俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。

聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。

「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」

イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。

「……どうしたんだ、イリス?」

アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。

だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。

そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。

「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」

女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
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