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ナニワ・リベンジャーズ
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気合いだ。気合い。
自分に何度も言い聞かせる。
教室を見渡す。
結局オナ中同士で集まってやがる。
こっちを見てる奴に気づく。同じ天神中の鈴木か?俺だって気づいてるのかビミョーな感じ。
髪型も学ランも気合い入ってるからな。
今日からの俺は昨日までの俺とは違うんだ。
高校デビューって笑う奴はぶっ殺す。
中坊の時の俺とはお別れだ。
気合い。気合いだ。
今日で全て変わる。ビビってんじゃねぇ。
思い出せ!思い出せ!
いじめられる訳でもいじめる側でもなく居ても居なくても変わらない奴だったが…
あの漫画を見て頭にガツンと食らった気がした。
昭和の不良ってカッコ良すぎだろ。
俺もあんな風になりたい。
でも今は無理だ。高校生になって全部リセットされるのを待つしかない。そう思った。
それまでにケンカ強く成らなきゃ。でも親は空手やボクシングを習わせてくれなかった。「受験どうするの?」で却下。仕方なく一人で体を鍛え上げ、今ではMMAの選手みたいな肉体をゲット。リンゴだって片手で握り潰せる。
ヤンキー同士はガンの飛ばしあいをしている。
まず、こいつらの一人とやるか。
とにかくケンカに勝って名を上げる事だ。ビビってんじゃねぇ。
教室の一番後ろの席でふんぞり返ってるデカイの。アマ中で番張ってた佐藤だろ。伝説はいくつも聞いてる。アイツをやれば一気にトップだ。まどろっこしい事なんかやってられねぇ。
正直怖いけどやるか。やるしかない。
ビビってんのばれないよな。
気合い入れろ!
近づくとうさんくさそうな視線を投げてきた。
イカツイ顔してんな。本当に高一か?
「アマ中の佐藤か?」
精一杯ドスの効いた声を出したつもりだが…
「だったらなんやねん?てかお前だれや?」
見た目どおりの太く低い声。
ビビんな。引くな。
「俺とタイマン張れ」
「は?」
本気で驚いた顔。
「何ゆうてんねん?」
立ち上がると思ってたよりでかかった。俺もタッパはある方だが少し負けてる。体重では全然勝負にならない。組み合いになったら勝てない。打撃で先手必勝しかない。
不思議にさっきまでの怖さを感じなくなってる。アドレナリンとか言う奴が出てるのかも。
気づくとクラス中がこっちを見てる。注目されて相手も引けなくなったはず。
「お前マジおかしいんとちゃうんけ。キモ」
胸をこづかれた。結構な力で一瞬息がつまるがカウンター気味に右ストレートを思いっきり顔面に叩き込む。
相手が吹き飛び教室の後ろに並ぶロッカーに激突。
よっしゃあ!
喜びのあまり叫んだ瞬間右拳に激痛。
痛ってぇ!!
思わず左手で右手を抱え込む。右こぶしの皮が剥け血が滲み、しかも見る見るうちに腫れ上がってくる。
…痛みで気づかなかったが教室の空気が変だった。
俺一人とそれ以外の全員に分かれてる。
佐藤は仰向け大の字に倒れピクリとも動かない。その周りに人だかりができていて…
え?
これヤベーだろと誰かが言い、こちらに向けられる視線に込められてるのは恐怖と哀れみと…
「ウチの中学のアイツやんけ。名前出てけえへんわ」
「これ死んでるやん」
「あ~ああ。なにやらかしてんねん」
こいつら楽しんでやがる。
膝がガクガク震え始めうまく物を考える事ができない。
本当に死んでるのか?
こんな簡単に死ぬのか?
