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第一章 中学2年
デート⚽ その一
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駿
僕は一ノ瀬駅で涼君と待ち合わせている。
僕は水色の地味なトレーナーとジーンズに靴だけは新品の白いスニーカー。
そういえばよそ行きの服なんて持ってないからね。
涼君はオシャレな格好。
赤いBROOKLYNと書いたキャップに緑のいっぱいアルファベットの文字が書いてあるオシャレなサマーセーター、薄茶色のカーゴパンツに赤黒の高そうなスニーカー。
そしてブルーのスポーツウォッチ。
うわあ…僕なんか地味で釣り合いが取れないよ。
「かっこいいね。涼君。」
「えっ…そうか?別に普段着だしなあ。
意識はしてないけど、まあ気にせずに行こうぜ!」
市営地下鉄で一ノ瀬駅から横浪繁華街まで直通で20分。
僕たちは電車に揺られている。
「その帽子。いつも被ってるの?かっこいいね。
あとスニーカーも。」
「ああ、これ帽子は従兄弟からのもらいもん。結構古いしな。
スニーカーは俺が単に靴好きだから。
従兄弟の家は叔母さんの代から古着屋をやってんだけど、あっ叔父さんは横浪市役所の公務員だけどな。
叔母さんは3年前に病気で亡くなっちゃったけど、あとを従兄弟の暁『あきら』が継いでやっているんだ。」
「あっそうだったの?ごめんね。」
「別に気にすんなよ。それになんか駿、元気無いなあ。
まさか体調悪い?」
「いやっ…違う違う。
涼君がかっこいいのに、僕の格好がこんなだから。
涼君に悪いかな?って。」
「えっ…そんな事気にする事なのか?
俺は駿といられるだけで楽しいんだがな『笑』」
「うん。そうだけどさ…。」
俯く僕を見ていた涼君は何かを閃いた顔をすると。
「そうだ!思い付いた!暁に頼んでみよう。」
ーーーーー
涼君が案内してくれたのは磯佐木モールと呼ばれる古くからあるらしい商店街。
涼君の知り合いの古着屋さんがあるらしい。
モール内の細い路地裏にお店はあった。
見た目は何かゴチャゴチャして見えるなあ。
入って見たら、あれっ!若い人向けのカジュアルファッションが多い。
中のうわっ!パンクロッカーみたいな怖い人がいる。
親しげに話している頭にバンダナを巻いたオシャレっぽい女性の方。
「よう。暁!」
涼君が声をかけるとバンダナの女性が振り向いて手を挙げた。
えっ…暁って女の人なの?
年は20代の半ばくらいかな?
「いらっしゃい涼。
おやおや友達かい。」
「おう!サッカー部仲間の駿。
そしてな!」
涼君は暁さんの耳元で何か囁いた。
すると暁さんは目を輝かせて。
「へえ!君が涼の彼氏かあ。
涼。すっごいイケメンな彼氏じゃないか!
いやあ…涼にはもったいないくらいだなあ『笑笑』」
「それはなんだよ!暁~!」
涼君は暁さんの二の腕をポカポカ殴るけど、あの…そこじゃなくて…あまり大っぴらに僕たちの事を…
僕は涼君にさりげに抗議すると、聞いていた暁さんはケラケラ笑いだし。
「大丈夫。私もビアンでさ。私の恋人も女性だからね。
涼が性に目覚めてから男が好きって私に悩み相談に来た事もあるしね。
だからこそ同性愛を恥じる事は無いさ。
私なんか街中でも平気でキスなどをしてるからね。
なあ、陣。『笑』」
陣と呼ばれた人は長髪を金髪に染めてバンダナ。
もう結構温かいのに、革ジャンを羽織っていた。
聞くと東京の新宿をベースに活動しているロッカーらしい。
年は20歳くらいかな?
「ああ…人が人を愛するのに性別なんか関係ねえよ。
うちのボーカルもゲイだけど、そんな事をバンドの仲間は気にもしねえ。」
「そう。だから君も胸を張って涼と付き合ってあげてよ。
あっ君の名前は?」
「駿です。梅林駿。」
「へえ、駿か。じゃあ私も駿と呼ぼう。
君も私を暁と呼んでくれ。
あっそういえば涼は今日は何か用なのか?」
「あっそうそう!なあ暁。
駿がもっとかっけえファッションしたいって言うけど、暁、コーディネートしてくれよ。」
「ハハハハハ!なんだそんな事か?てっきり小遣いでもせびりに来たかと思ったよ『笑』」
「おいおい、駿が誤解すんだろ!」
「冗談冗談!
