今年も綺麗に咲いたねって、一緒に桜を見上げてくれる人と。

羽月☆

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6 たとえ桜がそばに咲いてなくても。~裕司、週末の楽しい予定に向けて~

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昨日から別人かと思うようなの自分の行動力。
昼前に彼女に話しかけて、なんとかきっかけを作った。
名前に引き続き、連絡先も分かった。
ドキドキしながら交換し、登録した。

夕方彼女からの連絡を受け取り、姉がすぐに気がついたらしい。

「何時ごろに来てくれるの、由利乃さん。」

「あと20分くらいで駅に着くって。」

「駅まで行きたいでしょうけどその辺までにしときなさいよ。暗くなったので迎えに来ましたって。」

確かに、抜け出せるだろうかとウズウズしていた。
迎えに行った方が入りやすいに決まってる。
時間を見てそろそろかなって思ったところで姉に行ってくると告げてテーブルを離れた。

住宅街だと通りが薄暗い。
ゆっくりと駅の方向へ歩きながら桜の下で立ち止まり見上げる。
確かに外からだけじゃあ満足できないよなあ。

またそろそろと歩き出すと遠くに小さい影が見えた。彼女だ。
向こうも気がついてくれたようだ。
ちょっと急ぎ足で駆け寄った。

買い物に行く途中と思われたらしい。
迎えに来ましたと言うとうれしそうな表情をしてくれる。
そんな表情を見せられると満足感が胸に広がる。
2人で並んで家へ。ちょっと変な気分だけど。
庭に入った彼女が立ち止まり桜の木に見入る。

「綺麗です。」

心からそう言ってくれているのがわかる。
後でゆっくり見てほしい。

席に案内して僕と姉の間に座ってもらう。
母親と父親を改めて紹介する。
なんだか本当の『彼女』みたいじゃないか・・・・。
お酒と姉の手料理をすすめる。

首につけられたペンダント。
昼間にはなかった気がする。桜の花に見えるけど。
姉がいろんな話をしてくれるので場も和み彼女もすっかり溶け込んでいる。
飲めると言った通り、本当に赤くもならずに少しづつだか確実にお酒がすすんでいる。
先に父親が酔ってしまい眠いと言い出し、甥姪もウトウトとし始めたために義兄と母親がいなくなる。
残された3人。

「本当に顔に出ないんですね?由利乃さん」

送っていくつもり満々の自分は控えめにしている。
顔には出てなくても彼女の話す言葉の語尾がゆるくなっているのがかわいい。
姉がお茶を取りに行った後に二人で桜の木の近くに立つ。
彼女はくぐるように枝を超えて中へ。
桜のピンクの枝の奥の暗がりに彼女の姿が透けて見えている。
すぐに出てくるかなって思って待っていたのに。

いままで嬉しそうに喜ぶ顔しか見せてなかった彼女がつぶやくようにいう。
何を思い出しているのか、こちらに向けられた背中が泣いてるようで。
来年も一緒に見たいです。この桜を、由利乃さんと。
そんな気持ちで誘った。

「来年もきっと咲きます。また見に来てください。」

伝わっただろうか?
姉がお茶を運んできてくれた。
大きいストールを手にして彼女の肩にかけてやっている。よく気がつく姉だ。
たしかに寒いかもしれない。両手を暖めるようにして湯呑を持つ彼女。
やはりさっき泣いてたのかもしれない。
姉がどんな誤解をしたのか僕を責めた時はびっくりしたけど。
そんなことをする訳も言う訳もないじゃないか。

残り時間もあと少し。
この後どうやって次につなげようかと必死で考えた。
そんな僕の思いをよそに姉はさっさと彼女と次の約束をしている。

よくまあ思いついたもんだと感心する。
確かにお庭拝見は誘われていて母親もいけないとは言っていたが。
彼女も特に用事もないようであっさり予定が決まっている。
姉のようにサラリと誘えばいいのかな、と思いたいけど。

彼女の帰り道を一緒に歩く。
まずは姉の強引さを謝ったけど、やはりあまり気にしてないようだ。
彼女も意外にマイペースなのか。どこまで行くのかわからず彼女の横を歩く。
大きな通りに出たところで彼女が立ちどまる。
どうやらもう着いてしまったらしい。

