コタロとマシロ~仲良しの二人~

羽月☆

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15 子供の頃の願いを大人になっても呪文のように囁くコタロ。

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ある日、母親に頼まれたかさばり重いものリストの物を買って歩いていた。

「虎太郎君、やっと会えた~。」

声をかけてきたのはマシロのお母さんだった。
マシロと今の様になって以来、初めてで、緊張もする。

「こんにちは。いつも、お世話になってます。」


「うん、聞いてる。本当にビックリな話だけど、すごくうれしいから。家は二人とも喜んで大歓迎よ。虎太郎君なら間違いなく・・・・・真白が素直でわがままでいられるって安心してるから。」


わがままって言うほどじゃない。
素直はそうなんだろうか?

褒められたと思って、安心してもらってると分かって、うれしい。
実際はそう言われてるのは知ってる、母親も同じようにマシロの事を言ってるし。


「仲良くしてます。そのつもりです。」

「うん。時々食事も掃除も何もかもしてくれてるみたいじゃない?すごくうれしそうだし、それなのに太った太ったとか笑いながら言うし。」


「それは言われてます。お礼も言われてるし、太らせないでとも言われてます。」


まだまだ細いからいいのに。


「ねえ、今度真白の子供の頃の話でもしましょうね。本当にあの頃お姉さんぶって面倒見ながらも、がっしりと手をつかんで離さなかったからね。」

「もうその頃からお世話になってたから、今は時々恩返しです。」


「ありがとう。これからもよろしくね。」


「はい。」

できたら、ずっとって思ってます。そう言いたかったくらい。


家について別れる前にもう一度お礼を伝えた。
そのままキッチンに行っておばさんの事を伝えて。
手伝いのお礼を言われた。

「虎太郎、ありがとう。」


今まで平凡な人生だった。
あの頃の盛り上がりの中心はやっぱりマシロだったんだろう。

そして今最大の盛り上がりが順調ならいいじゃないかって思う。

あの頃の大好きで当然だったマシロと、今綺麗になって側にいて欲しいと思うマシロと、これ以上ないほどくっついている。


『大好き、マシロ、ずっと側にいて。』

耳元でそう繰り返してお願いしてる。

眠りに落ちる最後の瞬間、それはまるでおまじないの呪文のように。


ゆっくりでもいいからマシロに効いてくれればいい。



いつか、本当になればいい。



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