でもいいよ。駿は顔がいいからコーディネートのしがいが有るね。」
ーーーーー
「駿は身につける物で、何か好きなものは有るの?」
「あ…はぁ…実は僕…ハイソックスとかリストバンドとか好きで。」
「ふぅ~ん。なるほど…ハイソックスかぁ。
たまーにハイソックス好きの男性もいるけど少数派ではあるかな。
うん…でもよろしい!
では韓流の男性アイドルを参考にしよう。
駿は美少年だから映えるだろう。」
僕は韓流少年アイドルを参考に暁さんのお店のオリジナルTシャツにブルーのオシャレなシャツを羽織って下部で結ぶ。
紺色のハーフパンツに2本の赤いライン入り黒ハイソックスで靴だけは掃いてきたスニーカー。
そして左手首にミサンガをつけて、右手首にはリストバンドではなく、バンダナを巻いた。
等身大鏡を見た時にはビックリした。
これが…僕?
うわあ…まるで…芸能人みたいなファッション。
てっ照れちゃうよ!
でも、いい…かな…。
「本当は髪をブリーチしたかったんだけどね。
青色とか!
そこまでやると学校に怒られちゃうからねえ『笑』
で、どう気に入った?」
確かにこれが本当に僕なの?って思った。
でもまるで別人に生まれ変わった気がする。
ただこの服。みんなでいくらになるんだろう?
買えないよね!
僕はおそるおそる尋ねると?
暁さんが。
「ああ…いらないいらない!
実はそれみんな、売れ残りばかりだし、それに元々そんな高いものでもなし。
Tシャツやバンダナ、ミサンガはうちのオリジナルだし、駿がそれをさりげに着てくれるといい宣伝にもなる。
だからあげるよ『笑』」
「そっそんなさすがに…それはまずいです。」
「駿は真面目だなあ。そんなに気になるなら、じゃあ1000円だけもらうよ。
これでそのファッションは君のものだ。」
「おっ駿。決まったか?
…………えっおおおっ…駿。めっちゃいいじゃん…アイドルみたい…。」
暁さんが僕の背中を押してくれた。
駿のトレーナーとジーンズはうちに置いておきな。
帰りに取りに寄ればいい。
さあ、二人でデートを思い切り楽しんで来い!
暁さんが涼君と僕の背中を軽く叩いた。
涼君は僕の手を取り。
「行こうぜ!駿!」
「うん。涼君!」
僕たちは手を取り合って街へ出ていった❗
僕は一ノ瀬駅で涼君と待ち合わせている。
僕は水色の地味なトレーナーとジーンズに靴だけは新品の白いスニーカー。
そういえばよそ行きの服なんて持ってないからね。
涼君はオシャレな格好。
赤いBROOKLYNと書いたキャップに緑のいっぱいアルファベットの文字が書いてあるオシャレなサマーセーター、薄茶色のカーゴパンツに赤黒の高そうなスニーカー。
そしてブルーのスポーツウォッチ。
うわあ…僕なんか地味で釣り合いが取れないよ。
「かっこいいね。涼君。」
「えっ…そうか?別に普段着だしなあ。
意識はしてないけど、まあ気にせずに行こうぜ!」
市営地下鉄で一ノ瀬駅から横浪繁華街まで直通で20分。
僕たちは電車に揺られている。
「その帽子。いつも被ってるの?かっこいいね。
あとスニーカーも。」
「ああ、これ帽子は従兄弟からのもらいもん。結構古いしな。
スニーカーは俺が単に靴好きだから。
従兄弟の家は叔母さんの代から古着屋をやってんだけど、あっ叔父さんは横浪市役所の公務員だけどな。
叔母さんは3年前に病気で亡くなっちゃったけど、あとを従兄弟の暁『あきら』が継いでやっているんだ。」
「あっそうだったの?ごめんね。」
「別に気にすんなよ。それになんか駿、元気無いなあ。
まさか体調悪い?」
「いやっ…違う違う。
涼君がかっこいいのに、僕の格好がこんなだから。
涼君に悪いかな?って。」
「えっ…そんな事気にする事なのか?
俺は駿といられるだけで楽しいんだがな『笑』」
「うん。そうだけどさ…。」
俯く僕を見ていた涼君は何かを閃いた顔をすると。
「そうだ!思い付いた!暁に頼んでみよう。」
ーーーーー
涼君が案内してくれたのは磯佐木モールと呼ばれる古くからあるらしい商店街。
涼君の知り合いの古着屋さんがあるらしい。
モール内の細い路地裏にお店はあった。
見た目は何かゴチャゴチャして見えるなあ。
入って見たら、あれっ!若い人向けのカジュアルファッションが多い。
中のうわっ!パンクロッカーみたいな怖い人がいる。
親しげに話している頭にバンダナを巻いたオシャレっぽい女性の方。
「よう。暁!」
涼君が声をかけるとバンダナの女性が振り向いて手を挙げた。
えっ…暁って女の人なの?
