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第2章 新たなる観察
#1 撮影
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蜂の巣のような六角形をした穴が壁一面にいくつも並び、その穴の一つ一つが薄い膜で覆われている。
その膜の中を覗くと生物らしきものが蠢いているのがわかる。
ここは巨大昆虫観察の続編のセットの中。
1匹の黒いカマキリのような昆虫が穴の中を覗きながら移動している。
そして、ある穴で立ち止まるとフック状になった腕で膜を破り中の生物を引き摺り出す。
穴の中にいた生物は粘液と共に黒いカマキリの足元へ引き出される。
粘液で覆われた状態でピクピクと動いている。
よく見ると、壁の前にはよく似た生物が数匹、地面に転がっている。
しかし、どう見ても虫の息という感じで、すでに動かなくなったのもいる。
そんなことはお構いなしに黒いカマキリは次の穴へ行き同じ作業を繰り返している。
しかし、ある穴で膜を破るまでは同じだったが、引き出し方が少し丁寧な生物がいた。
中から出てきたのは、きれいなオレンジ色をしたサナギ。
黒いカマキリはサナギに付いている粘液を自分の長い舌で舐めるようにふき取っている。
そして、粘液を舐めてふき取っていると、全く動いていなかったサナギが躰を盛んにくねらせて動き出した。
まるで、くすぐったいと言わんばかりに。
それを見た黒いカマキリは作業に戻っていった。
また、別の穴の膜を破り中の生物を取り出す。
今回も少し丁寧に取り出したように見える。
中から出てきたのは、ピンク色のビニールのようなものに包まれた紫色の生物。
その紫色の生物は人の形をしているようにも見える。
それも裸の女性。
その生物は自らビニールのような膜を破り這い出てきた。
全身が紫色に見えるのは薄い透けたものを身に纏っているからだった。
身に纏っているものを除けば人間の女性そのものである。
その生物は黒いカマキリを見ると、走って体当たりして黒いカマキリを倒し、馬乗りになり頭をもぎ取ってしまった。
黒いカマキリからは、黒い血のようなものが吹き上がる。
その血しぶきの向こう側でゆっくりと、全身紫色のラバースーツに身を包んだ崎田桃子が立ちあがったところでカットの声。
先ほどまで、ピクピクしながら地面に倒れていた昆虫たちも起き上がってくる。
そこへスタッフが慌しく駆け寄り、彼女たちの背中のファスナーを次々に開けていく。
そう、昆虫に入っていたのは黒いカマキリを除いてすべて女性だった。
昆虫から顔を出した女性たちに恒例のメイキング映像のためスタッフがインタビューしていく。
最後の方に引き出された女の子のインタビューでは着ぐるみを着て仰向けに穴に入り、ローションを大量に流し込まれた穴でひたすら自分の番を待っていました。
途中からすごく暑くなってきたので、早く私のところへ来て欲しいという思いでいっぱいでした。
膜が破られローションと共に自分も外へ出られたときはホッとしたが、今度は撮られているので、自分なりに虫のような動きが表現できたか、わかりませんが頑張りましたと顔中汗だくだが笑顔でコメントしている。
その膜の中を覗くと生物らしきものが蠢いているのがわかる。
ここは巨大昆虫観察の続編のセットの中。
1匹の黒いカマキリのような昆虫が穴の中を覗きながら移動している。
そして、ある穴で立ち止まるとフック状になった腕で膜を破り中の生物を引き摺り出す。
穴の中にいた生物は粘液と共に黒いカマキリの足元へ引き出される。
粘液で覆われた状態でピクピクと動いている。
よく見ると、壁の前にはよく似た生物が数匹、地面に転がっている。
しかし、どう見ても虫の息という感じで、すでに動かなくなったのもいる。
そんなことはお構いなしに黒いカマキリは次の穴へ行き同じ作業を繰り返している。
しかし、ある穴で膜を破るまでは同じだったが、引き出し方が少し丁寧な生物がいた。
中から出てきたのは、きれいなオレンジ色をしたサナギ。
黒いカマキリはサナギに付いている粘液を自分の長い舌で舐めるようにふき取っている。
そして、粘液を舐めてふき取っていると、全く動いていなかったサナギが躰を盛んにくねらせて動き出した。
まるで、くすぐったいと言わんばかりに。
それを見た黒いカマキリは作業に戻っていった。
また、別の穴の膜を破り中の生物を取り出す。
今回も少し丁寧に取り出したように見える。
中から出てきたのは、ピンク色のビニールのようなものに包まれた紫色の生物。
その紫色の生物は人の形をしているようにも見える。
それも裸の女性。
その生物は自らビニールのような膜を破り這い出てきた。
全身が紫色に見えるのは薄い透けたものを身に纏っているからだった。
身に纏っているものを除けば人間の女性そのものである。
その生物は黒いカマキリを見ると、走って体当たりして黒いカマキリを倒し、馬乗りになり頭をもぎ取ってしまった。
黒いカマキリからは、黒い血のようなものが吹き上がる。
その血しぶきの向こう側でゆっくりと、全身紫色のラバースーツに身を包んだ崎田桃子が立ちあがったところでカットの声。
先ほどまで、ピクピクしながら地面に倒れていた昆虫たちも起き上がってくる。
そこへスタッフが慌しく駆け寄り、彼女たちの背中のファスナーを次々に開けていく。
そう、昆虫に入っていたのは黒いカマキリを除いてすべて女性だった。
昆虫から顔を出した女性たちに恒例のメイキング映像のためスタッフがインタビューしていく。
最後の方に引き出された女の子のインタビューでは着ぐるみを着て仰向けに穴に入り、ローションを大量に流し込まれた穴でひたすら自分の番を待っていました。
途中からすごく暑くなってきたので、早く私のところへ来て欲しいという思いでいっぱいでした。
膜が破られローションと共に自分も外へ出られたときはホッとしたが、今度は撮られているので、自分なりに虫のような動きが表現できたか、わかりませんが頑張りましたと顔中汗だくだが笑顔でコメントしている。
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