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第一章
ゆったりお風呂
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足の節々が結構いたい。ハンガーをつかっても思ってる以上に動けたのはよかった。むしろ木剣よりも受ける範囲が少し大きく受けやすかったと思う。でもそのせいで余計にガロの打ち込みが強くなってたみたいだ。魔素纏いもしてたから痣にはなってないけど痛い。
「まだ痛いのか?風呂に入れば治るだろ。ゆっくり湯につかるといい。」
「まぁ、今日は早く帰ってきたからゆっくりつかれるけど・・・」
そう、早く帰ってきたんだ。打ち込み訓練の後になぜか訓練所で昼食を食べてすぐに。だから夕飯までも全然時間はある。でもゆっくりお風呂につかるために早く帰ってきたとは、全く思えない。
ただそれを直接言ったらなんかお風呂の前に始まるんじゃないかと思って言い出せず、なぁなぁにお風呂に連れ込まれた。
お風呂のシャワーの魔道具のお湯を浴びてると僕の体中の毛が湿っていく。それとともに一昨日かまれた跡がうずく。昨日は別にうずかなかったのに。
足の痛みもむしろなんだか余計に痛くなった気がする。気のせいなんだろうけど、まるで体がいやな予感をひしひしと感じているかのようだ。
それもこれも倍というあの言葉のせいだ。絶対そうだ。ガロにはお風呂に入ってずっと見られてる気がする。洗いづらい気分ながらも体を洗い終えると、いつもかけ流し状態のオフが出続けている魔道具にガロが手をかけた。
風呂場の外から持ってきてた瓶箱を開ける。中には緑色の粉が入ってるのが見えたから、潤滑油でも弛緩ジェルでもないのはわかってたけど。
「ガロ、それなに?」
「ん、入浴剤だ。湯を出しっぱなしにしてるから滅多に使わないんだが、これが疲労回復によく効くんだ。」
お湯の色が一気に緑色にかわる。入浴剤があったなんてとちょっと楽しみ。でも熱いだろうからとゆっくりとお風呂につかる。肩まで座り込めば打ち込みの時の疲れと痛みが一気に引いていくようで気持ちいい。だけど僕に続いて横に浸かったガロの気配がなんだか重い。
「キオ。」
「う、ひゃい!?」
重い雰囲気のまま呼ばれたからすごく素っ頓狂な返事をしちゃって、かるく笑われる。それで重い雰囲気が消えたかなってガロのほうを見てみたら、目がぎらついていた。
「ゆっくり使ってしっかり疲れ落とせよ?」
「う、うん。」
副音声でこの後またどっと疲れるだろうからといわれた気がした。いや、多分そういう意味なんだろう。そんなことを言われて気を休めてのんびりつかれるほど僕は図太くはない。
それでもお湯の温かさが僕の体をほぐしてくれる。あと入浴剤のにおいだろうけど、ほのかな緑の香りも疲れを癒してくれる。いつものかけ流しもいいけど、入浴剤を入れたら一段といい。もっと使ってほしいくらいだけど、かけ流しにするとなるとさすがに入浴剤はもったいないんだろう。
気持ちいいんだけど、ガロの気配は変わらないままなんだよね。入浴剤入りのお風呂を満喫するように体を思い切り伸ばすことはできない。こんなんでほんとに体が休まるんだろうかと不安になるけど、確実に痛みと疲れは引いてるのを感じてしまう。
「どうだ、疲れが落ちるだろ?そういう成分が入ってるらしいぞ。」
「へー、そうなんだ。」
そこらへんは元の世界の入浴剤と同じなんだなと思ったけど、成分そのものが違う可能性がある。薬草とか癒し草みたいなのが入ってたりして。
ちょっとそういう気楽な会話はあったけど、浸かり続けてる間ガロのほうを向くことはできなかった。逆にガロはお風呂上りでずっと見ていたんだと思う。視線を感じ続けてたし。
「よし、あがるか。」
「う、うん。」
あがりたくはなかったけど、これ以上使ってたら湯あたりしてふやけきっちゃいそうだったし、何よりガロの短い言葉がまだ入っていたいといわせないといっているように聞こえてしまった。
このまま寝室に行くのかと体をちょっとこわばらせながら、風呂上がりの全身ドライヤーして、体をふいて、服を着てとしたけど、服を着ることを止められなかったからそのままってわけじゃないのかな?
リビングに出るといつもご飯食べてる場所にどっとガロが座る。なんというか、不機嫌そうに感じる。僕、なんか変なことしちゃった?それともビャクラクさん関連?