年は20代の半ばくらいかな?
「いらっしゃい涼。
おやおや友達かい。」
「おう!サッカー部仲間の駿。
そしてな!」
涼君は暁さんの耳元で何か囁いた。
すると暁さんは目を輝かせて。
「へえ!君が涼の彼氏かあ。
涼。すっごいイケメンな彼氏じゃないか!
いやあ…涼にはもったいないくらいだなあ『笑笑』」
「それはなんだよ!暁~!」
涼君は暁さんの二の腕をポカポカ殴るけど、あの…そこじゃなくて…あまり大っぴらに僕たちの事を…
僕は涼君にさりげに抗議すると、聞いていた暁さんはケラケラ笑いだし。
「大丈夫。私もビアンでさ。私の恋人も女性だからね。
涼が性に目覚めてから男が好きって私に悩み相談に来た事もあるしね。
だからこそ同性愛を恥じる事は無いさ。
私なんか街中でも平気でキスなどをしてるからね。
なあ、陣。『笑』」
陣と呼ばれた人は長髪を金髪に染めてバンダナ。
もう結構温かいのに、革ジャンを羽織っていた。
聞くと東京の新宿をベースに活動しているロッカーらしい。
年は20歳くらいかな?
「ああ…人が人を愛するのに性別なんか関係ねえよ。
うちのボーカルもゲイだけど、そんな事をバンドの仲間は気にもしねえ。」
「そう。だから君も胸を張って涼と付き合ってあげてよ。
あっ君の名前は?」
「駿です。梅林駿。」
「へえ、駿か。じゃあ私も駿と呼ぼう。
君も私を暁と呼んでくれ。
あっそういえば涼は今日は何か用なのか?」
「あっそうそう!なあ暁。
駿がもっとかっけえファッションしたいって言うけど、暁、コーディネートしてくれよ。」
「ハハハハハ!なんだそんな事か?てっきり小遣いでもせびりに来たかと思ったよ『笑』」
「おいおい、駿が誤解すんだろ!」
「冗談冗談!
でもいいよ。駿は顔がいいからコーディネートのしがいが有るね。」
ーーーーー
「駿は身につける物で、何か好きなものは有るの?」
「あ…はぁ…実は僕…ハイソックスとかリストバンドとか好きで。」
「ふぅ~ん。なるほど…ハイソックスかぁ。
たまーにハイソックス好きの男性もいるけど少数派ではあるかな。
うん…でもよろしい!
では韓流の男性アイドルを参考にしよう。
駿は美少年だから映えるだろう。」
僕は韓流少年アイドルを参考に暁さんのお店のオリジナルTシャツにブルーのオシャレなシャツを羽織って下部で結ぶ。
紺色のハーフパンツに2本の赤いライン入り黒ハイソックスで靴だけは掃いてきたスニーカー。
そして左手首にミサンガをつけて、右手首にはリストバンドではなく、バンダナを巻いた。
等身大鏡を見た時にはビックリした。
これが…僕?
うわあ…まるで…芸能人みたいなファッション。
てっ照れちゃうよ!
でも、いい…かな…。
「本当は髪をブリーチしたかったんだけどね。
青色とか!
そこまでやると学校に怒られちゃうからねえ『笑』
で、どう気に入った?」
確かにこれが本当に僕なの?って思った。
でもまるで別人に生まれ変わった気がする。
ただこの服。みんなでいくらになるんだろう?
買えないよね!
僕はおそるおそる尋ねると?
暁さんが。
「ああ…いらないいらない!
実はそれみんな、売れ残りばかりだし、それに元々そんな高いものでもなし。
Tシャツやバンダナ、ミサンガはうちのオリジナルだし、駿がそれをさりげに着てくれるといい宣伝にもなる。
だからあげるよ『笑』」
「そっそんなさすがに…それはまずいです。」
「駿は真面目だなあ。そんなに気になるなら、じゃあ1000円だけもらうよ。
これでそのファッションは君のものだ。」
「おっ駿。決まったか?
…………えっおおおっ…駿。めっちゃいいじゃん…アイドルみたい…。」
暁さんが僕の背中を押してくれた。
駿のトレーナーとジーンズはうちに置いておきな。
帰りに取りに寄ればいい。
さあ、二人でデートを思い切り楽しんで来い!
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