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第3章 巨大昆虫の生態調査
#9 成虫〜撮影開始〜
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茉莉菜はオレンジ色のラバースーツの上から内臓器官の着ぐるみ、絵里菜はウエットスーツ、明日菜は緑色の顔出し全身タイツ、愛菜はノッペラボウの緑色のラバースーツと三人三様ならぬ、四人四様でスタジオに入ってきた。
それぞれスタッフと香織、それに和佳菜、莉菜、美菜も加わり4人がカナブンの着ぐるみに入るのをサポートする。
着ぐるみを着た人間にしか分からない部分もあり、円滑なサポートが出来て4人はカナブンの着ぐるみに収まった。
すぐにサナギの着ぐるみが準備される。
特に茉莉奈は着ぐるみにラバースーツと4重の重ね着となるため、迅速に準備が進められる。
スタッフが研究所職員たちがよく見える位置に四つの穴が土を固めて事前に作られている。
そこへ準備のできたサナギが静かに降ろされていく。
いよいよ、撮影が始まる。
「よーい、スタート!」
の声と共に動き始めるカナブンたち。
カナブンからは彼女たちのくぐもった声が聞こえるが、編集されるので撮影は続く。
まず、サナギから出てきたのは明日菜のカナブン。
サナギの着ぐるみを踏み台にして、穴から這い出ていく。
研究所職員たちから歓声が上がる。
「おお、遂に成虫になったぞ!」
次に愛菜のカナブンがサナギから脱皮した。
少し動きが悪くサナギの皮を脚に引っ掛けたままだが、土から這い出た。
愛菜のカナブンは脚を振りながら、サナギの皮を外そうとしている。
職員たちからは拍手。
「おい、脚に皮が引っかかってるぞ!」
などと言いながら、成虫の登場に盛り上がる演技。
茉莉菜は重ね着し、脱皮できない事はスタッフ以下見守る全員が分かっているのだが、運動神経抜群の絵里菜がサナギからなかなか脱皮できないのには不安を覚える。
不安そうに見つめるスタッフとメンバーたち。
ただ、一部のスタッフはカラクリを知っていた、絵里菜のサナギが明日菜や愛菜のサナギよりも脱皮しにくい事を。
それでも絵里菜は力強く気合を入れて、脱皮を試みている。
そうしてようやく脱皮できて、土から這い出てきた絵里菜は体力を使い果たして動けなくなっていた。
それを見て拍手をする職員もいれば、成虫を心配する声を上げる職員もいた。
最後に残ったのは茉莉菜。
着ぐるみの重ね着で動きは緩慢。
加えて、サナギはほとんど破れない様に仕組まれていた。
和佳菜の時でも半分くらいは脱皮できたのだが、ほとんど脱皮できずに重ね着をしたまま茉莉菜は動かなくなった。
だが、それだけでは終わらない。
穴の土が崩れて茉莉菜が生き埋めになってしまった。
職員たちが騒ぎ始める。
「おい、貴重なサンプルだ、早く回収を!」
演技なのか本当なのか分からない職員たちの行動であったが、生き埋めになった茉莉菜は迅速に救出された。
着ぐるみを重ね着していたのが幸いし、着ぐるみ内の空気が吸えて、茉莉菜は気絶する事はなかったが、生き埋めにされた事は怖かったと後のメイキングで泣きながら語っていた。
それぞれスタッフと香織、それに和佳菜、莉菜、美菜も加わり4人がカナブンの着ぐるみに入るのをサポートする。
着ぐるみを着た人間にしか分からない部分もあり、円滑なサポートが出来て4人はカナブンの着ぐるみに収まった。
すぐにサナギの着ぐるみが準備される。
特に茉莉奈は着ぐるみにラバースーツと4重の重ね着となるため、迅速に準備が進められる。
スタッフが研究所職員たちがよく見える位置に四つの穴が土を固めて事前に作られている。
そこへ準備のできたサナギが静かに降ろされていく。
いよいよ、撮影が始まる。
「よーい、スタート!」
の声と共に動き始めるカナブンたち。
カナブンからは彼女たちのくぐもった声が聞こえるが、編集されるので撮影は続く。
まず、サナギから出てきたのは明日菜のカナブン。
サナギの着ぐるみを踏み台にして、穴から這い出ていく。
研究所職員たちから歓声が上がる。
「おお、遂に成虫になったぞ!」
次に愛菜のカナブンがサナギから脱皮した。
少し動きが悪くサナギの皮を脚に引っ掛けたままだが、土から這い出た。
愛菜のカナブンは脚を振りながら、サナギの皮を外そうとしている。
職員たちからは拍手。
「おい、脚に皮が引っかかってるぞ!」
などと言いながら、成虫の登場に盛り上がる演技。
茉莉菜は重ね着し、脱皮できない事はスタッフ以下見守る全員が分かっているのだが、運動神経抜群の絵里菜がサナギからなかなか脱皮できないのには不安を覚える。
不安そうに見つめるスタッフとメンバーたち。
ただ、一部のスタッフはカラクリを知っていた、絵里菜のサナギが明日菜や愛菜のサナギよりも脱皮しにくい事を。
それでも絵里菜は力強く気合を入れて、脱皮を試みている。
そうしてようやく脱皮できて、土から這い出てきた絵里菜は体力を使い果たして動けなくなっていた。
それを見て拍手をする職員もいれば、成虫を心配する声を上げる職員もいた。
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着ぐるみの重ね着で動きは緩慢。
加えて、サナギはほとんど破れない様に仕組まれていた。
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だが、それだけでは終わらない。
穴の土が崩れて茉莉菜が生き埋めになってしまった。
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「おい、貴重なサンプルだ、早く回収を!」
演技なのか本当なのか分からない職員たちの行動であったが、生き埋めになった茉莉菜は迅速に救出された。
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