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63 お父様の過去
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『今日家に帰ったら、きっと素敵な事が待っているよ』
昼間のクレイグの発言を思い出して、ジワジワと怒りが込み上げてくる。
(素敵な事って、コレかよっ!?)
素敵? 何処が?
『酷い』か『不快』か『死んだ方がマシ』の間違いでは?
あんなに拒絶されたのに、まだ私に好かれているとでも思っているのだろうか?
自己評価が高過ぎる。
その謎の自信は何処から湧いてくるの?
初恋の相手があんなナルシストだったなんて、最悪の黒歴史だわ。
ああ、記憶を抹消したい。いや、アイツの存在自体を抹消した方が早いか?
死んだ魚みたいな目になった私は、お父様に差し出されたボルトン子爵の書状を無言で受け取った。
クレイグに私との接触を禁じていたらしいボントン子爵が、何故いきなり掌を返したのだろうと疑問に思ったのだが、その答えは書状の中に書いてあった。
どうやら、この縁談はクリスティアン殿下に勧められたらしいのだ。
(なるほどねぇ……)
王子の意向であれば、子爵家如きが断るのは難しいだろう。
いや、子爵家の状況を考えれば、寧ろ喜んで受け入れたかもしれない。
事故により傷物になった息子の婚約者をサッサと切り捨てたは良いが、家門の評判が下がってしまい、新しい婚約者が見つからない。
そんな折に、王子から元婚約者との復縁を勧められたら……。
そりゃあ飛びつくよね。
だって王子に恩を売りつつ、後継者問題も解決出来るんだもの。
ベアトリスに窘められても強気だったのは、王子がバックについていたからかもしれない。
まあ、その後ろ盾はペラッペラのハリボテだけどね。
もしかすると、これまでクレイグが私に接触していたのも、全てクリスティアンの企みだったのかしら?
そういえば以前プリシラに、アイザックがクリスティアンの側近候補を降りたのは私のせいだって言われたっけ。
クリスティアンは、私を排除したらアイザックが自分の元に戻ってくるとでも思っているのだろうか?
全くもって見当違いだわ。
アイザックを取り戻したいなら、せめてもうちょっとマトモな思考を身に付けろよ。そして、自分の尻くらい自分で拭け。
暫く黙り込んでいたら、私がショックを受けていると誤解したジョエルが、優しく抱き締めて頭を撫でてくれた。
ありがとう、ジョエルは本当に天使だね。
でもゴメン。
折角心配してくれたけど、お姉ちゃんはショックを受けていたんじゃなくて、とてもじゃないけど天使には聞かせられない様なクレイグとクリスティアンへの悪口に脳内を占拠されていただけなのよ。
「まさか、婚約しろなどとは仰らないでしょうね?」
冷たい笑みを浮かべながら威圧感を放つジョエルに、お父様は勢い良くブンブンと首を左右に振った。
「いやいや。それは無い!!