今日のお礼を言う。
僕も二人で会う約束ができないかと最後まで迷っていたが結局うまく切り出せなかった。マンションに戻る彼女を見送り自分の家への道を引き返した。

幸せと後悔が半分半分。
帰りつくとすっかりお皿は片付けられていた。
家へ入ると眠ったと思った父も起きていた。

「誘えた?」姉が聞く。

・・・・・何だ、全部言わないといけないのか?
あいにく隠すこともない。

「誘ってない。」

姉のようにポンポンと誘えたら。
いつもはうっとうしいほどの強引さが今はうらやましいほどだ。

「もう、ダメね~。お礼の連絡を入れて聞いてみたら?他のところの桜を見に行けばいいじゃない。」

なるほどとは思う。
とりあえず携帯を手にして自分の部屋へ行く。
順番にお風呂に入る。その間文章を考えて一気に書いて送ってみた。
携帯は静かなまま、なかなか着信もない。
見た目以上に酔っていてあのまま寝てしまったとか?お風呂かな?
慌てて想像を消す。いけない、いけない。
水を取りにリビングに行く。

「由利乃さんからお礼が来たよ。」と姉。

「今度のお庭拝見楽しみ!裕司も誘ってあげようか?」

姉がわざと言う。もちろん行きたい、行くべきだ、行くつもりだし。
そう言いたいけど無視した。
自分のお礼も気がついたはずだけど。

部屋に戻りひたすら携帯を見つめていた。

何らかのプレシャーを感じたらしい携帯が着信を知らせてくれた。
急いで携帯を見てみる。
彼女からだった。とりあえず断られることはなかった、ホッとする。

明日、明日、すぐにでも会いたい。
明日のお昼、決定事項のように待ち合わせ場所まで決めて彼女に聞いてみると大丈夫だと。携帯を握りしめたままガッツポーズをした。

うしっ。変な声がでた。

そうと決まれば明日の用意。服を選び場所を決める。
どこにしようかなあ・・・・。楽しい気分で携帯をいじり鼻歌まで出てしまった。
明日さりげなく、いつものようにして昼を食べずに駅に向かおう。
誰にもバレないように。
そのために駅での待ち合わせにしたんだし。

そして短い夜は一瞬で朝になり。庭掃除もしてご飯も食べる。
桜の木の下は念入りに。そこに彼女がいるような気がする。
昨日だけじゃない、今日も会える。そのあとは・・・・。
また誘おう。桜が散ってしまっても。

着替えをし出かけると言って普通の顔をして家を出る。
特にバレてる気配はない。
張り切らないように普通に普通に。

ただ、家を出てしばらくすると我慢できずに笑顔になる。
もうすぐ彼女と会える、二人で。
駅に着いて見まわすが、彼女はだま来てない。

ぼんやりと今日行くところを思い浮かべる。
彼女はどこか行きたいところがあるだろうか?
自分と同じ道から彼女が歩いてくるのが見えた。彼女も気がついたようで手を振る。
明るい表情で自分のところに来てくれた彼女がたまらなく可愛いと思える。

すぐに昨日のお礼を言われた。
自分も兄と子供達に食べられたチョコレートのお礼を言う。 
彼女の首にはやはり昨日と同じネックレスがあった。
ついつい見てたら気がつかれてしまった。
とても似合ってると褒めると顔を真っ赤にした彼女。

この後何度可愛いと思うだろうか?

電車は空いていたので並んで座る。ほとんど腕が触れ合ったまま。
目当ての駅までぼんやりと過ごす。
どこに行くとも言ってない、やっと気がついた。

しまった。

まあ、いいか。

駅を降りると人がいろんな方向から流れてくる。
目当ての桜並木の道もそうだった。見失わないように時々斜め横を見る。
いっそ・・・・彼女の腕に軽く手を添えて歩く。
自分も耳まで真っ赤になってるかもしれない。
あえて何も言わずにそのまま歩く。

しばらくすると人が立ち止まって流れが止まる。
彼女の腕に触れたまま後ろを振り返る。

まだまだ見ごろの桜。
大きな枝にピンクの色を付けて連なる。

「綺麗ですね。」

一緒に見れたことに感動する。
触れてる手から彼女を感じる。

しばらくそうしていたけどさすがにお腹空いたな。

彼女に聞いてまた歩き出す。

人の多いこの通りだとレストランももういっぱいで。
もう少し歩いてその中でガラス張りの明るい店内のレストランを見つけて入る。
イタリアンレストランだった。
イタリアンだと余りはずれがない。

季節を感じるようなパスタにピザ。
菜の花と筍。
一つ確認したが姉には今日の事は言っていないらしい、ホッとした。
全部筒抜けだと恥ずかしい気もする。
料理の話をしながら筍の話になった。
毎年、家にはお世話になっている人から筍が届く。
庭であく抜きをしてゆでたり焼いたりして食べる。
彼女をさりげなく誘った。まったく見当がつかないらしい。

ゆっくりと話をしながら食事をする。
昨日送っていったマンションからだとうちの前を通るのは遠回りになると思った通り、偶然通っただけだったらしい。
桜の季節まではと思って楽しみに通っていてくれたらしい。
昨日声を掛けなかったら・・・・。偶然と桜の木に感謝した。

「出会えてよかった」と告げた。
ほとんど告白してるような気持ちだった。
2人で会いたいと言って会ってもらえている今を。
彼女だって気がついてるんだよな?

