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第1章 巨大昆虫観察
#5 着ぐるみの中
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話は撮影現場に戻ります。
イモムシの着ぐるみでの最後のシーンは口から糸を出して繭を作るのですが、さすがに着ぐるみから糸を出して繭を作るのは難しい。そこで口から糸をだしているようにCG合成で見せて、イモムシに少しずつ糸を巻きつけた状態を撮影していき、 繭が少しずつできていくように撮影した。
ただ、巻きつけていくときは簡単に巻き付けることができたのだが、外すときは絡まりすぎて外すのにかなりの時間を要した。
私が着ぐるみから出された時は、糸で締め付けられ長時間でヘトヘトになっていた。
繭だけのときは着ぐるみシーンはなかったので、 共演の子ども達の休憩のとき一緒に遊んだりもした。
卵から幼虫、幼虫からサナギ、サナギから成虫へと変体していく時、着ぐるみを重ね着したりするのが、特に大変だった。
卵から産まれるシーンは説明したが、幼虫から繭になり、今度は新しくサナギの着ぐるみを着て繭へと入る。
サナギの着ぐるみはカブトムシのサナギのような色をしていた。
手足は畳んで着ぐるみに入るだが、サナギの4本の脚は躰部分にくっついているので、ほとんど動かすことはできない。
できる事といえば、躰は曲げたり反ったりするくらい、動き的にはイモムシの時と大差はなかった。
違うところはスタッフなしでも、ある程度着ぐるみが自分で着られることぐらい。
サナギの着ぐるみを着る時は、まずほとんど動かせない脚に両足を入れ、昆虫の腹部にお尻を押し込むようにすると胸の辺りまで着ぐるみに入ることができる。
胸の前にある2本の筒状のものに袖を通して、背中から胸にかけてのフードを被る(サーフィンのノージップ ウエットスーツのような感じに)。
最後に頭部と胸部が一緒になったものを腹部との境界まで被り、動かせない胸部の脚に腕を入れて完成となる。
ある程度一人で着ることができたが、脱ぐ時は少し助けが必要だった。
また、イモムシの時と同じく移動はできない。
這って移動すると着ぐるみが汚れたり破れたりするので、スタッフに抱き抱えて運んでもらう。
繭の裏側からサナギになった私を入れて、撮影が始まる。
不安定な場所に繭が置かれていたので、
繭の中で少し動いただけなのにえらく転がってしまう事が何度かあった。
手足を自由に動かせないサナギの着ぐるみ、
外は繭に包まれている状態、なにもできないが転がってしまってかなり焦って無駄とは分かっていながらも動いて何とかしようとしている自分がいた。
繭が転がってしまった上、変に動いたので撮りなおしだろうと思っていたが、意外や意外、これが生命体の感じが出ていると好評だった。
確かに繭の中で少し動くくらいなら、私が入る必要がないとは思っていた。
子ども達が好奇心から、サナギを繭から取り出し触るシーンでも動きにリアリティがあると褒められたのだが実は子ども達につつかれて本気でくすぐったくて、ただ逃れるのに必死なだけだった、とはとても後では言い出せなかった。
イモムシの着ぐるみでの最後のシーンは口から糸を出して繭を作るのですが、さすがに着ぐるみから糸を出して繭を作るのは難しい。そこで口から糸をだしているようにCG合成で見せて、イモムシに少しずつ糸を巻きつけた状態を撮影していき、 繭が少しずつできていくように撮影した。
ただ、巻きつけていくときは簡単に巻き付けることができたのだが、外すときは絡まりすぎて外すのにかなりの時間を要した。
私が着ぐるみから出された時は、糸で締め付けられ長時間でヘトヘトになっていた。
繭だけのときは着ぐるみシーンはなかったので、 共演の子ども達の休憩のとき一緒に遊んだりもした。
卵から幼虫、幼虫からサナギ、サナギから成虫へと変体していく時、着ぐるみを重ね着したりするのが、特に大変だった。
卵から産まれるシーンは説明したが、幼虫から繭になり、今度は新しくサナギの着ぐるみを着て繭へと入る。
サナギの着ぐるみはカブトムシのサナギのような色をしていた。
手足は畳んで着ぐるみに入るだが、サナギの4本の脚は躰部分にくっついているので、ほとんど動かすことはできない。
できる事といえば、躰は曲げたり反ったりするくらい、動き的にはイモムシの時と大差はなかった。
違うところはスタッフなしでも、ある程度着ぐるみが自分で着られることぐらい。
サナギの着ぐるみを着る時は、まずほとんど動かせない脚に両足を入れ、昆虫の腹部にお尻を押し込むようにすると胸の辺りまで着ぐるみに入ることができる。
胸の前にある2本の筒状のものに袖を通して、背中から胸にかけてのフードを被る(サーフィンのノージップ ウエットスーツのような感じに)。
最後に頭部と胸部が一緒になったものを腹部との境界まで被り、動かせない胸部の脚に腕を入れて完成となる。
ある程度一人で着ることができたが、脱ぐ時は少し助けが必要だった。
また、イモムシの時と同じく移動はできない。
這って移動すると着ぐるみが汚れたり破れたりするので、スタッフに抱き抱えて運んでもらう。
繭の裏側からサナギになった私を入れて、撮影が始まる。
不安定な場所に繭が置かれていたので、
繭の中で少し動いただけなのにえらく転がってしまう事が何度かあった。
手足を自由に動かせないサナギの着ぐるみ、
外は繭に包まれている状態、なにもできないが転がってしまってかなり焦って無駄とは分かっていながらも動いて何とかしようとしている自分がいた。
繭が転がってしまった上、変に動いたので撮りなおしだろうと思っていたが、意外や意外、これが生命体の感じが出ていると好評だった。
確かに繭の中で少し動くくらいなら、私が入る必要がないとは思っていた。
子ども達が好奇心から、サナギを繭から取り出し触るシーンでも動きにリアリティがあると褒められたのだが実は子ども達につつかれて本気でくすぐったくて、ただ逃れるのに必死なだけだった、とはとても後では言い出せなかった。
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