俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

第21話 幼馴染、愛の試み、さらなる一歩

勇者パーティの苦境は、ついにアレンとマリアの耳にも届いた。

アレンとマリアが王国からの依頼を完了し、ダンジョン攻略を終えて洞窟から出てきたその時、洞窟の外には王国の使者が待ち構えていた。

使者は丁寧に一礼すると、アレンたちに手紙を差し出した。

「アレン様、マリア様。エルヴィン国王よりお伝えするようにとのことです」

アレンは一瞬だけ戸惑ったが、礼を言って手紙を受け取る。

手紙を開き、マリアと共に読み進めると、エルヴィン国王の配慮に満ちた言葉が綴られていた。

「アレン殿、まずお伝えすべきことがあります。これをお読みのあなたにお願いすることには、私も心苦しく思っております。あなたを追放した勇者パーティのことですから、決して前向きな気持ちにはなれないでしょう。しかし、ラヴィリス王国の人々は今、深い絶望の中にあり、彼らも、そして国のためにも、どうにかしてあなたの助けが必要です。彼らの窮状に耳を傾けていただければ幸いです。魔界の貴族ヴァルファルガは、決して容易に打ち勝てる相手ではありません。……ご無理を承知でお願いすることが、誠に申し訳なく思いますが、あなたの力があれば希望を取り戻せるかもしれません」

手紙を読み終えると、マリアが少し眉をひそめて、アレンの横顔を見つめた。

「アレン……どうする？勇者パーティのために戻る気持ちがある？」

アレンは少し黙ってから、深呼吸をして答えた。

「気は進まないけど、今こうしている俺は、ただ過去に囚われているだけじゃない。だから、力になれるなら、力を尽くしてみよう」

マリアもまた、小さく頷いた。

「私も一緒よ。きっとアレンの強さがあれば、ヴァルファルガにも勝機が見えるはず」

だが、二人の視線の先には、まだ越えなければならない壁があった。

ヴァルファルガはレベル21、今の彼らの力では到底及ばない。

アレンは自分が14、そしてマリアが8であることを思い浮かべ、ふと剣の柄を見つめる。

「ただ真っ向から戦えば、俺たちもやられるだけだ」と、アレンは深刻な表情で言った。

「もっと効果的な戦い方を見つける必要がある」

マリアも頷き、アレンの提案に耳を傾けた。

「それなら……もう少し森の奥へ行って、二人だけになりましょう」

二人は静かに森の奥深くへと進み、緑の木々に囲まれた誰もいない静かな場所で立ち止まった。

木漏れ日が差し込むその場所で、アレンとマリアは顔を見合わせた。

アレンはしばらく黙った後、決意を込めてマリアに顔を向けた。

「マリア……『性行為』スキルを使うので、キスをさせてほしい」

マリアはすぐに穏やかに微笑んで頷いた。

「もちろんよ、アレン」

二人は静かに顔を近づけ、深く濃厚なキスを交わした。

唇が触れ合う瞬間、互いの温もりと心の鼓動が重なり合い、まるで全てが一体になるような感覚に包まれた。

二人の間にある絆がさらに強まることを感じながら、アレンは少しずつ力が湧いてくるのを感じた。

しかし、キスが終わり、ふとステータスを確認すると、経験値は多少上がったものの、予想していたほどの戦力アップにはならなかった。

マリアはアレンの肩に手を置き、真剣な瞳で見つめた。

「アレン、もっと刺激的なことが必要なのよ。たとえば、私のスカートの中を見るとか……どうかしら？」

その言葉に、アレンは目を見開き、驚きのあまり思わず後ずさった。

「いや、それはちょっと……」

マリアは、ため息をつきながら微笑み、少し小首をかしげた。

「アレン、決意が必要よ。今のままじゃヴァルファルガに勝てないんだから」

アレンは一瞬視線を逸らし、顔を赤らめたまま考え込む。

しかし、マリアの言葉には真剣さがにじんでいた。

マリアの覚悟を感じ、アレンは意を決してマリアの提案を受け入れるべきか、胸の内で自分を奮い立たせ始めた。