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第八章:甘く蕩けて心まで
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しおりを挟む「あぁあ……」
ゆっくりと、鑓水は腰をゆすり始めた。波折がぴくん、ぴくん、と静かに震えて艶声をあげだす。お湯がたぷたぷと揺れて、浴槽から溢れだす。
「波折、気持ちいいか?」
「きもちいい……きもちいいです、けいたさま……」
鑓水の視界には、波折の首筋が入り込んでいた。波折はくったりと自分にもたれかかっているから、鎖骨がくっきりと見えて色っぽい。波折が鳴くたびにこくこくと動く喉仏にくらくらするほどの色気を感じた。
白く、熱でほぐれた柔らかそうな肌。少し吸えば簡単に痕を残せそうだ。
(そういえば……こいつ、明日神藤の家にいくんだっけ)
ぼんやりと、波折に恋心を抱く後輩のことを思い出す。この淫乱にばかみたいに純粋な恋をしている、愚か者。
ふん、と鑓水は嗤って――波折の首筋にキスをした。そして、強く吸い上げる。
「んっ……あぁっ……」
大量に痕を残してやろう……そう思って、鑓水はほくそ笑む。沙良がみたらどう思うだろうかと考えると、面白くて仕方ない。――あの苦労を知らなそうなアホ面をみていると、苛々してくるんだ。
「はあッ……あっ……あぁあっ……いくっ……あぁんっ、いくっ、いくっ……」
波折の首に、大量の花弁が散る。自分が抱いた証。波折が自分に身体を許した証。鑓水の興奮も増していき、腰の動きは早まってゆく。水面はばしゃばしゃと飛沫をあげ、大量に浴槽から溢れだし、浴室には激しい息遣いと水音が充満する。
「――ッ」
最後に、ぐ、と強く噛み付いて――鑓水は達した。波折の中に、思い切り精を放ってやった。
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