「まだ夕飯には全然早いが、先に作っといた方がいいだろうと思ってな。」
「え?」
「ポーチに入れておけば冷めたりはしないが、瓶箱に入るもので、手のまま食えて、汚しにくいものがいいだろうな。」
一瞬ガロの言ってる言葉を頭が理解するのを拒否した。でもわかってしまった。先に作っておけってことは夕飯の時間には僕が動けない状態の可能性が高いってこと。しかも手のまま食べれて周りを汚しにくいものってことは、寝室で食べるかもってことだ。
そんな状況にこれから見舞われると分かっていても、拒否できる雰囲気じゃないのはわかる。ちょっと逃げるようにキッチンにと入って夕飯を考える。
パンはパンくずが落ちて汚しそうだから、焼くなら小さく新たに作って焼くのがいいだろう。時間はちょっとかかるけど、逆に言えば時間稼ぎになる。時間稼ぎしたところで何も変わらないんだろうけど。
いや、ちょっと待った。それなら丸いパンにして中に何か挟んでやいちゃえばいいか。チーズを四角にして挟んで焼いたり、お肉はさんでみちゃったり、いろいろやってみよう。挟むならほんとはベーコンがいいんだけど、燻製ってできるかな。今日は、さすがにやめておこう。
「まだ痛いのか?風呂に入れば治るだろ。ゆっくり湯につかるといい。」
「まぁ、今日は早く帰ってきたからゆっくりつかれるけど・・・」
そう、早く帰ってきたんだ。打ち込み訓練の後になぜか訓練所で昼食を食べてすぐに。だから夕飯までも全然時間はある。でもゆっくりお風呂につかるために早く帰ってきたとは、全く思えない。
ただそれを直接言ったらなんかお風呂の前に始まるんじゃないかと思って言い出せず、なぁなぁにお風呂に連れ込まれた。
お風呂のシャワーの魔道具のお湯を浴びてると僕の体中の毛が湿っていく。それとともに一昨日かまれた跡がうずく。昨日は別にうずかなかったのに。
足の痛みもむしろなんだか余計に痛くなった気がする。気のせいなんだろうけど、まるで体がいやな予感をひしひしと感じているかのようだ。
それもこれも倍というあの言葉のせいだ。絶対そうだ。ガロにはお風呂に入ってずっと見られてる気がする。洗いづらい気分ながらも体を洗い終えると、いつもかけ流し状態のオフが出続けている魔道具にガロが手をかけた。
風呂場の外から持ってきてた瓶箱を開ける。中には緑色の粉が入ってるのが見えたから、潤滑油でも弛緩ジェルでもないのはわかってたけど。
「ガロ、それなに?」
「ん、入浴剤だ。湯を出しっぱなしにしてるから滅多に使わないんだが、これが疲労回復によく効くんだ。」
お湯の色が一気に緑色にかわる。入浴剤があったなんてとちょっと楽しみ。でも熱いだろうからとゆっくりとお風呂につかる。肩まで座り込めば打ち込みの時の疲れと痛みが一気に引いていくようで気持ちいい。だけど僕に続いて横に浸かったガロの気配がなんだか重い。
「キオ。」
「う、ひゃい!?」
重い雰囲気のまま呼ばれたからすごく素っ頓狂な返事をしちゃって、かるく笑われる。それで重い雰囲気が消えたかなってガロのほうを見てみたら、目がぎらついていた。
「ゆっくり使ってしっかり疲れ落とせよ?」
「う、うん。」
副音声でこの後またどっと疲れるだろうからといわれた気がした。いや、多分そういう意味なんだろう。そんなことを言われて気を休めてのんびりつかれるほど僕は図太くはない。
それでもお湯の温かさが僕の体をほぐしてくれる。あと入浴剤のにおいだろうけど、ほのかな緑の香りも疲れを癒してくれる。いつものかけ流しもいいけど、入浴剤を入れたら一段といい。もっと使ってほしいくらいだけど、かけ流しにするとなるとさすがに入浴剤はもったいないんだろう。
気持ちいいんだけど、ガロの気配は変わらないままなんだよね。入浴剤入りのお風呂を満喫するように体を思い切り伸ばすことはできない。こんなんでほんとに体が休まるんだろうかと不安になるけど、確実に痛みと疲れは引いてるのを感じてしまう。
「どうだ、疲れが落ちるだろ?そういう成分が入ってるらしいぞ。」
「へー、そうなんだ。」
そこらへんは元の世界の入浴剤と同じなんだなと思ったけど、成分そのものが違う可能性がある。薬草とか癒し草みたいなのが入ってたりして。
ちょっとそういう気楽な会話はあったけど、浸かり続けてる間ガロのほうを向くことはできなかった。逆にガロはお風呂上りでずっと見ていたんだと思う。視線を感じ続けてたし。
「よし、あがるか。」
「う、うん。」
あがりたくはなかったけど、これ以上使ってたら湯あたりしてふやけきっちゃいそうだったし、何よりガロの短い言葉がまだ入っていたいといわせないといっているように聞こえてしまった。
このまま寝室に行くのかと体をちょっとこわばらせながら、風呂上がりの全身ドライヤーして、体をふいて、服を着てとしたけど、服を着ることを止められなかったからそのままってわけじゃないのかな?
リビングに出るといつもご飯食べてる場所にどっとガロが座る。なんというか、不機嫌そうに感じる。僕、なんか変なことしちゃった?それともビャクラクさん関連?
「まだ夕飯には全然早いが、先に作っといた方がいいだろうと思ってな。」
「え?」
「ポーチに入れておけば冷めたりはしないが、瓶箱に入るもので、手のまま食えて、汚しにくいものがいいだろうな。」
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