青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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3章 青春恋物語

青春恋物語3-5

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七瀬side

一哉との雑談を終えた私は、
美月を部屋に呼びに行って調理場へ向かった。
美月『今日何作るの??』
私『ずっと重いものばかりで胃が疲れてると思ったから胃に優しいものにしようかなーって思ってるよ』
美月『ほうほう…例えば?』
私『買ってきたのは味噌煮用のサバと
お刺身少々、あと味噌汁用にあさり。
あとは……野菜炒めかな?』
美月『今までのご飯とだいぶ違うじゃん!』
私『え…ダメかな?』
美月『あ、ダメじゃないよ!!!
ただ、意外すぎてビックリしたの』
私『じゃ、美月は野菜炒め用の野菜切ってくれる?』
美月『了解!』
私は味噌煮用に買ってきたサバに切り込みを入れてタレに漬け込んだ。
美月も一哉が言うより手際がよくて
スムーズに食事の準備は進んでいった。


一哉side

七瀬を見送って眠っていた俺だったが
すぐに目が覚めてしまった。
起きてからというもの七瀬に言われた
好きな人…という言葉に悩んでいた。
『(世間一般からすると…俺がやってることは垂らしというかだらしないことなのかな…
瑠夏に抱き締められたのを受け入れたり
美月に…キ、キスされたのも拒絶できなかった…俺…垂らしなのか…大丈夫なのかな…)』
俺はずっとその考えが頭のなかを
グルグルと回っていた。
気づけば時間は4時15分を過ぎていた。
『(いつもの夕飯の時間までは…
あと1時間半ってとこか…)』
俺は…トレーニング室に向かった。
『(げっ…ここも閉められてる…沢木さん防犯意識高すぎでしょ…いくらなんでもここも閉めなくても…)ハァ……』
俺は部屋に戻ることにした。
部屋に戻ってる途中瑠夏に会った。
瑠夏『あ、一哉…今日はお疲れ様』
俺『お、おう!』
俺は頭のなかで考えてたこともあり
声が裏返ってしまった。咳払いを1つして…
俺『瑠夏もお疲れ様。』
そう言った。
瑠夏『ね!散歩いかない?夕飯まで時間あるし…トレーニング室も道場も閉められてて
やることないんだよね。あ、私たちの部屋以外の部屋も閉められてるからトレーニングできそうな場所もなかったよ』
俺『(ま、また散歩か…女子は散歩好きなのか…?)』
瑠夏『?』
俺『あ、あぁ…散歩ね。いいね。行こっか』
俺は結局断りきれず瑠夏とともに寺を出た。


俺は瑠夏と部活の話をしながら歩いていた。
瑠夏『美月の急な思い付きで来た合宿先だったけど…まさか昔以上の自由人になってるなんて思っても皆かったよ』
俺『それなー。本当に自由人すぎて…』
俺は音楽を聴きながらも
瑠夏との会話をしっかりしていた。
瑠夏『ねぇ?さっきから何の曲聞いてるの?』
俺『この曲だよ。』
瑠夏『あ、この曲って…』
俺『あのアーティストのソロ曲』
瑠夏『へぇ、あのアーティストを
一哉がきくんだ…意外だな~』
俺『聞くのはこれともう1つのソロと
普通の曲1曲だけだけどね』
瑠夏『そーいえば…部活で一哉といる時間が長いのにプライベートは全然私達知らない気がする。』
俺『そりゃあね…わざわざプライベート話すこともないでしょ…音楽とか曲の趣味だし…共有できれば楽しいかもだけど
共有できなければ気まずいだけじゃん』
瑠夏『もっと自分のこと話せばいいのに…
一哉ばかり私達のこと知って
私達だけ知らないのは不公平でしょ?』
俺『んー確かに。でもいいじゃん?後々話してくからさ。』
瑠夏『ほんと?ならいいけど』
俺はふと思い付いて瑠夏にきいてみた。
俺『瑠夏はさ、好きな人とかいるの?』
瑠夏『は、はあ!?何いきなり…』
俺『さっき七瀬に言われてさ…ずっともやもやしてて。』
瑠夏『…』
瑠夏は突然黙ってしまった。


瑠夏side

一哉にいきなり好きな人はいるかと聞かれて
戸惑ってしまった私。

私『…そ、そういう一哉はいるの?』
一哉『七瀬に言ったんだけどさ、
俺は皆が好きなんだよね。
部員として、仲間として。
恋愛的にって言われても恋なんてしたことないからわかんないし。』
私『へぇ…じゃ、いないんだ?』
一哉『うん…今のところは』
私はそれを聞いてホッとしてしまった。
一哉『で?瑠夏は?』
私『私はいるよ。恋ぐらいするよ。』
『(あなたに恋してるんですよ…一哉さん)』
一哉『えー!そうなの!?知らなかった…
保護者的な立場から言うけど
変な虫に騙されてついてくなよ?
迷ったら俺を頼ってくれれば助けるから…』
私『ありがと。でも私の好きな人は本当に心からいい人だから…大丈夫だよ』
一哉『そ、そうか…ならいいけど…』
一哉は少し残念そうにそう呟いた。
私『まあ、いつかは告白するつもりだよ。
……あ、ねぇ!合宿終わったらさ?海行こうよ』
一哉『瑠夏までも…』
私『どゆこと?』
一哉『美月に負けて言うこと聞かなきゃいけなかったんだけど、旅行につれてくことになっててさ。』
私『(嫌な予感的中…)そっか。
じゃ、私はいいかな…』
一哉『え?いいの?行きたいなら行こうよ』
私『だって一哉が疲れちゃうじゃん。』
一哉『いつもお世話になってますから。
いくらでも付き合うよ?』
私『でも……うん、わかった。じゃあ…お言葉に甘えて…私を海につれてってください』
一哉『はい』
一哉は少し照れ臭そうに笑ってそう返事をしてくれた。
私『(一哉、ありがとうね)』
私は心でそう呟いた。



6話につづく
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