奴隷と呼ばれた俺、追放先で無双する

第84話 幼馴染の挑戦、魔王の刺客との死闘

国民と兵士たちは感謝の気持ちを胸に
アーサー王のもとへ集まり
アレクシアに見守られながら森の中を離れていった。



ゼフィルは
アレクシアの言葉に激昂し
鋭い声で叫んだ。




「逃すわけがないだろう！」


ゼフィルの瞳には憎悪の炎が宿り
瞬時にアーサー王へと向かって襲いかかった。






その瞬間
アレクシアは素早く動いた。




「させない！」


彼女はアーサー王の前に飛び込み
ゼフィルの剣を自身の剣で受け止めた。




金属が激しくぶつかり合う音が響き
火花が散った。






「王を襲うつもりなら
まずは私を倒してからにしなさい！」


アレクシアはゼフィルを睨みつけながら
力強く剣を押し返した。




ゼフィルは冷たい笑みを浮かべながら
すぐさま体勢を立て直し
再びアレクシアに向かって剣を振り下ろした。






「ふん
貴様一人で私を止められると思うのか？」


ゼフィルの声には余裕があった。




ゼフィルは重力魔法を操りながら
次々と強力な斬撃を繰り出し
アレクシアを押し込もうとした。






だが
アレクシアは一歩も引かない。




アレクシアはゼフィルの攻撃を冷静に見極め
素早い剣技で次々と防いでいった。




二人の剣は激しくぶつかり合い
激戦が繰り広げられた。






「この程度で王国を脅かそうとするなんて
甘いわね！」


アレクシアは叫び
ゼフィルの一撃を弾き返しつつ
素早く反撃を仕掛けた。




アレクシアの剣はまるで光のように鋭く
ゼフィルの防御を打ち破ろうとする。






ゼフィルは一瞬だけ顔を歪めたが
すぐに重力を操ってアレクシアの
動きを鈍らせようと試みた。




「随分と生意気なことを言うな
小娘よ」




二人の戦いは激しさを増し
剣と魔法が火花を散らしながら互いにぶつかり合う。




その時


ゼフィルは薄暗い笑みを浮かべた。


ゼフィルの白銀の髪が風に揺れ
冷たい声が静寂を破った。




「ふふ
確かに
魔王ヴァルドス様の最重要任務の一つは
女勇者アレクシアを打ち取ることだった


そして
お前が自ら姿を現してくれたのは
まさに好都合かも知れん


きっと
魔王様もお喜びになる」


ゼフィルの目には冷酷な野心が燃えていた。


ゼフィルにとって
この戦いは単なる任務ではなく
魔王ヴァルドスに対する忠誠を示す
絶好の機会でもあった。



アレクシアを倒せば
その地位も上がる



ゼフィルは全てを賭けて
この瞬間に勝負を挑んでいた。




しかし
アレクシアはその言葉に怯むことなく
真っ直ぐにゼフィルを見据え
冷静に反論した。



「私、そう甘くはないわよ」




アレクシアの声は鋭く
揺るぎない自信が込められていた。



アレクシアの心には
王国を守るという強い使命感が燃え続けていた。




「あなたはここで私に倒されるのよ
ゼフィル」

アレクシアは再び剣を構え
戦いはさらに激しさを増していった。