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第一幕 ハイランドとローランドの締結
契りの紅き徴13
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「なんだ? 他にあるのか?」
「何でもない」
「何だ? 言いかけておいて止めるのは、こっちが気になる」
「まだ…言えない。それだけだ」
「言えない?」
「ああ。言えない。言ったら、この結婚が破談になる」
「妻だと思って乗っかったイザベラが男だったという意外に、驚くべき事実があるというのか? 本物のイザベラも男だ…とか言うのか?」
「違う。イザベラは女だ。……だけど……って、やっぱ言えねえよ」
セシルが首を横に振ると、また腹痛に襲われて身体を丸めた。
「痛みに耐えてまで秘密にする内容とは…少々気になるが、今は聞かん。言いたくなったら言え。それまで待っていよう」
「そりゃ、ありがたいね」
痛みに耐えながら、セシルが小さな声を出した。
私は布団の中に潜ると、瞼を閉じた。男の妻となり、結婚生活を送っておいて、さらに何を隠しているというのか……。今この状況以外に、結婚が無効となるような内容がまだあるというのか? もう何が起きても、早々驚きそうな状況など無い気がする。
女だと思って結婚式を盛大にあげ、初夜にそれが男と知った。しかも男と知っていて、昨晩はベッドを共にしたのだ。この先、何が起ころうとも、私は驚かない自信はある。
結婚を破棄しない自信もある。私は目を開けると、私に背を向けて身体を丸めているセシルを眺めた。
「何があろうとも、この結婚……破談にはしない」
私はぼそっと呟くと、セシルをぎゅっと抱き寄せた。
「何でもない」
「何だ? 言いかけておいて止めるのは、こっちが気になる」
「まだ…言えない。それだけだ」
「言えない?」
「ああ。言えない。言ったら、この結婚が破談になる」
「妻だと思って乗っかったイザベラが男だったという意外に、驚くべき事実があるというのか? 本物のイザベラも男だ…とか言うのか?」
「違う。イザベラは女だ。……だけど……って、やっぱ言えねえよ」
セシルが首を横に振ると、また腹痛に襲われて身体を丸めた。
「痛みに耐えてまで秘密にする内容とは…少々気になるが、今は聞かん。言いたくなったら言え。それまで待っていよう」
「そりゃ、ありがたいね」
痛みに耐えながら、セシルが小さな声を出した。
私は布団の中に潜ると、瞼を閉じた。男の妻となり、結婚生活を送っておいて、さらに何を隠しているというのか……。今この状況以外に、結婚が無効となるような内容がまだあるというのか? もう何が起きても、早々驚きそうな状況など無い気がする。
女だと思って結婚式を盛大にあげ、初夜にそれが男と知った。しかも男と知っていて、昨晩はベッドを共にしたのだ。この先、何が起ころうとも、私は驚かない自信はある。
結婚を破棄しない自信もある。私は目を開けると、私に背を向けて身体を丸めているセシルを眺めた。
「何があろうとも、この結婚……破談にはしない」
私はぼそっと呟くと、セシルをぎゅっと抱き寄せた。
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