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13話 明るい雰囲気と海に浮かぶ四つのスイカ
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「二人とも小学生なの?」
「いやー、ひさひざに泳ぐ海はいいねー。最高かよ!」
チャラすぎかよ。まあ、見た目からして、茶髪だしチャラくない訳ないか。
「相変わらず、葵の水着似合ってるね。」
僕は葵に微笑みながら言った。買い物の時にも言ったが、やはりシチュエーションが変わるだけで雰囲気もだいぶ変わる。
「ありがとう。翔太もかっこいいよ。」
「ありがとう。」
まるで社交辞令かのような会話なのは、同じ格好で同じ会話を既にしているからだった。
「葵ちゃんヤバいね……。結構魅力的な体してるわ……。」
「ちょっと、巧。私の葵ちゃんに色目使うのやめてくれる? 葵ちゃんも困ってるでしょ。」
「沙耶香が一番困らせてんだよ。葵がどの立ち位置取ればいいか分からなくなってるだろ。」
「えっ、そうだったの葵ちゃん!?」
「まっまあ、そうだね。」
何で沙耶香が気づかないんだよ。一番近くにいて、一番葵の表情が見やすい位置にいるのにさ。天然を通り越してもはやアホだよ。
「んじゃ、四人で遊ぶか?」
「つっても何して遊ぶんだ?」
「ビーチボールあるから遊ばない?」
「いいわねー! 葵ちゃんは準備がいいわね。」
沙耶香って何でこんなにキャラが多いんだろう。天然の時もあれば、委員長に口調が突然おばあちゃんになったり。キャラブレがすごいんだよね。
「それじゃあ行くわよ! それ!」
沙耶香と巧vs僕と葵。負けたほうが近くのスーパーまでメイドさんと行って食料品の買い出しをする。
雑用係をかけて僕ら四人は死闘を繰り広げた。結果は…………僕らの負け。二人の運動神経に手も足も出ず、ボロ負けだった。
分かってた事だけど、25対1って……。もうちょっとさ、面白い展開にするとか、手を抜くとか色々方法はあったでしょうに。
「やっぱりガチでやらないと面白くないのよ。」
「ああ。俺の辞書にはね、手加減って言葉が載ってないんだ。」
あー、腹立つな……。この煽りに言い返したいけど、いかんせん僕らの試合が酷すぎて言い返すこともできないんだよね。葵も頑張っていたようだけど、流石に運動してないから、運動部の二人には勝てないという事だったな。まあ、結果は初めから出ていたという訳だ。
夕方。そろそろ水着から洋服に着替える時間がやってきた。僕らの目線の先には沙耶香と葵が水辺で戯れていた。
「二人ともいいもの持ってるよなぁ。二人ともビキニで体のラインとか、二つのメロンの大きさとか。よくわかるねぇ。」
「お前、さっきから何言ってんだよ。」
「翔太、あの体見ても何も思わないのか? あの豊満な胸部にムチッとしたお尻、引き締まったお腹。あんな男のご褒美のような体つきを見れて、何も思わないのか?」
「まあな、もう見慣れたよ。」
バスタオル巻いたままお風呂場から出てきて、水飲んだりトイレ行ったりしてるから、その辺は何も思わないのかな。
「やっぱり翔太は枯れていたのか……。」
「何でそんな話になるんだよ。」
「だって、興奮とかしないんだろ? ああ、翔太は男として死んだんだ……。」
「やめろよ。勝手に殺すな。僕だって興奮はするぞ? でもな、やっぱりそういう事は抑えないと、同居人として駄目だろ?」
「まあ、そうだな。あー、良かった。まど翔太は興奮するのか。安心したぜ。」
何に安心してんだよ。僕だってそういう気は全然残ってるし、まだまだ衰え知らずだぞ。でも、やっぱり女性と同居している状態だからさ、変な気を起こさないように気をつけているんだ。そりゃ最初の頃なんて我慢するのが大変だったさ。
最近は少しずつ抑えられるようになってきたから、自分の抑止力に安堵しているよ。
「ん? 何が安心だって?」
「沙耶香、お前。聞いてたのか?」
「全然聞こえてなかってけど、翔太が葵の体を見て興奮するとかしないとかの話しか、聞いてないわよ?」
「十分聞こえてんじゃねーかよ!!」
「しょ、翔太。そうだったの? そんなに私の体に欲情してたの?」
「おいおい。やめてくれ。これからの同居生活が気まずくなるから!」
「いいんだよ翔太。いつでも私を抱いて?」
「良いわけあるか!! 恋人でもあるまいし。そういうのは、ちゃんとお付き合いしてからにしなさい!」
「翔太、あんた何偉そうなこと言ってんのよ。あんただって付き合ったことないくせに。」
沙耶香は僕を嘲笑うような目で見てきた。
「そうだよ。僕は付き合ったこともないし、そういう事だってしたことないよ。」
「あーあ、いじけちゃったよ。さっ、早く戻りましょ。これから気温が下がってくるから、風邪引くわよ。」
何勝手に話終わらせてんだよ。まあでも、陽も沈みそうだし、僕ら買い出しに行かなきゃいけないしね。早く済ませていくとしようか。
