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116 脳筋の難解な思考
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「全く意味が分からないのだけど。
私とポンコツ殿下が結婚するかもしれなかった事と、貴方の去就に何の関係があると?」
本気で不思議そうに問い質すベアトリス。
私も全く同じ気持ちで、ニコラスが次の台詞を発するのを待った。
「残念ながら、ポ……いや、クリスティアン殿下とベアトリスは折り合いが悪かっただろう?」
今、ニコラスまで『ポンコツ』って言い掛けた?
「ええ。まあ、そうね」
ベアトリスは『ポ……』には気付かなかった振りをする事に決めたらしく、何食わぬ顔で相槌を打った。
「それに、幼馴染で頼りになるアイザックも、殿下の下を去ってしまった。
…………だからだ」
「いや、だから何よ?」
ベアトリスが益々怪訝な表情になる。
必要な部分の説明が丸っと全部抜け落ちてるのに、強引に『だからだ』って締められても。『へー、そうなんだぁ』とはならないからね?
この人、絶望的に会話が下手だな。
たまに居るよね、こーゆー人。
「……えーと…、だから、その状況において俺までが殿下と決別したら、王宮ではベアトリスの近くに親しい者が誰も居なくなってしまうだろう?
王子妃になれば友人や家族とも今ほど気軽には会えない。
ベアトリスは俺達と違って正式な婚約者という立場だから、簡単にはその立場を降りられないかもしれないと思って……」
ニコラスの説明を聞いている内に、ベアトリスの美しい眉が寄り、谷底みたいに深い縦皺が刻まれた。
それってベアトリスを心配して側に居ようとしたって事よね。
でもその心配の方向性が斜め上過ぎない?
「私を気遣ってくれていたとでも言いたいのかしら?
じゃあ、どうしてあんな事を言ったりしたのよ?」
「あんな事?」
何の事だか分からないのか、ニコラスは訝し気な顔で聞き返す。
「『プリシラ・ウェブスターを見習え』って言ったでしょう?
正直に言えば、ポンコツと聖女崩れがどうなろうと知ったこっちゃ無いわ。
寧ろ私は幼馴染からあんな言葉を掛けられた事に一番傷付いたのよ」
「……そう、だったのか。……悪かった」
ニコラスは大きな背中を丸めて項垂れた。
「私は謝罪を聞きたいんじゃなくて、説明を求めているのだけど?
どういう考え方をしたら、気遣いたかったはずの相手に対してそんな言葉が出てくるのか、私にも分かる様に説明してくれない?」
腕組みをしたベアトリスがニコラスを睥睨すると、彼は益々縮こまり、俯いたままポツリポツリと説明し始めた。
「仲の悪い二人が円満な夫婦になるには、少しずつでも歩み寄る努力が必要だと思ったんだ。
最初は殿下の説得を試みたが、どんなに頑張ってみても俺の言葉なんて殿下の耳には全く届かなかった。
それなら、ベアトリスから先に歩み寄ってもらうしか無いと思って……」
「それで? ポンコツ殿下に好かれる為に、あの女の真似事をして媚を売れと?」
ニッコリと笑ったベアトリスの瞳は氷点下の冷たさだ。
背後に怒りのオーラが立ち昇っているのが見えた気がして、思わずブルっと肩が震えた。
「その……、申し訳、ありません」
急に敬語っ!
「そもそも、なんで私がそこまでしてポンコツと円満な夫婦にならなきゃいけないのよ。
そんな見当違いの助言をくれる位なら、婚約破棄に協力してくれた方がよっぽど建設的だわ」
「…………………だって、」
長い沈黙の後、俯けていた顔を上げたニコラスは捨て犬みたいな目をしていた。
「ベアトリスが『王子と結婚したい』って言ったから」
「「「「「「はあっ!?」」」」」」
あまりにも意外過ぎる発言に、ニコラス以外の全員が素っ頓狂な声を上げる。
「んな訳ないでしょっっ!!
