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第33話 ヒロインたちの美の競演

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勇者パーティが崩壊してから1週間後


魔王ヴァルドスは自らの敵が本当は
勇者パーティではなく
ヴァレンティア王国にいることを知った。



その国には
自分にとって最も危険な存在が集まっていた。





女勇者アレクシアは
かつて勇者パーティを支えてきた存在であり
その力と意志は魔王にとって脅威であった。



そして
急激に成長を遂げた王女リリス。



彼女はただの王族ではなく
強力な魔導士へと変貌していた。



さらに
レオという謎めいた存在もいた。



かつて勇者パーティに追放され
奴隷にまで落とされた彼だが
人間界では英雄とされている。



だが
魔王ヴァルドスはその力を
まだ理解できていなかった。



『奴隷』だった者がそれほど強いはずはない
と高を括っていたのだ。





しかし
女勇者アレクシアの存在だけは
魔王にとって無視できないものだった。



アレクシアはただの勇者ではなく
その美しさも相まって
人間界にとって希望の象徴となっている



魔王にとって
どうしても始末しなければならない
脅威そのものだった



彼女が生きている限り
魔王ヴァルドスの支配は完全なものにはならない。





魔王ヴァルドスは
ヴァレンティア王国周辺に断続的にモンスターを送り込み
彼らの戦力を慎重に分析していた。



幾度もの戦闘を観察した結果

女勇者アレクシアと魔導士リリスが
モンスターに大ダメージを与えることができる
強力な存在であることが明らかになった。



この2人は強力な魔法と戦闘能力でモンスターを
次々に撃退しており

特にリリスの成長は目を見張るものだった。





しかし
魔王は致命的な誤算を抱えていた。



それはレオの存在だった。


レオは
アレクシアやリリスに自信を持たせるため
意図的に自身の力を隠していたのだ。



レオは彼女たちが自身の実力で勝利を手にできるよう
むやみに本気を出すことなく
時には戦闘をあえてサポートするにとどめていた。





そのため
魔王はレオを単なる追放された『奴隷』
さほど強くない存在と誤解していた。



レオの真の力を見抜けなかった魔王ヴァルドスは
彼を脅威と見なすことができず


これが魔王軍の判断を一層混乱させることになった。



レオの優しさからくる余計な気配りが
結果として魔王軍の戦略に大きな誤りを
生じさせていたのだった。



一方その頃
レオたちは……




アレクシアとリリスは
レオの部屋にいた。



彼女たちは
レオのために料理を作ったり
洗濯をしたりと
忙しそうに動き回っていた。



レオは
その様子を少し驚いた目で見つめていた。



特にリリスの変貌ぶりには戸惑いを
隠せなかった。





リリスは
かつて王女として振る舞っていた頃
人を見下すような高笑いをし
他人を粗雑に扱っていた。



特にレオは奴隷という身分だったため
言葉遣いが非常に荒かった。



しかし
今はその姿は影も形もなく
レオに頭を下げ
言葉を慎重に選びながら会話をする姿が目立つ。



以前のような高慢な表情は見られず
感情を押し殺しているようにすら見えた。



それは
レオに対する自戒の念から来ているのだと
レオも理解し始めていた。





リリスは
自らの過去を償おうとして
露出が多い服装を選んでいた。




リリスはマイナスからのスタートだったため
レオに信頼してもらおうと命懸けで
努力していたのだ。




美しい姿でレオに仕えることが
彼女にとっての贖罪の一つだった。



しかし
それを見たアレクシアは明らかに不満げだった。



アレクシアにとって
リリスがレオの前で露出の多い服装をすることは
どうしても気に入らなかったのだ。



アレクシアは時折
リリスに冷ややかな視線を送りながら
心の中で葛藤を抱いていた。






アレクシアは
リリスをじっと見つめた後
少し険しい声で問いかけた。





「リリス様
戦闘のときの服なんだけど
以前はローブでしたよね?

なんで急にミニスカートになったのです?

それに
胸の谷間まで強調する必要があるのですか?

あなたは魔道士なんだから
そんなに露出する必要なんてないでしょ?」



リリスはアレクシアの言葉に一瞬反応を見せるも
無表情のまま冷静に答えた。



「レオ殿が喜んでいるのがわかるのですよ

私は
レオ殿への贖罪として
取り戻さなくてはならないものが多いのです


この服装も
その一環です」



アレクシアはその言葉に驚き
少し口をつぐんだが
明らかに不満を抱いている様子だった。



リリスの変わりようと
その理由に
アレクシアは理解し難い感情を抱いていたが
それ以上強く言うことはできなかった。






リリスは



「料理
早く運ばないと
冷めてしまいますよ」


その一言には感情のこもっていない冷静さがあり
リリスは淡々とした態度を崩さずに言い放った。





リリスの無表情と冷徹な言葉に
アレクシアは一瞬言葉を詰まらせたが
無言のまま料理を運び始めた。



リリスの落ち着いた態度が
アレクシアの中でさらに複雑な感情を呼び起こしていた。






リリスはレオの前で料理を置く時

意図的に胸の谷間を強調しながら動き
優雅に料理を並べていった。



レオはその仕草に緊張し
思わず視線を逸らしてしまった。



さらに
リリスは席に座るときも
レオに美しい脚をしっかり見せるように姿勢を整え
自然に彼の視線を誘導した。





アレクシアはその様子を横目で見ながら
内心で少し悔しさを感じていた。



女性として自分の体を美しく見せる方法については
リリスの方が圧倒的に優れていることを
彼女は認めざるを得なかった。



リリスの動きには洗練された美しさがあり
アレクシアはその余裕に少し戸惑いを覚えていた。




リリスは
肌の露出が多い服装をしていても
それをまるで気品の象徴であるかのように
見せる技術を持っていた。



その姿勢や動作のすべてが洗練されており
露出が多いにも関わらず
決して軽薄には見えない。



むしろ
その美しさと威厳が際立ち
王族としての存在感を強調していた。






アレクシアは
リリスの美しさを自然に見せる技術に感銘を受け
その技術をしっかりと吸収しようと決意を固めた。



リリスに対する悔しさを感じながらも
自分もまた美しく
気品を持ってレオの前に立つために


リリスの振る舞いから学び取ろうとしていた。



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