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3 病弱の原因?
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翌日になっても、テオの熱は下がらず。
私は看病を手伝いつつ、テオの命を守る方法について、具体的にはどうすれば良いだろうか?と、ずっと頭を悩ませていた。
魔獣討伐や暗殺者なんかは、周囲が守ってあげる事も出来るだろう。
しかも事前に分かっているのだから、対策が立てやすい。
だが、流行り病に関しては・・・・・・。
テオに健康になって貰うしかない。
ゲームの中では、ヒロインが熱心に教会に通い、その時までに聖女の力を身に付けてさえいれば、治癒魔法で簡単にテオを助ける事が出来るのだ。
だが、この世界の何処かに実在するヒロインさんが、真面目で信仰に厚いタイプなのかは分からないし、彼女の聖女の力に賭けるのは危険だろう。
かと言って、モブの私がどんなに熱心に教会で祈ったとて、聖女の力が芽生えるとは思えない。
健康にすると言っても、私は医者でも薬剤師でもない。
八方塞がりだ。
右のこめかみを抑えて、邸の廊下をぐるぐると歩き回りながら、思考を巡らせる。
お父様の血を受け継いでいるせいか、私は体を動かしながら考え事をするタイプなのだ。
認めたくないけど、私もちょっと脳筋なのかも。
因みに、考える時や何かを思い出そうとする時にこめかみを抑えるのは、前世からの癖だ。
すると、テオの部屋へ食事を運ぶ侍女とすれ違った。
───っっ!?
「ちょっと、待って!!」
「はい?どうしました?お嬢様」
侍女はキョトンとした顔で立ち止まるが、その手に持ったトレーの上の食事は明らかにおかしかった。
「これ、テオの食事よね?
病人にこんな物を食べさせているの?」
そのメニューは、ステーキにポテトに、具が入ってないコンソメスープに、パン。
以上。
いや、病人が食べる物では無い。
茶色一色だし、脂っこい。
病人じゃなかったとしても、こんなものばかり食べていたら病気になるに違いない。
「ああ、お嬢様はまだご存知無いのですね。
テオフィル殿下は、食が細い上に、異常な程に偏食なのですよ」
侍女は困った様な顔で微笑んだ。
いや、マジか。
確かに異常だ。
私の知ってる偏食のレベルを遥かに超えている。
あれ?
もしかして、だから、病弱なんじゃ無いの?
栄養が偏ってるから。
取り敢えず侍女はそのまま解放して、私は後でゆっくりテオの侍従に話を聞く事にした。
「テオフィル殿下は、元から食べ物の好き嫌いが多い方だったのですが、毒を盛られる度に、そのトラウマから食べられない物が増えていき、今の様な状態に・・・・・・」
応接室に呼び出したテオの侍従は、沈痛な面持ちでそう言った。
「それは・・・、お気の毒ですね。
何か対策はなさっているの?」
「王都にいる頃は、警備を見直したり、毒見の回数を増やしたりして、最近では毒を盛られる事は無いのですが、食べられる物を増やすのは難しくて」
嫌だわ。
気軽に聞いてしまったけど、その事情は思ったよりも闇が深かった。
王族怖い。
毒殺のトラウマなんて、どうすれば解消出来るのだろうか?
心理カウンセラーの資格でも取っておけば良かったな。
だけど、このままにはして置けないよね。
だって、死亡フラグを折ったとしても、成人病で死んじゃいそうだよ。
ダメ元で、普通に説得してみようか・・・。
「テオ、好き嫌いが多いと、素敵な男性にはなれませんよ?」
まだベッドから起き上がれないテオを説得にかかる。
先程の食事は、やはり、パンとスープを少量しか食べられなかったらしい。
そりゃそうだろう。
「別に良い。
どうせ、病弱な王子なんて、誰にも必要とされないから」
彼は拗ねた表情で、プイッと顔を逸らした。
「体が弱ってるから、そんな弱気なことを考えるんですよ。
しっかり食べないと元気にはなれません。
私はテオにずっと元気でいて欲しいです。
それに、食事って食べるよりも作る方がずっと時間がかかるんですよ。
だからちゃんと作った人に感謝して、残さず食べるように・・・」
「説教臭いよ。
エルザだって、料理作った事なんか無いくせに」
不満そうに口を尖られたテオが、ボソッと呟いた。
「作れますよ。簡単な物なら」
「じゃあ、作って見せてよ。
エルザが作った物なら、食べてあげる」
ラッキーだ。
売り言葉に買い言葉的な感じで、いつの間にか言質が取れてしまった。
よし、作ってあげようじゃないの。
前世を思い出したとはいえ、残念ながら、料理は別に得意じゃないんだけどね・・・。