私がいつそんな事を言ったのよ!?」
珍しく淑女らしさも忘れ、ベアトリスが叫び声を上げながら立ち上がる。
座っていた椅子がガタッと大きな音を立てて倒れた。
「言ったじゃないか。
『大きくなったらビーの所にも王子様が迎えに来てくれて、幸せなお嫁さんになるんだ』って、……絵本を見ながら」
ニコラスがそう言った瞬間、ベアトリスの頬が一気に真っ赤に染まった。
(あぁ、さては心当たりがあるんだな)
「そっ、そんなの五歳くらいの頃の話でしょうが!!」
「いや、四歳と二ヶ月の頃だ」
無駄に細かいっ!
「今、その微妙な誤差どうっでも良いわよっっ!!
それに、その『王子様』って王族って意味じゃないからね!!」
「違うのか??」
キョトンとした顔で首を傾げるニコラス。
「当っったり前じゃないの!!
幼女の頃の夢物語よ! ただの憧れよ!
いつかは自分だけを愛してくれる素敵な男性が目の前に現れて───って、あ゛ーもうっ!!
なんなの、この羞恥プレイは!?
とにかく、ポンコツクリスティアンと結婚したかった訳じゃない事だけは確かだから!!」
テーブルをバンっと両手で叩いてそう言い切ったベアトリスは、叫び過ぎたせいかハアハアと肩で息をしている。
ベアトリス、動揺し過ぎてぶっ壊れかけてるけど、大丈夫?
まあ、子供の頃の無邪気な発言を皆んなの前で蒸し返されるなんて、なかなか恥ずかしいわよね。
「そうか……。
俺の勘違いで不快な思いをさせて、悪かった」
ニコラスは再び深々と頭を下げて謝罪した。
「分かれば良いのよっ!」
倒れた椅子を乱暴に起こしたベアトリスは、ドカッと腰を下ろしながらそう言った。
えーっと、今の話を纏めると……。
ベアトリスを心配して、親に反対されても横暴なクリスティアンに仕え続けた。
しかも、ベアトリスがクリスティアンと幸せな夫婦になりたがっていると思っていたから、それを応援するつもりで助言をした(まあ、結果は最悪だけど)。
───って、コレ、もしかしてニコラスはベアトリスが好きなのでは……?
「あの、これってそういう意味ですよね?」
私がアイザックにコソッと耳打ちすると、彼は小さく頷いた。
ふと見ると、メイナードは少々不機嫌そうな顔をしている。
彼もけっこうシスコンだよね。
「あー、もう良いわ。
怒っているのが馬鹿馬鹿しくなってきた。
元々ニコラスは私にとって出来の悪い弟みたいな存在だし、『出来が悪いんだから仕方がない』と思う事にする」
溜息混じりにベアトリスがそう言うと、ニコラスがちょっとショックを受けた表情になる。
同い年だし、あんなに図体がデカいのに、弟。
しかも『出来の悪い』弟……。
ちょっと可哀想な気もするけど、クリスティアンとは別の方向にポンコツ過ぎて、フォローする術が見付からないわ。
「振ら……ムグッ」
ジョエルが核心に迫る一言を発しそうになったので、私は両手で彼の口を塞いだ。
「振られたわね」
「振られたな」
「振られましたね(笑)」
だが、フレデリカ、アイザック、メイナードは容赦無くジョエルが飲み込んだ言葉を吐き出す。
私の心遣いを無駄にしないで欲しい。
「これからは、また幼馴染として仲良くしましょう」
そう言いながら差し出されたベアトリスの手を、ニコラスは複雑な表情で握り返す。
「許してくれて、感謝する」
その後、気まずさを誤魔化す様にティーカップを手に取ったニコラスは、グイッとその中身を飲み干し、やっぱり大きく顔を歪めた。
悪戯っ子みたいな顔をしたフレデリカが、ティーポットを片手に彼の背後に忍び寄る。
お代わりを注ごうとするのは、やめてあげなさい。
私とポンコツ殿下が結婚するかもしれなかった事と、貴方の去就に何の関係があると?」
本気で不思議そうに問い質すベアトリス。
私も全く同じ気持ちで、ニコラスが次の台詞を発するのを待った。
「残念ながら、ポ……いや、クリスティアン殿下とベアトリスは折り合いが悪かっただろう?」
今、ニコラスまで『ポンコツ』って言い掛けた?
