クラス転移で死んだけど暗殺者としての第二の人生が始まりました

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異世界生活44日目:設計図はどこに?

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俺たちは修行中に見つけたダンジョンに挑んだ。中は複雑になっており、普段は見かけないような魔物もいた。強敵に苦労しながらもダンジョンの最奥まで進むことが出来た
ダンジョンを踏破できたのはいいことであり嬉しい。なのだか………ダンジョンの奥には魔物たちが隠している宝箱がある。その中にはアイテムが入っているはずなのだが、誰かが先に来たのか中は空っぽだった
せっかく頑張ったのに何も無しはかなりショックだった。でもこういうこともあるんだろう。いつも上手くいくとは限らない
俺たちはダンジョンを出た後、ギルドに戻りライオスさんにそのことを話した。ダンジョンは危ない場所だから行く時は声をかけろと注意されたけど、踏破したことは素直に褒めてくれた。ライオスさんも森の奥にダンジョンがあることは知らなかったみたいだ。長年冒険者をやっていたライオスさんが分からないんだから最近出来たダンジョンなのだろう

ギルドで解散したあとはすぐに飯屋に直行した。本来なら自炊でもしたかったが、宿屋にキッチンがないため料理が出来ない。どこかで借りようにもキッチンだけを置いてる場所なんて存在しない
異世界は現実世界ほど色んな飲食店があるわけではないが、俺は美味しければなんでもいい
俺は飯屋でご飯を食べたあと宿屋に戻り就寝の準備をしていた


「ダンジョンに何も無かったのショックだな」


「宝は入ってた」


「え???俺たちで見た時何も入ってなかったじゃん」


「我が先に見てる」


「そうだった。カンちゃん先に見て中身とったってこと?」


「我の収納魔法の中にある」


「何が入ってたのか見せてよ」


勝手に開けて中身を強奪するとは………
何もしてないくせに強欲な鳩だな。美味しいところだけ持っていったわけだ
ちゃんと返してもらおう。俺たちが頑張って攻略したんだからな


「これ。お前が欲しいもの」
(紐で丸められた紙が出てきた。何が書いてあるんだ???)


「なにこれ??」


「城の設計図」


「は???」


何を言ってるんだ???ダンジョンに城の設計図が隠されてるなんてあるわけないだろ
もし仮に隠されてたとしたら疑問しか残らない。神に設計図を探せって言われた次の日に見つかるなんて、そんな都合のいい事あるか???


「ご冗談を……」


「見てみろ」


「ただの白紙でしょ」


「なにこれ?」


紙を広げて出てきたのは部屋の間取り。それも階層ごとに書いてある
この家広いなーこんな家1回住んでみたい。多分広すぎて迷うけど


「城の設計図だ馬鹿。耳ないのか」


「え!?!?これほんとにそうなの!?!?」


「さっきからそう言ってる」


「これが……広すぎて迷うんだけど」


「王がいるのは王の部屋。それか玉座の間」


「最上階にあるのか……あの階段登るの面倒くさすぎる」


「その設計図は初期。今の城の設計図じゃない」


「色々改築される前ってことか」


忍び込む際には役に立たないけど、元の城がどんな構造をしているのか知るにはもってこいだ
改築したあとも変わってない部屋もあるかもしれないし、見ておいて損は無い


「見て覚えとけアホ」
(辛辣……)


「覚える必要あるの?」


「覚えろ」
(質問を聞かないスタイル)


「改築される前だから無駄じゃ……」


「改築されたのは1部だけ。大部分は初期のまま」


「そうなんだ」
(それを早く言えよ!!)


こいつは肝心な説明をしない時がよくある
肝心な説明しないで何がアホだ!!!
ふざけんじゃねぇよ!!!!!
説明がないと分からないだろ!!!


