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しおりを挟むふと、目を覚ますとそこは真っ暗な闇の中。夜、寒くて掛け布団にでも覆い被さっていたのだろう。
手で払いのけ起き上がろうとする。しかし、シーツが少し引っ張られるだけですぐに戻ってきてしまう。
大きく手を伸ばしても引っ掛けるところもなく、ツルツルとした素材で上手く掴めない。それに若干ではあるが俺の体にまとわりつくような圧がかかっている。
例えるなら、ボックスシーツの下にいるような感覚だ。でも、どれだけ寝相が悪いとはいえありえない。それに、もしそうだったとすると脱出することなど容易な筈だ。
もしかしたら夢の途中なのかも知れないとも考えた。しかし、その割にはここまで思考を巡らせることができている。おまけにこれまで一度も明晰夢なんてみたことすらない。そして夢じゃないと言う証拠に俺の五感が正常に働いている。
触ると布の感触がわかるし、頬をつねると痛い。何より明らかに自分の部屋では嗅ぎ慣れない臭いが充満している。その匂いは蒸れていて甘酸っぱくツンと刺すようだった。
そんなことを考えていると、頭上から一途の光が差し込んできた。これまで俺を抑えつけていた布が緩み、一気に新鮮な空気が流れてくる。
「あぁ!! 成功してんじゃ~ん!!」
妙に聞き馴染みのある女の大きな声がズキズキと寝起きの脳内まで響く。
あまりの大声に一瞬、どこから声が発せられているかわからなかったが、何故だか喜んでいる女の甲高い笑い声で後方から聞こえてくるのがわかった。
俺は地面に手をつき、うつ伏せの身体を持ち上げる。すると、振り返った先には声の主である船橋望彩と目があった。
こいつはクラスでいつもバカみたいに騒いでいるグループにいるひとり。校則なんかお構いなしと言わんばかりの茶色いロングヘアーに、少し過剰なアンナチュラルな化粧。それでも、もとの素材が恵まれていて男の噂は絶えない。
そんなことよりもおかしい。
なぜ、起きたら船橋望彩がいるんだ。そして先程まで仰向けでいたはずの身体がどうしてうつ伏せになっているのか。頭の中で2つの疑問が浮かんだ。
少しでも情報をかき集めようとキョロキョロと見渡しても頭上以外、一面が囲まれている。
「梅田くーん、驚いた?」
白々しい問いに「ど、どういうことだ!」
とっさに大きな声を出してしまった。
それでも船橋は動じることなく、話を続けた。
「梅田! あんたに良いもん見せてあげるよ」
船橋がそういうと同時に一面に覆われていた布が取り払われた。これまで遮断されていた光が大量に注ぎ込まれる。眩しくて目が開けられない。数秒もしていると目が慣れ、失われた色を取り戻していく。ぼんやりとしながらも見慣れないベッドや机。そして正面には巨大な姿見があった。そこに写し出されたものは俺の理解の範疇を超えていた。意味不明な状況に船橋は嬉しそうな小悪魔のように笑いながらも助け舟を出すように話し始める。
「困ってる困ってる。賢いあんたでもどういう状況かわかんないよねぇ? 実はねぇ…あはははは! おっかしい! あはははは! おなかっ! おなかいたいっ!」
「何がそんなにおかしいんだよ!」
もう少しで重要なところだというのに、会話を中断したことでさらにイライラが募っていく。船橋は溢れる笑いを押し込みながらゆっくりと話す。
「あんたいま…あたしのちんこになってんの!あはははははっ」
……ん? 一体どういうことなんだ?
たしかに船橋の腰から脚への分岐部の中心に俺の体がある。振り返ると山のような盛り上がりも鏡と照らし合わせるとちょうど船橋のバストの位置にある。豊満ゆえに今の俺の角度からは顔がしっかりと見えない。しかも普通に会話しているが、実際にちらっと見えた顔との距離はかなりあるようだった。
信じられない事態に思わず身体の心配をする。まずは、腕を顔に持ってきて問題ないことを確認した。しかし、足を動かそうと脳がいくら指令を出しても俺の腰から下は動かなかった。まるで下半身から下がセメントで固定されたようだった。俺は恐る恐る足元へと視線を落としていくととそこには船橋の言葉を確信させるものがあった。黒々として、一本一本がツルのように丈夫そうなもじゃもじゃと生い茂っていた。これは陰毛なのか……?
