上 下
64 / 146
第七章 僕たちの闘い

白薔薇のクーデター

しおりを挟む
山縣鉄大人は死んだ!
それは村雨が聞かされた前日の事。
鉄大人の乗るベンツに乗るのは護衛で秘書の鷹沢。
そして運転手の岡田。
本来は日野マモルも連れて来たかったが急遽体調を崩して休みを取らせた。
さらに大人直属の部下が乗るベンツがもう1台。
荒事専門の部下たちだった。
岡田はもう60歳になるが、元警官でもあり鉄大人の運転手を20年以上勤めており、大人からの信頼も厚かった。
最近白薔薇がおかしな事になっている事を白薔薇女調教師の百里や副支配人の藤井に聞かされて、白薔薇管理人の香坂を詰問するつもりだった。
香坂は平身低頭で謝罪していたが、香坂の態度を不審に思った大人自ら動く事にしたのだ。
場合によってはその場で香坂は始末する。
そして藤井を支配人とし、百里を調教師頭とする。
少年たちは男娼のマリオネットではあるが、それゆえ大事な存在。
香坂の命なんぞと比べ物になるか!

3車線道路。
後ろからパトカーが1台止まれと言っていた。
パトカーは本物。岡田が断言する。
岡田は元警官でありパトカーを見間違える事はない。
パトカー先導で岡田が車を路肩に止める。
もう1台のベンツもすぐ後ろに。警官が二人降りて来た。
岡田と一言ニ言話し岡田は車の外へ。
警官に何事か?と問い詰める岡田。
その時に1台のトラックが真ん中の車線に急停車。
鷹沢は瞬時に銃を抜くが、同時に後ろの護衛用のベンツが爆発した。
岡田は瞬間に逃亡。
トラックから襲撃者が多数大人と鷹沢を襲撃する。
さらに警官二人も銃を抜き襲撃に加わった。
鷹沢は必死に応戦する。
わずか5分もかからない。
プロの襲撃だった。

重体で病院に救急搬送された大人。
2台目のベンツに乗った5人は骨も残らない惨状。
鷹沢は現場で即死。
大人の身体を必死で守り蜂の巣になったのだ。
でなければ大人もその場で即死だった。
病院に運ばれて2時間後、山縣鉄大人の死亡が確認された。

政府与党の最大派閥のボス森田康彦の秘書工藤の元に白薔薇の香坂から連絡が。

「工藤さんですか?香坂です。
この度は森田先生にも大変お骨折りを頂きまして誠にありがとうございました。
山縣は亡くなりました。
これもひとえに先生のご尽力のおかげです。
先生が裏社会、メディア、それに司法関係にも手を回して頂いたおかげです。」

「いえいえ、香坂さん。それは誠におめでたい事。
先生もお喜びになるでしょう。」

工藤が森田に首尾の報告を。
すると森田は悪魔の様な笑い声を上げて哄笑した。

「あのジジイやっと死んだか!
ざまあみろ!何がフィクサーだ。今まで俺たちの弱みを握って偉そうに!
ただのゆすり屋じゃねえか!
本当の権力者に逆らうとどうなるか?これで分かったろう!
草葉の影で泣きわめけ!
山縣のクソジジイ!」

森田の哄笑が執務室に鳴り響く。
今度の白薔薇の一軒がなくともいつかはと機会を伺ってきた。
森田はかつて鉄大人からあまりにもの多くの屈辱を味あわされてきたのだ。

藤井は街を彷徨い歩いていた。
頼りにしていた鉄大人が亡くなってしまったのだ。
まずいのは今度の事に自分と百里が関わっていた事。
ただ白薔薇をやめれば良い問題では無い。
藤井は白薔薇の中枢に関わっていたのだ。
命の危険があった。
藤井は元は裏社会の人間。今は組長である自分の兄貴分に庇護を求める為にその組長を頼る事にした。
待ち合わせ場所に向かう途中に。
急に2台の車が藤井の前後を塞ぐ。
そして数人で取り抑えて藤井をバンの中へ。
暴れて叫ぶ藤井。
しかし屈強な男たちに抑えられてはどう仕様もない。
一人の男がスマホを出して藤井の耳元へ。
香坂の声だった。