「我寝る。窓開けろ」


「わかったよ」バサバサ


「目くらい通しておくか」


俺は真夜中にも関わらず城の設計図と格闘していた。設計図を見ても複雑なものは分かりづらい
どこに何の部屋があり、どのような構造をしているのかを覚えるのは大変だ。1週間くらい覚えられればいいけど


「眠い……さすがに寝よう」
(ベットに飛び込む瞬間が1番心地良い)


「運が良いね」


「またですか?」


「何回も呼び出してごめんね。アドバイスしてあげようと思って」


「アドバイス???」


「ダンジョンの宝箱にあったでしょ。今回みたいにダンジョンに埋まってることはある」


「そうなんですね。でもなんでダンジョンの奥に???」


「城の設計図は他国に売れば高価で売れる
金に目が眩んだ人間が盗んで他国に届ける最中に魔物に襲われて死に、持っていた設計図を魔物が高価なものだと判断してダンジョンの奥に隠すからだよ」


「てことは、そのまま他国で売られたものもあるってことですよね???」


「そうだね。ただどこの国にあるかは分からない。そこは君が色々旅をして見つけるんだ」


冒険者らしくなってきたぞ!!!
色んな国を渡り歩いて旅をするのか……楽しそう!!
でも待てよ………設計図欲しがる人って役人だよね。他国の城に忍び込まないと行けないのか
結局城には入らないと行けないんだな


「設計図あるのって城ですよね」


「ほとんどはそうだろうけど、一般人が持ってることもあるからね。くまなく探してごらん」


「なるほど……」


「じゃあね。また呼ぶよ」


「わかりました」


俺の意識はそこで途絶え、次、目を覚ますと横にカンちゃんがいた。またつつかれるのか
痛った!!昨日もつつかれたよな。2日連続最悪な目覚めだ
つつくのをいい加減やめてくれないか??頭が削れるんだが


「つつくのやめてくれよ」


「なら、早く起きろ」


「早くって………カンちゃんより早く起きるとしたら4時とかになるだろ」


「知るか」


「……諦めよう」


こんな早くに起きてもすることないって……
それに今日睡眠時間短いからまだ寝てたいんだけど
朝ごはんにしても早すぎる
また設計図と格闘するのか???複雑だから見れば見るほど頭を悩ませてくるんだよな。設計図はどこまでいっても設計図だから、実際に見ると混乱するだろうし、それに俺図形苦手なんだよな


「それに今日はカンちゃんが設計図覚えろって言うから遅くまで起きて見てたんだけど」


「なんで夜に見る?」


「なんでって……夜しか時間ないじゃん」


「朝早く起きて見ればいい」


「寝起きの頭にこんな迷路は解けないよ」


「見て覚えろ」
(人をご存知ない???朝は寝てたいんだよ)


「朝は寝たい……」


「夜寝ろ」
(ダメだ。人間と鳩の違いは大きすぎる)


こいつに何言っても分からないのは知ってるけど、朝は眠いんだよ!!!!もっと寝させろ!!!!
てかお前は昼間寝てるだろ!!!!
俺は魔物倒してんだよ!!!!!何もしてない奴が言うな!!!

こんな時間に起きてたら現実世界と変わらないよ……
異世界でも登校する時と同じ時間に起きないといけないんだよ……


「はぁ………設計図と格闘しよう」


「これ覚えても、実際に忍び込んだ時に思い出せるか???設計図で見るのと実際に見るのってだいぶ違うと思うけど」


「変わらない。覚えろ」


「疑問も玉砕するのか」


俺は城の設計図と格闘したあと、ギルドに集合する時間になったため準備をして宿屋を出た。ギルドへ向かう途中で鎧を着た兵士が聞き込みをしていた
あれが王国騎士団か???
俺の事探してるみたいだ。気づかれないように行こう
王国騎士団に気づかれることなく無事、ギルドにたどり着いた


「みんなおはよう」


「カズヤ、おはよう」


「今日はどうする?」


「掲示板でも見てみるか」


「そうだね」


掲示板には色んな任務が書かれた紙がいっぱいに貼ってある。薬草集めや魔物の駆除、人の手伝いもあるな。冒険者って任務で報酬を得るけど、任務の種類は幅広いんだな。盗賊の撃退とかもあるし……盗賊いるんだ。できることなら会いたくないな


「こんなのどう??」


「[荷物運びの護衛]か。隣国のレイデリアに物資を運ぶ馬車を魔物に襲われないように護衛する任務だな。報酬は1000アーツ」


「いいんじゃない」


「うん。これでいいんじゃないかな」


「じゃあこれを受けよう」


護衛か。俺たちがやることは魔物から物資を守ることだし、そんなに緊張して行く必要はないか
隣国に行くのか。もしかしたら設計図があるかもな観光ついでに探してみるか


「ライオスさん。これを受けます」


「わかった。門のところに行ってくれ」


「はい」


「この任務はレイデリアのギルドで達成報告してくれ」


「わかりました」


「そうだ。お前たちの冒険者ランクCに上げておいたぞ」


「そうなんですか!?」


「確認してみろ」


ほんとだ。この前までFって書かれてたのがCに変わってる。一気に飛び級したな
みんなのもCに変わってるな。これからどんどん上げていきたいってみんなは思ってるよな
俺はこれ以上は上がりたくないな。面倒事に巻き込まれる予感しかしない


「カズヤはもっと上でもいいんだけどな」


「遠慮します」


「そうか……無理強いする訳にもいかないしな。カズヤがいいって言うなら良いが……」
(認めてくれるのは嬉しい)


「最近、王国騎士団がうろついてるからな。絡まれないように気をつけろよ」


「はい。ありがとうございます」


俺たちはライオスさんに礼を言ってギルドを後にした。門のところに行くと食料やらなんやらを積んだ馬車を見つけた。あれだけデカイと的になるもんな
確かに護衛は必要だ


「あの……護衛をすることになったものですが」


「あ、はい。お願いします」


「任せてください」


「では、出発します」


最初のうちは森を歩くので、みんなで気を引き締めて進んだ。途中で魔物が襲ってきたけど、連携で一網打尽にした
その後も何度か魔物が襲ってきたけど、被害を出すことなく倒すことが出来た
そして、森を抜け束の間の平野を歩いていた。すぐ先にまた森がある
この世界は森林が何割占めてるんだ??


「また森あるわね……」


「まぁマラ王国からレイデリアまではほとんど森だからな。魔物も多く住んでるし、気は抜けないぞ」


「わかってる」


「この平野はマラ王国とレイデリアのちょうど中間にあるんだ。レイデリアまであと半分ってところだな」


「自然の街道か……」カン


「痛っ!!何すんだよ急に!!」


「何かが来てる」


何かが来てる??そうは言われても俺の探知スキルでは来てるものは分からない
カンちゃんの気のせいだろ。こんな平野で何か来てたらみんなも気づく


「……おい。どうした?」


「馬も疲れたのかしら?」


「だとしてもそんな急に止まるか?」


「それは止まるでしょうよ。疲れてるんだから」


嫌な予感が急にしてきた。カンちゃんが言ってたのも嘘じゃないかもな。
カンちゃんの探知できる範囲は俺よりはるかに広い。だから、俺には探知出来ないものが探知できていたのか?
でも、俺の探知スキルでもまだ何もいない。どういうことだ?魔物はこの近くにいないのか?


「なんだお前たち?」
(急に人が目の前現れた。気づかなかった)


「……」
(数が増えていってる。なんだこいつら???)


「何者?」


「その物資は頂くぞ」


「何言ってんだ?これはレイデリアに届けるものだ」


「うわぁぁぁーー!!!!!!」
(馬車を引いてた人がどっかに逃げた!?!?)


「あ、おい!!!」


「ちょっと待って下さい!!!」


カンちゃんが言ってた来てるってのはこいつらのことか。物資を頂くとか言ってるし、盗賊でいいよな
隠密スキルでも使ってたのか??全く気づかなかったな。馬車を引く人が逃げると物資ここに置いてけぼりになる


「大人しく物資は置いて行ってもらおう」


「それは無理な話だ」


「なら、奪わせてもらう」


盗賊と戦うことになるとはな。こいつらの数は俺たちより多い。1人1人確実に倒していかないとな
盗賊撃退の報酬もまとめて貰ってしまおう。悪さを働く人間はシバいてあげないといけないな
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