クラス転移で死んだけど暗殺者としての第二の人生が始まりました

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異世界生活47日目:それ本気で言ってる???

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「はぁ。アレン如きが、何うちの団長を語ってるの?片腹痛いよね」
 おーーーい。急にどうした兄さん???
「何が如きだ!言っておくが、俺の方が歳上で、騎士としても先輩に当たる!そんな俺に対する態度がそれで良いと思っているのか?!」

「いいんじゃないの?尊敬に値出来る人なら、自然と敬うんだけどね」
「クラ!」
 ギャーギャーと言い争いを始めるクラとアレン。

 そんな2人を、呆然と見つめるキリアに、隣でニコニコと微笑みながら見ているカトレア。
「あーーの、これは、いつもの事ですか?」
 恐る恐る尋ねてみる。
「そうですね。通常の光景です」
 クラ兄さんーー!!!お城に来て何してるの?!いや、カトレアとかに対する態度は正解になったのかもしれないけど、大好きな団長さんの事で喧嘩するの止めてーー!?!?


「キリア、カトレア様の専属魔法使いになったとの事だけど」

 暫く喧嘩を続けた後、やっと一段落ついたクラ兄さんから、話し掛けられる。

「もし何か困った事があったら、すぐ俺に言うんだよ?カトレア様の専属魔法使いが嫌になったとかなら、すぐに家に帰ってもいいんだからね?」

 あ。根本的な部分は変わって無いんだね。でも駄目だよ?王子様の前でそんな事言ったら。

「大丈夫だよクラ兄さん。クラ兄さんも、騎士団の人達と仲良く!仲良くしてね」
 念を押して、2回同じ事を言う。大切だからね。
 それから暫く騎士団の練習を見学し、また、城の案内に戻る。
 余談だが、ラット騎士団長も途中練習に参加し、愛しい妹と弟が見ているとあって、クラとラットのやる気は倍増し、いつも以上に他の騎士達はボコボコにされたらしい。


「後はーーー」
 丁寧にお城の中を案内してくれるカトレア。カトレアは、最初から、ずっと、優しい。
 クラ兄さんもいて、頼りになるアレンもいて、何とか、お城での生活もやって行けそう。そう、思った矢先だったーーー

「あら、ゴミ屑じゃない」
「!!!」

 その声に、体がビクッと反応する。聞き覚えのある声。
 ゆっくりと後ろを振り返ると、そこには、聞き覚えのあった声の主がいた。

「……サウィルンさん」
 私の元・家族の1人、姉のサウィルン・ラナン。

「あはっ。姉様、だなんて呼ばれなくて良かったー!あんたなんかうちの子じゃないもんね」
 それは、こちらも同じ。私の家族は貴女達じゃない。だから、姉だなんて二度と呼びたくない。

「サウィルン。貴女がお城に何の用ですか?」
 サッと、私の前に出て、姉から隠してくれるカトレア。アレンも、その隣で、1歩前に出た。そのアレンの表情は険しくて、サウィルンを警戒しているのが伺える。
 カトレア、ユーリさんーー元・兄とも面識があったけど、サウィルンさんとも面識があるんですね。


「貴方に会いに来たのよ、ダーリン♡」

 ーーーは?ダーリン?王族に向かって??

「サウィルン様!幾ら貴族であろうと、第7王子であるカトレア様に向かって、なんて口の利き方をーー!!」
 ほら、アレンさんが1発で激ギレしてるじゃないですか。
「うっさいわねー。いーの、私とカトレアは婚約者同士なんだから♡」
「貴女の婚約者になった覚えは一切有りません。お引き取り下さい」
 動揺する前に一瞬でカトレアが否定した。
「やだ。照れてるの?かぁわぁいー♡」
 ……元とは言え、実の姉の阿呆さ加減に頭が痛くなりますね。大丈夫?王族相手に、虚偽の婚約者名乗ってるの?ヤバくない?

「……不思議なのですが、この前から、どういった心境の変化なのですか?留学先で一緒だった時には、そのような態度では無かったですよね?それどころか、ニケが命を狙ってるから、精々怯えて過ごせば?と、笑いながら言ってきたじゃ有りませんか」

 サウィルンさんとはどこの知り合いなのかと思えば、留学先の学校?あの飛び級したやつの?最初に、カトレアが私達に依頼したーーー。
 そう言えば、私の事をニケさん(阿呆テスト男)に話したのは、サウィルンでしたね。成程。皆さん、同じクラスメイトだったんですね。

「やだーそんな過去の事!あれは、命が狙われてるから気を付けて!って意味だったの♡そのお陰で、命が助かったでしょ?」
 よく言いますね。カトレア殺人の容疑を、私に被せるためにニケに助言までしといて。

「僕の命が助かったのは、紅の魔法使いーーキリア達のお陰です」
「!」
「そこのゴミ屑がー?」

 不満そうな目を、カトレアの背中に守られている私に向ける。
「兄さんから聞いてたけど、あんたホントに生きてたのね」
 貴女達元・家族に、森に捨てられましたからね。ケイ先生が拾ってくれなきゃ、死んでましたよ。
「あはは!あそこで野垂れ死んでくれてれば良かったのに!そしたら、あんたの不細工で辛気臭い顔見なくて済んだんだから!」
 大きな声で笑いながら、人が傷付く事を、平気で言う。昔と何も変わらない。変わらないーーーけど。

「……サウィルンさん、随分、体型がーー変わりました。ね」
 母親譲りの緑の髪に、緑の瞳は変わっていないが、体型が、ぽっちゃりした、お相撲さんの体型になっている。昔はもっと痩せてたのに……。

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