47 / 200
47 姉弟のデート
しおりを挟む
朝の教室でベアトリスと喋っていたら、登校してきたアイザックが私達を見付けて笑顔になった。
嬉しそうに駆け寄ってくる姿は、ちょっと犬っぽい。
「おはよう、アイザック」
「おはようございます、アイザック様」
「二人とも、おはよう。
なぁ、オフィーリア。美術館のチケットをもらったんだけど、今週末行かないか?」
朝の挨拶もそこそこに、魅力的なお誘いを受けたけれど、残念ながら先約があった。
「トムに会いに行くので、今週末はちょっと」
そう断ると、アイザックは何故か愕然とした様な表情になった。
「……トム? トムって……、誰?」
私達の会話を聞いていたベアトリスは、そんなアイザックを見てプッと吹き出す。
「馬鹿ねぇ。トムはオフィーリアの馬の名前よ」
「……なんだ、馬か」
ホッと溜息をついたアイザックを、軽く睨んだ。
「『なんだ』とはなんです?
可愛い私の家族ですよ。一緒には住んでいませんけど」
「乗馬を習ってるのは聞いてたけど、自分の馬を持っているんだな」
「習い始めてすぐの頃の誕生日プレゼントに買ってもらいました。
残念ながら自邸では飼育スペースが足りないので、乗馬クラブの馬房に預けてあるのです」
逃走に使うなら、自分の馬を持っていなきゃね。
エヴァレット伯爵邸にも馬車用の馬を飼育している小屋はあるが、私とジョエルの乗馬用の馬を一緒に飼えるほど広くはない。
一方、王都内にある乗馬クラブには月額料金を払えば、個人所有の馬を預かってくれるという便利な制度がある。
毎日の餌やりやブラッシングは勿論、適度な運動もさせてくれるし、病気になれば常駐の獣医が直ぐに診てくれるので、馬の健康管理という面では、預けておいた方が良かったりする。
「じゃあ、週末は乗馬クラブへ?」
「ええ、ジョエルと一緒に。
なので、残念ですが、チケットは別の方とお使いください」
「仕方がないからフレデリカでも誘ってみるよ」
アイザックは小さく溜息を零した。
フレデリカはお兄様大好きっ子だから、きっと喜ぶだろう。
「二人とも、弟や妹とデートか。ちょっと羨ましいわ」
「ベアトリス様も、メイナード様とお出掛けなさっては如何ですか?」
「う~ん……。
図書館くらいなら、付き合ってくれるかも……。
たまには誘ってみようかな?」
ベアトリスは少しはにかみながら呟いた。
なんだかんだ言って、メイナードとは結構仲良くやってるらしい。
快晴となった週末。
私達は予定通りに乗馬クラブへと足を向けた。
クラブの馬房は相変わらず清潔に保たれていて、動物臭よりも干草の匂いを強く感じる。
干草の香りは好きだ。
何故か郷愁をそそられるのは、畳の匂いに少し似ているからかもしれない。
馬房に入った瞬間、足音で私が来た事が分かるのか、トムが少し興奮した様子で首を伸ばしてこちらを見た。
「トム~~!!
久し振りねぇ、元気だった?」
小走りで近寄って肩の辺りを撫でてあげれば、フンフンと鼻を鳴らしながら私の頬に擦り寄ってくる。
とても可愛い。
先日学園であった嫌な事も忘れてしまうくらい癒される。
「久し振りって……。
数日前に会いに来たばっかりじゃないですか。……うわぁっ!」
ジョエルが叫び声を上げたのは、彼の愛馬であるマノンにベロリと頬を舐められたからだ。
「ちょ、やめろって!」
今度はシャツの袖口に噛み付いて、グイグイと引っ張っている。
マノンは牝馬で、ひと目会ったその時から何故かジョエルに懐いてしまった。
当初、ジョエルは『自分の馬を持つなら、馬力のある牡馬が良いなぁ』と言っていたのだが、ジョエルが他の馬に乗るとマノンが嫉妬して暴れる為、結局は絆されて彼女をパートナーに選んだ。
きっと今も、ジョエルが私とばかり話しているのが面白くなくて『私にも構いなさいよっ!』と催促したのだ。
一方、私のトムはマノンほどの重い愛情をぶつけては来ないが、私が会いに来ればとても喜ぶし、普通に懐いてくれている。
落ち着いていて頭が良いし、走りも安定している。良い馬だ。
私が逃亡する時には、彼にも頑張ってもらわなきゃいけないのだから、しっかりと信頼関係を築いておかねば。
二頭の馬の背に鞍を取り付けて跨り、クラブの敷地から出る。
いつもは馬場を走らせる事が多いのだが、今日は時間がたっぷりあるので、少し街へと繰り出す予定だ。
既に何度か街へ出た経験があるので、乗馬講師の付き添いは必要ない。
ゆくゆくは移動の手段として馬を使うつもりなのだから、騎手も馬も、色々な道を走る事に慣れておかなければならないのだ。
そんな訳で、わざと遠回りをして林を抜け、街道へ出た。
そこから王都の中心街へ。
「姉上、疲れたでしょう?