「ええ。まあ、そうね」
ベアトリスは『ポ……』には気付かなかった振りをする事に決めたらしく、何食わぬ顔で相槌を打った。
「それに、幼馴染で頼りになるアイザックも、殿下の下を去ってしまった。
…………だからだ」
「いや、だから何よ?」
ベアトリスが益々怪訝な表情になる。
必要な部分の説明が丸っと全部抜け落ちてるのに、強引に『だからだ』って締められても。『へー、そうなんだぁ』とはならないからね?
この人、絶望的に会話が下手だな。
たまに居るよね、こーゆー人。
「……えーと…、だから、その状況において俺までが殿下と決別したら、王宮ではベアトリスの近くに親しい者が誰も居なくなってしまうだろう?
王子妃になれば友人や家族とも今ほど気軽には会えない。
ベアトリスは俺達と違って正式な婚約者という立場だから、簡単にはその立場を降りられないかもしれないと思って……」
ニコラスの説明を聞いている内に、ベアトリスの美しい眉が寄り、谷底みたいに深い縦皺が刻まれた。
それってベアトリスを心配して側に居ようとしたって事よね。
でもその心配の方向性が斜め上過ぎない?
「私を気遣ってくれていたとでも言いたいのかしら?
じゃあ、どうしてあんな事を言ったりしたのよ?」
「あんな事?」
何の事だか分からないのか、ニコラスは訝し気な顔で聞き返す。
「『プリシラ・ウェブスターを見習え』って言ったでしょう?
正直に言えば、ポンコツと聖女崩れがどうなろうと知ったこっちゃ無いわ。
寧ろ私は幼馴染からあんな言葉を掛けられた事に一番傷付いたのよ」
「……そう、だったのか。……悪かった」
ニコラスは大きな背中を丸めて項垂れた。
「私は謝罪を聞きたいんじゃなくて、説明を求めているのだけど?
どういう考え方をしたら、気遣いたかったはずの相手に対してそんな言葉が出てくるのか、私にも分かる様に説明してくれない?」
腕組みをしたベアトリスがニコラスを睥睨すると、彼は益々縮こまり、俯いたままポツリポツリと説明し始めた。
「仲の悪い二人が円満な夫婦になるには、少しずつでも歩み寄る努力が必要だと思ったんだ。
最初は殿下の説得を試みたが、どんなに頑張ってみても俺の言葉なんて殿下の耳には全く届かなかった。
それなら、ベアトリスから先に歩み寄ってもらうしか無いと思って……」
「それで? ポンコツ殿下に好かれる為に、あの女の真似事をして媚を売れと?」
ニッコリと笑ったベアトリスの瞳は氷点下の冷たさだ。
背後に怒りのオーラが立ち昇っているのが見えた気がして、思わずブルっと肩が震えた。
「その……、申し訳、ありません」
急に敬語っ!
「そもそも、なんで私がそこまでしてポンコツと円満な夫婦にならなきゃいけないのよ。
そんな見当違いの助言をくれる位なら、婚約破棄に協力してくれた方がよっぽど建設的だわ」
「…………………だって、」
長い沈黙の後、俯けていた顔を上げたニコラスは捨て犬みたいな目をしていた。
「ベアトリスが『王子と結婚したい』って言ったから」
「「「「「「はあっ!?」」」」」」
あまりにも意外過ぎる発言に、ニコラス以外の全員が素っ頓狂な声を上げる。
「んな訳ないでしょっっ!!
