上 下
14 / 236
第一章:憧れの生徒会長様

13

しおりを挟む

「なに、あれ?」

「あ~神藤君やっちまったかな~」


 放課後、生徒会室。会計の牧石可織まきいし かおりと鑓水は肩を寄せあってこそこそと話していた。二人の視線の先には――


「一部足りていない。雑用も満足にできないの、『副』会長さん」

「ああすみませんね、一々小言言わないと気が済まないんですか、生徒会長様のくせに心が狭いな」


 静かに火花を放つ沙良と波折が。お互いに嫌悪をあらわにしたように睨み合っている二人に、可織と鑓水は苦笑いするしかない。


「ぐいぐいいくなっていったのにな~神藤君。っていうか波折、限界突破するとああなるんだ」

「新鮮で面白いかも」

「仕事に影響ださなきゃいいんだけどね。それにしてもウケる」


 露骨に険悪ムードを出す二人に、生徒会のメンバーは迷惑がるどころか面白がっていた。波折の王子様モードしかみていなかったため、新しい顔をみることができて楽しいのだろう。トップが面倒なことになってもカバーできることができるくらいに生徒会のメンバー全員が優秀なために楽しむ余裕がある、というのもある。


「いいな~ライバルって青春っぽくて」

「いやあれライバルじゃなくね? 好敵手じゃなくね?」

「嫌味言い合える程度の喧嘩ならみてて可愛いからなんでもいいじゃん!」

「まあ確かに可愛いっちゃあ可愛い」


 他の生徒会のメンバーも、ちらちらと沙良と波折ををみては笑っている。二人はそんな視線に気付くこともなく、結局その日の活動が終わるまで小競り合いを続けたのだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

ガテンの処理事情

BL
高校中退で鳶の道に進まざるを得なかった近藤翔は先輩に揉まれながらものしあがり部下を5人抱える親方になった。 ある日までは部下からも信頼される家族から頼られる男だと信じていた。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...