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#04 夫の帰宅とアレルギー
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「おーい、調子でもわるいのか?」
私は遠くに聞こえる夫の声で目覚めた。
いつもなら、夫の帰りを夕飯を作って待っているのだが、元彼との事を思い返して血の気が引く。
あれからどれくらい眠っていたのだろう。
拘束されて感じやすくなり、そのまま模擬ペニスに数えきれないほど逝かされた。
私は夫の声のする一階へ向かおうとベッドで体を起こして固まる。
私、今全身をラバーで覆われて体は動かせるが何もできない状態である事を思い出した。
“どうしよう?“
一生懸命にお団子のような手でラバーを脱ごうとするが、ラバーの上をただ滑るだけで着ているものをズラす事すらできない。
立ち上がってみたが、サイハイブーツとタイトなワンピースで満足に歩く事もできない。
“とにかく、寝室を出て夫の元へ向かえば脱がせてもらえる“
そう思った私はお団子のような手で手探りしながら寝室の扉へと向かう。
いつもは何気に開けているドアノブが恨めしい。
お団子のような手では、両手を使っても滑るだけで開く事ができない。
ドアを叩いて夫に私がいる事を伝えようと、ドアに向かって手を振り上げて私の手が止まる。
【夫は今の私の姿を見てどう思うだろうか】
元彼と不倫をこんな姿にされたと知ったら、私の事を助けてくれるだろうか?
私は振り上げた手を下ろして、ベッドの陰になりすぐには見つからない位置へと移動した。
階段を登る音が聞こえる。
夫は一階にいない妻を二階へ探しに来たのだ。
夫は真っ直ぐ寝室へ向かってくるのは足音で分かる。
二階のどの部屋にも照明が点いていなければ、必然寝室を覗きに来るだろう。
『ガチャ!』
私がなかなか開く事ができなかった扉が簡単に開かれて、照明が点く。
ラバーマスクで視界はないものの、照明の灯りで目の前が赤一色に染まる。
ベッドの陰に隠れたといっても体を全て隠せる訳もなく、夫からは頭が見えているだろう。
ゆっくりとこちらに近づく足音。
そして、夫が叫んだ。
「なんだ、その格好は?」
私は観念してゆっくりと声のした方へ向いて立ち上がる。
「どうしたんだよ、その格好、誰にやられたんだ!」
語気を強める夫。
「なんとか言えよ!」
私はお団子のような手を使いゼスチャーで話せないことを必死に伝えた。
なかなか理解してもらえないようなので、声を振り絞って呻き声を上げる事でようやく伝わった。
だが、夫はラバーを脱がそうとしてくれない。
私は必死に脱がして欲しいと訴えたが、夫からの反応はない。
そして、夫は呟く。
「俺はラテックスアレルギーなんだ、君には触れられない」
そう言うとそのまま家を出て行ってしまった。
私は夫の後を追うが、目の見えない私が追いつけるはずもなかった。
玄関までようやく辿り着いた。
玄関は開けっ放し。
早く、このラバーを脱いで夫と話をしなければならない。
かといって、こんな格好で出て行っても誰も相手してくれないだろう。
そう思った私の脳裏に一人の女性が浮かんできた。
その女性とは我が家から数十メートル行った所にあるコンビニの店員さん。
私はそこへ夜な夜なお菓子を買いに行くことがあり知り合った。
彼女は若くピンク色の頭をしているが、見た目とは違い凄くいい子だ。
人に対する偏見もなく、誰にでも優しく接している。
そんな彼女なら今の私を助けてくれるかも知れない。
一縷の望みをかけて、私はコンビニを目指す事にした。
私は遠くに聞こえる夫の声で目覚めた。
いつもなら、夫の帰りを夕飯を作って待っているのだが、元彼との事を思い返して血の気が引く。
あれからどれくらい眠っていたのだろう。
拘束されて感じやすくなり、そのまま模擬ペニスに数えきれないほど逝かされた。
私は夫の声のする一階へ向かおうとベッドで体を起こして固まる。
私、今全身をラバーで覆われて体は動かせるが何もできない状態である事を思い出した。
“どうしよう?“
一生懸命にお団子のような手でラバーを脱ごうとするが、ラバーの上をただ滑るだけで着ているものをズラす事すらできない。
立ち上がってみたが、サイハイブーツとタイトなワンピースで満足に歩く事もできない。
“とにかく、寝室を出て夫の元へ向かえば脱がせてもらえる“
そう思った私はお団子のような手で手探りしながら寝室の扉へと向かう。
いつもは何気に開けているドアノブが恨めしい。
お団子のような手では、両手を使っても滑るだけで開く事ができない。
ドアを叩いて夫に私がいる事を伝えようと、ドアに向かって手を振り上げて私の手が止まる。
【夫は今の私の姿を見てどう思うだろうか】
元彼と不倫をこんな姿にされたと知ったら、私の事を助けてくれるだろうか?
私は振り上げた手を下ろして、ベッドの陰になりすぐには見つからない位置へと移動した。
階段を登る音が聞こえる。
夫は一階にいない妻を二階へ探しに来たのだ。
夫は真っ直ぐ寝室へ向かってくるのは足音で分かる。
二階のどの部屋にも照明が点いていなければ、必然寝室を覗きに来るだろう。
『ガチャ!』
私がなかなか開く事ができなかった扉が簡単に開かれて、照明が点く。
ラバーマスクで視界はないものの、照明の灯りで目の前が赤一色に染まる。
ベッドの陰に隠れたといっても体を全て隠せる訳もなく、夫からは頭が見えているだろう。
ゆっくりとこちらに近づく足音。
そして、夫が叫んだ。
「なんだ、その格好は?」
私は観念してゆっくりと声のした方へ向いて立ち上がる。
「どうしたんだよ、その格好、誰にやられたんだ!」
語気を強める夫。
「なんとか言えよ!」
私はお団子のような手を使いゼスチャーで話せないことを必死に伝えた。
なかなか理解してもらえないようなので、声を振り絞って呻き声を上げる事でようやく伝わった。
だが、夫はラバーを脱がそうとしてくれない。
私は必死に脱がして欲しいと訴えたが、夫からの反応はない。
そして、夫は呟く。
「俺はラテックスアレルギーなんだ、君には触れられない」
そう言うとそのまま家を出て行ってしまった。
私は夫の後を追うが、目の見えない私が追いつけるはずもなかった。
玄関までようやく辿り着いた。
玄関は開けっ放し。
早く、このラバーを脱いで夫と話をしなければならない。
かといって、こんな格好で出て行っても誰も相手してくれないだろう。
そう思った私の脳裏に一人の女性が浮かんできた。
その女性とは我が家から数十メートル行った所にあるコンビニの店員さん。
私はそこへ夜な夜なお菓子を買いに行くことがあり知り合った。
彼女は若くピンク色の頭をしているが、見た目とは違い凄くいい子だ。
人に対する偏見もなく、誰にでも優しく接している。
そんな彼女なら今の私を助けてくれるかも知れない。
一縷の望みをかけて、私はコンビニを目指す事にした。
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