僕らは無邪気に笑いながら、階段を登り別荘に戻っていった。
「いやー、ひさひざに泳ぐ海はいいねー。最高かよ!」
チャラすぎかよ。まあ、見た目からして、茶髪だしチャラくない訳ないか。
「相変わらず、葵の水着似合ってるね。」
僕は葵に微笑みながら言った。買い物の時にも言ったが、やはりシチュエーションが変わるだけで雰囲気もだいぶ変わる。
「ありがとう。翔太もかっこいいよ。」
「ありがとう。」
まるで社交辞令かのような会話なのは、同じ格好で同じ会話を既にしているからだった。
「葵ちゃんヤバいね……。結構魅力的な体してるわ……。」
「ちょっと、巧。私の葵ちゃんに色目使うのやめてくれる? 葵ちゃんも困ってるでしょ。」
「沙耶香が一番困らせてんだよ。葵がどの立ち位置取ればいいか分からなくなってるだろ。」
「えっ、そうだったの葵ちゃん!?」
「まっまあ、そうだね。」
何で沙耶香が気づかないんだよ。一番近くにいて、一番葵の表情が見やすい位置にいるのにさ。天然を通り越してもはやアホだよ。
「んじゃ、四人で遊ぶか?」
「つっても何して遊ぶんだ?」
「ビーチボールあるから遊ばない?」
「いいわねー! 葵ちゃんは準備がいいわね。」
沙耶香って何でこんなにキャラが多いんだろう。天然の時もあれば、委員長に口調が突然おばあちゃんになったり。キャラブレがすごいんだよね。
「それじゃあ行くわよ! それ!」
沙耶香と巧vs僕と葵。負けたほうが近くのスーパーまでメイドさんと行って食料品の買い出しをする。
雑用係をかけて僕ら四人は死闘を繰り広げた。結果は…………僕らの負け。二人の運動神経に手も足も出ず、ボロ負けだった。
分かってた事だけど、25対1って……。もうちょっとさ、面白い展開にするとか、手を抜くとか色々方法はあったでしょうに。
「やっぱりガチでやらないと面白くないのよ。」
「ああ。俺の辞書にはね、手加減って言葉が載ってないんだ。」
あー、腹立つな……。この煽りに言い返したいけど、いかんせん僕らの試合が酷すぎて言い返すこともできないんだよね。葵も頑張っていたようだけど、流石に運動してないから、運動部の二人には勝てないという事だったな。まあ、結果は初めから出ていたという訳だ。
夕方。そろそろ水着から洋服に着替える時間がやってきた。僕らの目線の先には沙耶香と葵が水辺で戯れていた。
「二人ともいいもの持ってるよなぁ。二人ともビキニで体のラインとか、二つのメロンの大きさとか。よくわかるねぇ。」
「お前、さっきから何言ってんだよ。」
「翔太、あの体見ても何も思わないのか? あの豊満な胸部にムチッとしたお尻、引き締まったお腹。あんな男のご褒美のような体つきを見れて、何も思わないのか?」
「まあな、もう見慣れたよ。」
バスタオル巻いたままお風呂場から出てきて、水飲んだりトイレ行ったりしてるから、その辺は何も思わないのかな。
「やっぱり翔太は枯れていたのか……。」
「何でそんな話になるんだよ。」
「だって、興奮とかしないんだろ? ああ、翔太は男として死んだんだ……。」
「やめろよ。勝手に殺すな。僕だって興奮はするぞ? でもな、やっぱりそういう事は抑えないと、同居人として駄目だろ?」
「まあ、そうだな。あー、良かった。まど翔太は興奮するのか。安心したぜ。」
何に安心してんだよ。僕だってそういう気は全然残ってるし、まだまだ衰え知らずだぞ。でも、やっぱり女性と同居している状態だからさ、変な気を起こさないように気をつけているんだ。そりゃ最初の頃なんて我慢するのが大変だったさ。
最近は少しずつ抑えられるようになってきたから、自分の抑止力に安堵しているよ。
「ん? 何が安心だって?」
「沙耶香、お前。聞いてたのか?」
「全然聞こえてなかってけど、翔太が葵の体を見て興奮するとかしないとかの話しか、聞いてないわよ?」
「十分聞こえてんじゃねーかよ!!」
「しょ、翔太。そうだったの? そんなに私の体に欲情してたの?」
「おいおい。やめてくれ。これからの同居生活が気まずくなるから!」
「いいんだよ翔太。いつでも私を抱いて?」
「良いわけあるか!! 恋人でもあるまいし。そういうのは、ちゃんとお付き合いしてからにしなさい!」
「翔太、あんた何偉そうなこと言ってんのよ。あんただって付き合ったことないくせに。」
沙耶香は僕を嘲笑うような目で見てきた。
「そうだよ。僕は付き合ったこともないし、そういう事だってしたことないよ。」
「あーあ、いじけちゃったよ。さっ、早く戻りましょ。これから気温が下がってくるから、風邪引くわよ。」
何勝手に話終わらせてんだよ。まあでも、陽も沈みそうだし、僕ら買い出しに行かなきゃいけないしね。早く済ませていくとしようか。
僕らは無邪気に笑いながら、階段を登り別荘に戻っていった。
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