58 / 146
第六章 地獄に落ちた人形たち
ジュン・トモ 二人の覚悟
しおりを挟む
奴隷少年たち9人は居住フロアに戻る。そしてさらにショックを受ける宣告が。
それは少年たちに今まで許されていた白シャツと黒の半ズボンさえ身につけるのは許さないという宣告の張り紙がされていた。10日に一度の安息日はさすがに取り消しにはならなかった。
以前より過酷な務めを果たさねばいけない少年たちはこの日は身体を休め寝て過ごすだろうとの判断だった。
奴隷少年たちは商品であり壊れてしまっては元も子もない。
ただもう服を着る自由もないのだと少年たちは絶望した気分に襲われていた。
休息室の遊具は全て撤去されてただテーブルと椅子が有るのみ。
疲れの酷いヒロと優は食事も取れずにシャワーだけを浴びてそのまま休んだ。残った少年たちはハイソックス裸で首輪手枷足枷の奴隷姿で食事を取っている。貴也だけが一人ポツリと座り啜り泣きながら食事を取っていた。
他の6人はまとまって食事を取っていたが皆黙っている。
ジュン「みんな…このままで…いいのか?
俺たちみんな…直ぐにボロボロにされるぜ。」
綾人「でもジュン。俺たちは奴隷だぜ。
もう服すら着れない。
どうするんだよ?」
ヒカル「うん。僕もそう思う。リスクが高いよ。下手すればみんな殺される。
カオルはどう思う?」
カオル「僕にはまだ分からへん?
今は…な。
ミチルはどうや?」
ミチル「全然分からない…。
トモは?」
トモ「僕は…僕は…僕は…
ジュンに賛成する!
戦うべきだと思う!
僕はジュンについていくよ『微笑』」
ミチル「…トモ…」
ヒカル「……トモ。僕は反対だよ。
そんな事すればジュンも…トモも…
僕はトモを失うのは…嫌だよ『涙』」
トモ「ヒカル、ごめん。でも僕はもう決めたんだ。
ジュン。一緒に戦うよ。」
ジュン「ありがとう。トモ。
一緒にやろうぜ。
ただみんな…みんなはこの事をまだ何も知らないでいてくれ。
機を見て逃げるチャンスをうかがおう。
そして警察でもマスコミでもこの実態をバラしてやる。
そうすればうまく行けば!
でも何かあって失敗しても、それは俺とトモだけがやった事だ。
みんなは関係ない。
いいな!」
少年たちはうなだれてジュンの話を聞いていた。
ジュンとトモは何かあった時の為に僕たちと距離を置く気だ。
ヒカル「ぼっ…僕もトモやジュンと…」
するとトモはヒカルの手に自分の手の平を添えて優しく話し出す。
二人とも手枷を嵌められた姿が痛々しい。
トモ「ヒカルそれはやめて。
ヒカルに何かあったら僕は辛すぎるよ。
僕たちは恋人同士なんだもん。」
ヒカル「だったら僕だって同じだよ!
トモに何かあったら嫌だ嫌だよ!
うっうううっ…『涙』」
トモ「泣かないでヒカル『微笑』
ヒカル。忘れてる?
僕はみんなの中で最年長なんだよ。
気が弱くて貴也やヒロの後ろをついてくだけで、蘭班でもリーダーは年下のヒカルだった。
でもね。今度はみんなの為に最年長としての役目を果たしたい。
それにもし…もし…ジュンと僕がしくじったら…その時はヒロやヒカルにみんなをまとめてもらいたいし。」
ジュン「ああ。ヒカルはしっかりしてるし、ヒロを助けて欲しいんだよ。
俺がいなくなった後にな。」
ヒカル「責任重大だよ…そんなの…
僕に…『涙』」
ジュン「それに心配するな!