なんだか、こうして見ると私って何の特技も無いよなぁ。
役立たずな自分に、ちょっと落ち込む。
まあ、一応専業主婦だったんだから、なんとかなるだろう。
私は看病を手伝いつつ、テオの命を守る方法について、具体的にはどうすれば良いだろうか?と、ずっと頭を悩ませていた。
魔獣討伐や暗殺者なんかは、周囲が守ってあげる事も出来るだろう。
しかも事前に分かっているのだから、対策が立てやすい。
だが、流行り病に関しては・・・・・・。
テオに健康になって貰うしかない。
ゲームの中では、ヒロインが熱心に教会に通い、その時までに聖女の力を身に付けてさえいれば、治癒魔法で簡単にテオを助ける事が出来るのだ。
だが、この世界の何処かに実在するヒロインさんが、真面目で信仰に厚いタイプなのかは分からないし、彼女の聖女の力に賭けるのは危険だろう。
かと言って、モブの私がどんなに熱心に教会で祈ったとて、聖女の力が芽生えるとは思えない。
健康にすると言っても、私は医者でも薬剤師でもない。
八方塞がりだ。
右のこめかみを抑えて、邸の廊下をぐるぐると歩き回りながら、思考を巡らせる。
お父様の血を受け継いでいるせいか、私は体を動かしながら考え事をするタイプなのだ。
認めたくないけど、私もちょっと脳筋なのかも。
因みに、考える時や何かを思い出そうとする時にこめかみを抑えるのは、前世からの癖だ。
すると、テオの部屋へ食事を運ぶ侍女とすれ違った。
───っっ!?
「ちょっと、待って!!」
「はい?どうしました?お嬢様」
侍女はキョトンとした顔で立ち止まるが、その手に持ったトレーの上の食事は明らかにおかしかった。
「これ、テオの食事よね?
病人にこんな物を食べさせているの?」
そのメニューは、ステーキにポテトに、具が入ってないコンソメスープに、パン。
以上。
いや、病人が食べる物では無い。
茶色一色だし、脂っこい。
病人じゃなかったとしても、こんなものばかり食べていたら病気になるに違いない。
「ああ、お嬢様はまだご存知無いのですね。
テオフィル殿下は、食が細い上に、異常な程に偏食なのですよ」
侍女は困った様な顔で微笑んだ。
いや、マジか。
確かに異常だ。
私の知ってる偏食のレベルを遥かに超えている。
あれ?
もしかして、だから、病弱なんじゃ無いの?
栄養が偏ってるから。
取り敢えず侍女はそのまま解放して、私は後でゆっくりテオの侍従に話を聞く事にした。
「テオフィル殿下は、元から食べ物の好き嫌いが多い方だったのですが、毒を盛られる度に、そのトラウマから食べられない物が増えていき、今の様な状態に・・・・・・」
応接室に呼び出したテオの侍従は、沈痛な面持ちでそう言った。
「それは・・・、お気の毒ですね。
何か対策はなさっているの?」
「王都にいる頃は、警備を見直したり、毒見の回数を増やしたりして、最近では毒を盛られる事は無いのですが、食べられる物を増やすのは難しくて」
嫌だわ。
気軽に聞いてしまったけど、その事情は思ったよりも闇が深かった。
王族怖い。
毒殺のトラウマなんて、どうすれば解消出来るのだろうか?
心理カウンセラーの資格でも取っておけば良かったな。
だけど、このままにはして置けないよね。
だって、死亡フラグを折ったとしても、成人病で死んじゃいそうだよ。
ダメ元で、普通に説得してみようか・・・。
「テオ、好き嫌いが多いと、素敵な男性にはなれませんよ?」
まだベッドから起き上がれないテオを説得にかかる。
先程の食事は、やはり、パンとスープを少量しか食べられなかったらしい。
そりゃそうだろう。
「別に良い。
どうせ、病弱な王子なんて、誰にも必要とされないから」
彼は拗ねた表情で、プイッと顔を逸らした。
「体が弱ってるから、そんな弱気なことを考えるんですよ。
しっかり食べないと元気にはなれません。
私はテオにずっと元気でいて欲しいです。
それに、食事って食べるよりも作る方がずっと時間がかかるんですよ。
だからちゃんと作った人に感謝して、残さず食べるように・・・」
「説教臭いよ。
エルザだって、料理作った事なんか無いくせに」
不満そうに口を尖られたテオが、ボソッと呟いた。
「作れますよ。簡単な物なら」
「じゃあ、作って見せてよ。
エルザが作った物なら、食べてあげる」
ラッキーだ。
売り言葉に買い言葉的な感じで、いつの間にか言質が取れてしまった。
よし、作ってあげようじゃないの。
前世を思い出したとはいえ、残念ながら、料理は別に得意じゃないんだけどね・・・。
なんだか、こうして見ると私って何の特技も無いよなぁ。
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