そろそろ休憩にしませんか?」
馬上からジョエルに声を掛けられて、「そうね」と答えた。
大通り沿いにはあちこちに馬を預けておける小屋がある。
その中の一つにトムとマノンを預けた。
「この辺りって確か、『メイジーズカフェ』の近くでしたよね?」
ジョエルの言うメイジーズカフェとは、以前私がアイザックから貰ったシガレットクッキーの店だ。
あれから何度かお店を訪れる機会があり、今ではすっかりジョエルのお気に入りと化している。
あんなにアイザックを敵視していたのに……と思うと、つい口元が緩んでしまった。
「何ですか? 姉上」
揶揄う様な気配を察知して、ジョエルが少し不機嫌そうに問う。
「フフッ。何でもないわ。さあ、行きましょう」
ムゥッと微かに口を尖らせるジョエルを促し、メイジーズカフェへと向かったのだが───。
「あれっ? 休みなのか?」
店の扉は閉ざされ、『本日休業』の札が掛けられていた。
「あら……。ガッカリねぇ」
「アンタ達、メイジーズカフェのクッキーを食べに来たのかい?」
店先で肩を落としていると、隣の花屋のおかみさんに声を掛けられた。
「そうなんですよ。
今日って定休日でしたっけ?」
「いや、本当は無休なんだけど、今朝来店したお貴族様のご令嬢が、店の菓子を買い占めたらしいんだよ。
クッキーだけじゃなくて、マドレーヌやフィナンシェやプリンなんかも全部買われちまって、今日は営業が出来なくなったんだって。
オーナーは喜んでたけど、アンタ達にとっては残念だったね」
「貴族の令嬢が……?」
大抵の貴族なら、小さなカフェのお菓子を買い占めるくらいの財力は持っているだろう。
だが、普通は大量購入したいのならば事前に予約をして、店や他の客に迷惑をかけない様にするのがマナーだと思うのだが……。
急な事情で大量のお菓子が必要になったのか、それとも単なる思い付きで行動したのか。
どちらにしても、私達にとっては迷惑な話である。
仕方なく、私達は花屋のおかみさんが教えてくれた、近くの別のカフェへと足を向けた。
そのカフェのアップルパイが絶品だったので、結果的には大満足な一日となった。
嬉しそうに駆け寄ってくる姿は、ちょっと犬っぽい。
「おはよう、アイザック」
「おはようございます、アイザック様」
「二人とも、おはよう。
なぁ、オフィーリア。美術館のチケットをもらったんだけど、今週末行かないか?」
朝の挨拶もそこそこに、魅力的なお誘いを受けたけれど、残念ながら先約があった。
「トムに会いに行くので、今週末はちょっと」
そう断ると、アイザックは何故か愕然とした様な表情になった。
「……トム? トムって……、誰?」
私達の会話を聞いていたベアトリスは、そんなアイザックを見てプッと吹き出す。
「馬鹿ねぇ。トムはオフィーリアの馬の名前よ」
「……なんだ、馬か」
ホッと溜息をついたアイザックを、軽く睨んだ。
「『なんだ』とはなんです?
可愛い私の家族ですよ。一緒には住んでいませんけど」
「乗馬を習ってるのは聞いてたけど、自分の馬を持っているんだな」
「習い始めてすぐの頃の誕生日プレゼントに買ってもらいました。
残念ながら自邸では飼育スペースが足りないので、乗馬クラブの馬房に預けてあるのです」
逃走に使うなら、自分の馬を持っていなきゃね。
エヴァレット伯爵邸にも馬車用の馬を飼育している小屋はあるが、私とジョエルの乗馬用の馬を一緒に飼えるほど広くはない。
一方、王都内にある乗馬クラブには月額料金を払えば、個人所有の馬を預かってくれるという便利な制度がある。
毎日の餌やりやブラッシングは勿論、適度な運動もさせてくれるし、病気になれば常駐の獣医が直ぐに診てくれるので、馬の健康管理という面では、預けておいた方が良かったりする。
「じゃあ、週末は乗馬クラブへ?」
「ええ、ジョエルと一緒に。
なので、残念ですが、チケットは別の方とお使いください」
「仕方がないからフレデリカでも誘ってみるよ」
アイザックは小さく溜息を零した。
フレデリカはお兄様大好きっ子だから、きっと喜ぶだろう。
「二人とも、弟や妹とデートか。ちょっと羨ましいわ」
「ベアトリス様も、メイナード様とお出掛けなさっては如何ですか?」
「う~ん……。
図書館くらいなら、付き合ってくれるかも……。
たまには誘ってみようかな?」
ベアトリスは少しはにかみながら呟いた。
なんだかんだ言って、メイナードとは結構仲良くやってるらしい。
快晴となった週末。
私達は予定通りに乗馬クラブへと足を向けた。
クラブの馬房は相変わらず清潔に保たれていて、動物臭よりも干草の匂いを強く感じる。
干草の香りは好きだ。
何故か郷愁をそそられるのは、畳の匂いに少し似ているからかもしれない。
馬房に入った瞬間、足音で私が来た事が分かるのか、トムが少し興奮した様子で首を伸ばしてこちらを見た。
「トム~~!!
