じゃじゃ馬令嬢とむっつり軍人の攻防明治記~お前の言いなりに誰がなるものか!!~

江村 歩々里

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最悪の許婚 2

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「っつ・・・・・・んっ・・・・・・やめろ!!」




膝の上に乗せ向き合うように桜子を抱きかかえた明仁は、開はだけた着物の隙間から桜子の胸に顔を埋ずめていた。

まだ幼さの残る乳房を揉みしごきながら、小さく頭を上げている胸の突起に舌を這わす。

熱を帯びた明仁の舌が這う度に、桜子の口から卑猥な声が漏れた。




「ふっ・・・・・・んぅ・・・・・・そんな所を吸っても私から乳などでぬ!!」




男女の営みの事など何も知らない桜子は明人がなぜ執拗に胸の突起に舌を這わすのか理解出来なかった。

顔を埋ずめられているだけでも羞恥で顔から火が出そうなのに、そんな桜子を嘲笑うかのように明仁の舌は固く尖った突起をさらに吸い上げていく。

明仁の舌が艶めかしく胸や首筋を這う度にゾクゾクとした疼きが走り身体が熱を帯びていく。




「君は私が乳のみ子に見えるのか?」




馬鹿にしたように失笑を浮かべる明仁に、桜子は漏れそうな喘ぎ声をなんとか押し殺し言葉を放つ。




「だったらなぜお前はそんな所を吸うんだ!いい加減にしろ!!これ以上私を辱めるような事は許っ・・・ひゃぁんっ、」




口膣のなかで舐められていた突起が咎めるかのように甘く噛まれ、思わず桜子の口から小さな悲鳴が零れる。

そんな桜子の声を聞き、口に含んでいないもう片方の先端をも明仁は指で弄りだす。




「あっ、嫌だ!!やだ!・・・・・・んぅ、痛い・・・・・・ぁっ、んぅ、強く掴むなぁ」




「女のここを吸うのは何も赤子が乳を呑むときだけではない。こうして女が気をやるときにもここを弄るものだ。指で弄られるより吸われた時の方がいい反応をするな。咥えられる方が好きと見える」




桜子の胸元から視線を上げた明仁は意地の悪い笑みを浮かべる。




「ふぅ・・・・・・ん・・・・・・好きじゃない」




あまりの痴態に何とか逃れようとするも、押し寄せる快楽に意識が朦朧としはじめる。

そんな中、後ろ手を強く引かれ倒れそうになった桜子は四肢に力を入れ何とか踏みとどまる。

下手に力を入れたせいで仰け反るような体制になった桜子は、自身の胸を明人に押し付けるような体制に思わず顔を背ける。




「力を抜け。そうすれば今以上に大きな快楽を得ることができる。どうせなら君も楽しめた方がいいだろ」




明仁の声が肌をかするだけで桜子の身体が小さく反応する。

そんな身体の変化に桜子は息を呑む。

このままではあられもない姿を晒してしまいそうで、それだけは避けたかった。




「こんな・・・・・・、こんな悍ましい行為など楽しめるはずがないだろう!!私に触れるな!!この気違い!!」




辛うじて残っている矜持を奮い立たせ、明仁に抗う。




「素直なのは体だけか?やはり君は少し従順になるべきだな」




桜子の胸元から顔を上げた明仁の眼には先ほどと打って変わって、獰猛さを孕んだ眼には静かに怒りの色が浮かんでいた。

そんな眼差しで射抜かれた桜子は恐怖のあまり無意識のうちに視線を逸らす。




「っつ・・・・・・、そんな眼で見るな!もとはと言えば思えが悪いんじゃないか!!」




それでも頑なに強気な姿勢を崩そうとしない桜子に明仁が小さな溜息を吐く。

明仁は無言で桜子を自身の膝の上から降ろし、床へと宛がう。

快楽から離れ少し冷静さを取り戻した桜子は、何とか拘束を解こうと腕を動かすも、きつく縛られたサーベルは手に食い込むばかりである。




「こんなことをして、多々ですむと思うな。お前など、直ぐに父上が処罰するに決まっている!!」




着物が開けたまま、膝立ちで床に立たされた桜子は射殺しそうなほど怒気を孕んだ瞳で明仁に侮蔑を向ける。

少しでもこんな男に屈してしまった自分が許せなった。

激しい憤りが桜子を奮い立たせる。

黒革のソファに背を預け桜子を見下ろしていた明人は面白そうなものを見るかのように目を細めた。

まるで問いかけるかのように明仁の口から言葉が投げかけられる。




「なぜ私がここにいるか分かるか?君の父上に許しを得ているからだ。滞在中に君に何をしてもかまわないというお墨付きでな。」




「そんなの嘘だ!!父上がお前のような者を認める理由がなかろう!!でたらめを言うな!!!!」




明仁の言葉に桜子が大きく反論する。

母親がいない桜子を再婚もせず男手一つで育ててきた敏正は誰が見ても分かるほど桜子を溺愛していた。

そんな彼が簡単に娘を手放すわけがないと何も知らない者なら思うかもしれない。

桜子にとっても敏正は心から尊敬し最も慕っている自慢の父親である。

いくら家のためとはいえ、桜子が本当に嫌がるのなら、この縁談だってきっと無かったことにしてくれる。そんな娘に甘い父親が桜子の中の敏正である。だからこそ、明仁の言葉が嘘のように思えたし、何よりも敏正がまるで娘を見捨てたかのような物言いが許せなかった。




「君はもう少し賢いと思っていたんだがな・・・・・・」




どこか、失望したような含みを孕んだ明人の声に桜子が叫ぶ。




「お前のような頭のイかれた男の言う事など誰が信じるものか!」




「私のどこがイかれているというんだ?」




「全部だ!!」




許嫁だろうと婚約者であろうと式を挙げる前に淫らに身体に触れるなど桜子には理解しがたかった。夜伽の知識がないからといって、今ほどされた行為が人様に決して言えないものであることは桜子にも必然と理解ができた。

この場から一刻も早く立ち去りたい桜子は無意識に扉へと視線を向ける。

その瞬間、顎を掴まれ明仁の方へと視線を戻される。




「どこを見ている。まだ何も終わっていない。君には主君への奉仕を覚えてもらう。そうすれば少しはその生意気な態度も改まるだろう。」




桜子の眼を覗き込み、真っ直ぐに見つめてくる昭仁に思わず生唾を呑みこむ。

嫌な予感がした。

何度目か分からな冷や汗が桜子の背中を流れる中、明仁は穿いていた軍服のズボンを寛げ、そそり立った自身の肉棒を桜子の前へと引き摺り出す。




「舐めろ」




淡々と放つ明仁に桜子は目を見開き思わず固まる。

明仁のそれはあまりにも雄々しく、先端から漏れ出る透明な液体がさらにそれを卑猥に引き立てていた。

男の肉棒など見たことがない桜子はその異様な光景に思わず顔がこわばる。




「ああ、初めてだったな。手は使えないから仕方がない。口に入れて扱け。」




この男は何を言っているのだろうか?口に含む?扱く?そんなこと出来るわけがない。

こんな悍ましいものを自身の口に入れるなど、想像も出来ない桜子は無意識のうちに後ずさる。

そんな桜子の頭を掴み、明仁は強引に肉棒へと宛がう。




「舐めろと言ったら舐めろ。同じことを何度も言わせるな。」




ツンと鼻につく青臭い臭いに、桜子は堪らず顔を背ける。




「嫌だ。こんな・・・・・・、絶対に嫌だ。その悍ましいものを早くしまえ!!」




頑なに拒む姿にに痺れを切らした明仁は桜子の小さな鼻を摘まむ。




「なっ!!・・・・・・・んぅぅ」




鼻を掴まれ、驚きで思わず開いた桜子の小さな口に明仁は容赦なく肉棒を押し入れた。

あまりの出来事に桜子は口を閉じかけるが、あまりの質量に開いた口を塞ぐことが出来ない。

口の中に何とも言えない嫌な味が広がる。




「口に含んだだけでは終わらんぞ。唇を窄すぼめて扱すいてみろ。」




戸惑っている桜子に明仁は淡々と言い放つ。

少しでも中に入っている肉棒を押し出そうと桜子は舌を使い、それを押しやる。




「私は女にココを吸われるのが一統好きでな。君にはこれから覚えてもらう。私の妻になるのだからな・・・・・・・・・・・・下手だな。そうじゃない。もっと舌を使え。竿の裏まで丹寧に舐めろ、ああ、そうだ、その調子だ。」




辛うじて残されていた桜子の矜持はもう残ってはいなかった。

意味も分からず無遠慮に口に押し込まれた肉棒の竿や裏筋に言われたとおりに舌を這わせ吸い上げる。

嗚咽が漏れそうなほどに質量を増した塊に、苦しさと自身の不甲斐無さに桜子の眼に生理的な涙が浮かぶ。




「先ほどまでの威勢が嘘のようだな。そんなにこれが気に入ったか?」




侮辱めいた言葉に桜子の口から濁った声が漏れる。




(もう嫌だ!なぜ私がこんな目に合わねばならぬのだ!!絶対に許さぬ。)




桜子の頭を掴み、上下に扱う明仁の動きが激しさを増す。

それからしばらく、明仁のそそり立った肉棒が桜子の口の中で果てた。

思わず口を放した桜子の胸元に受け止めきれなかった白い吐濁が卑猥にかかる。

呆然とする桜子とは裏腹に、明仁は意地の悪い笑みを浮かべる。




「明日から、私がこの屋敷にいる間は君を調教するとしよう。もちろん、私への奉仕も覚えてもらう。今すぐ仕込みたいのが本音だが、私はこの後軍に顔を出さねばならん。君にかまっている時間がない。」




何事もなかったように身なりを整えていく明仁を視線で追う。




「君も身なりを整えたらどうだ。いつまでもそうしているつもりか?私の匂いをつけときたいというなら話は別だがな。」




「・・・・・・っつ、誰が!この腕を早く解け!!」




捲し立てる桜子の腕からサーベルが解かれる。

何度も解こうと抗ったせいか、細腕にはくっきりとした赤い痕が残っていた。







「無駄に暴れなければこんな傷を作らずに済んだ。人の命を聞かないからだ」







桜子の腕に手を這わせ、痕を確認するかのように赤く擦れた場所を撫でる明仁の手を振り払う。

そのまま勢いよく、桜子の手は弧を描き明仁の頬へと向かう。

パァンと室内に響き渡る音がした後、その衝撃に驚き目を見開いている明仁には目もくれず桜子は扉へと駆け寄る。




「この知れ者!!お前の顔など二度と見るものか!!」




開けた着物の前を手繰り寄せ勢いのままに桜子は書斎から飛び出る。

そんな桜子の姿に不敵な笑みを浮かべ明仁は静かに見送った。

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