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異世界生活10日目:めちゃ強くなりました
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もう異世界に飛ばされて10日経った。この間ずっと森にいたおかげですごく強くなれた気がする。魔法はまだ習得できてないやつもあるけど、スキルは全部習得できた。カンちゃんによれば今の強さなら神のペットも扱えるらしい(ただし、カンちゃんは例外)
そろそろ王国へ入りたいと思う年頃。ずっと森歩いて魔物を狩っていても、異世界に来た感じがあまりしない。強いて言うなら魔物がいて命を奪ってこようとするくらいだ。あいつら今みたいな昼間でも堂々襲ってくるから気を抜けない
あれ?命の危機なのにそれを異世界に来た感じって言っちゃってる。もう感覚バグってきてるな
「そろそろ王国に入って良くない?」
「…そうだな」カン
「やっぱダメか…魔物狩って強くなんないとダメですよね」
「ん?今なんて?」
「王国入れ」
「……キタァァァ!!!」
「うるさい」カン
カンちゃんに頭つつかれたがどうでもいい!!!!
よっしゃぁぁ!!!!!ついに来た
これでやっとだ!!念願の異世界を楽しめる
首洗って待っとけよ王様!!!!
「で、どちらに向かえば?」
「あっち」
「あっちか」
今俺がどこにいるかも分からないので王国の入口まではカンちゃんに案内してもらうことにした。もう二度と森は入らない。いや、入りたくない
あんな体験してまた入りたいとは思わない。俺の中ではトラウマになった
「まだ?」
「まだ」
「入口遠いよ……」
「お前が森の奥まで行き過ぎ」
「そんな奥行ってたの?方向がわかんないから知らなかった」
「飛ぶのズルすぎるだろ」
「こっちは歩いてんのに」
「飛ぶの舐めるな」カンカンカンカンカン
「痛い痛い!何すんだよ!」
急に5連つつきはやめて欲しい。じゃれる訳でも無く本気で来るから頭に穴空くかと思った。そんな気に障ること言ってないでしょ
動物の気持ちは人間の気持ちの次に分からないな
発言には気をつけよう。次やられたら頭が変形しかねない
「カーカー」
「なんだよ。急に鳴いて」
「あ!やっと着いた」
「長かった」
魔の森を魔物を倒しながら歩いて目の前に現れたのは石でできた巨大な門。門の近くにはごつい鎧を着た兵士が2人立っている。漫画で見るよりも迫力がある。この門の先に王様がいると考えると門の迫力も相まって少し緊張してくる
「早く行け」
「わかってるよ」
「でも、大丈夫なの?追い返されたりとかされないの?」
「カードがあれば"ほぼ"入れる」
「"ほぼ"か。入れると信じよう」
「ようこそ、マラ王国へ。カードをお持ちですか?」
「はい」
「……」
これダメなやつじゃない?すごい眺めてるけど、その行為って際どい人にしかやらないよね。俺入れないで終わるのか。クラスからも省かれて"ほぼ"からも省かれるのか。なんで俺はいつも1人なんだよ
最悪、牢屋行きもあるな。その場合は………
そうなったら考えよう
「あのー」
「どうぞ、通って大丈夫です」
「ありがとうございます!」
「良かった」
「ほぼ入れる」
「うるさい」
俺が何とか門を通って目の前に出てきたのは石造りの像だった。しかもよく見るとあの神によく似ている。あの人ほんとに神様だったんだ
他にも建物が並んでいる。家や武器屋、アイテムショップ、宿屋、教会。異世界の文字が書いてあるけど、解読スキルのおかげで読める
あのシ〇デ〇ラ城、本物よりも全然大きいじゃん。あんなところに勝手に俺たちを呼んだ王様が住んでるのか。なんか殺意沸いてくるな
「王国に入ったけど、どうすればいいの?」
「宿屋」
「宿屋?なんで?」
「住む場所」
「住む場所?俺には家が………………ないわ」
「宿屋で住むってことか」
でも、今の俺には金がない。魔物ばっかり倒して強くなることだけ考えてたから無一文だ
持ってるものといったらカードと魔物倒して出てきた素材みたいなやつだけだ
また野宿になるのかよ。いい加減にしてくれ。外気にさらされながら寝るのはもう勘弁して欲しい
「俺、金ないけど」
「素材は売れば金になる」
「よし、売りに行こう。その場所はどこに?」
「ギルド」
「ギルドってやっぱりあるんだ」
「ギルドはあっち」
あんな素材が金になるとは異世界って不思議だな
あんなの捨てて虫の餌にするしか使い道無いだろ
カンちゃんが持ってろっていう言うから収納魔法をわざわざ習得したけど
ポイントめちゃくちゃ使ったんだから使い道なかったら森にいた日々が無駄になる
でも、金になるなら金稼ぎのために森に入るのもアリだな。またあの森入るって考えると嫌気がするけど金のためなら仕方ない
「すいません」
「はい!冒険者希望の方ですか?」
「いや、素材を売りに来たんですが」
「わかりました。見せていただけますか?」
「その鳩可愛いですね。ペットですか?」
「いや、そういう訳じゃないんですけどね。勝手に懐いてきて…」
「そうなんですね。いいですね。動物に懐かれるって」
「結構大変なところもありますけどね」
「これなんですけど…」ガサガサ
俺がギルドに入ると受付の女性の人が明るく出迎えてくれる。ギルドの中は閑散としていて人はほとんどしかいなかった。もっと人いると思ったけどそうでも無かったな
俺は収納魔法でしまった素材をまとめて出す。思ったよりも量が多くすごい勢いで素材が散らばった
受付の人が量が多かったのかさっきまでの笑顔が消え焦った顔をしている
思ったよりも多かった。こんなに倒してたのか。おかげで強くなったけど
「ライオスさん!」
「なんだ?…なんだこの量!」
「お前か?見ない顔だな」
「思ったよりも量が多くて。最近来たんですよ」
「これを売りたいわけだな」
「そうなんですが…」
受付の人が呼んだライオスという人は白髪に厳格そのものという顔をしていて威圧感がある
現実世界なら俺は声掛けられても無視してる
ライオスさんに睨まれた俺は思わず固まってしまう。絶対怒ってる。そりゃそうだよね。こんな量の素材持ってこられても困りますよね
「ちょっと待ってくれないか。これだけの量は査定に時間がかかる」
「全然大丈夫です」
「それまでの間、適当に時間を潰しておいてくれ」
「わかりました」
怒ってなかった。こんなにぶちまけたのに何も言わないなんて優しい人だな
人は見た目で判断したらダメだ
ギルドに男女3人入ってきた。グループだろうか
入ってくるとライオスさんに挨拶をして、掲示板を眺めている。冒険者もきっと大変だよな
「そうだ。お前名前は?」
「えっと…カズヤです」
(異世界くらい名前で呼ばれてもいいだろ)
「カズヤ。任務を受けてくれないか?」
「え?僕がですか?」
「1人とは言わない。あいつらと一緒に受けてくれ」
「あの人たちと?」
「あのグループはこの前1人抜けたばかりでな…それ以降任務が上手くいってないんだ。良ければ手伝ってやってくれないか」
「僕でいいんですか?」
「これだけの素材集めてきてんだから大丈夫だろ」
ライオスさんは冒険者の面倒を見てるのか。優しい人だな。だが、大丈夫とは言ったけど俺でいいのか
ぼっちゆえ集団行動は慣れてないから苦手ではあるけど何とかなるか
「そうと決まれば」
「おい。お前たち」
「なんですか?」
「助っ人のカズヤだ。仲良くしてやってくれ」
「ほんとにいいんですか!?!?」
「あぁ。こいつは頼りなるはずだ」
「「お願いします!!」」
いきなり頭下げられたんだけど。そんなかしこまらなくても。俺なんかまだこの世界10日目の新人なのに。それもこの肩に乗ってる鳩のおかけで今生きてるから
「そんなにかしこまらないでください」
「そう?なら、お言葉に甘えて。君もそんなにかしこまらなくてもいいよ」
「よろしく、カズヤ」
「よろしく。名前は?」
剣を背負っている好青年がケールでLv.15。帽子をかぶり杖を持っている女性がナリアでLv.14。盾を背負っているガタイのいい男性がロイスでLv.15。職業はケールが剣士、ナリアが魔導士、ロイスが防衛兵
異世界の職業ってかっこいいな。剣士とか憧れる。それに対して俺の職業……暗殺者。
なんか違うんだよな。こんなこと言ったら天罰下るかもしれない
「カズヤの職業は?」
「俺は暗殺者」
「暗殺者か。いいね」
「冒険者ランクは?」
「??
何それ?」
「お前こんだけの魔物狩っておいて冒険者じゃないのか?」
「はい」
(まだ10日目だし、さっきまで森にいたから仕方ないよね)
「なら、冒険者登録したらどうだ?そうすれば任務を受けられるし、金も手に入る」
「まず冒険者登録した方がいいよ」
冒険者になったら本来の目的から遠のく気が…
異世界で暮らすためにはギルドで任務を受けて金を稼ぐしかない。そのためには仕方ない。それくらい神も許してくれるはず……
カンちゃんはさっきから寝てるのか目を閉じてる。ほんっと自由だな
「じゃあカード貸してくれるか?」
「水晶持ってきてくれ」
「はい」
「この水晶に触れてくれるかこれで最初のランクを決める」
「わかりました。ランクっていくつあるんですか?」
「1番低くてF、その次にE、D、C、B、A、S、1番高くてSS。だが、SSは現在2人しかいない。SSになれるのはごくわずかだ。目指すとするならAかSだろうな。Bでも高ランクに入る。最初のうちはBを目指すのが1番いい」
「ちなみに俺たちははみんなDランク。まだまだだよ」
「なるほど」
ランクは高いと嬉しいけど、それで色んな面倒事に巻き込まれるくらいなら低ランクでぼちぼち稼いで生活したい。俺自身異世界に来たのは嬉しいけど、高ランクになったせいで異世界の厄介事に巻き込まれるのは正直嫌だ
「B!?お前は一体何者なんだ!?」(Lv.1だよな!?!?)
「B!?そんな強いのになんでこんなところにいるんだ」
「冒険者ランクはBで登録するぞ」
「いや、Fでお願いします」
「なんでだ?」
「そうだよせっかくいいランクなのに!」
「僕はまだここに来たばかりですから、それなのにいきなり高ランクなんて荷が重いです。1番低いランクから頑張りたいんです」(それっぽいことは言えた)
俺がそれっぽいことを言うとライオスさんは笑ってFランクにしてくれた。ケールたちは納得してなかったみたいだけど俺はこれでいい。変に目立ちたくもない。カンちゃんも頷いてるしこれでいいだろう
「はいよ。できた」
「ありがとうございます」
「ケール、任務は決めたのか?」
「これにします」
「[ゴブリン10体駆除]か。わかった。気をつけて行ってこいよ」
「はい!よしみんな行くぞ!」
「うん!」
「帰ってくるまでに査定は終わらせとく」
「お世話になります」
「カズヤばっかり見てたけど、肩に乗ってるの鳩だよな。鳩を連れた冒険者か。ミラ様みたいだな」
ギルドを出ていく途中でライオスさんがなにか言っていたけどよく聞き取れなかった。多分ただの独り言だと思う。気にする事はない
ようやく異世界っぽくなってきた。
俺の異世界生活はこれからだ。思う存分満喫しよう
そろそろ王国へ入りたいと思う年頃。ずっと森歩いて魔物を狩っていても、異世界に来た感じがあまりしない。強いて言うなら魔物がいて命を奪ってこようとするくらいだ。あいつら今みたいな昼間でも堂々襲ってくるから気を抜けない
あれ?命の危機なのにそれを異世界に来た感じって言っちゃってる。もう感覚バグってきてるな
「そろそろ王国に入って良くない?」
「…そうだな」カン
「やっぱダメか…魔物狩って強くなんないとダメですよね」
「ん?今なんて?」
「王国入れ」
「……キタァァァ!!!」
「うるさい」カン
カンちゃんに頭つつかれたがどうでもいい!!!!
よっしゃぁぁ!!!!!ついに来た
これでやっとだ!!念願の異世界を楽しめる
首洗って待っとけよ王様!!!!
「で、どちらに向かえば?」
「あっち」
「あっちか」
今俺がどこにいるかも分からないので王国の入口まではカンちゃんに案内してもらうことにした。もう二度と森は入らない。いや、入りたくない
あんな体験してまた入りたいとは思わない。俺の中ではトラウマになった
「まだ?」
「まだ」
「入口遠いよ……」
「お前が森の奥まで行き過ぎ」
「そんな奥行ってたの?方向がわかんないから知らなかった」
「飛ぶのズルすぎるだろ」
「こっちは歩いてんのに」
「飛ぶの舐めるな」カンカンカンカンカン
「痛い痛い!何すんだよ!」
急に5連つつきはやめて欲しい。じゃれる訳でも無く本気で来るから頭に穴空くかと思った。そんな気に障ること言ってないでしょ
動物の気持ちは人間の気持ちの次に分からないな
発言には気をつけよう。次やられたら頭が変形しかねない
「カーカー」
「なんだよ。急に鳴いて」
「あ!やっと着いた」
「長かった」
魔の森を魔物を倒しながら歩いて目の前に現れたのは石でできた巨大な門。門の近くにはごつい鎧を着た兵士が2人立っている。漫画で見るよりも迫力がある。この門の先に王様がいると考えると門の迫力も相まって少し緊張してくる
「早く行け」
「わかってるよ」
「でも、大丈夫なの?追い返されたりとかされないの?」
「カードがあれば"ほぼ"入れる」
「"ほぼ"か。入れると信じよう」
「ようこそ、マラ王国へ。カードをお持ちですか?」
「はい」
「……」
これダメなやつじゃない?すごい眺めてるけど、その行為って際どい人にしかやらないよね。俺入れないで終わるのか。クラスからも省かれて"ほぼ"からも省かれるのか。なんで俺はいつも1人なんだよ
最悪、牢屋行きもあるな。その場合は………
そうなったら考えよう
「あのー」
「どうぞ、通って大丈夫です」
「ありがとうございます!」
「良かった」
「ほぼ入れる」
「うるさい」
俺が何とか門を通って目の前に出てきたのは石造りの像だった。しかもよく見るとあの神によく似ている。あの人ほんとに神様だったんだ
他にも建物が並んでいる。家や武器屋、アイテムショップ、宿屋、教会。異世界の文字が書いてあるけど、解読スキルのおかげで読める
あのシ〇デ〇ラ城、本物よりも全然大きいじゃん。あんなところに勝手に俺たちを呼んだ王様が住んでるのか。なんか殺意沸いてくるな
「王国に入ったけど、どうすればいいの?」
「宿屋」
「宿屋?なんで?」
「住む場所」
「住む場所?俺には家が………………ないわ」
「宿屋で住むってことか」
でも、今の俺には金がない。魔物ばっかり倒して強くなることだけ考えてたから無一文だ
持ってるものといったらカードと魔物倒して出てきた素材みたいなやつだけだ
また野宿になるのかよ。いい加減にしてくれ。外気にさらされながら寝るのはもう勘弁して欲しい
「俺、金ないけど」
「素材は売れば金になる」
「よし、売りに行こう。その場所はどこに?」
「ギルド」
「ギルドってやっぱりあるんだ」
「ギルドはあっち」
あんな素材が金になるとは異世界って不思議だな
あんなの捨てて虫の餌にするしか使い道無いだろ
カンちゃんが持ってろっていう言うから収納魔法をわざわざ習得したけど
ポイントめちゃくちゃ使ったんだから使い道なかったら森にいた日々が無駄になる
でも、金になるなら金稼ぎのために森に入るのもアリだな。またあの森入るって考えると嫌気がするけど金のためなら仕方ない
「すいません」
「はい!冒険者希望の方ですか?」
「いや、素材を売りに来たんですが」
「わかりました。見せていただけますか?」
「その鳩可愛いですね。ペットですか?」
「いや、そういう訳じゃないんですけどね。勝手に懐いてきて…」
「そうなんですね。いいですね。動物に懐かれるって」
「結構大変なところもありますけどね」
「これなんですけど…」ガサガサ
俺がギルドに入ると受付の女性の人が明るく出迎えてくれる。ギルドの中は閑散としていて人はほとんどしかいなかった。もっと人いると思ったけどそうでも無かったな
俺は収納魔法でしまった素材をまとめて出す。思ったよりも量が多くすごい勢いで素材が散らばった
受付の人が量が多かったのかさっきまでの笑顔が消え焦った顔をしている
思ったよりも多かった。こんなに倒してたのか。おかげで強くなったけど
「ライオスさん!」
「なんだ?…なんだこの量!」
「お前か?見ない顔だな」
「思ったよりも量が多くて。最近来たんですよ」
「これを売りたいわけだな」
「そうなんですが…」
受付の人が呼んだライオスという人は白髪に厳格そのものという顔をしていて威圧感がある
現実世界なら俺は声掛けられても無視してる
ライオスさんに睨まれた俺は思わず固まってしまう。絶対怒ってる。そりゃそうだよね。こんな量の素材持ってこられても困りますよね
「ちょっと待ってくれないか。これだけの量は査定に時間がかかる」
「全然大丈夫です」
「それまでの間、適当に時間を潰しておいてくれ」
「わかりました」
怒ってなかった。こんなにぶちまけたのに何も言わないなんて優しい人だな
人は見た目で判断したらダメだ
ギルドに男女3人入ってきた。グループだろうか
入ってくるとライオスさんに挨拶をして、掲示板を眺めている。冒険者もきっと大変だよな
「そうだ。お前名前は?」
「えっと…カズヤです」
(異世界くらい名前で呼ばれてもいいだろ)
「カズヤ。任務を受けてくれないか?」
「え?僕がですか?」
「1人とは言わない。あいつらと一緒に受けてくれ」
「あの人たちと?」
「あのグループはこの前1人抜けたばかりでな…それ以降任務が上手くいってないんだ。良ければ手伝ってやってくれないか」
「僕でいいんですか?」
「これだけの素材集めてきてんだから大丈夫だろ」
ライオスさんは冒険者の面倒を見てるのか。優しい人だな。だが、大丈夫とは言ったけど俺でいいのか
ぼっちゆえ集団行動は慣れてないから苦手ではあるけど何とかなるか
「そうと決まれば」
「おい。お前たち」
「なんですか?」
「助っ人のカズヤだ。仲良くしてやってくれ」
「ほんとにいいんですか!?!?」
「あぁ。こいつは頼りなるはずだ」
「「お願いします!!」」
いきなり頭下げられたんだけど。そんなかしこまらなくても。俺なんかまだこの世界10日目の新人なのに。それもこの肩に乗ってる鳩のおかけで今生きてるから
「そんなにかしこまらないでください」
「そう?なら、お言葉に甘えて。君もそんなにかしこまらなくてもいいよ」
「よろしく、カズヤ」
「よろしく。名前は?」
剣を背負っている好青年がケールでLv.15。帽子をかぶり杖を持っている女性がナリアでLv.14。盾を背負っているガタイのいい男性がロイスでLv.15。職業はケールが剣士、ナリアが魔導士、ロイスが防衛兵
異世界の職業ってかっこいいな。剣士とか憧れる。それに対して俺の職業……暗殺者。
なんか違うんだよな。こんなこと言ったら天罰下るかもしれない
「カズヤの職業は?」
「俺は暗殺者」
「暗殺者か。いいね」
「冒険者ランクは?」
「??
何それ?」
「お前こんだけの魔物狩っておいて冒険者じゃないのか?」
「はい」
(まだ10日目だし、さっきまで森にいたから仕方ないよね)
「なら、冒険者登録したらどうだ?そうすれば任務を受けられるし、金も手に入る」
「まず冒険者登録した方がいいよ」
冒険者になったら本来の目的から遠のく気が…
異世界で暮らすためにはギルドで任務を受けて金を稼ぐしかない。そのためには仕方ない。それくらい神も許してくれるはず……
カンちゃんはさっきから寝てるのか目を閉じてる。ほんっと自由だな
「じゃあカード貸してくれるか?」
「水晶持ってきてくれ」
「はい」
「この水晶に触れてくれるかこれで最初のランクを決める」
「わかりました。ランクっていくつあるんですか?」
「1番低くてF、その次にE、D、C、B、A、S、1番高くてSS。だが、SSは現在2人しかいない。SSになれるのはごくわずかだ。目指すとするならAかSだろうな。Bでも高ランクに入る。最初のうちはBを目指すのが1番いい」
「ちなみに俺たちははみんなDランク。まだまだだよ」
「なるほど」
ランクは高いと嬉しいけど、それで色んな面倒事に巻き込まれるくらいなら低ランクでぼちぼち稼いで生活したい。俺自身異世界に来たのは嬉しいけど、高ランクになったせいで異世界の厄介事に巻き込まれるのは正直嫌だ
「B!?お前は一体何者なんだ!?」(Lv.1だよな!?!?)
「B!?そんな強いのになんでこんなところにいるんだ」
「冒険者ランクはBで登録するぞ」
「いや、Fでお願いします」
「なんでだ?」
「そうだよせっかくいいランクなのに!」
「僕はまだここに来たばかりですから、それなのにいきなり高ランクなんて荷が重いです。1番低いランクから頑張りたいんです」(それっぽいことは言えた)
俺がそれっぽいことを言うとライオスさんは笑ってFランクにしてくれた。ケールたちは納得してなかったみたいだけど俺はこれでいい。変に目立ちたくもない。カンちゃんも頷いてるしこれでいいだろう
「はいよ。できた」
「ありがとうございます」
「ケール、任務は決めたのか?」
「これにします」
「[ゴブリン10体駆除]か。わかった。気をつけて行ってこいよ」
「はい!よしみんな行くぞ!」
「うん!」
「帰ってくるまでに査定は終わらせとく」
「お世話になります」
「カズヤばっかり見てたけど、肩に乗ってるの鳩だよな。鳩を連れた冒険者か。ミラ様みたいだな」
ギルドを出ていく途中でライオスさんがなにか言っていたけどよく聞き取れなかった。多分ただの独り言だと思う。気にする事はない
ようやく異世界っぽくなってきた。
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