久し振りねぇ、元気だった?」
小走りで近寄って肩の辺りを撫でてあげれば、フンフンと鼻を鳴らしながら私の頬に擦り寄ってくる。
とても可愛い。
先日学園であった嫌な事も忘れてしまうくらい癒される。
「久し振りって……。
数日前に会いに来たばっかりじゃないですか。……うわぁっ!」
ジョエルが叫び声を上げたのは、彼の愛馬であるマノンにベロリと頬を舐められたからだ。
「ちょ、やめろって!」
今度はシャツの袖口に噛み付いて、グイグイと引っ張っている。
マノンは牝馬で、ひと目会ったその時から何故かジョエルに懐いてしまった。
当初、ジョエルは『自分の馬を持つなら、馬力のある牡馬が良いなぁ』と言っていたのだが、ジョエルが他の馬に乗るとマノンが嫉妬して暴れる為、結局は絆されて彼女をパートナーに選んだ。
きっと今も、ジョエルが私とばかり話しているのが面白くなくて『私にも構いなさいよっ!』と催促したのだ。
一方、私のトムはマノンほどの重い愛情をぶつけては来ないが、私が会いに来ればとても喜ぶし、普通に懐いてくれている。
落ち着いていて頭が良いし、走りも安定している。良い馬だ。
私が逃亡する時には、彼にも頑張ってもらわなきゃいけないのだから、しっかりと信頼関係を築いておかねば。
二頭の馬の背に鞍を取り付けて跨り、クラブの敷地から出る。
いつもは馬場を走らせる事が多いのだが、今日は時間がたっぷりあるので、少し街へと繰り出す予定だ。
既に何度か街へ出た経験があるので、乗馬講師の付き添いは必要ない。
ゆくゆくは移動の手段として馬を使うつもりなのだから、騎手も馬も、色々な道を走る事に慣れておかなければならないのだ。
そんな訳で、わざと遠回りをして林を抜け、街道へ出た。
そこから王都の中心街へ。
「姉上、疲れたでしょう?
そろそろ休憩にしませんか?」
馬上からジョエルに声を掛けられて、「そうね」と答えた。
大通り沿いにはあちこちに馬を預けておける小屋がある。
その中の一つにトムとマノンを預けた。
「この辺りって確か、『メイジーズカフェ』の近くでしたよね?」
ジョエルの言うメイジーズカフェとは、以前私がアイザックから貰ったシガレットクッキーの店だ。
あれから何度かお店を訪れる機会があり、今ではすっかりジョエルのお気に入りと化している。
あんなにアイザックを敵視していたのに……と思うと、つい口元が緩んでしまった。
「何ですか? 姉上」
揶揄う様な気配を察知して、ジョエルが少し不機嫌そうに問う。
「フフッ。何でもないわ。さあ、行きましょう」
ムゥッと微かに口を尖らせるジョエルを促し、メイジーズカフェへと向かったのだが───。
「あれっ? 休みなのか?」
店の扉は閉ざされ、『本日休業』の札が掛けられていた。
「あら……。ガッカリねぇ」
「アンタ達、メイジーズカフェのクッキーを食べに来たのかい?」
店先で肩を落としていると、隣の花屋のおかみさんに声を掛けられた。
「そうなんですよ。
今日って定休日でしたっけ?」
「いや、本当は無休なんだけど、今朝来店したお貴族様のご令嬢が、店の菓子を買い占めたらしいんだよ。
クッキーだけじゃなくて、マドレーヌやフィナンシェやプリンなんかも全部買われちまって、今日は営業が出来なくなったんだって。
オーナーは喜んでたけど、アンタ達にとっては残念だったね」
「貴族の令嬢が……?」
大抵の貴族なら、小さなカフェのお菓子を買い占めるくらいの財力は持っているだろう。
だが、普通は大量購入したいのならば事前に予約をして、店や他の客に迷惑をかけない様にするのがマナーだと思うのだが……。
急な事情で大量のお菓子が必要になったのか、それとも単なる思い付きで行動したのか。
どちらにしても、私達にとっては迷惑な話である。
仕方なく、私達は花屋のおかみさんが教えてくれた、近くの別のカフェへと足を向けた。
そのカフェのアップルパイが絶品だったので、結果的には大満足な一日となった。
2,621
お気に入りに追加
6,320
あなたにおすすめの小説
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。

ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。
ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。
しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。
もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが…
そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。
“側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ”
死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。
向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。
深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは…
※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。
他サイトでも同時投稿しています。
どうぞよろしくお願いしますm(__)m

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。


【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

奪われたものは、もう返さなくていいです
gacchi
恋愛
幼い頃、母親が公爵の後妻となったことで公爵令嬢となったクラリス。正式な養女とはいえ、先妻の娘である義姉のジュディットとは立場が違うことは理解していた。そのため、言われるがままにジュディットのわがままを叶えていたが、学園に入学するようになって本当にこれが正しいのか悩み始めていた。そして、その頃、双子である第一王子アレクシスと第二王子ラファエルの妃選びが始まる。どちらが王太子になるかは、その妃次第と言われていたが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる