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智実&桃樹篇

桃樹の哀しい思い出。

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☆桃樹
「皓さん。僕、アルバイトしたいんです。」

「うん?」桜木皓さん。33歳。
僕のご主人様は怪訝な顔をした。
桜木皓さんは裏社会の人だ。
もちろん刑務所経験は少年時代に経験済み。
とにかく喧嘩が強いらしく、裏社会ではかなり知られた人。

「しかしなんでバイトなんかしたいんだ?
生活費は俺がお前の親父からふんだくってやったから、高校卒業ぐらいまでは何も問題ないだろう?」

そう。桜木さん。僕のご主人様は僕の実の父。
酷い毒親の父から僕を救い出してくれたんだ。
父は大手の自動車メーカーの工場で係長をやっていた。
だから収入は問題無くあった。
ところが家では何もかも自分の思いどおりにならなければ気にいらない暴君。
会社は大手だけにストレスがたまる会社らしいがその鬱憤を家で晴らしていたんだ。
母にはDVを繰り返し、家には生活費もあまり入れないから、母はパートでなんとかやりくりしていた。
しかし母も僕が小3の時に家を出ていった。
母はあんな父だから、憎悪していて別に好きな男性が出来たらしい。
そしてその相手は子供がいたから、僕は邪魔だと言われた。
そしてあの男と同じ血が流れるお前も愛せないと言われて、僕は置いていかれた。
さすがに父もキレたが、母が好きになった相手は元ヤ○ザのトラックの運転手で、メチャクチャ脅されてビビって、泣く泣く離婚届けにサインさせられた。
まあ慰謝料は互いに払わないで決着がついたみたいだけど。
ところが僕は守ってもらえない。
それから家事はまだ小4の僕がやらされたんだ。
酷いDVのおまけ付き。
僕を殴る度に、お前はあの薄汚い女の血が流れているクズだ!
俺は大手企業の管理職だぞ!
お前みたいなゴミがいるから、好きな女からも結婚出来ないと断れてるんだ!と罵声を浴びる。
実の息子にだぜ。
まだ幼い僕には毎日泣く事しか出来なかったんだ。
そのくせに見栄っ張りで会社の部下たちとは良く飲みに行き、部下の飲み代は払ってやっていたらしい。
僕はお年玉すら、びた1円ももらった事がない。<涙>
さらに会社の上司たちには凄く愛想良く媚を売ってたようだ。
中学のときによく父が僕に偉そうに語った事があったが、日本では立派な男は会社に忠義を誓い家庭を顧みずに会社に尽くす男が立派なんだそうだ。
そんな僕でも高校にはいかせてくれた。
まあ大した高校では無かったけど、僕を行かせた理由が会社の上司が学歴偏重主義者で、僕が中卒だと上司にばつが悪いという理由。
僕は高校には行ったけどそんな生活環境では、まともにコミュニケーションも取れない。
学校でも浮いてしまった。
それで絶望した僕はもう何もかもが嫌になり…
最後に本当に好きな事をしてこの世にお別れしようと思ったんだ。
僕はマゾだった。
縛られたい。
辱められたい。
最後に男の人に思い切り責められて!
気持ち良くなりたい。
それでSNSを使って桜木皓様と知り合ったんだ。
皓様は裏社会の人だとはすぐに分かった。
ただ怖くは無かった。
だってこれで最後なんだもん。

皓様は激しく僕を責めまくった。
特にエレベーターって言う寸止めは本当にキツかったな<笑>
そしてエレベーター後にフィニッシュさせられた時の気持ち良さは…頭の中で花火は鳴りまくっていたな。
皓様も僕をとても気に入ってくれてまた会いたいと言われた。
僕は嬉しかったけど断った。
だってもう僕は!
生きるのにサヨナラするつもりだったから…。
僕が急に激しく泣き出して皓様はびっくりして話を聞いてくれた。
僕の話を聞いていた皓さんの顔色が見る見る変わっていく!
表情は全く変わらない。
ただ眼が…凄い…怖い…まるで地獄の鬼か…悪魔の様な眼!!!

そして皓様はある提案をしてくれたんだ❗
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