もう既に、ボルトン子爵家とウチとの信頼関係は完全に崩れているのだから、婚約なんて有り得ない」
慌てて否定したお父様。
その言葉はとてもありがたいけど、彼の顔色は頗る悪く、残念ながら頼もしさは微塵も感じられない。
しかも、先程から胃の辺りを頻りにさすっている。
「なら良いのですが……。
再婚約を受け入れるつもりなら、僕はどんな事をしてでも阻止しますよ」
本気で怒った時のジョエルは、何をしでかすか分からないから怖い。
お父様は困った様な表情で、ジョエルの頭をポンポンと撫でた。
「オフィーリアが望まない限りは、ボルトン家との再婚約は結ばない。
私だって、みすみす娘を不幸にする選択はしないさ。
だが、この件で、ボルトン子爵家や第二王子の関係者が、お前達に接触してくるかもしれないから、十分注意をする様に。
答え難い質問をされたら、『当主に任せている』とでも言っておきなさい」
「本当に、大丈夫なのですか?」
ジョエルはまだ少し胡乱な視線をお父様に向けている。
お父様、信用ないなぁ……。
「そんなに心配するな」
お父様の微笑みには、隠し切れない疲労が滲んでいた。
そこへ、執事が助け舟を出す。
「旦那様、お顔の色が悪うござます。
少しお休みになられた方が宜しいのでは?」
「ああ、そうだな」
お父様は、ちょっとホッとした表情で立ち上がり、私達に断りを入れて自室へと帰って行った。
「それにしても、意外でした。
まさかお父様が、第二王子が絡んだ婚約の打診をお断りしてくれるなんて思いませんでしたから」
普段のお父様なら、長い物には巻かれるはずだけど……。
「お父様が権力者に逆らわなくなったのは、理由があるのよ」
お母様は憂いを帯びた笑みを浮かべながら、昔話をしてくれた。
それは、お父様達がまだ学生だった頃の事であった。
お父様の姉であるミリアム伯母様(従兄のマークお兄様の母)は、ほんの些細な切っ掛けにより、同級生だった高位貴族のご令嬢から不興を買ってしまったらしい。
それから陰湿な虐めを受ける日々が始まった。
お父様もお祖父様達も、なんとかミリアム伯母様を助けようと動いてはみたものの、相手の狡猾さと権力に阻まれて、状況は悪くなるばかり。
最終的に伯母様は学園に通わなくなったのだが、学園側との交渉の結果、特別な試験を受ける事でなんとか卒業資格を得た。
そして『もうこの国には居たくない』と卒業と同時に隣国のカヴァナー家へと嫁いだのだ。
穏やかで優しいミリアム伯母様に、そんな辛い過去があったなんて、知らなかった。
でも、言われてみれば、昔からカヴァナー家の人達と会う時は、こちらが隣国に出向く事が多い。
伯父様は仕事の関係でこちらへいらした事があったけど、嫁いでからミリアム伯母様が実家に帰ってきた事は、私が知る限り一度もなかったな。
お父様や祖父母達と仲が悪い訳でもないから、ちょっと不思議だったのだけど、家じゃなくて国が嫌いだったのね。
「大事な姉がそんな目に遭ったなら、お父様が高位貴族に逆らいたくないと思う気持ちも分からなくはないですね。
まあ、僕だったら姉上がそんな目に遭ったら、原因となった令嬢をひと思いに潰しますが……」
シスコン気味のジョエルは、お父様の過去にちょっとだけ共感したらしい。
後半の不穏な言葉は……うん、聞かなかった事にしよう。
拳を振り上げて戦うよりも、頭を下げた方が大切な物を守れる場合だってある。
きっとお父様は、後者の方法で家族を守る事を選んだのだろう。
「あの人だって、子供達の不利益になると分かっていれば頷いたりしない。
その判断を間違ったせいで、幼い頃のオフィーリアに怪我を負わせてしまったのは、一生かけて償わなければいけない、私達の重大なミスだったけど……。
でも、だからこそ、オフィーリアの意に沿わない事は強要しないから、安心しなさい」
あのお茶会に関しては、まさか本当に魔獣が出るなんて夢にも思わなかったのだろう。
もしもそれを予見出来ていたのなら、お父様だって出席の返事はしなかったはずだし、私は別に両親に対して怒ってはいないけれど……。
「アレはもう終わった事ですから、その事自体は気にしなくても良いのですが……。
でも、クレイグとの婚約は、絶対に嫌ですわ」
「ええ。オフィーリアの気持ちは分かっているわ」
取り敢えず、今回の件は一旦お父様を信じて、任せてみる事にした。
めちゃくちゃ胃が痛そうだったから、後で薬を差し入れてあげようと、密かに考えていると、ジョエルが深刻な表情でポツリと呟いた。
「……念の為、保険を掛けておこうかな?」
「何の話?」
「いえ、何でもないです」
言葉の意味が気になったので問い質そうとしたけれど、笑顔で誤魔化されてしまった。
可愛いって狡いわ。
昼間のクレイグの発言を思い出して、ジワジワと怒りが込み上げてくる。
(素敵な事って、コレかよっ!?)
素敵? 何処が?
『酷い』か『不快』か『死んだ方がマシ』の間違いでは?
あんなに拒絶されたのに、まだ私に好かれているとでも思っているのだろうか?
自己評価が高過ぎる。
その謎の自信は何処から湧いてくるの?
初恋の相手があんなナルシストだったなんて、最悪の黒歴史だわ。
ああ、記憶を抹消したい。いや、アイツの存在自体を抹消した方が早いか?
死んだ魚みたいな目になった私は、お父様に差し出されたボルトン子爵の書状を無言で受け取った。
クレイグに私との接触を禁じていたらしいボントン子爵が、何故いきなり掌を返したのだろうと疑問に思ったのだが、その答えは書状の中に書いてあった。
どうやら、この縁談はクリスティアン殿下に勧められたらしいのだ。
(なるほどねぇ……)
王子の意向であれば、子爵家如きが断るのは難しいだろう。
いや、子爵家の状況を考えれば、寧ろ喜んで受け入れたかもしれない。
事故により傷物になった息子の婚約者をサッサと切り捨てたは良いが、家門の評判が下がってしまい、新しい婚約者が見つからない。
そんな折に、王子から元婚約者との復縁を勧められたら……。
そりゃあ飛びつくよね。
だって王子に恩を売りつつ、後継者問題も解決出来るんだもの。
ベアトリスに窘められても強気だったのは、王子がバックについていたからかもしれない。
まあ、その後ろ盾はペラッペラのハリボテだけどね。
もしかすると、これまでクレイグが私に接触していたのも、全てクリスティアンの企みだったのかしら?
そういえば以前プリシラに、アイザックがクリスティアンの側近候補を降りたのは私のせいだって言われたっけ。
クリスティアンは、私を排除したらアイザックが自分の元に戻ってくるとでも思っているのだろうか?
全くもって見当違いだわ。
アイザックを取り戻したいなら、せめてもうちょっとマトモな思考を身に付けろよ。そして、自分の尻くらい自分で拭け。
暫く黙り込んでいたら、私がショックを受けていると誤解したジョエルが、優しく抱き締めて頭を撫でてくれた。
ありがとう、ジョエルは本当に天使だね。
でもゴメン。
折角心配してくれたけど、お姉ちゃんはショックを受けていたんじゃなくて、とてもじゃないけど天使には聞かせられない様なクレイグとクリスティアンへの悪口に脳内を占拠されていただけなのよ。
「まさか、婚約しろなどとは仰らないでしょうね?」
冷たい笑みを浮かべながら威圧感を放つジョエルに、お父様は勢い良くブンブンと首を左右に振った。
「いやいや。それは無い!!
