駿と涼太 二人のサッカー少年

龍賀ツルギ

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第一章 中学2年

部室⚽

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「よーし。今日の練習はここまで!
各々今日の動きを皆、しっかりと覚えておくように。
それじゃあ片付け当番の者だけ残して、解散!」

「ありがとうございました!」

一中サッカー部の生徒たちが声を揃えてサッカー部顧問で監督の新見真也に元気な挨拶をする。
一中では片付けを後輩だけにやらせるのは厳禁で全員持ち回りの当番制になっていた。
先代のキャプテンでもう卒業した森剣士がその様な行為は後輩イビリに繋がるとして、3年も含む当番制にしていたのだ。
そのためにキャプテンが2年の涼太になっても誰も異は唱えなかった。
涼太の実力と性格はキャプテンに向いており、森はそこを評価して、次のキャプテンに指名したのだ。
実際に森から涼太にキャプテンが引き継がれた一中サッカー部のチームワークは抜群でとても雰囲気の良い部になっていたのだ。
今日は涼太も片付け当番でボールを片付けて、ボール磨きなどを当番の皆とやっていく。
 
ふう、終わった!
当番の仕事が終わり着替える部員たち。
今日は俺が最後まで残るかな。
キャプテンだしね。

さて帰ろうかな!と思ったら、部室の扉が開いて、誰か忘れものか?と思えば驚いた。

駿じゃんか?

「涼君、お疲れ。
一緒に帰りたくて待ってたんだ。」

「えっ別にいいのに。
だってお前ん家と方角は、まあ一緒では有るけど、お前の家は遠いから、俺を待ってたら遅くなっちゃうぜ!」

「いいもん。だって涼君と長く一緒に居たいんだからさ。」

「ったくしょうがねえなあ<笑
うん…いいぜ。
一緒に帰ろう。だから早く制服に着替えろよ。」

駿はまだサカユニのままだったんだ。

「うん…でも僕は制服。学ランが嫌いなんだよね。
通学時はいやいや着てるけど、教室で直ぐにジャージに着替えているし。」

はぁ確かに学校で駿が制服を着てるのは見たことないなあ。
だから毎回サカユニで上にジャージだけを羽織って帰宅していたのか?
まあ駿はサカユニが良く似合うからなあ。
特にいつもさらしている太腿が!
いかんいかん!
俺、何をセクハラ親父みたいな事を考えてんだよ!

「ねえ。涼君もいっそサカユニで帰らない?おそろいでさ。
それに涼君のたくましい太腿ってなんか良くってつい見ちゃうんだ『笑』」

えっ…こいつ俺とおんなじ事考えてるのか?
駿って真面目に見えるけど時々すんごくエッチな奴なんじゃね?と思える時があんだよね。
まあ…駿が喜んでくれるならそれもいいか。

「よし。駿。俺もサカユニで帰る。帰ろうぜ。」

俺は駿と手を繋ぐ。
駿も柔らかく握り返してくる。
駿の顔を見ると頬を赤らめながら、俺を湿った眼で…見てる。
…ん。何だろう?

「ねえ。涼君…帰る前にしてくれる?」

「してくれる?ってなんだよ?」

「うん…あのね…キス。
この前の区民の森から一度もしてくれてないし。」

唇を尖らせて、モジモジしながら駿が俺にお願いを。
うわあ…こいつそんな事考えていたのか!
しかもここは部室だぜ。

「駄目…?」

赤い顔をして上目遣いに俺を見る駿。
いやあ…可愛いな。
うん…何かこみ上げて来ちゃった。

「ああ…いいぜ。駿。」

駿の顔がパッと明るくなる。
…たく。しょうがないなあ!『笑』

俺は駿の身体を腕を廻すと、駿も俺に腕を廻してきた。
互いの瞳にお互いが写り込む。
栗色の髪をした駿の瞳は潤んで頬は赤く染まり、俺は駿の唇に唇を触れさせていき、熱い口づけを交わした。
今度は初キスの時より長い時間…
互いの顔を離した時に駿の頬から涙が溢れていた。

「駿。どうした?」

俺は優しく聞いてやる。

「ううん…ただ…なんて幸せなんだろうって…そう考えたら泣けて来ちゃった。」

そうか。俺だっておんなじさ。
俺は再び駿の手を握り。

「帰ろうぜ!駿。」

サカユニのままで上にジャージだけ羽織りバックを抱えて、駿と二人で手を繋ぎながら部室を出ていった💚

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