまいが味わってる暇はないぞ。何か来る。」

「うっ、了解。」

別に味わってたわけじゃないけど、余計なことを言わずにあと二口を一気に食べ切ってしまう。すぐに剣を構えると確かに正面から何かが近づく気配がする。結構大きい、ガロよりも大きいんじゃないか?
地面の草がかさかさなる音が明らかに大きくなっている。見えてきたのは緑の森で少し目立ちにくいような緑と黒のストライプ模様の蛇だ。僕どころか、ガロですら丸のみにでき法なくらいに大きい。明らかにこちらに敵意を持って近づいてきてるようだ。

「くるぞ!森大蛇だ!牙の毒と尻尾に気をつけろ!離れて戦うからな!」

「了解!」

実物を見たのは初めてだけど図鑑では知ってる。牙の毒に当たればそのまま溶かされてしまうとか、背後に回ったと思っても尻尾を振り回して対応してくるとか。そして何より鱗は結構固く並大抵の攻撃は効かないらしい。
二人一緒ではダメだとガロが判断したなら僕は右側にガロは左側に回り込む。出る前から決めていた一応のフォーメーションだ。といっても僕から仕掛けるのではなくまずガロが打ち込む手はずになってる。
ガロもグラディウスから大剣のグレートソードに切り替えて切りかかろうとするけど、蛇はガロのほうを向いていて毒牙をガロに向けてけん制している。本能でガロが危険だと察してるのか。でも少し離れた僕のほうにまで意識が行ってないっぽい?

「サンダーガン!」

わき腹だと思うくらいの位置めがけてサンダーガンを放ったけど、今までの魔物なら貫けていたのが軽く焦げ跡で黒い部分が増えたくらいになった。ガロのほうを向いていた顔がこっちを向いて大口開けて紫の液を垂らしながら迫ってくる。

「雷装、大剣!斬!」

そのすきをついて今度はガロが横から顔に向けて切り込んでくれた。ずれたおかげで僕はすぐに離脱できたけど、あのままだと防ぐにしろそらすにしろ危なかったかもしれない。盾はとかされてたかもな。
さすがにガロの攻撃をもろに受けたのに真っ二つとはいかなかった。ふらふらとはしてるからこたえたようだけど、って見てる場合じゃなかった。鱗は堅くともその開けっ放しの口の中は弱点だろ。

「サンダーガン!」

口の中にと打ち抜いたサンダーガンはこんどは鱗までも貫いて外に出てきた。もしかして外からは堅いけど内側は柔らかかったのかな?少しのまま撃ち抜かれて硬直してた森大蛇だけどガロはそれ以上追撃もしないで大剣をポーチにとしまう。ドシンと倒れ込んでどうやら絶命したようだ。

「キオ、俺が打ち込むまで待ってもよかったんだぞ?少し危なかっただろ?」

「うん、ごめんね。」

「まぁ仕留められたからいいだろう。にしてもまだ森に入ってそれほどしてないところでこんなのに出会うとはな。」

「そうだね。」

リヴァイアサンっていうもっとやばいのと戦ったこともあるけど、こいつだってガロの大剣一撃で沈まないくらいにはやばい相手だ。この森にはこういうのがうようよいるんじゃないだろうな?

「とりあえず、他の気配はないな。だがこれくらいの相手が多いと、確実にあと二日ではふもとまで進めないだろう。」

「ふもとあたりに少し休みやすいところがあるから休憩って話、だったよね?まだ平気だけど僕もつかな。」

もう二日半寝ていないわけで、今も動けはしたけど絶好調とは言い難い。何より普通に歩くか一撃で蹴散らすかくらいならまだいいのに相手と普通に戦闘となったら余計に体力を使う。

「そうだな。不安なら一度休んでおくか?俺も交代で寝ておきたいと思う。森大蛇レベルが一体ならいいが、大森熊だと群れている可能性もある。生息域のはずだからな。」

「そっか、あいつらって群れたりもするんだっけ。」

同じ魔物でも土地によっては一匹でうろついていたり、群れていたりと変わってくる。大森熊はそういう魔物の例の一つだ。森大蛇のなかでも大きめだったこういう個体がいるようなら群れている可能性は高いか。

「テントを張るぞ。」

「了解。」

まさか僕じゃなくガロから休む提案が出るとは思わなかった。まだ山にすら到達してないのに。とりあえずこの森大蛇の縄張りだったはずのこのあたりには魔物が寄る不安は少ないか。ここで休んでしっかり残りの森も切り抜けることが大事だよね。
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