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102 王宮に潜む敵《アイザック》
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静まり返った夜の王太子宮の廊下に、水差しを手にした侍女の足音が妙に大きく響く。
彼女はキョロキョロと周囲を窺うと、大きな柱の影に身を隠し、エプロンのポケットから透明な液体が入った小さな瓶を取り出した。
「コソコソと何をしている?」
背後から不意に掛けられた鋭い声に、彼女は大きく肩を揺らした。
振り返った彼女は、いつの間にやら大勢の王宮騎士に囲まれていた事を知る。
「ヘーゼルダイン様……」
騎士達を従えているアイザックを視界に捉えた途端、侍女の瞳は絶望に染まった。
呆然と立ち尽くす彼女を数人の騎士が取り押さえ、手の中から謎の液体が入ったガラスの小瓶を無理矢理奪い取る。
「地下牢に放り込んでおけ。
それからその瓶の中身は成分分析へ」
アイザックの命令に、騎士達は「ハッ」と短く了承の意を示し、手際良く侍女の手足を縛り上げて猿轡を噛ませた。
オフィーリアから予知夢について告白されたアイザックは、王宮の財務に関わる人間の素行調査を改めて行ったが、問題のある人間は見つからなかった。
帳簿についても見直しを行ったが不審な点はない。
と、いう事は、王太子妃殿下や姫殿下に危機が迫り、それを解決する為にサディアスが国庫から金を動かす可能性が高い。
そう踏んで、密かに王太子宮の警備を強化した。
サディアスは少し訝しんだが、あまり深くは追求されなかった。最愛の家族を守る事に異論は無かったのだろう。
そして、その結果が先程の逮捕劇である。
捕縛されたのは、姫殿下の担当侍女だった。
彼女は姫殿下に優しく接しており、仕事ぶりも真面目だったが、最近サディアスに対して妙にオドオドした態度をとっているのが気になった。
そんな彼女が今日は夜勤担当という事で、予め警戒していた。
姫殿下の侍女は通常二人一組で勤務をするが、今日に限ってもう一人の侍女が急に腹痛を訴えて早退したらしい。
分かり易い状況に、より一層警戒を強めていると案の定、彼女は姫殿下の枕元に用意する水差しに何かを混入させようとしたのだ。
ギィィィっと耳障りな音を立てながら、鉄格子が開かれる。
捉えた侍女の香水だろうか? 湿気とカビの臭いに混じって、嗅ぎ慣れない甘ったるい香りが鼻についた。
石造りの壁に鎖で繋がれ項垂れていた侍女は、青褪めた顔をゆっくりと上げた。
「さあ、楽しいお喋りの時間だ」
陰鬱な空気が漂う地下牢へ足を踏み入れたサディアスは、その場にそぐわない麗しい笑みを浮かべる。
しかし、友好的な言葉とは裏腹に、その瞳の奥には憎しみの炎が灯っていた。
(どう見ても楽しくは無さそうだ)
アイザックは苦笑を零しそうになるのを何とか堪えて、無表情を貫いた。
「ああ、済まない。そのままでは声が出せないよな」
サディアスの言葉に騎士の一人が侍女に歩み寄り、猿轡を解く。
その時、侍女が微かに口角を上げた。
「やめろっ!!」
気付いたアイザックが叫ぶが間に合わず、彼女の口元からツーっと一筋の赤い液体が流れ落ちる。
次の瞬間、カハッと咳き込んだ彼女は大量の血を吐き出した。
「医師を呼べっっ!!」
サディアスが指示を飛ばす。
しかし、侍女の脈を取った騎士がフルフルと首を左右に振った。
「手遅れか……」
アイザックが呟くと、医師を呼びに行こうしていた騎士が一瞬足を止めチラリと振り返り、重い足取りで牢を出て行った。
「クソッッ!」
遣り場のない苛立ちをぶつける様に、サディアスは鉄格子を思いっきり蹴り付ける。