私がいつそんな事を言ったのよ!?」
珍しく淑女らしさも忘れ、ベアトリスが叫び声を上げながら立ち上がる。
座っていた椅子がガタッと大きな音を立てて倒れた。
「言ったじゃないか。
『大きくなったらビーの所にも王子様が迎えに来てくれて、幸せなお嫁さんになるんだ』って、……絵本を見ながら」
ニコラスがそう言った瞬間、ベアトリスの頬が一気に真っ赤に染まった。
(あぁ、さては心当たりがあるんだな)
「そっ、そんなの五歳くらいの頃の話でしょうが!!」
「いや、四歳と二ヶ月の頃だ」
無駄に細かいっ!
「今、その微妙な誤差どうっでも良いわよっっ!!
それに、その『王子様』って王族って意味じゃないからね!!」
「違うのか??」
キョトンとした顔で首を傾げるニコラス。
「当っったり前じゃないの!!
幼女の頃の夢物語よ! ただの憧れよ!
いつかは自分だけを愛してくれる素敵な男性が目の前に現れて───って、あ゛ーもうっ!!
なんなの、この羞恥プレイは!?
とにかく、ポンコツクリスティアンと結婚したかった訳じゃない事だけは確かだから!!」
テーブルをバンっと両手で叩いてそう言い切ったベアトリスは、叫び過ぎたせいかハアハアと肩で息をしている。
ベアトリス、動揺し過ぎてぶっ壊れかけてるけど、大丈夫?
まあ、子供の頃の無邪気な発言を皆んなの前で蒸し返されるなんて、なかなか恥ずかしいわよね。
「そうか……。
俺の勘違いで不快な思いをさせて、悪かった」
ニコラスは再び深々と頭を下げて謝罪した。
「分かれば良いのよっ!」
倒れた椅子を乱暴に起こしたベアトリスは、ドカッと腰を下ろしながらそう言った。
えーっと、今の話を纏めると……。
ベアトリスを心配して、親に反対されても横暴なクリスティアンに仕え続けた。
しかも、ベアトリスがクリスティアンと幸せな夫婦になりたがっていると思っていたから、それを応援するつもりで助言をした(まあ、結果は最悪だけど)。
───って、コレ、もしかしてニコラスはベアトリスが好きなのでは……?
「あの、これってそういう意味ですよね?」
私がアイザックにコソッと耳打ちすると、彼は小さく頷いた。
ふと見ると、メイナードは少々不機嫌そうな顔をしている。
彼もけっこうシスコンだよね。
「あー、もう良いわ。
怒っているのが馬鹿馬鹿しくなってきた。
元々ニコラスは私にとって出来の悪い弟みたいな存在だし、『出来が悪いんだから仕方がない』と思う事にする」
溜息混じりにベアトリスがそう言うと、ニコラスがちょっとショックを受けた表情になる。
同い年だし、あんなに図体がデカいのに、弟。
しかも『出来の悪い』弟……。
ちょっと可哀想な気もするけど、クリスティアンとは別の方向にポンコツ過ぎて、フォローする術が見付からないわ。
「振ら……ムグッ」
ジョエルが核心に迫る一言を発しそうになったので、私は両手で彼の口を塞いだ。
「振られたわね」
「振られたな」
「振られましたね(笑)」
だが、フレデリカ、アイザック、メイナードは容赦無くジョエルが飲み込んだ言葉を吐き出す。
私の心遣いを無駄にしないで欲しい。
「これからは、また幼馴染として仲良くしましょう」
そう言いながら差し出されたベアトリスの手を、ニコラスは複雑な表情で握り返す。
「許してくれて、感謝する」
その後、気まずさを誤魔化す様にティーカップを手に取ったニコラスは、グイッとその中身を飲み干し、やっぱり大きく顔を歪めた。
悪戯っ子みたいな顔をしたフレデリカが、ティーポットを片手に彼の背後に忍び寄る。
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