園児じゃない、大人の女性とのこの距離はいつぶりかと思う。
大分昔の様だ。


食事を終えてしばらくまた元の通りに戻る。

しばらくしてお茶を飲みに入った。
話をしていて、そういえばという感じで年を聞かれた。
姉と自分。彼女は今度23歳になるらしい。自分とは6歳の年の差がある。
どう見えてるんだろう。思ったより年上だったという反応だった。
オジサン・・・。
22歳から見るとそう見えるかな?
いつも子供たちを相手にしているから若いほうだとは思うんだけど。
決して一緒にいて違和感は感じないんだけど。彼女はどうだろう。
どちらかというと物静かな佇まいなのでお似合いじゃないだろうか?
いくら自分に聞いても答えは決まってる。

自分の答え以外は分からない。

その話の流れで姉の結婚の話が出てつい余計なことまで言ってしまった。
姉が彼女の年にはすでに結婚していたんだなあ。
しみじみと思う。
結婚とか彼女はまだまだ考えてないんだろうなあ。・・・・22歳。
彼女を見つめる。

「私も上手になるんでしょうか?」

姉の料理の事を話していた。
結婚なんて考えていたところにそう聞かれてドキドキする。

「はい、きっと。」

ぼんやりと想像してしまう。幸せな光景を。



気がつくと大分外は暗くなっていた。
一斉にライトアップが始まって歓声が聞こえた。
鉄瓶はすっかり冷えてお茶もなかった。
会計をして外に出る。さっきより人が多くなった。
皆立ち止まって上を見て写真を撮っている。
上を見すぎてよろめいた彼女を支えるふりをして腕を支えたまま近くにいた。

「二日続けていいお天気で良かったです。」

「そうですね。由利乃さんと見れて今年の桜が今までで最高でした。」

近くにいる彼女を全力で感じてそう言った。
彼女からの返事はない。
まさか困った顔をしていたらどうしようと思ったら顔も見れない。
斜め上を見たまましばらく二人で桜を見上げたまま。

心の中でふぅ~とひと息ついて。
帰りますか?と駅の方へ向かう。
同じ駅まで、改札に入る時に手は離した。
今はほどほどに混雑した電車のなかで軽く体は触れている、そんな距離だ。

今日もマンションまで送っていくつもりだ。
何度も彼女に微笑みかけて、一緒にいてもらえる喜びを伝えてる。
本当はきちんと言った方がいいと分かっていてもなかなか言い出せない。
じわじわと彼女に伝わるように、意識してもらえるように。
結局また同じ場所で別れて彼女の背中を見送った。

昨日よりは二人の距離も近くなったと思いたい。

家に帰りながら考えることは昨日と変わらない。
部屋に戻って着替えてお礼をする。そして、また誘ってもいいだろうかと。
携帯を部屋に置いて庭に出る。桜の木の下に行くとまだまだ満開のまま。
背後に近づく足音を聞いた。

「彼女と、由利乃ちゃんと出かけてたの?」

姉が聞く。からかう調子はない。

「うん。」素直に答えた。

「そう、伝えたの?」

「まだ。」伝えてない、きちんとは。

「中途半端は彼女も戸惑うわよ。その辺は弱そうじゃない?自信ありありってタイプじゃないから。」

そうなのかな?自分じゃわからないけど。
せっかく知り合いになれたのに、もしここで彼女に嫌がられたら姉も困るんじゃないかとか思ったり。

「なるようにしかならないけどね。」

ご飯よと言って姉は帰っていく。
いつものように食卓について食事をする。

後片付けを手伝って部屋に戻る。
携帯が光って着信を知らせていた。
彼女からの返事だった。
お礼といつでも大丈夫という返事にひと安心する。
それからは他愛ない園の日常や甥姪の話など二日に一回くらい連絡していた。
週末が見えてきて、そろそろ誘おうかなって考えていた時だった。

幼馴染の夏がいきなりやってきた。

「裕司~、映画見に行こう!私見たいのあるの~。」

相変わらず唐突に誘ってくる。
電話でもいいのにこうやって直接やってくる。
久しぶりに早く終われた日、綺麗な庭をさらに掃除しながら彼女が通らないかと待っていた時だった。
もう通った後かな?
箒をしまいながら夏に答える。