皆が沈黙する地下牢に、ガシャンと大きな音が響いた。
両手の拳を握り締め、悔しさに震えているサディアスを、アイザックは少し離れた場所から見守る事しか出来ない。
(珍しく冷静さを欠いているな)
まあ、それも仕方ない事だろう。
愛する娘を害そうとした実行犯が、取り調べ前に死んだのだから。
もしも自分が同じ立場になったら……。
オフィーリアとの間に生まれた子が何者かに狙われたら……。
そう考えると、アイザックはサディアスにかける言葉が見つからなかった。
「毒ですね。奥歯にカプセルが仕込まれていました」
検死を担当した王宮医師は、重苦しい空気を纏うアイザック達にそう告げた。
王族に薬を盛るなんて大胆な行動をする様には決して見えない、気が弱そうな女だった。
捕縛された時も大して抵抗もせず、大人しく従った。
だから、騎士達は油断したのだ。
まさか、こんなにも躊躇なく自害するなんて、思いもしなかった。
「申し訳ありません」
床を膝をついて頭を下げる騎士の肩を、サディアスはポンと叩いた。
「過ぎた事は仕方がない。薬の分析を急がせろ。
それから、死んだ侍女の身辺をもう一度洗い直せ」
薬の分析結果は直ぐに出たが、未知の成分が幾つか検出された。
少量をラットに投与してみた所、死にはしなかったが眠り続けて目覚めなくなったと言う。
もしも、その薬を姫殿下が口にしていたら───。
解毒薬の情報を得る為なら、サディアスは何でもしたかもしれない。
それは王太子としては許されない事だが、一人の父としては当たり前の行動に思える。
アイザックは未知の毒のサンプルを少し譲り受け、ダドリーの弟子のカイルに解毒薬を作らせる事にした。
カイルは医師免許も持っているが、専門は薬学の方だ。
人嫌いで無愛想な変人だが、薬の開発に関しては非凡な才能を持っている。
同じ毒が再び使われる可能性は低いが、備えて置くのに越した事はない。
そして、侍女の身辺調査の方は、残念ながら黒幕に繋がる情報は得られなかった。
怪しい行動はなく、素行の悪い人物やサディアスに反目する組織との繋がりも見付からない。
報告書を捲りながら、サディアスは渋面を作る。
「単純に考えれば、解毒薬の情報をチラつかせる事で私を操ったり失脚させたりしたら、一番利益を得るのはクリスティアンだが……」
「単細胞なクリスティアンが、そんな回りくどい手を使うとは思えません」
曲がり形にも第二王子であるクリスティアンに対して、完全に不敬な表現をしているアイザックだが、その場に彼を咎める者は誰もいなかった。
「それに、侍女は黒幕の情報を秘匿する為に自害した。
我が弟ながら、クリスティアンにそんな人望があるとは思えない」
「ですね。
だとすれば、クリスティアンを傀儡にしようと狙う者の仕業かもしれません。
あの侍女は随分と信心深いタイプだった様ですが……」
侍女の素行の報告書には、彼女が教会に足繁く通っていたと書かれている。
サディアスには伝えていないが、オフィーリアの予知夢の通りにプリシラが王太子妃になるのであれば、彼女の後見をしている教皇は怪しい人物の一人だ。
「教会か……。
今代の教皇は低俗な人間だからな。
女好きの教皇に籠絡されたのか、それとも信仰心を利用されたのか……。
どちらにしても、クリスティアンに忠誠を誓っていたというのに比べれば、大いにありそうな話だ。
もしも教会の奴等が王家に対抗しようとしているなら、そろそろ改革をしてやるべきかもしれんな」
この国の教会トップである教皇の座は、建国以来ずっと世襲制である。
王家と同じ様に血が尊ばれているのだ。
サディアスは、その制度を崩してトップの首をすげ替えるつもりなのかもしれない。
