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第七章 僕たちの闘い
優の変調! 雪彦の傀儡!
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貴也
今日も辛い1日が始まる。
菊班の部屋で貴也は目を覚ます。
皆が目を覚まさぬ様に身体を起こし、洗面所で歯を磨き顔を洗う。
そして寝巻きを脱いで、裸になり白いハイソックスとローファーだけを履いて、首輪と手枷、足枷だけを装着する。
まだ起きるには早い時間だが目が覚めてしまった。
以前は白いシャツと黒い半ズボンを着る事は許されていたが、今は奴隷には服を着るのも許されない。
涙がまた零れてきた。
最近酷い泣き虫になっている。
まるで白薔薇に来たばかりの頃のようだ。
少年たちが次々と起きてくる。
誰も貴也には声をかけようとはしない。
貴也も皆と目を合わせられない。
僕はみんなを守る事が出来なかった。ましてや僕のせいで雪彦の魂まで封印されてしまった。
だが貴也にはひとつだけの唯一の望みがある。鉄大人におすがりしよう。
あの方は白薔薇に大きな力を持っている。なんとか大人に連絡はつけられないか?
その為もあり貴也は皆には何も言わなかったのだ。
皆を巻き込まないように。
「貴也。何をぼうっとしている!」
風太の厳しい叱責の声。
実は貴也はリーダーを降ろされて、リーダーにはソラと風太の最年少コンビが選ばれた。
副調教師頭の壱からの信頼も厚い二人は監視役の役目も果たす。
「あっはい。風太…様。」
リーダーの風太とソラは奴隷少年の身分が高く、少年たちには階級がつけられる事になった。
リーダーとしての不手際を問われた僕は最下層身分に落とされた。
そして最近お務めの不備が指摘された優とカオルも最下層身分だった。
「調教師様からの通達がメールで入った。
お前と優、カオルの3名はシャワーを浴びて就寝以外は後ろ手に手枷をかける事とする。
シャワーを浴びる時になれば僕かソラが枷を外してやる。以上。」
「あ…あの…食事はいったいどうすれば…?」
「食事は僕やソラが床にトレイごと置いてやる。
それを直接口だけで食べるんだ。」
あああ~酷い。僕たちには普通に食事をする権利すら…ないの?
朝食の時間になった。
僕、優、カオルの3人は床に正座。
残りの8人はテーブル。
皆は僕らを見ようとはしない。
どうにもならないと分かっているから。
8人は白米や味噌汁、焼き魚にたくあんなど普通の朝食。
僕たち後ろ手緊縛組は泣きながら床に置かれた朝食に顔を近づけて動物の様に食べていった。
僕たちの朝食は溢れても良い様に健康食のフレークが色々な栄養素を混ぜて置かれている。あとは水。
おそらくは夕食も。
もう食事を楽しむ事すら許されないのだ。
そして時間になり僕たちは指定された位置で調教師様を待つ。
皆は頭を後ろに、僕、優、カオルは後ろ手緊縛で胸を張り頭を上げる。
エレベーターから戸倉以下の調教師がやってくる。
そして戸倉から僕たちは絶望的な宣告を聞いたのだ。
鉄大人が…亡くなった…
それから戸倉が何を言ったのか全く覚えていない。
ただその日のお務めは始めての客だったが僕のやる気の無い務めにかなり不満そうだった。
奴隷住居に戻った僕を待っていたのは風太とソラ。
二人は僕に残酷な宣告をする。
「貴也。お前は初回のお客様にかなり失礼があったらしいな!
戸倉様も不快でお前は今日はそのままの後ろ手緊縛でベッドでは寝かさずに床に寝かせるように言ってこられた。
だから休息室の床に鎖で繋いで置く。
トイレはおまるを用意した。
優も相変わらずに出来が悪かったから床に繋いである。
食事もそこで食え。おまるで粗相はするなよ。処理をするのは僕たちだからおまるは一つだけで二人で使え。
分かったな。僕らにまで恥をかかせるな!」
僕は風太に冷たく言い放たれて休息室に連れて行かれる。そして休息室にあったのは。
雪彦が十字架に縄で縛られた人形だった。
雪彦は手足の足首を縛られて十字架に括られている。
「ああっ。これは戸倉様が僕たちへの見せしめにとの事だ。
この人形は以前ここにいて亡くなった奴隷らしいな。
こんな風にならないようにとの事だな。
ソラは見覚えはあるような事は言っていたな。」
雪彦の傀儡がこんな所に。
身長や体格など寸分に変わらぬよう再現されている。
白いハイソックスだけを履いた裸で十字架に緊縛されている人形。
勃起したペニスには細かい梵字がびっしりと書き込まれている。
皆は知らないだろうが、雪彦の魂はこの傀儡に封印されているんだ。
風太に1メートル程の鎖を首輪に嵌められてもう片方を雪彦の左足首に巻かれた。
雪彦の右足首には優の首輪を繋いだ鎖が巻かれている。
トイレは真ん中くらい。二人で使うため。
ソラと風太が去ると優がまるで小学生の子供みたいにしゃくり上げ僕に身体を寄せてきた。
僕も優に身を寄せて二人は全身を密着させて頬を触れ合わせながらただただ泣き続ける。
互いの名前を呼び合いながら…
ただ泣き続けた。
雪彦の傀儡の眼の前で。
手枷で後ろ手緊縛されてるから二人共横向けになって眠るしかない。
優はいつの間にか僕の胸に額をつけてまるで母親に甘えて安心した幼児みたいに眠っていた。
優の金髪の髪が僕のすぐ目の前。
優とはこんな風に眠った事は無かった。
白薔薇一気の強い少年で、生意気なくらいだったのに。
優は明らかに気が弱っている。
大丈夫なんだろうか?
十字架に縛られた雪彦の傀儡はただ哀しそうな表情をしていた❗
今日も辛い1日が始まる。
菊班の部屋で貴也は目を覚ます。
皆が目を覚まさぬ様に身体を起こし、洗面所で歯を磨き顔を洗う。
そして寝巻きを脱いで、裸になり白いハイソックスとローファーだけを履いて、首輪と手枷、足枷だけを装着する。
まだ起きるには早い時間だが目が覚めてしまった。
以前は白いシャツと黒い半ズボンを着る事は許されていたが、今は奴隷には服を着るのも許されない。
涙がまた零れてきた。
最近酷い泣き虫になっている。
まるで白薔薇に来たばかりの頃のようだ。
少年たちが次々と起きてくる。
誰も貴也には声をかけようとはしない。
貴也も皆と目を合わせられない。
僕はみんなを守る事が出来なかった。ましてや僕のせいで雪彦の魂まで封印されてしまった。
だが貴也にはひとつだけの唯一の望みがある。鉄大人におすがりしよう。
あの方は白薔薇に大きな力を持っている。なんとか大人に連絡はつけられないか?
その為もあり貴也は皆には何も言わなかったのだ。
皆を巻き込まないように。
「貴也。何をぼうっとしている!」
風太の厳しい叱責の声。
実は貴也はリーダーを降ろされて、リーダーにはソラと風太の最年少コンビが選ばれた。
副調教師頭の壱からの信頼も厚い二人は監視役の役目も果たす。
「あっはい。風太…様。」
リーダーの風太とソラは奴隷少年の身分が高く、少年たちには階級がつけられる事になった。
リーダーとしての不手際を問われた僕は最下層身分に落とされた。
そして最近お務めの不備が指摘された優とカオルも最下層身分だった。
「調教師様からの通達がメールで入った。
お前と優、カオルの3名はシャワーを浴びて就寝以外は後ろ手に手枷をかける事とする。
シャワーを浴びる時になれば僕かソラが枷を外してやる。以上。」
「あ…あの…食事はいったいどうすれば…?」
「食事は僕やソラが床にトレイごと置いてやる。
それを直接口だけで食べるんだ。」
あああ~酷い。僕たちには普通に食事をする権利すら…ないの?
朝食の時間になった。
僕、優、カオルの3人は床に正座。
残りの8人はテーブル。
皆は僕らを見ようとはしない。
どうにもならないと分かっているから。
8人は白米や味噌汁、焼き魚にたくあんなど普通の朝食。
僕たち後ろ手緊縛組は泣きながら床に置かれた朝食に顔を近づけて動物の様に食べていった。
僕たちの朝食は溢れても良い様に健康食のフレークが色々な栄養素を混ぜて置かれている。あとは水。
おそらくは夕食も。
もう食事を楽しむ事すら許されないのだ。
そして時間になり僕たちは指定された位置で調教師様を待つ。
皆は頭を後ろに、僕、優、カオルは後ろ手緊縛で胸を張り頭を上げる。
エレベーターから戸倉以下の調教師がやってくる。
そして戸倉から僕たちは絶望的な宣告を聞いたのだ。
鉄大人が…亡くなった…
それから戸倉が何を言ったのか全く覚えていない。
ただその日のお務めは始めての客だったが僕のやる気の無い務めにかなり不満そうだった。
奴隷住居に戻った僕を待っていたのは風太とソラ。
二人は僕に残酷な宣告をする。
「貴也。お前は初回のお客様にかなり失礼があったらしいな!
戸倉様も不快でお前は今日はそのままの後ろ手緊縛でベッドでは寝かさずに床に寝かせるように言ってこられた。
だから休息室の床に鎖で繋いで置く。
トイレはおまるを用意した。
優も相変わらずに出来が悪かったから床に繋いである。
食事もそこで食え。おまるで粗相はするなよ。処理をするのは僕たちだからおまるは一つだけで二人で使え。
分かったな。僕らにまで恥をかかせるな!」
僕は風太に冷たく言い放たれて休息室に連れて行かれる。そして休息室にあったのは。
雪彦が十字架に縄で縛られた人形だった。
雪彦は手足の足首を縛られて十字架に括られている。
「ああっ。これは戸倉様が僕たちへの見せしめにとの事だ。
この人形は以前ここにいて亡くなった奴隷らしいな。
こんな風にならないようにとの事だな。
ソラは見覚えはあるような事は言っていたな。」
雪彦の傀儡がこんな所に。
身長や体格など寸分に変わらぬよう再現されている。
白いハイソックスだけを履いた裸で十字架に緊縛されている人形。
勃起したペニスには細かい梵字がびっしりと書き込まれている。
皆は知らないだろうが、雪彦の魂はこの傀儡に封印されているんだ。
風太に1メートル程の鎖を首輪に嵌められてもう片方を雪彦の左足首に巻かれた。
雪彦の右足首には優の首輪を繋いだ鎖が巻かれている。
トイレは真ん中くらい。二人で使うため。
ソラと風太が去ると優がまるで小学生の子供みたいにしゃくり上げ僕に身体を寄せてきた。
僕も優に身を寄せて二人は全身を密着させて頬を触れ合わせながらただただ泣き続ける。
互いの名前を呼び合いながら…
ただ泣き続けた。
雪彦の傀儡の眼の前で。
手枷で後ろ手緊縛されてるから二人共横向けになって眠るしかない。
優はいつの間にか僕の胸に額をつけてまるで母親に甘えて安心した幼児みたいに眠っていた。
優の金髪の髪が僕のすぐ目の前。
優とはこんな風に眠った事は無かった。
白薔薇一気の強い少年で、生意気なくらいだったのに。
優は明らかに気が弱っている。
大丈夫なんだろうか?
十字架に縛られた雪彦の傀儡はただ哀しそうな表情をしていた❗
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