4 / 28
第一章 脆く崩れるものです
スライム、そして次兄に絡まれるようです
しおりを挟む
草やら葉やら体液やらで薄汚れた俺達は、正面玄関を通るのは憚られるということで、ぐるりと裏に回りキッチンへ行くことにした。
改めて歩くと、如何にこの屋敷が立派か分かる。外壁に目立つ汚れは一切無く、下草も綺麗に刈り込まれていて見苦しくない。庭師やメイド、執事達の真摯な働きの賜物だろう。十畳ワンルームの掃除に躍起になっていた俺から、素直に賛辞を贈りたい。
裏庭を通りかかると、ピンともヒュンとも聞こえる鋭い音に続けて、カッという軽い音が響いた。
――ボガードの弓音だ。チンピラ口調の割に、真面目に鍛錬するのかよ。
ハティを追いかけることに夢中になっていたが、今は朝食を終えた兄達が鍛錬を始める時間だと気が付き、辟易とする。しかし、ここまで来て引き返すのは徒労が過ぎるというもので、意を決して裏庭の脇、壁に沿うようにして通り抜けを図った。
足音を殺したとは言え、姿は見えている。抜き足差し足忍び足で行く俺達を見逃すほど、この家の人間の目は節穴ではなかった。
「おいおい、コソコソ壁際を這う輩が見えたと思えば、役立たずのマックじゃねえか。てっきり、ジャイアントコックローチが出たのかと思ったぜ」
裏庭の一角、藁束に木製の的を取り付けた案山子には、矢が幾つも突き立っている。次兄は嘲りの色を隠さず、鍛錬の手を止めてまで憎まれ口を叩いた。屋敷を囲う林を抜ける涼やかな風も、彼を経由するだけでじっとりと湿気を増す、そんな不快さがあった。
「鍛錬お疲れ様です、ボガード兄上。つまりは、この屋敷はジャイアントコックローチが出るほど掃除が行き届いていない、そう仰りたいわけですね。それは由々しき事態です。すぐに父上に注進しなければ。ちゃんと兄上からの報告だと伝えておきますから」
キュイジーヌ家の家門を誇る、貴族の中の貴族であるアダムが、屋敷の掃除が行き届いていないことを許すわけがない。だからこそここまでの道のりは整っていたわけだが、ボガードの発言は屋敷の汚さ、つまりは当主であるアダムの手腕に不出来の評を叩きつけるようなものだ。
彼もそこに思い至ったのだろう、途端に狼狽した様子で言葉を並べる。
「ちょ、ちょっと待てよ。報告は大丈夫だ。どうやら見間違えだったらしくてな。マックお前もそういう時あるだろ? な?」
日頃の陰険な薄ら笑いは鳴りを潜め、彼は頭を掻きながら必死に言い訳を取り繕う。焦りが滲み出た彼の表情に、胸のすく思いだ。
「優秀な兄上でも、そういった間違いをなさるのですね。勉強になりました」
俺の分かりやすい煽りを受け、ボガードのこめかみに青筋が浮く。
彼は劣勢を悟ったのであろう、切歯扼腕の情を湛えながらも、なんとか周囲に目を遣る。すると、俺の横にいるハティに目を止めた。
「何だお前は。薄汚ねぇ獣人がウチにいるとか、虫唾が走るんだよ」
自分が絶対的優位に立てる相手には態度を大きくするあたり、良くも悪くも小物の感がある。俺はハティと兄の視線が交錯しないように、二人の間に立つ。
「この子は俺の専属メイドになるハティです。こう見えて大変優秀でしてね」
「……こう見えて?」
背後のジト目を感じつつ、知らぬふりを突き通す。腰の辺りを指でつつかれるのが地味に痛いが、表情に出すことはしない。それは悪役貴族の振る舞いではないし、有体に言えば❝何かダサい❞。
「つい先ほど、二人で獲物を狩ってきたところでして」
俺がハティを手で示すと、彼女が両手に一匹ずつ掴んだスライムを掲げるように持ち上げる。なんだか小鼻を膨らませ、誇らしげだ。「スライム! 核、甘い!」ハティは楽しみで仕方ないという表情で尻尾を振っている。
そんな俺達の成果を見て、ボガードは愉快で堪らないというように顔をくしゃくしゃにする。
「スライム? そんなもん狩ってどうすんだ。ゼリーでも作んのかよ」
――ほう、スライムはゼラチンのような性質があるのか。
甘い香りの正体は核の香りだったらしい。ハティが木に叩きつけた際に潰れたのだろう。俺の倒したスライムは熱で死んだから、核も綺麗に残って透けて見えている。ゼラチンと砂糖が一緒になった生物なんて、途轍もなく有用ではないか。今後のスライムを見る目が変わってしまう。
「実はこれから俺も鍛錬でして。そろそろお暇致します」