「夏はいつがいいんだよ。」

「もちろん週末のどちらかで。ご飯を一緒に食べて映画見て買い物して・・・。」

楽しそうに、それじゃあまるでデートじゃないか。

「今週はダメだよ。返事待ちの用があるし、今は決められない。」

「え~、裕司、いいじゃん。けち。」

また来ると言って夏は帰っていった。3軒隣が夏の家だった。
はぁ~。
携帯をポケットから出す。特に新しい連絡はない。
彼女に連絡してみた。
今日はもう帰ってるんだろう。


『お疲れ様です。由利乃さん、今週末は空いてませんか?また一緒にお食事をしませんか?』

用件だけ。ポケットに携帯を入れて掃除を終わりにした。

家へ帰り姉の手伝いをしようと思った。
今日は母が仕事で遅くなっているから代わりだ。
義兄と子供たちは部屋で遊んでいるらしい。声だけが聞こえる。

ふぅ~。
思わずため息をついた。
姉が腕まくりした自分を見てジャガイモのざるを渡してくる。
皮むきらしい。

「それからどう?」

「特に。時々連絡し合う。」

「私と変わらないじゃん。」

「連絡来るの?」

「してるから返事が来るよ。裕司の日常を報告、なんて嘘。裕司の事は一切書いてないから。」

「この間話の流れで筍の食事にも誘ってみた。」

「それで、ちゃんと言ったの?」

「う・・・・ん、ちゃんとは言ってない・・・。」

「だったらそれからじゃないの?いきなり家族ぐるみって健とは違うのよ、やっぱり考えるわよ。」

「そう、かな。」

「そうだって。」

「今日中に話があるって言いなさい、今週中に伝えなさい。」

「もしダメだったら、来週の予定も飛ぶよ。」

例のお庭拝見の事だけど。

「そうなったらしょうがないじゃない。ご縁がなかったと諦めるわよ。」

「うん、ごめん。」

「裕司、そんなに自信ないの?」

「そりゃ、ないよ。」

そんな自信あるように見えてたとしたらびっくりだ。

「そう、裕司はいい男なのにね。」

「健さんと樹の次にでしょ。」

「まあね。」

「ありがとう。ちょっとメールしてくる。又、手伝うから。」

全部のジャガイモの皮むきをして水にさらし手を洗って一度部屋に戻る。
彼女からの返信はない。
続けてもう一度メールする。

『お話したいことがあります。』
『先ほど連絡したばかりですみません。週末ではなくても、少し時間をいただけませんか?お仕事のあとでも、少し。よろしくお願いいたします。』

読み返しても必死さが伝わる文だと思うけど。少しでも。
伝えると決めた言葉は短い言葉だ。
携帯をポケットに入れて、またキッチンへ行く。
姉に短く伝えジャガイモを切り始めた。
しばらく何かに集中する。
今はジャガイモに。

食事が始まる前に一度携帯を見た。
着信があった。彼女から。

『少し考えてお返事させてください。申し訳ありません。』と。

肩が落ちる。考えるのは自分と会うべきかどうかということだろう。
会いたくないという選択をされたらもう二度と会えないだろう。
この道を通ることもなくなるだろう。
二度見送り別れた道のこちら側からあのマンションのどこかの部屋を見上げる自分。
何もなかった時に戻るように。
ほんのちょっと前の事だけど。

「裕司、ごはん。・・・入るよ。」

姉がいつものように呼びに来て何かを感じたんだろう。

「何かできることはある?」

「ううん、彼女が決めるのを待つから。」

「そう。」

肩を叩いて姉が先に部屋を出る。

食事の後片づけは母がやってくれた。何かやっていた方が気がまぎれるんだけど。
一人部屋に戻るしかない。
携帯に着信があった。彼女じゃなく夏から。

「裕司~、映画見たいなあ~。またね~。」

能天気な文章に笑いが出る。
夏とは赤ちゃんの頃からの本当の幼馴染だ。
自分の写真には姉と同じくらい夏が写っている。
学校も高校まで一緒だった。さすがに中学になってからは遊ぶことはなくなったが、それでも夕方にひょっこり顔を出して話をしていった。
くだらないことでふざけ合うように笑いあい、じゃれて喧嘩のように言い合い。
今は大きな駅ビルで働いてるので休みが不定期らしい。
それでもふらっと遊びに来ることがあるし、よく連絡は来る。
たいていは愚痴を言いに来るか今日みたいに食事や映画などの誘いだ。
もし彼女と会えなかったら週末付き合ってやるか、愚痴でも聞いてやろう。
そんなことを思ったけど愚痴を言うのは自分かもしれない。
幼馴染に恋愛相談。今までしたこともないからびっくりするだろうなあ。
それよりも出かける気分になれるかも自信がない。



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