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第十一章:彗星のように
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しおりを挟む一限目、数学の時間だ。朝から数字をみるのにうんざりしている生徒たちが、頭を抱えながら練習問題を解いている。問題を解き終えた生徒が自己採点をする、赤ペンを走らせる音が教室になりはじめたころ、一人の女子がこっそりと言葉を発した。
「ごめん冬廣くん、赤ペン貸して!」
彼女は波折の隣の席の子。少しだけ照れながら彼女は手を合わせて頼んでくる。波折はすでに採点を終えていたため、快くペンを彼女に貸してやった。
「どうぞ」
「ありがとー! インク切れちゃって!」
清々しい朝に相応しい波折の爽やかな微笑みに、彼女は頬を赤らめながらお礼を言う。彼女の周囲の女子生徒たちは、そんな彼女を羨ましげにチラチラとみていた。
……誰も、波折が今頭のなかでイケナイことを考えているなんて思ってもいないだろう。ましてや服の下にとんでもないものを仕込んでいるなんて。
「……」
今、波折の頭のなかは鑓水に犯されながら沙良に乳首を可愛がってもらっているという妄想でいっぱいだった。お尻のなかに入ってるディルドは、自分の体重で奥をぐいぐいと押し上げている。ふとくて大きいカリが大好きな奥を。……そう、この状態は鑓水と後座位をしているときみたいだな、なんて考える。ベッドに座った鑓水の上に自分も座って、後ろから抱きしめられる。そうすればずっぷりとはいったペニスが奥を刺激してくれる。鑓水が耳元でいじわると優しい言葉を交互に囁きながら腰を揺らせば、ずくんずくんと甘くて熱い快楽が下腹部にじわじわと広がっていく。
そして、そうして突かれている自分の前には、沙良がいる。沙良に貼られた絆創膏は、特別な刺激はないにしても存在感は妙にあった。ちょっと身体を揺らせばテープで固定された肌が突っ張って、ここに絆創膏が貼られている、と思い出させてくる。乳首に絆創膏なんて、そんなことをしている自分を考えると酷くいやらしい気分になってくる。これを、沙良が乳首を弄ってくれているんだ、と考えるとアソコがきゅんきゅんとしてくる。乳頭をくるくると指の腹で撫でられたと思ったらきゅううっとつまみ上げられて、そして唇でちゅっちゅっと吸われる。ピンク色だった乳首が紅く膨れ上がってきても、沙良はやめてくれなくて……
二人同時に責められるなんて。すごくいい。今この身体は二人からイジメられている。お尻も乳首も、いやらしいことになっている。誰も知らない。服の下でこんないやらしいことをされているなんて、この教室にいる誰がわかるだろう。
「冬廣くん、ありがとね! 助かった~!」
「ううん、どういたしまして」
波折にペンを返しながら、やはり彼女は顔を赤らめていた。かっこよくて、頭がよくて。そんなふうに彼女には波折が見えている。彼女が波折とほんの少し会話を交わしただけでドキドキとしてしまって、そんな余韻に浸りながら正面に向き直ったとき。波折は再び妄想に耽りだしていた。
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