これ以上言われるがままでいるのも馬鹿らしく、それに食材の鮮度が落ちてしまう。料理経験の無い次兄は、鮮度云々に気を揉むことが想像出来ないのだろう。眉を寄せている彼に背を向けて、キッチンへの途を急ぐことにした。
「鍛錬って、お前。そっちはキッチンじゃねぇか」
キッチンには商人が食材を直接納入に来るための裏口が設えてあるのだが、普段はなんでもないその木戸が、今の俺には夢の国のゲートのようにワクワクした物に感じられた。
「マック、料理何作る?」
戸を押し開き、脇の流しにスライムを並べると、ハティが俺に尋ねる。
「待て待て、まずは洗うところからだ」
地べたや樹上を跳ねるような魔物だ、恐らくかなり汚いだろう。料理人として、衛生には細心の注意を払わなければならない。
俺は引っかけていたガウンを脱ぎ去る。この時、一瞬静かに立ち尽くし、ハティが注目するのを薄目で確認したその後に、ゆっくりと腕を抜いた。バサッと大仰に翻すことで雰囲気を強調するのも忘れない。
――これぞ悪役貴族。これぞマック・キュイジーヌだろう。咬ませ犬キャラの動作一つ一つまで描かれないから知らないけど。
獣人メイドの呆れる視線を感じるが、自己陶酔が俺の悪役貴族ロールプレイを昂然と支える。
「我が従者よ! 時は来た! いざ、至極の美味を味わおうではないか!」
「それ変。似合わない。気持悪い」
ハティの情け容赦無い直球に、一瞬で熱が散らされる。
「はい……。それでは、今日のメニューは【ゼリー】と【野菜のテリーヌ】です……」
「いつできる? すぐ?」
もう我慢ならんという表情で食いしん坊が詰め寄る。あれだけ動いたというのに嫌な臭い一つさせず、むしろ太陽をいっぱいに浴びた草のような、爽やかな彼女の体臭にくらりとする。
「ちょっ、ちょっと離れるんだ! みっともないだろう!?」
頬の熱を隠すように彼女の体を押しのける。マック・キュイジーヌは、何を隠そう異性との交際経験が皆無なのである。そして前世の俺もそうだった。合算すれば三十有余年の女日照りに、急な降雨は毒だ。
そんな主人の動揺を意に介さず、ハティは不満で頬を膨らませて「いつ!? すぐ!?」と繰り返す。
「まぁ、だいたい……四時間後だな」
ハティはこの世の終わりのような虚無の表情を浮かべ、キッチンの床に崩れ落ちた。
改めて歩くと、如何にこの屋敷が立派か分かる。外壁に目立つ汚れは一切無く、下草も綺麗に刈り込まれていて見苦しくない。庭師やメイド、執事達の真摯な働きの賜物だろう。十畳ワンルームの掃除に躍起になっていた俺から、素直に賛辞を贈りたい。
裏庭を通りかかると、ピンともヒュンとも聞こえる鋭い音に続けて、カッという軽い音が響いた。
――ボガードの弓音だ。チンピラ口調の割に、真面目に鍛錬するのかよ。
ハティを追いかけることに夢中になっていたが、今は朝食を終えた兄達が鍛錬を始める時間だと気が付き、辟易とする。しかし、ここまで来て引き返すのは徒労が過ぎるというもので、意を決して裏庭の脇、壁に沿うようにして通り抜けを図った。
足音を殺したとは言え、姿は見えている。抜き足差し足忍び足で行く俺達を見逃すほど、この家の人間の目は節穴ではなかった。
「おいおい、コソコソ壁際を這う輩が見えたと思えば、役立たずのマックじゃねえか。てっきり、ジャイアントコックローチが出たのかと思ったぜ」
裏庭の一角、藁束に木製の的を取り付けた案山子には、矢が幾つも突き立っている。次兄は嘲りの色を隠さず、鍛錬の手を止めてまで憎まれ口を叩いた。屋敷を囲う林を抜ける涼やかな風も、彼を経由するだけでじっとりと湿気を増す、そんな不快さがあった。
「鍛錬お疲れ様です、ボガード兄上。つまりは、この屋敷はジャイアントコックローチが出るほど掃除が行き届いていない、そう仰りたいわけですね。それは由々しき事態です。すぐに父上に注進しなければ。ちゃんと兄上からの報告だと伝えておきますから」
キュイジーヌ家の家門を誇る、貴族の中の貴族であるアダムが、屋敷の掃除が行き届いていないことを許すわけがない。だからこそここまでの道のりは整っていたわけだが、ボガードの発言は屋敷の汚さ、つまりは当主であるアダムの手腕に不出来の評を叩きつけるようなものだ。
彼もそこに思い至ったのだろう、途端に狼狽した様子で言葉を並べる。
「ちょ、ちょっと待てよ。報告は大丈夫だ。どうやら見間違えだったらしくてな。マックお前もそういう時あるだろ? な?」
日頃の陰険な薄ら笑いは鳴りを潜め、彼は頭を掻きながら必死に言い訳を取り繕う。焦りが滲み出た彼の表情に、胸のすく思いだ。
「優秀な兄上でも、そういった間違いをなさるのですね。勉強になりました」
俺の分かりやすい煽りを受け、ボガードのこめかみに青筋が浮く。
彼は劣勢を悟ったのであろう、切歯扼腕の情を湛えながらも、なんとか周囲に目を遣る。すると、俺の横にいるハティに目を止めた。
「何だお前は。薄汚ねぇ獣人がウチにいるとか、虫唾が走るんだよ」
自分が絶対的優位に立てる相手には態度を大きくするあたり、良くも悪くも小物の感がある。俺はハティと兄の視線が交錯しないように、二人の間に立つ。
「この子は俺の専属メイドになるハティです。こう見えて大変優秀でしてね」
「……こう見えて?」
背後のジト目を感じつつ、知らぬふりを突き通す。腰の辺りを指でつつかれるのが地味に痛いが、表情に出すことはしない。それは悪役貴族の振る舞いではないし、有体に言えば❝何かダサい❞。
「つい先ほど、二人で獲物を狩ってきたところでして」
俺がハティを手で示すと、彼女が両手に一匹ずつ掴んだスライムを掲げるように持ち上げる。なんだか小鼻を膨らませ、誇らしげだ。「スライム! 核、甘い!」ハティは楽しみで仕方ないという表情で尻尾を振っている。
そんな俺達の成果を見て、ボガードは愉快で堪らないというように顔をくしゃくしゃにする。
「スライム? そんなもん狩ってどうすんだ。ゼリーでも作んのかよ」
――ほう、スライムはゼラチンのような性質があるのか。
甘い香りの正体は核の香りだったらしい。ハティが木に叩きつけた際に潰れたのだろう。俺の倒したスライムは熱で死んだから、核も綺麗に残って透けて見えている。ゼラチンと砂糖が一緒になった生物なんて、途轍もなく有用ではないか。今後のスライムを見る目が変わってしまう。
「実はこれから俺も鍛錬でして。そろそろお暇致します」
これ以上言われるがままでいるのも馬鹿らしく、それに食材の鮮度が落ちてしまう。料理経験の無い次兄は、鮮度云々に気を揉むことが想像出来ないのだろう。眉を寄せている彼に背を向けて、キッチンへの途を急ぐことにした。
「鍛錬って、お前。そっちはキッチンじゃねぇか」
キッチンには商人が食材を直接納入に来るための裏口が設えてあるのだが、普段はなんでもないその木戸が、今の俺には夢の国のゲートのようにワクワクした物に感じられた。
「マック、料理何作る?」
戸を押し開き、脇の流しにスライムを並べると、ハティが俺に尋ねる。
「待て待て、まずは洗うところからだ」
地べたや樹上を跳ねるような魔物だ、恐らくかなり汚いだろう。料理人として、衛生には細心の注意を払わなければならない。
俺は引っかけていたガウンを脱ぎ去る。この時、一瞬静かに立ち尽くし、ハティが注目するのを薄目で確認したその後に、ゆっくりと腕を抜いた。バサッと大仰に翻すことで雰囲気を強調するのも忘れない。
――これぞ悪役貴族。これぞマック・キュイジーヌだろう。咬ませ犬キャラの動作一つ一つまで描かれないから知らないけど。
獣人メイドの呆れる視線を感じるが、自己陶酔が俺の悪役貴族ロールプレイを昂然と支える。
「我が従者よ! 時は来た! いざ、至極の美味を味わおうではないか!」
「それ変。似合わない。気持悪い」
ハティの情け容赦無い直球に、一瞬で熱が散らされる。
「はい……。それでは、今日のメニューは【ゼリー】と【野菜のテリーヌ】です……」
「いつできる? すぐ?」
もう我慢ならんという表情で食いしん坊が詰め寄る。あれだけ動いたというのに嫌な臭い一つさせず、むしろ太陽をいっぱいに浴びた草のような、爽やかな彼女の体臭にくらりとする。
「ちょっ、ちょっと離れるんだ! みっともないだろう!?」
頬の熱を隠すように彼女の体を押しのける。マック・キュイジーヌは、何を隠そう異性との交際経験が皆無なのである。そして前世の俺もそうだった。合算すれば三十有余年の女日照りに、急な降雨は毒だ。
そんな主人の動揺を意に介さず、ハティは不満で頬を膨らませて「いつ!? すぐ!?」と繰り返す。
「まぁ、だいたい……四時間後だな」
ハティはこの世の終わりのような虚無の表情を浮かべ、キッチンの床に崩れ落ちた。
190
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる