クラス転移で死んだけど暗殺者としての第二の人生が始まりました

in鬱

文字の大きさ
上 下
16 / 37

異世界生活47日目:Bランクに昇格したい!!!

しおりを挟む
ナリアが病院で出逢った女の子のために災いの騎士カタストロフィナイトの右手の甲にタトゥーが入った男を探すことになった。その男の情報を得るためにギルドへ向かったが、情報を知っているウルトルさんに断られてしまった
しかし、Bランクになれば話を聞いてくれると言うのでウルトルさんから提示された任務を達成するためにレイデリア近郊のアグロクの森へ足を踏み入れた。ここからは未知の場所へ行くので細心の注意を払って進んでいく。
魔物を倒した後も素材を手に入れないと認められない。いつもと違うことだらけで慣れないがやるしかない
俺たちが探しているミストラルタイガーとはどんな魔物なのだろうか?
ミストラルタイガーなんて魔物はマラ王国近郊のネルロの森にはいなかった


「ミストラルタイガーってどんな魔物なの?」


「風魔法を操る魔物だ。下手に近づくと風魔法をゼロ距離で食らうぞ」


「とはいえ…俺自身もあったことがねぇんだよな」


「誰も見つけたことないの??」


「ミストラルタイガーは警戒心が強い。易々と人前には出てこない。空腹か機嫌が悪い時じゃない限りな」


「ただミストラルタイガーは好戦的だから1度攻撃すれば反撃のために襲ってくる」


普段は人前に姿を現さないのか……
それは探すのに骨が折れそうだ。またしても森で野宿ということになる可能性が高い
束の間だったな……ベッドで寝るの


「それにミストラルタイガーは体が緑色なんだ。この森だと同化して見つけづらいな」


「見つかる気しなくなってきたな……」


「ただでさえ人前に姿を表さないのに、同化なんて見つかる気ゼロね」


「でも、カズヤの探知スキルがあるから見つかるんじゃないか?」


「ミストラルタイガーには角がある。その角から特殊な電波が出て探知スキルを妨害するんだ」


「ミストラルタイガーは目が黄色なんだ。辺りをよく見て目が黄色の生物を探してくれ」


そこら辺にポツンって現れてくれないかな
何時間いや何日も森を歩いて回るのはしんどい
早く討伐してヴィネのために右手の甲のタトゥーの男を探したい


「もうちょっと奥に進んでみるか」


「これ以上行ったら道に迷いそうだよ…」


「その時はカンちゃんに頼りましょ」


「確かに……ってまた寝てる」


「そのうち起きるでしょ」


「帰り道はカンちゃんに任せて早くミストラルタイガーを見つけないとな」


「奥に行っていればいいけど……」


その後俺たちは歩いた。何時間いや感覚的には何日も歩いた気がする。それくらい歩いた。たまに探知スキルで魔物を見つけるけど、ミストラルタイガーでは無かった
けどミストラルタイガーは見つからなかった
途中でケールが何回か「あっ!!」とか言うから見つかった?って期待するけど結局ただの木でみんなから呆れられていた
どこにいるんだよぉぉ!!!!
早く出てこいよぉぉ!!!!


「行っても行っても緑ばっかね」


「どこにいるんだよ……」


「あっ!!……違うか」


「今日何回目だよ。それ」


「ん??いや、あれ本物じゃないか!!?」


「そうやって木だったろ…」


「1回見てみてよ」


「どれ……ほんとだ。あれはミストラルタイガーだ」


「本当?嘘だったら殴られても文句ないわよね?」


怖い時のナリアが出てる。ケールとロイスが見つけたとか言ってるのが本物じゃなかったら俺まで被害が出そうで怖い
頼むから嘘はつかないでくれよ……


「そういうなら見てみろよ」


「……あれ?確かに角が生えてるし、目も黄色い」


「ほんとだ。ミストラルタイガーだ」


「早く攻撃しろ!!逃げるぞ!!」


「わかったわ!!」


「氷魔法・氷結の槍コールドスピア


ナリアが放った魔法はミストラルタイガーの角に命中し、敵はこちらに気づき一直線に向かってくる
ロイスがすぐさま俺たちの前に出て盾を構える
防御はロイスに任せて、敵がこっちに来るまでに仕留める


「ここだ!!!」パン


ヒュッ「グルルル!!!!」


「避けられた!?!?」


「剣術強化・氷魔法・氷剣撃フリーズンアタック!!」


「グルォォォ!!!!」ヒュュン!!!!


「ヤバいの来るぞ!!」


ケールの氷魔法とミストラルタイガーの風魔法がぶつかり冷たい風が吹き荒れる
ミストラルタイガーは冷風に怯むことなく突っ込んできてロイスの盾に正面からぶつかった


「…!!
こいつ…どんな力してんだよ…!!!!」


「火魔法・火柱ピラー!!」ブォォォ!!!!


「土魔法・岩石山ロックマウント!!」ガチャン!!ガチャン!!


「グルルル……!!!!」


「全然効いてないわよ!!」


「これ効いてんのか!!?」


「角を狙え!!!!角が弱点だ!!」


「角ね!!分かった!!」


「雷魔法・稲妻星ライトニングスター!!」ビリビリ!!!!


「グォォ!!!!」
(怯んだ!!角を徹底的に狙う!!)


「剣術強化・炎剣の一撃フレアブロウ!!」ボーー!!!!


「……グルル!!」


角に2発攻撃が入ったけど、まだピンピンしてる。さすがに強いな。魔法の威力もとんでもない。当たったらひとたまりもないぞ……
エアガンはさっき避けられた……もう一度試してみるか?いや角を的確に狙った方がいい
弱点に攻撃が入ってピンピンしてるんだからエアガンだけじゃ倒すのは難しい
待てよ、脳天を狙えば一発だよな?
なら脳天を一発で撃ち抜いて倒すのが1番早いのでは??なんで俺の脳みそはこれに気づかなかった…!!!!


「グルォォォォ!!!!!!」


「もういっちょ来るぞ!!!!」


「水魔法・輝く水柱ルミナスブルーム!!!!」バシャーー!!!  ブォォン!!!!


「フンッ……グルォォォォ!!!!!!」


「また来るぞ!!早すぎるだろ!!!!」


「体術強化・剣術強化・氷魔法・冷凍斬コールドスラッシュ!!」バーン!!!!!!


「フーフー……グルルル…!!!!」


もう用意してるぞ!!?
さすがに早すぎる!!!!俺たちもMPが高い魔法を何度も打ってしまい、MPは残りわずか……
これを防いでもすぐ来る!!早く脳天を撃ち抜きたいが、風を操るから狙いが定まりにくい!!!!
狙うとしたら攻撃が相殺されて風が収まる一瞬。そこでケリをつける!!!!


「グルォォォォ!!!!!!」


「光魔法・光羅盾ライトシールドタートル!!」ザキンッ!!!!  ヒュューン!!!!


「ギラッ!!……グルルル!!!!」


「グォォォン!!!!」


「まだ来んのか!!?」


「もうMP無いわよ!!!!」


「まずいじゃねぇか!!!!」


敵はもう準備し始めている!!!!早く風静まってくれ!!!!
みんなのMPもなくなってきて次の攻撃は耐えれるか微妙だ……
もうここしかない!!!!


「これで終わりだ!!」パン  


「……」バタッ


「倒した…???」


「倒したな!!」


「良かったぁ!!」


「カズヤ、ナイス!!」


何とか倒せたか……
危ないところだった。あれが当たってなければまた突進してきてた
ちゃんと素材も回収しないとな。これでBランクに上がれる。ウルトルさんから災いの騎士カタストロフィナイトについて話が聞ける


「はぁー疲れたー」


「そうだな…さすがに疲れたな」


「今日はここら辺で泊まろう」


「そうだね」


俺たちは満身創痍の体にムチを打って、焚き火を起こすための木と簡易テントを立てた。
寝る場所を確保出来てもここは森。いつ魔物が出てくるか分からない。夜は交代で見張りをする。この前と同じペアで今回は俺とナリアが先に見張りをする


「本当は寝たいんだけどなぁ……」


「確かに……今日は疲れたよね」


「うん。森を何時間も歩いたあとに戦うことになるとは思わなかったわ…」


「……そうだよね」


「ナリアはさ、なんでヴィネのことを放っておけなかったの?」


「困った人に手を差し伸べるのに理由が必要?」


「そうだけど……でも、病院で数日くらいしかあってないんでしょ?」


ナリアが困ってない人を放っておいておけないのはわかるが、だとしても数日しか会ってない人のために命を張るようなことが出来るだろうか?
災いの騎士カタストロフィナイトの恐ろしさは身を持って知っているはず……
それなのにナリアはヴィネの願いを叶えると言った
何かあるんじゃないかと勝手に思ってしまった


「確かに数日しか会ってないけど、私は困ってる人を救ってあげたいのよ」


「優しいね」


「フフ、そうかしら?」


「そうだよ。数日しか会ってない人のためにそこまでできるんだから」
(優しいっていう次元を超えてる気がするけど)


「ヴィネの言ったことがまだ耳に残ってるのよね」


[なんであなたが元気なってお母さんは助からないのよ!!!私のお母さんを返してよ!!!!!]


