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第三章 奴隷少年達の哀しい友情

ジュン、ヒロ、貴也

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♡ジュン

貴也はシャワーくらい浴びて着替えてれば良いのに。と言ってくれた。
でもなまじシャワー浴びてしまうと直ぐに眠くなってしまうから。
それはヒロも同じで俺達は奴隷少年の衣装で待っていたんだ。
貴也はいったん皆でシャワーを浴びようよ。それから話すからという事でシャワーを浴びて、水色の寝間着に着替えて3人で誰も使用してない藤の部屋に。
廊下で話して皆を起こしたくはないからね。

貴也がトルトゥーラの舞台で何が有ったのか。
話してくれた。
洋二に失神したら零番の特別調教を俺とヒロと風太に掛けると言われた事。
そして失神寸前まで墜ちた事。
その後、聞いた事はヒロと俺を驚愕させるには充分だった。

ヒロ「そっそれは本当なのかっ?
まさか…雪彦が…えっ…貴也。でも雪彦は死んだんだよ…。」

貴也「もちろん知ってるさ。雪彦を一番知ってるのは僕だし。
でも、本当に雪彦が僕を、そしてヒロやジュンや風太も救ってくれたんだ。
実は僕が洋二や金太郎を責めていた時は、何か不思議な力が僕に憑いた様だった。
村雨が僕の顔を見て絶叫して腰を抜かしたのは見てたけど、失礼な話だよね。『笑笑>』」

ジュン「それから貴也はどうしたんだよ?」

貴也「うん。僕はまだ抜かれてなかったから雪彦が抜いてくれたんだよ。
あの手触りは良く覚えてるんだ。
始めて舞台に上った時の相手は雪彦だったから。
全く同じだったからね。『笑』」

ジュン「いや、同じってマジに怖くないの?」

ヒロ「いやジュン。別に怖くはないんじゃ無いかな。
だって俺達はそれくらい特別な世界に生きているんだから。
でも、貴也はそれを幻覚とは思わなかったのか?」

貴也「鉄大人も見てたからね。
大人が言われたんだ。
笑いながら、雪彦。化けて出てきたのか?って『笑』」

ヒロ「へえ。大人も見たのか。じゃあ幻覚じゃないな。
それにしても雪彦も水臭いよ。
なんで俺の所には来ないんだよ!『笑』」

いやいや。それは違うだろう!
貴也もヒロも笑いながら話してるけど、
俺なんか鳥肌立ちっぱなしなんだけど『怖』

ヒロ「そうか。貴也。分かった。」

いや。分かったってそうなのか?

貴也「話は変わるけど、ジュン。
マモルって人。知ってる?」

ジュン「マモル…えっ日野マモル。なんで貴也がマモルの事知ってるの?」

貴也「いや。鉄大人の所にいるみたいで、ジュンの事、聞かれたんだ。
名字までは知らなかったけど。
僕や風太に凄く優しくしてくれてね。」

ジュン「そっそうなんだ。なんで…マモルが大人の所に!
まさか!奴隷少年にされてるのかっ!」

貴也「いや。そんな風には見えなかった。スーツを着てたし、大人には重用されてる感じだったよ。
僕より年上なんでしょ?」

ジュン「いや。マモルは学年は同じだから貴也より一つ下だよ。」

貴也「えっ、スーツを着てたからてっきり年上かと。そうなのかー。
年下とは思わなかった。」

ジュン「ねえ。マモルは俺の事何か言ってた?」

貴也「うん。ジュンの事を頼むって僕に。
後、もし困った事が有れば大人を通して自分を頼ってくれって言ってた。
凄くいい友達だね。ジュン。」

ジュン「そうか…マモルが…あの泣き虫が…
施設では俺があいつを守る立場だったのに。
偉そうな事を…言える様になったんだな!」

俺は込み上げてくるものを、抑えきれずに涙が滝の様に流れた。
いつもの哀泣では無く、喜びの涙だろうか?
マモルが生きて元気でいるだけで嬉しかったし、立派になった事はもっと嬉しい。
会いたいな。
確かに俺は奴隷少年まで堕ちちゃったけど、でもマモルならきっと偏見なんか持たずに…。
しゃくり上げる俺を貴也とヒロが優しく抱きしめてくれる。
確かに俺達は皆、哀しい境遇に墜ちてしまったけど、でも固い絆で結ばれた仲間が11人もいる。
施設育ちで家族がどんなものか、全く知らなかった俺にとって出来た、
大切な家族❗


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