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第1章 異世界転生
第2話
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オレの名は山中 鈴也。ライトノベルの作家を目指していた49歳、いわゆるアラフィフだった。
生まれつき心臓疾患があったのだが、激しい運動は控えれば普通に生活するには不自由は無かった。
小学校のある日、同級生達は当時プロ野球やプロレスブームだった為か、猫も杓子も野球をしていた。
ファミコンすらない時代だったので見守る事しか出来ない。俺は、健康になりたい!と5円玉を握りしめて近くのお寺にお参りに行くと境内の裏から竹刀で打ち合う音が聞こえてきた。
興味本位で道場を覗いてみると『篭手!メーン!!』とお坊さん同士が竹刀を打ち合う姿が目に入った。
昭和40年代後半生まれの俺にとって、赤〇鈴之助、仮面の忍者〇影、時代劇などが当時流行っていて興味もあったので食い入るように見ていると「お主。何をしておる。興味があるのか?」と、突然声を掛けられ「ひえっ!」と素っ頓狂な声を出して同時に心拍数が上がる。
「坊主どうした。どうした顔色が!!」
俺はその場で胸を押さえて蹲った。慌ててお坊さんが救急車を呼んでくれたので幸い命に別条はなかったが、このノミの心臓が恨めしいと思った記憶がある。いやメンタルの問題か。
そんな縁があってか、俺はここで我儘を言う。「体力と精神力を付ける為に剣道を習いたい」と。
両親、和尚さん、主治医に許可を得て剣道を習う事となった。とは言っても竹刀を振ったりする程度の軽い運動からのスタートだった。
そからもサッカー、バスケ、ラグビーとアニメやドラマが流行る旅に色々なブームが起こっては沈静化して行ったが流される事なく体と精神を鍛え上げた。
そんな経緯もあり、激しいトレーニングがある中高の部活には入らなかったものの修練に励み、成人する時には体力、筋力も人並みとなった。
それからも優しい両親の元で育ち大学を卒業して、そこそこ名の通った会社に就職をした。
だが、関西淡路大震災、バブルの崩壊やリーマンショックと、世の中の景気が悪化。追い討ちをかけるように生まれ育った地元で東日本大震災が起こりこの時に優しかった両親を失った。
オレは運良く生き残ったが、あの時両親と一緒にいれば、もしかしたら助けることができたのではないか、との後悔もあって今でも小さくないトラウマを抱えている。
加えて就職した会社が持っていた震源地の近くの大きな工場は崩壊。復旧のため莫大な負債を抱え、ついには手形の不渡りを出してしまう。
その後会社は、事業を縮小しながらも何とか生きながらえたが、突如襲った景気の悪化に回復の兆しを見せていた業績も急激に冷え込んだ。
そして昨年の冬に更なる事業縮小の一貫で早期退職者の募集があって、上司との面談があった。
「君は未だ独身だ。それにワシ等みたいにバブル組に比べたらまだ若い。家のローンを抱えた妻帯者の事を思って、早期退職を考えてみてはくれないだろうか?」
え?待ってくれ。オレが独身なのは持病である心臓病を患っていたからだ。剣道と合気道で、ある程度体力はついたものの、いつも胸にはニトログリセリンを持ち歩いているぐらい深刻だったんだぞ。知ってるよな?
