巨大昆虫観察

ごむらば

文字の大きさ
上 下
16 / 29
第3章 巨大昆虫の生態調査

#1 プロローグ

しおりを挟む
木からゆっくりと降りる巨大カナブン。
何かの拍子に4本の脚を天に向けて落下した。
地面に叩きつけられた巨大カナブンのお尻からは粘液混じりの卵が飛び出した。
それも1つや2つではない。
全部で7つ。
その卵を巨大カナブンの生態を調査している研究所職員たちが素早く回収してしまった。
本来なら土に産みつけた卵を掘り起こして回収するために職員たちは待機していたのだが、土を掘り返す事なく回収ができた。

仰向けになった巨大カナブンは手足をバタバタさせて手足の鉤爪を近くの枝に引っ掛ける事でようやく元の体勢に戻した。
誤って産卵した事に気づいているのか、巨大カナブンは卵を探している様子。
しかし、卵はすでに回収されておりそこにはない。

その事を知らない巨大カナブンは卵を探し続けて、ついには動かなくなり絶命してしまった。


「カット!」
カットの声と共に女性スタッフが巨大カナブンに駆け寄る。
巨大カナブンは動き回ったので、苦しそうに体を上下にさせている。
巨大カナブンの中の人を出す為に、腹部の背中、つまり羽が収納されている部分を開く。
そこを開くと羽があり、羽を掻き分けるとサナギのような色をした腹部が現れる。 
そこには腹部のジャバラのようになった横に並ぶラインの中に一つだけファスナーが紛れている。
それを女性スタッフが開けると、緑色の粘液が滲み出てくる。
女性スタッフについてカメラマンもその様子を撮影しているが、それはまるで本物の虫の様。

緑色の粘液はさらに大量に流れ出たと思うと、黒いモノが出てきた。
その黒いモノは人の形をしている。
顔にはガスマスクを装着し、それに繋がるホースが垂れ下がっている。
ガスマスクは中の人が緑色の粘液で呼吸を阻害される事はないようになっていた。

出てきた人は依然苦しそうに肩で呼吸をしている。
その姿は全身ラバースーツの女性。
この巨大昆虫シリーズには欠かせない織田香代子こと田代香織、今は結婚したので田代は旧姓だが。

今回、織田香代子のスーツアクトレスとしての出番はこれだけ。
後はスーツアクトレスとして巨大昆虫観察の経験があるため、アドバイザーとして参加していく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

女怪人 ビークイーン

ごむらば
恋愛
特撮番組の撮影をしている現場に遭遇した男性。女怪人を見かけたのだが、ある事を思い出して検索したら…

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

真夏の草むらで大きなヘビを見た

ごむらば
大衆娯楽
男がソロキャンプで人のいない所を探していたところ、大きなヘビと遭遇した。だが、その大きなヘビは幻の生物だった。捕獲に乗り出す男だったが…。

山縣藍子のくすぐりシリーズ

藍子
大衆娯楽
くすぐり掲示板したらばの【君の考えたくすぐりシーン】スレで連載していた大人気?(笑)シリーズの藍子のくすぐり小説です。

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

処理中です...