「あの子のために何かしてあげなきゃって気持ちになるのよね」


ナリアはすごいな。自分の身に危険が及ぶかもしれないのにそれを顧みずに行動してるんだ
もしかすると、ヴィネって女の子に何か秘密があるのかもしれないな……
ってあるわけないよな。ヴィネは話を聞く限り普通の女の子だ。何か特殊な力がある訳じゃない


「カズヤはさ、どこからマラ王国に来たの?」


「えっ……と」
(いきなりそこ聞かれる!!?答え用意してないどうしよう??)


「最近だとチェドリアからの移民が多いみたいだけど、カズヤもその人たち??」


「そうそう!!」
(危な~ナリアが爆弾投げたあと助け舟出してくれた)


「そうなんだ……大変だったでしょ?」


「うん。大変だった」
(何が大変か全くわかっていないけど話が繋がってる。とりあえずこのまま会話を続けよう)


「頑張ってるね」


褒められたけど、俺には何が大変なことなのか、チェドリアという場所で何があったかなんて微塵も知らない。とりあえず話を合わせないと……異世界から来たなんてバレたら何が起こるか想像がつかない
その後はナリアとゆったり話しながら見張りをしていた。肩でカンちゃんが寝てるのが頭に来たのは心の中にしまっておく


「そろそろ時間だね」


「そうだね。変わろうか」


「お疲れ様」


「カズヤもお疲れ」


「ん……もう時間??寝たいよ」


「もうちょっと寝させてくれ……」


「起きろ!!!!いつまでも寝るな!!!!」


「「「うわっ!!!!」」」


急にナリアが叫ぶからケールとロイスと一緒に驚いてしまった。いつまでも寝ぼけている2人に腹が立ったんだ。俺たちは疲れた中頑張って見張りをしていたんだから、あれだけ寝ぼけられると怒りたくなるのもわかる


「はい!起きました!!!!」


「寝てないぞ!!見張りは任せろ!!!!」


「あとは任せたわよ…ふわぁぁ」


「あとはよろしく」


「おう」「任せて」


俺とナリアは見張りをケールとロイスに任せて眠りについた。目を閉じてすぐに意識が飛び、気づけば太陽の光が眩しく差し込んできていた


「起きたか?」


「おはよう。よく寝れた?」


「うん。バッチリだよ。ナリアは?」


「まだ寝てる。そろそろ起こすか」


「もう少し寝かせてあげようよ」
(ナリアは昨日の戦いで1番健闘してくれた。ナリアなしでは倒せなかった)


「それは俺たちが許さない」


「そうだよ!!俺たちだってもっと寝たかったのに」


やられたらやり返す
それは異世界でも変わらないみたいだ。意外と異世界と現実世界って共通点あったりするのか???


「おい!!ナリア起きろ!!」


「そうだそうだ!!」


「Zzz……」


「寝てる……もうちょっと大きな声で」


「「起きろ!!!」」


「うるさい」カン   カン


「痛った!!!!」


「うるさいわね!!!!」バコッ!!  バコッ!!


大きな声で起こそうとした結果怒らせてはいけない1人と1匹を起こしてしまい、カンちゃんに頭をつつかれたあとナリアに杖で頭をはたかれていた
(姉貴杖は頭の骨が折れますよ)
無理に人は起こさない方がいい。これをケールとロイスは身を持って実験してくれた
その犠牲は忘れない……

早いところ森を出てギルドに戻ろう。これでウルトルさんから災いの騎士カタストロフィナイトについての話が聞けるはずだ
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界修学旅行で人狼になりました。

ていぞう
ファンタジー
修学旅行中の飛行機が不時着。 かろうじて生きながらえた学生達。 遭難場所の海岸で夜空を見上げれば、そこには二つの月が。 ここはどこだろう? 異世界に漂着した主人公は、とあることをきっかけに、人狼へと変化を遂げる。 魔法の力に目覚め、仲間を増やし自らの国を作り上げる。 はたして主人公は帰ることができるのだろうか? はるか遠くの地球へ。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

2回目チート人生、まじですか

ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆ ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで! わっは!!!テンプレ!!!! じゃない!!!!なんで〝また!?〟 実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。 その時はしっかり魔王退治? しましたよ!! でもね 辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!! ということで2回目のチート人生。 勇者じゃなく自由に生きます?

処理中です...