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14 ドキドキが鈍らないように、努力をしてるつもりのマシロ。
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私の初恋は?
いつ?誰?
「ねえ、お母さん、私は小さいころ『コタロが好き。』って言ってた?」
「毎日言ってたわよ。お母さんだけじゃなくて虎太郎君にも。」
「それは、弟みたいな感じだよね。」
「ううん、ままごとしながらも虎太郎君にしつけをしてたわよ、女の人と遊んじゃダメ、一緒にお酒を飲んじゃダメって。」
「なにそれ?」
まったく記憶にない。
普通にぬいぐるみを並べてお父さんお母さんの家族ごっこはしたとおもうけど、普通そうだよね。
だいたいそんな頃から嫉妬しやすかったの?
今までの彼氏にも言ったことないセリフ、思ってはいてもね。
だいたいそれはお母さんがお父さんに言ってたセリフ?それともドラマの影響?
「いいじゃない、小さい頃の初恋の相手とお付き合いをしてて、もしそのままうまくいったら面白いわよ。いろいろと教えちゃおう。あの頃の真白の事。虎太郎君の方が小さかったし覚えてないでしょう?」
「いい、二人で思い出していろいろ話をしてるから、小さい頃の話はいい。」
「そう?」
コタロが初恋の相手らしい、あっさり言われた。
じゃあ、お互いそんな感じだったらしい。
途中いろんな男の人を好きになって、その間はすっかり忘れてたのに。
コタロのことなんて本当に隣の隣の懐かしい男の子だったのに。
男っぽくなって、ちょっと強気になってきた最近。
時々びっくりする。
いきなり大人のコタロが隣に寝てるのに気がついた時に。
当然あの頃ままごとで家族ごっこしてた時よりは強く男らしく逞しくなってる。
コタロのとこのおじさんよりもずっとずっと・・・多分。
ただ、そう言うと本当に嬉しそうに懐かしい顔で照れるコタロ。
そんな笑顔が見たくて、つい褒めてしまう。
「真白、変な顔して思い出し笑いしてるけど。虎太郎君とは仲良くしてるのね。」
「うん。すごく仲良しだよ。」
慌てて視線を戻した。それでも笑顔で答えられる。
「じゃあ、安心しておく。」
コタロはまったく一人暮らしする気はないみたい。
だって私の部屋も通勤に便利で。
だから遅くなった時と週末は泊まりに来る。
遅くなると言っても・・・・本当に残業は少なくて私の方が遅いくらい。
帰ったら虎太郎がご飯が出来てることもあったりして、私も楽してる。
そして先輩以来、久しぶりにモチベーションをあげてくれてる。
コタロが来るかもって思うとさっさと仕事は終わらせたいって、前よりそう思ってる。
だから書類を見ながらぼんやりなんてしないで、休憩も控えて頑張る時はある。
それでも来てくれない時の方が多いから、そうしたら電話で話をする。
『マシロ、明日飲み会なんだよ、泊めて。』
「女の子も一緒に飲むの?」
そう聞いてしまって、お母さんに教えられた昔のことを思い出した。
あああ・・・・・あの頃も言ってたのかもしれない。
『違うよ、柴田とか、同期の男だけ。みんな彼女いるから。』
「そう。じゃあ、終わったら連絡してね。」
『うん、遅くはならないよ。』
飲むと余計に私の家に泊まりたがるコタロ。
通勤時間としてはちょっと楽になるくらい。
朝の電車は同じくらい混むんだけど。
何でだろう?
うれしいけど、ちょっとそう思ったりして。
「ただいま、マシロ。」
玄関を開けたらちょっと赤くなったコタロがいた。
普通にただいまと言って帰ってくる。
それは自然に。
お水を飲みながら、ちょっとだけお酒とたばこの匂いがするコタロにもたれながら聞いてみた。
「ねえ、コタロ。泊まってくれるのはうれしいけど、何で飲むと実家より、ここなの?」
ちょっとコタロが離れた。
顔を見る。
「だってみんな彼女の話をするし、柴田もいるからいろいろ聞かれたり揶揄われたりもするし、一緒に住んでる奴も一人いるし。」
だから・・・って事?
「だから、会いたくなるし。一人で家に帰るのは寂しい気がして。面倒だったり疲れてる時は断ってくれるよね。」
「もちろんそんなことがあればね。でも大丈夫。本当に私だってうれしいよ。一人でいるよりはコタロと一緒がいいし。週末じゃなくても大歓迎だよ。」
「マシロ・・・・・。」
じゃあ・・・・って聞こえた気がしたけど、気のせいだったかも。
その後は続かなかった。
真麻ちゃんも仲良く柴田君と付き合ってるらしい。
そしてコタロには教えてないけど、成美ちゃんにも彼氏が出来た。
うれしそうに笑い、照れて、前より綺麗になった成美ちゃん。
しばらくコタロには教えないと思う、だって成美ちゃんは同じように私を褒めた。
『もう、真白さん、ずっとずっと綺麗に色っぽくなって、幸せそうです!』って。
本当にいい子。
週末ここに居るのはお互いの両親も知ってるし、コタロの荷物は季節が変わるごとに増えて来てる。
「マシロ・・・・・・大好き。」
「うん。」
お酒臭いコタロに答える。
そんなこと知ってる。
コタロは本当によくそう言ってくれるから。
あの頃と同じような呼び方だから、口癖みたいじゃない?