そうなれば仕事量は益々増えるだろう。
不穏な笑みを浮かべるサディアスを見て、アイザックの背筋に悪寒が走った。
彼女はキョロキョロと周囲を窺うと、大きな柱の影に身を隠し、エプロンのポケットから透明な液体が入った小さな瓶を取り出した。
「コソコソと何をしている?」
背後から不意に掛けられた鋭い声に、彼女は大きく肩を揺らした。
振り返った彼女は、いつの間にやら大勢の王宮騎士に囲まれていた事を知る。
「ヘーゼルダイン様……」
騎士達を従えているアイザックを視界に捉えた途端、侍女の瞳は絶望に染まった。
呆然と立ち尽くす彼女を数人の騎士が取り押さえ、手の中から謎の液体が入ったガラスの小瓶を無理矢理奪い取る。
「地下牢に放り込んでおけ。
それからその瓶の中身は成分分析へ」
アイザックの命令に、騎士達は「ハッ」と短く了承の意を示し、手際良く侍女の手足を縛り上げて猿轡を噛ませた。
オフィーリアから予知夢について告白されたアイザックは、王宮の財務に関わる人間の素行調査を改めて行ったが、問題のある人間は見つからなかった。
帳簿についても見直しを行ったが不審な点はない。
と、いう事は、王太子妃殿下や姫殿下に危機が迫り、それを解決する為にサディアスが国庫から金を動かす可能性が高い。
そう踏んで、密かに王太子宮の警備を強化した。
サディアスは少し訝しんだが、あまり深くは追求されなかった。最愛の家族を守る事に異論は無かったのだろう。
そして、その結果が先程の逮捕劇である。
捕縛されたのは、姫殿下の担当侍女だった。
彼女は姫殿下に優しく接しており、仕事ぶりも真面目だったが、最近サディアスに対して妙にオドオドした態度をとっているのが気になった。
そんな彼女が今日は夜勤担当という事で、予め警戒していた。
姫殿下の侍女は通常二人一組で勤務をするが、今日に限ってもう一人の侍女が急に腹痛を訴えて早退したらしい。
分かり易い状況に、より一層警戒を強めていると案の定、彼女は姫殿下の枕元に用意する水差しに何かを混入させようとしたのだ。
ギィィィっと耳障りな音を立てながら、鉄格子が開かれる。
捉えた侍女の香水だろうか? 湿気とカビの臭いに混じって、嗅ぎ慣れない甘ったるい香りが鼻についた。
石造りの壁に鎖で繋がれ項垂れていた侍女は、青褪めた顔をゆっくりと上げた。
「さあ、楽しいお喋りの時間だ」
陰鬱な空気が漂う地下牢へ足を踏み入れたサディアスは、その場にそぐわない麗しい笑みを浮かべる。
しかし、友好的な言葉とは裏腹に、その瞳の奥には憎しみの炎が灯っていた。
(どう見ても楽しくは無さそうだ)
アイザックは苦笑を零しそうになるのを何とか堪えて、無表情を貫いた。
「ああ、済まない。そのままでは声が出せないよな」
サディアスの言葉に騎士の一人が侍女に歩み寄り、猿轡を解く。
その時、侍女が微かに口角を上げた。
「やめろっ!!」
気付いたアイザックが叫ぶが間に合わず、彼女の口元からツーっと一筋の赤い液体が流れ落ちる。
次の瞬間、カハッと咳き込んだ彼女は大量の血を吐き出した。
「医師を呼べっっ!!」
サディアスが指示を飛ばす。
しかし、侍女の脈を取った騎士がフルフルと首を左右に振った。
「手遅れか……」
アイザックが呟くと、医師を呼びに行こうしていた騎士が一瞬足を止めチラリと振り返り、重い足取りで牢を出て行った。
「クソッッ!」
遣り場のない苛立ちをぶつける様に、サディアスは鉄格子を思いっきり蹴り付ける。
皆が沈黙する地下牢に、ガシャンと大きな音が響いた。
両手の拳を握り締め、悔しさに震えているサディアスを、アイザックは少し離れた場所から見守る事しか出来ない。
(珍しく冷静さを欠いているな)