単純に持病を抱えた上に不安定な世情の中、結婚をして家庭を持つのは困難だろうと慎重になり過ぎて諦めただけだ。お気楽な独身扱いされるのは心外だ。
自己評価は苦手なので自分の容姿などには触れないが、決してモテなかった訳では無い。いいか?結婚しなかったのはモテなかったんじゃ無くて自らの意思だ。わかる?って誰にたいして釈明してんだよオレは。
恋愛に関してはトラウマを抱えてるしな…
まぁとにかくだ、結婚願望が無くなっていったのは病気の事だけではなく、自分に自信が無かったこともある。
他界してしまっていた両親に、孫を抱かせてあげられなかったことは、今でも胸が締め付けられる思いだし…
とまあオレの意思はそうだったんだけど、やはり上司からみれば身軽な独身に押し付けたいのだろう。
また直接肩を叩かれてしまうと断ったときに会社に居づらくなると思ったのと、退職金割り増しの条件が良かったこともあって勢いで退職をしてしまった。
勢い、とは言ったけど蓄えはそれなりにあったので、当初から老後の身の振り方については色々と考えていた。
人生を舐めプするのは流石にマズいと思ってはいたが、世の中の不景気は自分が想像した以上に酷いことになっていた。オレもハローワークに通ってはいたが中々採用には至らなかった。
来る日も来る日も、朝5時半に家を出て満員電車に揺られて過ごした日々を思い出す。夢にまで見た無職。最高じゃないか。今は何も考えずに楽しもう。今まで無理をしてがんばった自分へのご褒美だ。
その時はそう思った…
それに無職になって初めて自分が社畜だったんだと思い知る。養う家族もいなければ趣味もない。逆に言えば貯金は結構あるし時間については言わずもがな。しばらくの間ダラダラと好きなことをする時間ができた。うん。前向きだ。
それからは、暇さえあれば漫喫に行き、子供の頃に読んだ漫画を読みまくり、自宅に戻ると、暇なのでケーブルテレビのアニメチャンネルやネットストリームやらを見始めた。
あの時は、最近は異世界物が流行っているんだとぐらいにしか思わなかった。まぁ、漫画やアニメをチョイスした時点で、根っこの部分はオタクなのかもしれない…
が、しかし、見てみるとこれが何気に面白い。続きが気になったのでネットで調べてみると、どうやらネット小説と言うジャンルが巷では流行っているようだった。
オレの青春時代とは違い、作家の敷居が低くなって人に読んでもらう機会を簡単に得られるようだ。その反面作品が溢れていて本当の意味で人気作家になるのは至難の業らしい。
それでも面白い話はいくつもあったのでネット小説にはまる。とにかく読みまくっていると、なぜだか自分も書いてみようと思うようになった。
風呂場で倒れる前に見たような夢を幼少の頃からちょいちょい見る。その話の内容を脚色して書いてみようか…そんな思いつきで、ほんの数日前に書き始めたの切っ掛けだ。
ちなみに、書き始めた小説のタイトルは【ラノベ作家 異世界に転生する】で、内容は自分の書いた世界に転生をすると言う単純な物語だ。
今現実で起こっている事がそのままなら、あまりにも出来すぎている。がしかし、小説を完結まで書き終えた訳でもなく書きかけである。主人公もさっき死んじゃった。これどうすんのよ!!
そうは思うが、赤ん坊のこの体では何も出来ない。
そうこうしていると眠くなってきたので目を閉じると寝むくなる。赤ん坊の身体だ。仕方無い。そう思っていると意識が飛んだ。
生まれつき心臓疾患があったのだが、激しい運動は控えれば普通に生活するには不自由は無かった。
小学校のある日、同級生達は当時プロ野球やプロレスブームだった為か、猫も杓子も野球をしていた。
ファミコンすらない時代だったので見守る事しか出来ない。俺は、健康になりたい!と5円玉を握りしめて近くのお寺にお参りに行くと境内の裏から竹刀で打ち合う音が聞こえてきた。
興味本位で道場を覗いてみると『篭手!メーン!!』とお坊さん同士が竹刀を打ち合う姿が目に入った。
昭和40年代後半生まれの俺にとって、赤〇鈴之助、仮面の忍者〇影、時代劇などが当時流行っていて興味もあったので食い入るように見ていると「お主。何をしておる。興味があるのか?」と、突然声を掛けられ「ひえっ!」と素っ頓狂な声を出して同時に心拍数が上がる。
「坊主どうした。どうした顔色が!!」
俺はその場で胸を押さえて蹲った。慌ててお坊さんが救急車を呼んでくれたので幸い命に別条はなかったが、このノミの心臓が恨めしいと思った記憶がある。いやメンタルの問題か。
そんな縁があってか、俺はここで我儘を言う。「体力と精神力を付ける為に剣道を習いたい」と。
両親、和尚さん、主治医に許可を得て剣道を習う事となった。とは言っても竹刀を振ったりする程度の軽い運動からのスタートだった。
そからもサッカー、バスケ、ラグビーとアニメやドラマが流行る旅に色々なブームが起こっては沈静化して行ったが流される事なく体と精神を鍛え上げた。
そんな経緯もあり、激しいトレーニングがある中高の部活には入らなかったものの修練に励み、成人する時には体力、筋力も人並みとなった。
それからも優しい両親の元で育ち大学を卒業して、そこそこ名の通った会社に就職をした。
だが、関西淡路大震災、バブルの崩壊やリーマンショックと、世の中の景気が悪化。追い討ちをかけるように生まれ育った地元で東日本大震災が起こりこの時に優しかった両親を失った。
オレは運良く生き残ったが、あの時両親と一緒にいれば、もしかしたら助けることができたのではないか、との後悔もあって今でも小さくないトラウマを抱えている。
加えて就職した会社が持っていた震源地の近くの大きな工場は崩壊。復旧のため莫大な負債を抱え、ついには手形の不渡りを出してしまう。
その後会社は、事業を縮小しながらも何とか生きながらえたが、突如襲った景気の悪化に回復の兆しを見せていた業績も急激に冷え込んだ。
そして昨年の冬に更なる事業縮小の一貫で早期退職者の募集があって、上司との面談があった。
「君は未だ独身だ。それにワシ等みたいにバブル組に比べたらまだ若い。家のローンを抱えた妻帯者の事を思って、早期退職を考えてみてはくれないだろうか?」
え?待ってくれ。オレが独身なのは持病である心臓病を患っていたからだ。剣道と合気道で、ある程度体力はついたものの、いつも胸にはニトログリセリンを持ち歩いているぐらい深刻だったんだぞ。知ってるよな?
単純に持病を抱えた上に不安定な世情の中、結婚をして家庭を持つのは困難だろうと慎重になり過ぎて諦めただけだ。お気楽な独身扱いされるのは心外だ。
自己評価は苦手なので自分の容姿などには触れないが、決してモテなかった訳では無い。いいか?結婚しなかったのはモテなかったんじゃ無くて自らの意思だ。わかる?って誰にたいして釈明してんだよオレは。
恋愛に関してはトラウマを抱えてるしな…
まぁとにかくだ、結婚願望が無くなっていったのは病気の事だけではなく、自分に自信が無かったこともある。
他界してしまっていた両親に、孫を抱かせてあげられなかったことは、今でも胸が締め付けられる思いだし…
とまあオレの意思はそうだったんだけど、やはり上司からみれば身軽な独身に押し付けたいのだろう。
また直接肩を叩かれてしまうと断ったときに会社に居づらくなると思ったのと、退職金割り増しの条件が良かったこともあって勢いで退職をしてしまった。
勢い、とは言ったけど蓄えはそれなりにあったので、当初から老後の身の振り方については色々と考えていた。
人生を舐めプするのは流石にマズいと思ってはいたが、世の中の不景気は自分が想像した以上に酷いことになっていた。オレもハローワークに通ってはいたが中々採用には至らなかった。
来る日も来る日も、朝5時半に家を出て満員電車に揺られて過ごした日々を思い出す。夢にまで見た無職。最高じゃないか。今は何も考えずに楽しもう。今まで無理をしてがんばった自分へのご褒美だ。
その時はそう思った…
それに無職になって初めて自分が社畜だったんだと思い知る。養う家族もいなければ趣味もない。逆に言えば貯金は結構あるし時間については言わずもがな。しばらくの間ダラダラと好きなことをする時間ができた。うん。前向きだ。
それからは、暇さえあれば漫喫に行き、子供の頃に読んだ漫画を読みまくり、自宅に戻ると、暇なのでケーブルテレビのアニメチャンネルやネットストリームやらを見始めた。
あの時は、最近は異世界物が流行っているんだとぐらいにしか思わなかった。まぁ、漫画やアニメをチョイスした時点で、根っこの部分はオタクなのかもしれない…
が、しかし、見てみるとこれが何気に面白い。続きが気になったのでネットで調べてみると、どうやらネット小説と言うジャンルが巷では流行っているようだった。
オレの青春時代とは違い、作家の敷居が低くなって人に読んでもらう機会を簡単に得られるようだ。その反面作品が溢れていて本当の意味で人気作家になるのは至難の業らしい。
それでも面白い話はいくつもあったのでネット小説にはまる。とにかく読みまくっていると、なぜだか自分も書いてみようと思うようになった。
風呂場で倒れる前に見たような夢を幼少の頃からちょいちょい見る。その話の内容を脚色して書いてみようか…そんな思いつきで、ほんの数日前に書き始めたの切っ掛けだ。
ちなみに、書き始めた小説のタイトルは【ラノベ作家 異世界に転生する】で、内容は自分の書いた世界に転生をすると言う単純な物語だ。
今現実で起こっている事がそのままなら、あまりにも出来すぎている。がしかし、小説を完結まで書き終えた訳でもなく書きかけである。主人公もさっき死んじゃった。これどうすんのよ!!
そうは思うが、赤ん坊のこの体では何も出来ない。
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