佐藤は相変わらずピクリともしない。見に行きたいが怖くて無理だ。
血相を変えて教師が教室に飛び込んできた。スマホで救急車を呼び次に警察に…
警察か。
こんなはずじゃなかったのに。
人、殴ったらこんなに手が痛いとは。グローブみたいに腫れあがるなんて…
それにおもいっきり殴っても死んだりしないはずだろ。
漫画だったら俺と佐藤はタイマン張った後ダチになってたのに…
自分に何度も言い聞かせる。
教室を見渡す。
結局オナ中同士で集まってやがる。
こっちを見てる奴に気づく。同じ天神中の鈴木か?俺だって気づいてるのかビミョーな感じ。
髪型も学ランも気合い入ってるからな。
今日からの俺は昨日までの俺とは違うんだ。
高校デビューって笑う奴はぶっ殺す。
中坊の時の俺とはお別れだ。
気合い。気合いだ。
今日で全て変わる。ビビってんじゃねぇ。
思い出せ!思い出せ!
いじめられる訳でもいじめる側でもなく居ても居なくても変わらない奴だったが…
あの漫画を見て頭にガツンと食らった気がした。
昭和の不良ってカッコ良すぎだろ。
俺もあんな風になりたい。
でも今は無理だ。高校生になって全部リセットされるのを待つしかない。そう思った。
それまでにケンカ強く成らなきゃ。でも親は空手やボクシングを習わせてくれなかった。「受験どうするの?」で却下。仕方なく一人で体を鍛え上げ、今ではMMAの選手みたいな肉体をゲット。リンゴだって片手で握り潰せる。
ヤンキー同士はガンの飛ばしあいをしている。
まず、こいつらの一人とやるか。
とにかくケンカに勝って名を上げる事だ。ビビってんじゃねぇ。
教室の一番後ろの席でふんぞり返ってるデカイの。アマ中で番張ってた佐藤だろ。伝説はいくつも聞いてる。アイツをやれば一気にトップだ。まどろっこしい事なんかやってられねぇ。
正直怖いけどやるか。やるしかない。
ビビってんのばれないよな。
気合い入れろ!
近づくとうさんくさそうな視線を投げてきた。
イカツイ顔してんな。本当に高一か?
「アマ中の佐藤か?」
精一杯ドスの効いた声を出したつもりだが…
「だったらなんやねん?てかお前だれや?」
見た目どおりの太く低い声。
ビビんな。引くな。
「俺とタイマン張れ」
「は?」
本気で驚いた顔。
「何ゆうてんねん?」
立ち上がると思ってたよりでかかった。俺もタッパはある方だが少し負けてる。体重では全然勝負にならない。組み合いになったら勝てない。打撃で先手必勝しかない。
不思議にさっきまでの怖さを感じなくなってる。アドレナリンとか言う奴が出てるのかも。
気づくとクラス中がこっちを見てる。注目されて相手も引けなくなったはず。
「お前マジおかしいんとちゃうんけ。キモ」
胸をこづかれた。結構な力で一瞬息がつまるがカウンター気味に右ストレートを思いっきり顔面に叩き込む。
相手が吹き飛び教室の後ろに並ぶロッカーに激突。
よっしゃあ!
喜びのあまり叫んだ瞬間右拳に激痛。
痛ってぇ!!
思わず左手で右手を抱え込む。右こぶしの皮が剥け血が滲み、しかも見る見るうちに腫れ上がってくる。
…痛みで気づかなかったが教室の空気が変だった。
俺一人とそれ以外の全員に分かれてる。
佐藤は仰向け大の字に倒れピクリとも動かない。その周りに人だかりができていて…
え?
これヤベーだろと誰かが言い、こちらに向けられる視線に込められてるのは恐怖と哀れみと…
「ウチの中学のアイツやんけ。名前出てけえへんわ」
「これ死んでるやん」
「あ~ああ。なにやらかしてんねん」
こいつら楽しんでやがる。
膝がガクガク震え始めうまく物を考える事ができない。
本当に死んでるのか?
こんな簡単に死ぬのか?
佐藤は相変わらずピクリともしない。見に行きたいが怖くて無理だ。
血相を変えて教師が教室に飛び込んできた。スマホで救急車を呼び次に警察に…
警察か。
こんなはずじゃなかったのに。
人、殴ったらこんなに手が痛いとは。グローブみたいに腫れあがるなんて…
それにおもいっきり殴っても死んだりしないはずだろ。
漫画だったら俺と佐藤はタイマン張った後ダチになってたのに…
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