河童村

ごむらば

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池や川の多いここ河童村。
ここにはカッパ伝説も多いがそれだけではない。
ここには未だに多くのカッパが生息している。
今日もカッパを生捕りにしようとハンターが集まって来ている。
廃屋のカビ臭い床下収納に隠れた一匹のカッパは小刻みに体を震わせていた。
扉が勢いよく開けられ、廃屋の中に扉を開く大きな音が響く。
床下に隠れてるカッパは体を強張らせ息を殺した。


6時間前…
「楽しみだね、沙織」
「うん」
私に話しかけてきたのは大学の親友 麻美。
ビルの中には行列ができている。
皆、私たちと似たような背格好の女の子たちだ。
順番に部屋番を告げられて、ロッカーの鍵を渡される。
指定されたロッカーを開くとそこには厚手の緑色をした全身一体型のラバースーツが入っている。
私は服を全て脱いで生まれたままの姿になると、ロッカーの中へ私物と脱いだ服を全て中へと収める。
そして、ラバースーツとそれを着る為のドレッシングエイドを取り出した。
ドレッシングエイドを足から順に体に塗ると、ラバースーツに足を通していく。
私の周りでは皆、同じように裸でラバースーツを着ていた。
それは麻美も同じだった。
緑色のラバースーツを着終えると肌の露出の全くない姿の女性たちが周りにいる。
肌の露出はないと言ったが、目の所は緑色のかかった透過レンズが付いているので視界は良好で、口や鼻にも見えないほど小さな呼吸穴があるので呼吸も苦しくない。
ただ、口はラバーマスクにくっ付いたちくわのようなゴムを口いっぱいに頬張っているので、呼吸はできても話す事はできない。
私たちと同じような体型のラバースーツを着終えた女性たちがロッカーの鍵を持って並んでいる。
大きな機械の前には女性スタッフがおり、ラバースーツを着た女性からロッカーの鍵を受け取るとその鍵で、ラバースーツの頭の天辺まで閉めたファスナーに何かすると、ファスナーが開かなくなった。
そして、その女性のロッカー番号の入った焼印のようなものを右肩に押し付けると番号が刻印された。
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