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エピソード2 萌
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武井くんの車で帰りながら、途中でホテルに入る。
ずっとダメだ、と思っていたのに。
今夜は罪悪感や後ろめたさがなかった。
武井くんに触れたい。キスをしたい。もっと……。欲望が溢れて止まらない。
悠人のときはこんな風に思わなかった。離れたくない、とか。もっと触れていたいとか。
そういえば、無かったな。
「なあ、腕と太ももに痣があるんだけど。これ、もしかしてあいつに?」
愛撫の最中に、体を起こした武井くんが質問してきた。
「あ……」と私は目を逸らした。
「隠すな。言えよ」
「私、すぐ怒らせてしまうみたいで。気をつけてはいるんだけど。怒りのポイントがわからなくて」
「なんだそりゃ? 萌はなんで我慢をするんだよ。手をあげてくるなら、蹴り返せ。殴って、踏みつけてやれよ」
「出来ないよ。私が悪いんだから……」
「どこが? 萌は悪くねえだろ。短気すぎるあいつがバカなだけ」
武井くんが私の頬に手をおいて、額と額をつけてきた。
「離婚しろ。俺が守ってやる」
「武井くん?」
「萌を傷つけるヤツは許さない……て、傷つけた俺が言えないけどなあ」
武井くんが苦笑した。
「合宿のときのこと言ってる? 私、傷つけられたなんて思ってないよ」
「おにぎりために、体を差し出してくるとはなあ」
「チャンスだと思ったし。ちょっとだけ、ね。私なんか振り向いてもらえないって思ってたから、武井くんとの思い出が出来れば……って。怖かったけど」
ったく、と武井くんが飽きれた笑顔で、私にキスをした。
「これからは思う存分、振り向きましょ……てか、萌しか見えてねえし。だから、俺んとこに来いよ」
武井くんのところに……。
行きたい。
傍にいたい。
「私も、武井くんと一緒に……居たい」
「なら、決まりだな。行動あるのみ、だ」
ずっとダメだ、と思っていたのに。
今夜は罪悪感や後ろめたさがなかった。
武井くんに触れたい。キスをしたい。もっと……。欲望が溢れて止まらない。
悠人のときはこんな風に思わなかった。離れたくない、とか。もっと触れていたいとか。
そういえば、無かったな。
「なあ、腕と太ももに痣があるんだけど。これ、もしかしてあいつに?」
愛撫の最中に、体を起こした武井くんが質問してきた。
「あ……」と私は目を逸らした。
「隠すな。言えよ」
「私、すぐ怒らせてしまうみたいで。気をつけてはいるんだけど。怒りのポイントがわからなくて」
「なんだそりゃ? 萌はなんで我慢をするんだよ。手をあげてくるなら、蹴り返せ。殴って、踏みつけてやれよ」
「出来ないよ。私が悪いんだから……」
「どこが? 萌は悪くねえだろ。短気すぎるあいつがバカなだけ」
武井くんが私の頬に手をおいて、額と額をつけてきた。
「離婚しろ。俺が守ってやる」
「武井くん?」
「萌を傷つけるヤツは許さない……て、傷つけた俺が言えないけどなあ」
武井くんが苦笑した。
「合宿のときのこと言ってる? 私、傷つけられたなんて思ってないよ」
「おにぎりために、体を差し出してくるとはなあ」
「チャンスだと思ったし。ちょっとだけ、ね。私なんか振り向いてもらえないって思ってたから、武井くんとの思い出が出来れば……って。怖かったけど」
ったく、と武井くんが飽きれた笑顔で、私にキスをした。
「これからは思う存分、振り向きましょ……てか、萌しか見えてねえし。だから、俺んとこに来いよ」
武井くんのところに……。
行きたい。
傍にいたい。
「私も、武井くんと一緒に……居たい」
「なら、決まりだな。行動あるのみ、だ」
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