もう既に、ボルトン子爵家とウチとの信頼関係は完全に崩れているのだから、婚約なんて有り得ない」
慌てて否定したお父様。
その言葉はとてもありがたいけど、彼の顔色は頗る悪く、残念ながら頼もしさは微塵も感じられない。
しかも、先程から胃の辺りを頻りにさすっている。
「なら良いのですが……。
再婚約を受け入れるつもりなら、僕はどんな事をしてでも阻止しますよ」
本気で怒った時のジョエルは、何をしでかすか分からないから怖い。
お父様は困った様な表情で、ジョエルの頭をポンポンと撫でた。
「オフィーリアが望まない限りは、ボルトン家との再婚約は結ばない。
私だって、みすみす娘を不幸にする選択はしないさ。
だが、この件で、ボルトン子爵家や第二王子の関係者が、お前達に接触してくるかもしれないから、十分注意をする様に。
答え難い質問をされたら、『当主に任せている』とでも言っておきなさい」
「本当に、大丈夫なのですか?」
ジョエルはまだ少し胡乱な視線をお父様に向けている。
お父様、信用ないなぁ……。
「そんなに心配するな」
お父様の微笑みには、隠し切れない疲労が滲んでいた。
そこへ、執事が助け舟を出す。
「旦那様、お顔の色が悪うござます。
少しお休みになられた方が宜しいのでは?」
「ああ、そうだな」
お父様は、ちょっとホッとした表情で立ち上がり、私達に断りを入れて自室へと帰って行った。
「それにしても、意外でした。
まさかお父様が、第二王子が絡んだ婚約の打診をお断りしてくれるなんて思いませんでしたから」
普段のお父様なら、長い物には巻かれるはずだけど……。
「お父様が権力者に逆らわなくなったのは、理由があるのよ」
お母様は憂いを帯びた笑みを浮かべながら、昔話をしてくれた。
それは、お父様達がまだ学生だった頃の事であった。
お父様の姉であるミリアム伯母様(従兄のマークお兄様の母)は、ほんの些細な切っ掛けにより、同級生だった高位貴族のご令嬢から不興を買ってしまったらしい。
それから陰湿な虐めを受ける日々が始まった。
お父様もお祖父様達も、なんとかミリアム伯母様を助けようと動いてはみたものの、相手の狡猾さと権力に阻まれて、状況は悪くなるばかり。
最終的に伯母様は学園に通わなくなったのだが、学園側との交渉の結果、特別な試験を受ける事でなんとか卒業資格を得た。
そして『もうこの国には居たくない』と卒業と同時に隣国のカヴァナー家へと嫁いだのだ。
穏やかで優しいミリアム伯母様に、そんな辛い過去があったなんて、知らなかった。
でも、言われてみれば、昔からカヴァナー家の人達と会う時は、こちらが隣国に出向く事が多い。
伯父様は仕事の関係でこちらへいらした事があったけど、嫁いでからミリアム伯母様が実家に帰ってきた事は、私が知る限り一度もなかったな。
お父様や祖父母達と仲が悪い訳でもないから、ちょっと不思議だったのだけど、家じゃなくて国が嫌いだったのね。
「大事な姉がそんな目に遭ったなら、お父様が高位貴族に逆らいたくないと思う気持ちも分からなくはないですね。
まあ、僕だったら姉上がそんな目に遭ったら、原因となった令嬢をひと思いに潰しますが……」
シスコン気味のジョエルは、お父様の過去にちょっとだけ共感したらしい。
後半の不穏な言葉は……うん、聞かなかった事にしよう。
拳を振り上げて戦うよりも、頭を下げた方が大切な物を守れる場合だってある。
きっとお父様は、後者の方法で家族を守る事を選んだのだろう。
「あの人だって、子供達の不利益になると分かっていれば頷いたりしない。
その判断を間違ったせいで、幼い頃のオフィーリアに怪我を負わせてしまったのは、一生かけて償わなければいけない、私達の重大なミスだったけど……。
でも、だからこそ、オフィーリアの意に沿わない事は強要しないから、安心しなさい」
あのお茶会に関しては、まさか本当に魔獣が出るなんて夢にも思わなかったのだろう。
もしもそれを予見出来ていたのなら、お父様だって出席の返事はしなかったはずだし、私は別に両親に対して怒ってはいないけれど……。
「アレはもう終わった事ですから、その事自体は気にしなくても良いのですが……。
でも、クレイグとの婚約は、絶対に嫌ですわ」
「ええ。オフィーリアの気持ちは分かっているわ」
取り敢えず、今回の件は一旦お父様を信じて、任せてみる事にした。
めちゃくちゃ胃が痛そうだったから、後で薬を差し入れてあげようと、密かに考えていると、ジョエルが深刻な表情でポツリと呟いた。
「……念の為、保険を掛けておこうかな?」
「何の話?」
「いえ、何でもないです」
言葉の意味が気になったので問い質そうとしたけれど、笑顔で誤魔化されてしまった。
可愛いって狡いわ。
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