必ず俺とトモが全てを世の中に公表してやる。
そうすれば警察だって、政治家だって、マスコミだって、動いてみんなを解放してくれる。
その時までの辛抱だ。」
ジュンとトモを除いた少年たちは皆泣いていた。
ジュンとトモはみんなを救う為に命をかけて………
ミチル「ねえ…貴也には…どうするの?」
ジュン「黙っていろよ。
裏切られてチクられたらたまらないからな!」
皆は貴也を遠目に見る。
貴也は食事を終えて寂しげに一人でポツンと座っていた。
その横顔は今まで見たことがないくらいに寂しそうな陰りを浮かべていた。
それは少年たちに今まで許されていた白シャツと黒の半ズボンさえ身につけるのは許さないという宣告の張り紙がされていた。10日に一度の安息日はさすがに取り消しにはならなかった。
以前より過酷な務めを果たさねばいけない少年たちはこの日は身体を休め寝て過ごすだろうとの判断だった。
奴隷少年たちは商品であり壊れてしまっては元も子もない。
ただもう服を着る自由もないのだと少年たちは絶望した気分に襲われていた。
休息室の遊具は全て撤去されてただテーブルと椅子が有るのみ。
疲れの酷いヒロと優は食事も取れずにシャワーだけを浴びてそのまま休んだ。残った少年たちはハイソックス裸で首輪手枷足枷の奴隷姿で食事を取っている。貴也だけが一人ポツリと座り啜り泣きながら食事を取っていた。
他の6人はまとまって食事を取っていたが皆黙っている。
ジュン「みんな…このままで…いいのか?
俺たちみんな…直ぐにボロボロにされるぜ。」
綾人「でもジュン。俺たちは奴隷だぜ。
もう服すら着れない。
どうするんだよ?」
ヒカル「うん。僕もそう思う。リスクが高いよ。下手すればみんな殺される。
カオルはどう思う?」
カオル「僕にはまだ分からへん?
今は…な。
ミチルはどうや?」
ミチル「全然分からない…。
トモは?」
トモ「僕は…僕は…僕は…
ジュンに賛成する!
戦うべきだと思う!
僕はジュンについていくよ『微笑』」
ミチル「…トモ…」
ヒカル「……トモ。僕は反対だよ。
そんな事すればジュンも…トモも…
僕はトモを失うのは…嫌だよ『涙』」
トモ「ヒカル、ごめん。でも僕はもう決めたんだ。
ジュン。一緒に戦うよ。」
ジュン「ありがとう。トモ。
一緒にやろうぜ。
ただみんな…みんなはこの事をまだ何も知らないでいてくれ。
機を見て逃げるチャンスをうかがおう。
そして警察でもマスコミでもこの実態をバラしてやる。
そうすればうまく行けば!
でも何かあって失敗しても、それは俺とトモだけがやった事だ。
みんなは関係ない。
いいな!」
少年たちはうなだれてジュンの話を聞いていた。
ジュンとトモは何かあった時の為に僕たちと距離を置く気だ。
ヒカル「ぼっ…僕もトモやジュンと…」
するとトモはヒカルの手に自分の手の平を添えて優しく話し出す。
二人とも手枷を嵌められた姿が痛々しい。
トモ「ヒカルそれはやめて。
ヒカルに何かあったら僕は辛すぎるよ。
僕たちは恋人同士なんだもん。」
ヒカル「だったら僕だって同じだよ!
トモに何かあったら嫌だ嫌だよ!
うっうううっ…『涙』」
トモ「泣かないでヒカル『微笑』
ヒカル。忘れてる?
僕はみんなの中で最年長なんだよ。
気が弱くて貴也やヒロの後ろをついてくだけで、蘭班でもリーダーは年下のヒカルだった。
でもね。今度はみんなの為に最年長としての役目を果たしたい。
それにもし…もし…ジュンと僕がしくじったら…その時はヒロやヒカルにみんなをまとめてもらいたいし。」
ジュン「ああ。ヒカルはしっかりしてるし、ヒロを助けて欲しいんだよ。
俺がいなくなった後にな。」
ヒカル「責任重大だよ…そんなの…
僕に…『涙』」
ジュン「それに心配するな!
必ず俺とトモが全てを世の中に公表してやる。
そうすれば警察だって、政治家だって、マスコミだって、動いてみんなを解放してくれる。
その時までの辛抱だ。」
ジュンとトモを除いた少年たちは皆泣いていた。
ジュンとトモはみんなを救う為に命をかけて………
ミチル「ねえ…貴也には…どうするの?」
ジュン「黙っていろよ。
裏切られてチクられたらたまらないからな!」
皆は貴也を遠目に見る。
貴也は食事を終えて寂しげに一人でポツンと座っていた。
その横顔は今まで見たことがないくらいに寂しそうな陰りを浮かべていた。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/chara_novel.png?id=8b2153dfd89d29eccb9a)
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる