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第二話『迷走ドライブ』
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俺は痛む頬をさすりながら、恐る恐るきいた。
一斗「あの…何で俺は殴られたんでしょうか?」
男「あ~ん?この国じゃあな、相手に親指立てるっつーのは『アンタ、右の鼻の穴から昼間食べたうどんが出てるよ』っつー意味なんだよ」
一斗「(いや、聞いたことないわ…第一うどんは日本食じゃん)」
思わず心の声が漏れそうになったが、二発目のフックが飛んできそうな気配が満ち満ちていたので言いかけた言葉を飲み込んだ。
すかさず俺は頼んだ。
一斗「あの、メキシコ国境まで行きたいんですけど乗せていって頂けないでしょうか」
男「一体何しに行くんだ?」
一斗「マヤ文明について調べたいんです」
男「あんた学者さんかい?」
一斗「いえ、違います」
男「あぁ~!じゃあアレか!いやぁ久しぶりだなぁ~アレに会うなんて!感激だわ」
一斗「へ?アレって何です…?」
男「いや、もう何も言うなって!分かってっから!国境なんて言わずに目的地まで乗っけてってやらぁ!」
一斗「本当ですか?!助かります!」
車を放置してしまうことになるが、構うものか。どうせ現地調達したオンボロ中古車だ。後で何とでもなる。
俺は喜び勇んでトラックに乗り込んだ。
男「兄ちゃん、暑い中大変だったな!少し休んだ方がいいぜ!」
一斗「あ、はい!ありがとうございます」
この男の言う通りだ。エンジントラブルに巻き込まれ、立ち往生したせいでかなり体力を消耗してしまった。
エアコンが効いてるわけでもないが、開けた窓から吹き込んでくる風が心地良い。
目的地まではだいぶある。少し寝ておこう……
……ふと目を覚ますと辺りは夜になっていた。
男「おぉ、目ぇ覚ましたか。もうすぐ着くぜ」
一斗「わざわざすいません」
男「なぁに、気にすんな!その代わりにバッチリ秘密を暴いてきてくれよ!」
一斗「…え?」
訝しげな俺の表情とは裏腹に、男の目はキラキラと輝いていた。
一斗「あの…何で俺は殴られたんでしょうか?」
男「あ~ん?この国じゃあな、相手に親指立てるっつーのは『アンタ、右の鼻の穴から昼間食べたうどんが出てるよ』っつー意味なんだよ」
一斗「(いや、聞いたことないわ…第一うどんは日本食じゃん)」
思わず心の声が漏れそうになったが、二発目のフックが飛んできそうな気配が満ち満ちていたので言いかけた言葉を飲み込んだ。
すかさず俺は頼んだ。
一斗「あの、メキシコ国境まで行きたいんですけど乗せていって頂けないでしょうか」
男「一体何しに行くんだ?」
一斗「マヤ文明について調べたいんです」
男「あんた学者さんかい?」
一斗「いえ、違います」
男「あぁ~!じゃあアレか!いやぁ久しぶりだなぁ~アレに会うなんて!感激だわ」
一斗「へ?アレって何です…?」
男「いや、もう何も言うなって!分かってっから!国境なんて言わずに目的地まで乗っけてってやらぁ!」
一斗「本当ですか?!助かります!」
車を放置してしまうことになるが、構うものか。どうせ現地調達したオンボロ中古車だ。後で何とでもなる。
俺は喜び勇んでトラックに乗り込んだ。
男「兄ちゃん、暑い中大変だったな!少し休んだ方がいいぜ!」
一斗「あ、はい!ありがとうございます」
この男の言う通りだ。エンジントラブルに巻き込まれ、立ち往生したせいでかなり体力を消耗してしまった。
エアコンが効いてるわけでもないが、開けた窓から吹き込んでくる風が心地良い。
目的地まではだいぶある。少し寝ておこう……
……ふと目を覚ますと辺りは夜になっていた。
男「おぉ、目ぇ覚ましたか。もうすぐ着くぜ」
一斗「わざわざすいません」
男「なぁに、気にすんな!その代わりにバッチリ秘密を暴いてきてくれよ!」
一斗「…え?」
訝しげな俺の表情とは裏腹に、男の目はキラキラと輝いていた。
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