「やあ。藤井さん。残念だったねえ
『笑』
山縣のジジイに頼って私を追い落とそうとしたらしいがツメが甘すぎだな
『笑』
心配いらんよ。あんたもジジイとおんなじとこに送ってやるさ。
あっそうだった。あの百里という女もすぐに後を追わせてやるさ。
仲良くあの世でSM調教でも楽しみたまえ。
いや?地獄行きで今度は鬼どもに責められる番かもな!
ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」

「香坂ー!きっさまー!俺はここまでだが!ただじゃ死なねえ!
地獄には貴様も道連れにしてやるぞ!
地獄の門で待ってるぜ!
ギャハハハハハハ!」

「チッ!最後までムカつく奴だ!
おーいもういいぞ!
始末をつけろ。」

藤井の首に縄が巻かれて締め上げる男たち。
藤井の目が光を失う。

香坂は白薔薇支配人室で最高の気分だった。
音楽をかけ一人だけでダンスを踊りだす。
大学時代はダンスサークルだった香坂。軽快なステップを踏み両手を広げダンスを締める!

今日から白薔薇は完全に俺のモノだ❗


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

松本先生のハードスパンキング パート1

バンビーノ
BL
 中学3年になると、新しい学年主任に松本先生が決まりました。ベテランの男の先生でした。校内でも信頼が厚かったので、受験を控えた大事な時期を松本先生が見ることになったようです。松本先生は理科を教えていました。恰幅のすごくいいどっしりした感じの先生でした。僕は当初、何も気に留めていませんでした。特に生徒に怖がられているわけでもなく、むしろ慕われているくらいで、特別厳しいという噂もありません。ただ生活指導には厳しく、本気で怒ると相当怖いとは誰かが言っていましたが。  初めての理科の授業も、何の波乱もなく終わりました。授業の最後に松本先生は言いました。 「次の授業では理科室で実験をする。必ず待ち針をひとり5本ずつ持ってこい。忘れるなよ」  僕はもともと忘れ物はしない方でした。ただだんだん中学の生活に慣れてきたせいか、だらけてきていたところはあったと思います。僕が忘れ物に気がついたのは二度目の理科の始業ベルが鳴った直後で、ほどなく松本先生が理科室に入ってきました。僕は、あ、いけないとは思いましたが、気楽に考えていました。どうせ忘れたのは大勢いるだろう。確かにその通りで、これでは実験ができないと、松本先生はとても不機嫌そうでした。忘れた生徒はその場に立つように言われ、先生は一人ずつえんま帳にメモしながら、生徒の席の間を歩いて回り始めました。そして僕の前に立った途端、松本先生は急に険しい表情になり、僕を怒鳴りつけました。 「なんだ、その態度は! 早くポケットから手を出せ!」  気が緩んでいたのか、それは僕の癖でもあったのですが、僕は何気なくズボンのポケットに両手を突っ込んでいたのでした。さらにまずいことに、僕は先生に怒鳴られてもポケットからすぐには手を出そうとしませんでした。忘れ物くらいでなぜこんなに怒られなきゃいけないんだろう。それは反抗心というのではなく、目の前の現実が他人事みたいな感じで、先生が何か言ったのも上の空で聞き過ごしてしまいました。すると松本先生はいよいよ怒ったように振り向いて、教卓の方に向かい歩き始めました。ますますまずい。先生はきっと僕がふてくされていると思ったに違いない。松本先生は何か思いついたように、教卓の上に載せてあった理科室の定規を手に取りました。それは実験のときに使う定規で、普通の定規よりずっと厚みがあり、幅も広いがっしりした木製の一メートル定規です。松本先生はその定規で軽く素振りをしてから、半ば独り言のようにつぶやいたのでした。「いまからこれでケツひっぱたくか……」。  

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

支配された捜査員達はステージの上で恥辱ショーの開始を告げる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...