船橋は先程まで笑って話せないほどだったが、だいぶ落ち着いてきたようだった。それでも、俺の不安をあざ笑うような普段通りのヘラヘラとした態度の船橋に腹が立つ。多少ふざけながらではあったが、船橋は俺の身体がどうしてこんなことになったのかをツラツラと説明している。
「先週、知り合った人から教えてもらったアプリでねーーーーーーー」
しかし、俺の許容範囲を遥かに凌駕するこの状況に理解の前に恐怖で支配されていった。
とにかくこと状況はヤバい、ここから逃げないと。慌てて唯一使えるこの腕だけでとにかく前へ一心不乱に這った。
「え!? なになにっ? ウケんだけど! それってあたしから逃げようとでもしてんのぉ? 」
しかし、どれだけ力を加えようとも少しも前進しない。既に船橋の身体の一部になっているようだ。俺は船橋を思い切り睨みつける。
「おぉ! そんなに睨みつけちゃってどうしたの?」
船橋は表情一つ変えない。それどころか目線があったついでに再び会話を始めようとする。
「ねぇねぇ……あんたのあそこ、すっごく小さいでしょ!!」
クスクスと笑いながらも突然の船橋の発言に返事すらままならなかった。船橋は身体を横に向けながら、間髪入れず言った。
「だってほらぁ……横から見ると、たったのこんなけしかないんだよ?」
俺は首を左側に傾け鏡を見てみると、まさに手のひらサイズになってしまった自分の体が写っていた。168cmあったはずの俺の身体はかつては自分より背の低かった女子高生の手のひらから一切はみ出ることすらない矮小な存在へと変わり果てていた。
「驚いてるようだけどあんたの身体が今すんごい小さくなってるのって、あんたのあそこがこんだけしかないってことだよ? あんたの身長はこうなる前のあそこの大きさと全く同じになってんの。」
俺の長年隠し通してきた秘部を知らず知らず知らずのうちに晒されていく。顔に熱くなっていく。船橋は気にすることもなく、俺の横に自身の小指を並べる。今の俺からすると船橋の些細な指の動きも、ものすごい勢いで大木を隣に並べられているようで恐怖でしかない。
「あはははっ! あんた、あたしの小指よりもぜんぜん短いじゃん!」
小指の先から付け根まで順に目線を上げていくと、同じ目線におそらく小指の第1関節が並んでいる。そして、指の付け根に至っては今の俺の身体では見上げなければならないほどだ。
「こんだけ小さいの、あたし初めて見たんだけど! 小学生ぐらい…? いや、もしかしてそれ以下だったりするんじゃない!? 幼稚園児にも負けちゃいそうな大きさだよねぇ。それにあんた絶対童貞でしょ!? こんなの絶対入れても気持ち良くないもん!」
不意にうつむいてしまった。まさに図星だった。沈黙に対してすぐさま船橋がツッコむ。
「いやいや、黙ってるってことは認めてるようなもんだからね? まぁでも、今のあんたの身体はサイズ以外にもこれまでのあんたのあそこの性能がしっかりと反映されてるはずだからじっくりと確認してあげるん♡ 黙っていようがお構いなしに関係なくあたしに包み隠さずバレちゃうってわけ」
「くっ、触るな!!」
船橋の指が身体にまとわりついてくる。以前は繊細でしなやかに見えていたはずが、その指の一挙手一投足が俺のすべてを左右する。腕いっぱいに広げて抵抗するも虚しくいとも簡単に払いのけられる。船橋にとってはソフトタッチのつもりかも知れないが、俺を拘束するには十分すぎる。
「ご主人様に逆らっちゃだめじゃん! どうせ敵いっこないんだからさぁ~、そんなわるいおちんちんには……」
再び船橋の指が動き出し、俺の抵抗する意思とはお構いなしにあっという間に俺は闇の中へ飲み込まれていった。
「じゃーん、あたしの手の中に身体全身すっぽり収まっちゃったね~、あ、そっか~その中からじゃ見えないか!」
ケタケタと船橋の無邪気な笑い声が聞こえてくる。
一方、俺はまるで体育倉庫にあるマットの中に挟まれたと錯覚してしまう。
いや、それ以上か……とにかく窮屈だ。
船橋の低めの体温が全身へと伝わってくる。
暴れる気すら起こらない。
すると、足元から極微量な力が満遍なく加わるのを感じた。
俺は覆われている手のひらに向かって精一杯叩くが、船橋の柔らかな手の中に吸収されてしまう。
足元に加わった力は搾り取るように上半身へとぐわっと上がってくる。
そして胸ぐらいまで来ると、今度はゆっくりと足元へ戻っていく。
これが2回、3回と繰り返されていくたびに、心臓の脈打つ間隔が小さくなっていた。
(もしかして、こいつ…俺の身体を扱いているのか…)
予想は的中していた。見に覚えのあるこの感覚。ただ、これまで一人で行ってきた行為とは比べ物にならないほどの刺激が身体全身に巡る。
