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23 三大標語・・・忘れてた
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「悠里、ケガ人は無事に元気になったらしいじゃない。」
「うん、大丈夫みたい。コウシに感謝だな。あの日すぐ病院に連れて行ってくれたし。」
「それは何度も言われてるから。いい週末を過ごせたのなら満足でしょう?」
何か聞いてるの?
確かに一緒に過ごせたけど。
普通にデートしたと思ってるよね。
詳しい過ごし方は聞いてないよね。
「トラウマ解決でいいの?三大標語返上する?」
忘れてた、とっくに返上してるけど。
あえて何も言わない太陽君。
・・・慣れた?
「今回は、とりあえず、今のところは。」
「まあね、コウシのところに届いたものは、すぐに削除したから安心して。」
何が届いた?
「何?・・・・・」
思いあたるのはお願いされた写真。
最初は撮られた、その内ふざけて結構撮り合った・・・・・。
まさか・・・・、どれ?
ひよりを見る。
ニタリと笑顔の音がした。
太陽・・・・・、後で問い詰める。
勝手に送るなんて、コウシに弱みを握られた!!
本当は今すぐにでも問い詰めたい!!
今日は珍しく視界の中にいるのだ。
知らない誰かと食事をしてる。
ひよりと食事をしながらも、そっちに視線が行かないように、思わずフォーカスしないように気をつけていた。
でも今は睨むほどに鋭い視線を飛ばす。
気が付いてないらしい。
本当に削除してくれたんだろうか。
問題の『何か』はコウシの携帯だし。
トイレで鋭いメッセージを送った。
『何、コウシに送ってるのよ。絶対恨む。』
夜になって電話を待った。
恨み節の返事に『夜に電話するから。』とあったから。
よく電話をしていた。
仲いい先輩後輩のふりして、ちょっとだけふざけた電話をしていたあの頃から、
少しも太陽は変わってない。
懐かしいけど、・・・今日はちゃんと怒りたい。
イライラしながら電話を待つ。
なかなかかかってこない。
残業か、コウシと飲んでるのか?
イライラがちょっとだけ薄れて、寂しくなった。
ひとりの部屋もつまらないので、さっさと寝室に引っ込む。
本を持ち込んでも携帯も気になるし、なかなか読み進められず。
写真を一枚づつ丁寧に見ていく。
幸せそうに笑う自分がいた。
サンサン。太陽。
笑顔が可愛い。
しみじみ思いながら、ぼんやりしてて。
いきなり携帯が光って震えた。
待っていた電話、やっとかかってきた。
「もしもし。」
「悠里さん、お疲れ様。すごく遅くなってごめんね。」
「忙しかったの?飲んでた?」
「うん、先輩に捕まって飲まされた。コウシも一緒。もっと早く帰ってくるつもりだったのに、ごめんね。」
「お風呂入ったの?」
「ううん、とりあえず帰って来たばっかり。」
すぐに電話してくれたみたい。
怒れないじゃない。
だって、すでに待ちくたびれて怒りもぺちゃんこだった。
「ねえ、コウシに変な写真送った?ひよりが削除したから安心してって。どんな写真送ったの?」
「二人で撮った写真だよ、服は着てるし、肩に手はやってても、そんなに変じゃないよ。何でだろう?普通の写真だよ。」
服を着てない写真はないはず。
いくらふざけててもそんな時には撮ってないはず。
確か、記憶にない。
改めて言われると気になるけど、ない・・・はず。
「わかった、もういいや。多分ひよりがふざけただけだと思う。」
「うん。」
そうだ、コウシほどアホでもないのだから、問題ない。
「ごめんね、なら大丈夫。お風呂入ってゆっくりして。疲れたでしょう?」
「大丈夫。あと少しおしゃべりしたいし。ねえ、すごく待ってた?」
・・・・電話を?
「・・・・もちろん、待ってた。」
「それなのにさっきの反応なの?用件は済んだと言わんばかりだったよ。」
「だって・・・・まだお風呂も入ってないって言うから。すぐにかけてくれてありがとう。うれしい。」
「でしょう?」
「ねえ、ほんとうはお風呂済ませてる・・・とか?」
「違うよ~、なんで。本当に帰って来たばっかりだよ。すぐに電話しようと思って玄関の鍵より先に手にしてたんだから。」
そう言われると何だか変に勘ぐってたのを反省するけど。
「ねえ。悠里さん、明日泊まりに来れば?」
何でそうなるの?
なんだかちょっとだけ反省した私に逆らえないタイミングで言ってる?
それとも、そういう風に思うのもダメなのかな?
「おいでよ。泊まろう、一緒に。」
「太陽君のお部屋にって事よね。」
「もちろん、そうだよ。」
「残業ない?」
「今のところない。あっても全力で早く終わらせる。頑張る。」
「じゃあ、泊めてもらう。」
「本当?うれしい。じゃあ、明日の終わり時間に連絡ね。」
「分かった。楽しみにしてる。」
「僕も。じゃあ、明日ね。お休み。」
「お休み。」
そう言って電話を切った後、荷物をまとめる。
もうすっかりあっちに置いてるから、そう持って行く物もない。
楽。
自分だけ行けばいい。
うきうきと呆れるほど楽しみにしてる自分がいる。
「うん、大丈夫みたい。コウシに感謝だな。あの日すぐ病院に連れて行ってくれたし。」
「それは何度も言われてるから。いい週末を過ごせたのなら満足でしょう?」
何か聞いてるの?