まあ、それも仕方ない事だろう。
愛する娘を害そうとした実行犯が、取り調べ前に死んだのだから。
もしも自分が同じ立場になったら……。
オフィーリアとの間に生まれた子が何者かに狙われたら……。
そう考えると、アイザックはサディアスにかける言葉が見つからなかった。
「毒ですね。奥歯にカプセルが仕込まれていました」
検死を担当した王宮医師は、重苦しい空気を纏うアイザック達にそう告げた。
王族に薬を盛るなんて大胆な行動をする様には決して見えない、気が弱そうな女だった。
捕縛された時も大して抵抗もせず、大人しく従った。
だから、騎士達は油断したのだ。
まさか、こんなにも躊躇なく自害するなんて、思いもしなかった。
「申し訳ありません」
床を膝をついて頭を下げる騎士の肩を、サディアスはポンと叩いた。
「過ぎた事は仕方がない。薬の分析を急がせろ。
それから、死んだ侍女の身辺をもう一度洗い直せ」
薬の分析結果は直ぐに出たが、未知の成分が幾つか検出された。
少量をラットに投与してみた所、死にはしなかったが眠り続けて目覚めなくなったと言う。
もしも、その薬を姫殿下が口にしていたら───。
解毒薬の情報を得る為なら、サディアスは何でもしたかもしれない。
それは王太子としては許されない事だが、一人の父としては当たり前の行動に思える。
アイザックは未知の毒のサンプルを少し譲り受け、ダドリーの弟子のカイルに解毒薬を作らせる事にした。
カイルは医師免許も持っているが、専門は薬学の方だ。
人嫌いで無愛想な変人だが、薬の開発に関しては非凡な才能を持っている。
同じ毒が再び使われる可能性は低いが、備えて置くのに越した事はない。
そして、侍女の身辺調査の方は、残念ながら黒幕に繋がる情報は得られなかった。
怪しい行動はなく、素行の悪い人物やサディアスに反目する組織との繋がりも見付からない。
報告書を捲りながら、サディアスは渋面を作る。
「単純に考えれば、解毒薬の情報をチラつかせる事で私を操ったり失脚させたりしたら、一番利益を得るのはクリスティアンだが……」
「単細胞なクリスティアンが、そんな回りくどい手を使うとは思えません」
曲がり形にも第二王子であるクリスティアンに対して、完全に不敬な表現をしているアイザックだが、その場に彼を咎める者は誰もいなかった。
「それに、侍女は黒幕の情報を秘匿する為に自害した。
我が弟ながら、クリスティアンにそんな人望があるとは思えない」
「ですね。
だとすれば、クリスティアンを傀儡にしようと狙う者の仕業かもしれません。
あの侍女は随分と信心深いタイプだった様ですが……」
侍女の素行の報告書には、彼女が教会に足繁く通っていたと書かれている。
サディアスには伝えていないが、オフィーリアの予知夢の通りにプリシラが王太子妃になるのであれば、彼女の後見をしている教皇は怪しい人物の一人だ。
「教会か……。
今代の教皇は低俗な人間だからな。
女好きの教皇に籠絡されたのか、それとも信仰心を利用されたのか……。
どちらにしても、クリスティアンに忠誠を誓っていたというのに比べれば、大いにありそうな話だ。
もしも教会の奴等が王家に対抗しようとしているなら、そろそろ改革をしてやるべきかもしれんな」
この国の教会トップである教皇の座は、建国以来ずっと世襲制である。
王家と同じ様に血が尊ばれているのだ。
サディアスは、その制度を崩してトップの首をすげ替えるつもりなのかもしれない。
そうなれば仕事量は益々増えるだろう。
不穏な笑みを浮かべるサディアスを見て、アイザックの背筋に悪寒が走った。
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