巨大昆虫観察

第3章 巨大昆虫の生態調査

#13 成虫たちの生態〜旅立ち編〜

こうして最後まで生き残ったのは明日菜はワイヤーに釣られて巨木の天辺に辿り着き飛び立つ。

羽を広げて空を飛ぶ1匹の巨大カナブン。
広葉樹の林を求めて飛んでいる時だった。
大きな網が突然降ってきて、巨大カナブンを捕獲する。

網で捕まえられた巨大カナブンは雑木林のセットの中をを引き摺り回されて移動。
必死に逃れようとする明日菜だったが、カナブンの鉤爪が網に引っかかり、暴れれば暴れるほど絡まっていく。

網で巨大カナブンを捕獲したのは巨大昆虫を専門とするハンターの男たち。
網に絡まった巨大カナブンを男3人で力ずくで押さえて網から外すと鉄格子の巨大昆虫専用の虫カゴの中へと入れる。

そして、虫カゴには布がかけられて移動を始める。
途中、リフトでトラックに積まれて移動する。
明日菜は不安になっていた。
もう。自分を写すカメラもなくメンバーも誰一人いない。
もしかして、人身売買されるのではと不安が不安を呼び、悪い考えはどんどん膨らんでいった。

虫カゴはトラックから降ろされて、エレベーターのように載せられてゆっくりと上昇していく。
“私は一体どうなってしまうの？“
自然と涙が溢れてきた時、エレベーターの上昇が止まった。