そんな快楽も束の間、ポツリと止まってしまった。ほんの数秒の出来事であったが、俺にとってはやたらと長く感じた。
船橋の手のひらから開放された俺は、ゼェゼェと酸素を取り込むことで必死だった。。
「もう! あんた、ほんと小さい! これじゃあ、まともに手コキすらできないじゃない!」
あまりにも手のひら全体で扱きにくい俺のち○こに呆れた船橋の罵倒。新たな扉を開いてしまった俺は不覚にも身体が反応してしまっていた。
「ちょっと!なんで今ので悦んでんのよ! これだけ生まれたときから一切成長してなさそうなち○こ生やしてるくせに、おまけに変態なんてあんた、終わってんね」
不本意ながらも隠すことのできない性的嗜好。
あれだけ見下していたギャルに今では手も足も出せない。おまけにこんなにも恥辱的状況。
プライドが高い分、船橋に弄ばれる屈辱感が、目覚めたての性的興奮へのさらなる養分としてゾクゾクと高まっていく。
「まぁ、いいわ…あんたが興奮して気持ちよくなればあたしも気持ちよくなるんだから…しっかりと楽しませてよね!」
そういうと今度は俺の腹に親指、背中には人差し指でちょこんと摘むように身体を挟む。先程の前進を包まれていたほどの安定感はないが、俺の身体を支えるには十分だった。ようやく開放され自由になったはずの両腕もせいぜい船橋の親指に非力に抱きつく事しかできない。
「クスクス、これじゃあ手コキじゃなくてせいぜい指コキだね! 高校生のはずなのに恥ずかし~いこのあかちゃんおちんちんをおねぇちゃんが今からチコチコしてあげまちゅね」
船橋の明らかに馬鹿にした赤ちゃん言葉にすら身体は素直に快楽を感じてしま
う。
船橋は俺の反応には気づきながらも何も言わずに指を動かす。胸と背中をつまんでいた指が下へと降りていく。
そして足元から腰、腹、胸へとじわりじわりと上がってくる。
再び降ろしてはゆっくりゆっくりと焦らすような微弱な刺激で元の位置へ戻ってくる。
タイミングに合わせて船橋は「ちゅこ…ちゅこ…」と口ずさむ。
全身に巡る快楽はあっという間に溢れ出し、堪えていたはずが声に漏れ出てしまう。
「あらぁ♡ もう喘いじゃってるよ♡ 童貞くんにはあたしのゆ♡び♡こ♡き♡ はすこし刺激が強すぎたちゃったかなぁ♡」
指の触れる面積や力の強弱、だんだんと早くなるストローク。
どれをとっても絶妙でこれまで何人もの男を骨抜きにしてであろう指使い。
そんな刺激を俺が耐えられるはずもなく、泣き叫ぶような情けない喘ぎ声が意思に反して溢れ出てしまう。
「あんたの快感が伝わってくるよ♡ 今まで女の子に触られたことないおち○んちんがあたしの指に触られて気持ちよくなっちゃうんだよねぇ♡」
「女の子のおち○ちんになって指先で扱かれてだらしなく喘いじゃうなんて情けな~い♡」
鏡に映る自分はとても”怒張している”とは表現できる姿ではなかった。
それでも、体内で猛烈に循環する血液により皮膚が張り裂けそうになる。
もう少しでイキそうと思った瞬間だった。
ーーーーうっ!!
思わず俺は口を抑えてしまう。胃の辺りから何かがこみ上げてくる。内蔵がぎゅるぎゅると生き物のみたいに動いている。
船橋の指の動きが速くなるにつれ、今にも吐き出してしまいそうな嘔気とそれを上回る快感がこみ上げてくる。必死に堪えてはいるもののその時間はあっという間。
「お”ぇぇえええええええええ」
口から白濁液が勢いよく噴出する。
どぴゅっどぴゅっどぴゅっ
吐精は拍動するように何度も繰り返された。口から吐き出したそばから来る嗚咽に涙がこぼれていた。
「き”も”ち”わ”る”い”……」
「はぁあ!? もうイッちゃったのぉ? 短小なうえに早漏ってどんだけ使えないのよ! 精子だって全然出し切れてないし、あたしまだまだ物足りないんだけど……」
精液の量は身体の持ち主の性欲によって決まるが、1回量はちんこの持ち主の量に依存させられる。
脱力した視線の先には鏡には届きそうにもなく、船橋の足元の少し先に白っぽい水滴が数滴落ちている。
少しずつ身体の熱が引いていくのを感じる。
気がつくと口の中は精液でネバネバと舌や歯茎にまとわりついている。そして、これまで嗅ぎ覚えのあるイカ臭さが直接鼻から強烈に突き刺さる。
「ま、こんな不良品でも何回かに分けて射精しちゃえばいいか……」
このときの俺はどれほどまでに雄としての能力が劣っていることを呪っただろうか。
今では、ただただ元クラスメイトの自慰の道具としてなりさがってしまった。
文字通り性欲の捌け口として使い続けられたのだった。
それからというもの、俺は船橋の2回目の射精以降の記憶がない。
これから続く地獄なんても考えることも考えることすらできなかった。
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