そこは獣人たちの世界

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第二章

進化した唐揚げ

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ドラドさんと水竜と別れてお昼のサンドイッチを食べたらまた受け流し訓練かと思っていたら、今日はずっと魔法の練習だとできうる限り全8属性をガンにできるようにとじっと見られながらの特訓になった。
まぁガロしか見てない分緊張感は低めだけど、受け流し訓練は?とちょっと思ってしまう。いや、僕としては魔法のほうが楽しいし、受け流しはめちゃくちゃ疲れるからいいんだけど。
ガロに見張られつつ夕飯前まで頑張った甲斐があって爆以外は実践レベルでガンつかいこなせるだろうとガロから合格点をもらえた。爆属性だけはだめだ。どうやっても手元でボカンと行く。解せぬ。

「明日が明日だからな。今日は上がって家でゆっくりするぞ。」

「明日って、なんかあったっけ?」

「おいおい、忘れたのか?遠征依頼を正式に受けるんだ。」

あぁ!そういえばそうだった!なんかずっと魔法と受け流し特訓してて忘れてたけど、それって遠征のためだったよね。

「ご、ごめん。」

「いや、いい。だが遠征に出ればインフィリアまで数日歩くことになる。しばらくは外での生活になるからな。」

そっか、遠征が始まれば外生活か。しばらくは家でゆっくりなんてできないから今のうちに味わっておけってことなんだろう。

「わかった。じゃあはやめにかえろっか。」

「そうだな。」

僕の反応にちょっと笑いつつ同意してくれてまっすぐ家に帰ることになった。ここ数日は疲れた体なのにどこかしらに寄るってことが多かったからなぁ。それもこれも遠征のための準備みたいだけど。
当然何度も遠征に行ってるガロだけど、僕のほうが初めてだ。道中で着替えはできる時にはする程度らしいし、来てるのはガロのおさがりのままなので別にいい。ただそれ以外のところでありとあらゆるものをもう一人分追加で買うことになったわけだ。
さらに道中寝るためのテントも2人が入れる大きさのを買い足し、料理のためと今まで買ってなかったらしい持ち運び用魔道コンロまで買ってもらってしまった。道中料理する機会はあるっぽい。
まぁ揚げ物なんてやれることはないだろう。軽く肉を焼くくらいか、鍋を使ってもスープを作るかだろう。匂いとかで魔物が寄ってくるとかありそうだからガロが使っていいというまでは使わないけど。
そんなわけで帰宅したら作るのは唐揚げだ。しばらく食べれないだろうし、ここんところあんまり食べてないし、ちょうどいい。
合わせて鍋でお米も炊き始める。初日は米以外に目が行っちゃってたけど、そのあとは米に挑戦したわけだ。初めての時、米とぎもそこそこにスマホを見つつ鍋炊きしてみたけどかなりふっくらと仕上がってくれた。

「お、また米か。好きだなキオも。」

「僕はパンのほうが好きだよ?でも今日は唐揚げ、どっちか問う言えば白米のほうが合うからね。」

「おぉ、からあげか!こりゃ楽しみだ!なんか手伝うか?」

「油は足りてるし大丈夫。」

からあげと聞いてあからさまにそわそわし始めたガロを制止させつつ、油と鶏肉の準備を始める。今回は醤油があるので味付けもしっかりとボウルの中でもみこむ。それをガロもまじまじとなぜか見ていた。
そして今回はさらに竹棒を2つ買ってもらったのでお箸代わりに使って鶏肉を上げ始める。今まではお玉でやってたので油落としが少し課題だったけど、これなら楽だ。
ガロはたっぷり食べるだろうから今日もがっつり多めに作る。たくさん上げていくけどどれもジュワ、パチパチ、といい音を立てておいしそうに出来上がっていく。
お米を炊いてる鍋のほうも同時進行で火の調節をしていた。中の水分がなくなったのを見て火を止めたりもした。からあげが出来上がったのでもう一度ふたを開けてみればいい感じに蒸らした状態で出来上がってる。竹棒を買ったところに一緒に売っていたしゃもじで僕は普通の器に、ガロにはおおきく深い器にたっぷりよそっていく。多分だけど2合弱くらいかな、僕はおわん一杯分で残りをすべてガロにで使い切ってしまうわけだ。
さすがに米とからあげだけじゃあれなのでトマトとレタス、キュウリを切ってサラダも用意する。ガロに擂ってもらってゴマとコーン油、マヨネーズに砂糖、酢、醤油を混ぜてつくった瓶詰め胡麻ドレッシングをかけて完成だ。

「できたよ。食べようか。」

「あぁ、いただきます。」

「いただきます。」

ガロがその言葉を皮切りにフォークで山盛り唐揚げを一さしし、2つくらい一気に口にほおばる。そしてフォークでご飯をかきこむ。前にも料理店でライスを食べたらしく、初めて僕が出しても躊躇なく食べてたけど、今日はかなりかきこんでるな。

「やべぇ、今までもいろんなのをライスに合わせたが、この味付けのからあげは最強だな。」

「それ、からあげが好きなだけじゃない?僕もまぁ好きだけど。」

「いや、前の味もよかったが、俺はこっちの味のほうが好きだ。醤油だったか?あれが聞いてるんだろうな。」

「他にもすりつぶしてくれたニンニクとか入れてるからかもね。」

ガロの興奮にこたえつつ、僕は揚げの時に使った竹棒をそのまま持ってきてお箸代わりにから揚げをつまむ。口に入れれば広がる醤油味のあのからあげの味。うん、おいしい。

「それにしてもやっぱ器用だな。はし、だっけ?」

「ガロだって別にやったら使えそうだったじゃん。」

「だがはやり飯はフォークとスプーンが楽だな。」

僕が初めに使ったのを見てガロが真似たのを思い出す。別に何の不自由な靴替えそうに僕と同じように動かしてたけど、指が疲れそうだと早々にあきらめちゃったんだよね。
まぁフォークでも一口一口が多いだけで下品というわけじゃない。むしろいい食べっぷりでちょっと見ちゃってるときがあるくらいだ。あぁやって一気に量を食べるなら確かにお箸だと不便そうだ。
僕ももくもくとお箸を進めていたけど、ごはん少な目でよかった。危うく火が合わないところだった。ガロがあっという間に山盛りにしたはずのからあげも大盛ご飯も完食しちゃったからだ。さらに僕も少し突いたけど軽くサラダを食べつくした。
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