でもそんな二人でも満足してるよ。
ちょっとだけ遅い平日。
残りの夜の時間は短いはずだけど、いつもよく眠れる。
大きなコタロを抱きしめながら、抱きしめられながら、ぐっすりとよく眠れる。
『マシロ、大好き。もっと一緒にいたい。いつも一緒にいたいよ。』
ちょっとだけ目が覚めそうなときにそう言われたけど、返事は出来なかった。
頭を撫でられて気持ち良くてそのまままた寝てしまったから。
『私も。』って伝わってない?
「ねえ、ハギ、最近どう?」
「何?漠然とした聞き方。仕事の事で悩みでもあるの?」
「ない訳じゃない、でもそうじゃなくて。」
ハギは大学卒業間近に付き合い始めた彼氏と一緒に暮らし始めた。
『試しに、ちょっとだけね。』って言って。
「初恋相手のコタロ君とラブラブでしょう?まさかの倦怠期?もう鮮度が落ちた?」
「そんな事ありません!!ラブラブです!!!」
「そうなんだ。良かったね。」
そうじゃなくて・・・・・。
「ハギは?彼氏とのお試し期間はどう?」
「まあ、問題はないし、意外に楽だよ。時々けんかはあるし、ちょっとイラっとすることも増えたけど、我慢しないで言うようにしてる。」
「それで?」
「八割は謝られて、二割は私が反省する。」
今のところ私もコタロとの喧嘩らしい喧嘩はない。
でも喧嘩しても同じような割合で私も謝らせて、極まれに反省するだろう。
「もしかして、一緒に暮らしたいの?」
「どうだろうなあってちょっとだけ思う。」
「なんだかうまくいきそうだけどね。」
「そうかな?でもドキドキしなくなりそう。」
そう言ったら変な顔をされた。
何?
「コタロ君に相談してみれば。ドキドキが続くような関係を保って、かつ一緒に暮らしたいって。」
投げやりな感じで言われた。
ドキドキが続くように。だって安心したらどこまでも油断しそうだし。
少しは緊張も必要だよね。
酔っぱらって違う人との思い出を話したりしようものならすごく怒るんだから。
前は拗ねてたのに、最近はたちまち機嫌が悪くなる。
やっぱり私だって結構謝って反省してるじゃない。
威張れないけどね。
だから油断はできないの。
いつ?誰?
「ねえ、お母さん、私は小さいころ『コタロが好き。』って言ってた?」
「毎日言ってたわよ。お母さんだけじゃなくて虎太郎君にも。」
「それは、弟みたいな感じだよね。」
「ううん、ままごとしながらも虎太郎君にしつけをしてたわよ、女の人と遊んじゃダメ、一緒にお酒を飲んじゃダメって。」
「なにそれ?」
まったく記憶にない。
普通にぬいぐるみを並べてお父さんお母さんの家族ごっこはしたとおもうけど、普通そうだよね。
だいたいそんな頃から嫉妬しやすかったの?
今までの彼氏にも言ったことないセリフ、思ってはいてもね。
だいたいそれはお母さんがお父さんに言ってたセリフ?それともドラマの影響?
「いいじゃない、小さい頃の初恋の相手とお付き合いをしてて、もしそのままうまくいったら面白いわよ。いろいろと教えちゃおう。あの頃の真白の事。虎太郎君の方が小さかったし覚えてないでしょう?」
「いい、二人で思い出していろいろ話をしてるから、小さい頃の話はいい。」
「そう?」
コタロが初恋の相手らしい、あっさり言われた。
じゃあ、お互いそんな感じだったらしい。
途中いろんな男の人を好きになって、その間はすっかり忘れてたのに。
コタロのことなんて本当に隣の隣の懐かしい男の子だったのに。
男っぽくなって、ちょっと強気になってきた最近。
時々びっくりする。
いきなり大人のコタロが隣に寝てるのに気がついた時に。
当然あの頃ままごとで家族ごっこしてた時よりは強く男らしく逞しくなってる。
コタロのとこのおじさんよりもずっとずっと・・・多分。
ただ、そう言うと本当に嬉しそうに懐かしい顔で照れるコタロ。
そんな笑顔が見たくて、つい褒めてしまう。
「真白、変な顔して思い出し笑いしてるけど。虎太郎君とは仲良くしてるのね。」
「うん。すごく仲良しだよ。」
慌てて視線を戻した。それでも笑顔で答えられる。
「じゃあ、安心しておく。」
コタロはまったく一人暮らしする気はないみたい。
だって私の部屋も通勤に便利で。
だから遅くなった時と週末は泊まりに来る。
遅くなると言っても・・・・本当に残業は少なくて私の方が遅いくらい。
帰ったら虎太郎がご飯が出来てることもあったりして、私も楽してる。
そして先輩以来、久しぶりにモチベーションをあげてくれてる。
コタロが来るかもって思うとさっさと仕事は終わらせたいって、前よりそう思ってる。
だから書類を見ながらぼんやりなんてしないで、休憩も控えて頑張る時はある。
それでも来てくれない時の方が多いから、そうしたら電話で話をする。
『マシロ、明日飲み会なんだよ、泊めて。』
「女の子も一緒に飲むの?」
そう聞いてしまって、お母さんに教えられた昔のことを思い出した。
あああ・・・・・あの頃も言ってたのかもしれない。
『違うよ、柴田とか、同期の男だけ。みんな彼女いるから。』
「そう。じゃあ、終わったら連絡してね。」
『うん、遅くはならないよ。』
飲むと余計に私の家に泊まりたがるコタロ。
通勤時間としてはちょっと楽になるくらい。
朝の電車は同じくらい混むんだけど。
何でだろう?