確かに一緒に過ごせたけど。
普通にデートしたと思ってるよね。
詳しい過ごし方は聞いてないよね。
「トラウマ解決でいいの?三大標語返上する?」
忘れてた、とっくに返上してるけど。
あえて何も言わない太陽君。
・・・慣れた?
「今回は、とりあえず、今のところは。」
「まあね、コウシのところに届いたものは、すぐに削除したから安心して。」
何が届いた?
「何?・・・・・」
思いあたるのはお願いされた写真。
最初は撮られた、その内ふざけて結構撮り合った・・・・・。
まさか・・・・、どれ?
ひよりを見る。
ニタリと笑顔の音がした。
太陽・・・・・、後で問い詰める。
勝手に送るなんて、コウシに弱みを握られた!!
本当は今すぐにでも問い詰めたい!!
今日は珍しく視界の中にいるのだ。
知らない誰かと食事をしてる。
ひよりと食事をしながらも、そっちに視線が行かないように、思わずフォーカスしないように気をつけていた。
でも今は睨むほどに鋭い視線を飛ばす。
気が付いてないらしい。
本当に削除してくれたんだろうか。
問題の『何か』はコウシの携帯だし。
トイレで鋭いメッセージを送った。
『何、コウシに送ってるのよ。絶対恨む。』
夜になって電話を待った。
恨み節の返事に『夜に電話するから。』とあったから。
よく電話をしていた。
仲いい先輩後輩のふりして、ちょっとだけふざけた電話をしていたあの頃から、
少しも太陽は変わってない。
懐かしいけど、・・・今日はちゃんと怒りたい。
イライラしながら電話を待つ。
なかなかかかってこない。
残業か、コウシと飲んでるのか?
イライラがちょっとだけ薄れて、寂しくなった。
ひとりの部屋もつまらないので、さっさと寝室に引っ込む。
本を持ち込んでも携帯も気になるし、なかなか読み進められず。
写真を一枚づつ丁寧に見ていく。
幸せそうに笑う自分がいた。
サンサン。太陽。
笑顔が可愛い。
しみじみ思いながら、ぼんやりしてて。
いきなり携帯が光って震えた。
待っていた電話、やっとかかってきた。
「もしもし。」
「悠里さん、お疲れ様。すごく遅くなってごめんね。」
「忙しかったの?飲んでた?」
「うん、先輩に捕まって飲まされた。コウシも一緒。もっと早く帰ってくるつもりだったのに、ごめんね。」
「お風呂入ったの?」
「ううん、とりあえず帰って来たばっかり。」
すぐに電話してくれたみたい。
怒れないじゃない。
だって、すでに待ちくたびれて怒りもぺちゃんこだった。
「ねえ、コウシに変な写真送った?ひよりが削除したから安心してって。どんな写真送ったの?」
「二人で撮った写真だよ、服は着てるし、肩に手はやってても、そんなに変じゃないよ。何でだろう?普通の写真だよ。」
服を着てない写真はないはず。
いくらふざけててもそんな時には撮ってないはず。
確か、記憶にない。
改めて言われると気になるけど、ない・・・はず。
「わかった、もういいや。多分ひよりがふざけただけだと思う。」
「うん。」
そうだ、コウシほどアホでもないのだから、問題ない。
「ごめんね、なら大丈夫。お風呂入ってゆっくりして。疲れたでしょう?」
「大丈夫。あと少しおしゃべりしたいし。ねえ、すごく待ってた?」
・・・・電話を?
「・・・・もちろん、待ってた。」
「それなのにさっきの反応なの?用件は済んだと言わんばかりだったよ。」
「だって・・・・まだお風呂も入ってないって言うから。すぐにかけてくれてありがとう。うれしい。」
「でしょう?」
「ねえ、ほんとうはお風呂済ませてる・・・とか?」
「違うよ~、なんで。本当に帰って来たばっかりだよ。すぐに電話しようと思って玄関の鍵より先に手にしてたんだから。」
そう言われると何だか変に勘ぐってたのを反省するけど。
「ねえ。悠里さん、明日泊まりに来れば?」
何でそうなるの?
なんだかちょっとだけ反省した私に逆らえないタイミングで言ってる?
それとも、そういう風に思うのもダメなのかな?
「おいでよ。泊まろう、一緒に。」
「太陽君のお部屋にって事よね。」
「もちろん、そうだよ。」
「残業ない?」
「今のところない。あっても全力で早く終わらせる。頑張る。」
「じゃあ、泊めてもらう。」
「本当?うれしい。じゃあ、明日の終わり時間に連絡ね。」
「分かった。楽しみにしてる。」
「僕も。じゃあ、明日ね。お休み。」
「お休み。」
そう言って電話を切った後、荷物をまとめる。
もうすっかりあっちに置いてるから、そう持って行く物もない。
楽。
自分だけ行けばいい。
うきうきと呆れるほど楽しみにしてる自分がいる。
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