うれしいけど、ちょっとそう思ったりして。
「ただいま、マシロ。」
玄関を開けたらちょっと赤くなったコタロがいた。
普通にただいまと言って帰ってくる。
それは自然に。
お水を飲みながら、ちょっとだけお酒とたばこの匂いがするコタロにもたれながら聞いてみた。
「ねえ、コタロ。泊まってくれるのはうれしいけど、何で飲むと実家より、ここなの?」
ちょっとコタロが離れた。
顔を見る。
「だってみんな彼女の話をするし、柴田もいるからいろいろ聞かれたり揶揄われたりもするし、一緒に住んでる奴も一人いるし。」
だから・・・って事?
「だから、会いたくなるし。一人で家に帰るのは寂しい気がして。面倒だったり疲れてる時は断ってくれるよね。」
「もちろんそんなことがあればね。でも大丈夫。本当に私だってうれしいよ。一人でいるよりはコタロと一緒がいいし。週末じゃなくても大歓迎だよ。」
「マシロ・・・・・。」
じゃあ・・・・って聞こえた気がしたけど、気のせいだったかも。
その後は続かなかった。
真麻ちゃんも仲良く柴田君と付き合ってるらしい。
そしてコタロには教えてないけど、成美ちゃんにも彼氏が出来た。
うれしそうに笑い、照れて、前より綺麗になった成美ちゃん。
しばらくコタロには教えないと思う、だって成美ちゃんは同じように私を褒めた。
『もう、真白さん、ずっとずっと綺麗に色っぽくなって、幸せそうです!』って。
本当にいい子。
週末ここに居るのはお互いの両親も知ってるし、コタロの荷物は季節が変わるごとに増えて来てる。
「マシロ・・・・・・大好き。」
「うん。」
お酒臭いコタロに答える。
そんなこと知ってる。
コタロは本当によくそう言ってくれるから。
あの頃と同じような呼び方だから、口癖みたいじゃない?
でもそんな二人でも満足してるよ。
ちょっとだけ遅い平日。
残りの夜の時間は短いはずだけど、いつもよく眠れる。
大きなコタロを抱きしめながら、抱きしめられながら、ぐっすりとよく眠れる。
『マシロ、大好き。もっと一緒にいたい。いつも一緒にいたいよ。』
ちょっとだけ目が覚めそうなときにそう言われたけど、返事は出来なかった。
頭を撫でられて気持ち良くてそのまままた寝てしまったから。
『私も。』って伝わってない?
「ねえ、ハギ、最近どう?」
「何?漠然とした聞き方。仕事の事で悩みでもあるの?」
「ない訳じゃない、でもそうじゃなくて。」
ハギは大学卒業間近に付き合い始めた彼氏と一緒に暮らし始めた。
『試しに、ちょっとだけね。』って言って。
「初恋相手のコタロ君とラブラブでしょう?まさかの倦怠期?もう鮮度が落ちた?」
「そんな事ありません!!ラブラブです!!!」
「そうなんだ。良かったね。」
そうじゃなくて・・・・・。
「ハギは?彼氏とのお試し期間はどう?」
「まあ、問題はないし、意外に楽だよ。時々けんかはあるし、ちょっとイラっとすることも増えたけど、我慢しないで言うようにしてる。」
「それで?」
「八割は謝られて、二割は私が反省する。」
今のところ私もコタロとの喧嘩らしい喧嘩はない。
でも喧嘩しても同じような割合で私も謝らせて、極まれに反省するだろう。
「もしかして、一緒に暮らしたいの?」
「どうだろうなあってちょっとだけ思う。」
「なんだかうまくいきそうだけどね。」
「そうかな?でもドキドキしなくなりそう。」
そう言ったら変な顔をされた。
何?
「コタロ君に相談してみれば。ドキドキが続くような関係を保って、かつ一緒に暮らしたいって。」
投げやりな感じで言われた。
ドキドキが続くように。だって安心したらどこまでも油断しそうだし。
少しは緊張も必要だよね。
酔っぱらって違う人との思い出を話したりしようものならすごく怒るんだから。
前は拗ねてたのに、最近はたちまち機嫌が悪くなる。
やっぱり私だって結構謝って反省してるじゃない。
威張れないけどね。
だから油断はできないの。
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