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7 貴乃 ~しみじみと特別な好きと大好きな同期の存在に感謝する夜~
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無理に日程を決めて華乃を連れ出そうと思ったのに、小室君も一緒に付き合ってくれることになったらしい。
すぐに返事が来た。もしかして一緒に会っていたんだろうか?
私の妹に会いたいと小室君に正直に言ったのだろうか?
『ねえ、いろいろありがとう。華乃はウキウキしてるって気分も表に出すタイプじゃないから、あんまり乗り気は見せなくて。でも絶対楽しんでもらいたいって思ってる。ちゃんと話をしてあげてね。小室君には私の妹って教えたの?』
『いや、梶原さんの知り合いってだけしか教えてない。』
『じゃあ、内緒のままにするの?』
『そうだね。驚くよね、そっくりの妹。』
『そうだね。ちょっと驚く顔が見たいかも。』
『俺も。』
宮藤君も驚くと思うけどね、なんて思ったりして。
『じゃあ、内緒で。』
『了解。』
『小室君は知ってるんだよね、宮藤君が再会を望んだって事。』
『うん、それは言ってある。』
『じゃあ、私がそのことで小室君に連絡しても変じゃないよね。』
『全然、どうぞ。裏の打ち合わせでも何でも。』
やっぱりバレたらしい。
『うん、頼んでおく。』
そう思って何だかドキドキして、画面を開いたまま止まる。
ちょっと、あとでいい。
いろいろやる事の後回しにしていて、もう遅くなる・・・・・って思ってやっとメッセージを送ることが出来た。
ドキドキして打ち込んでも、ぽちっと押すだけで相手に行くんだから、なんだか思い切りがいいのか何なのか。
『こんばんわ。遅くにごめんね。土曜日の予定、付き合ってくれてありがとう。』
お礼を言うのは私じゃない気もするけど、それは表向きだし。
裏ではものすごくうれしいから。
その後は一気に送った。
『ちょっと内気なタイプなの。すごくいい子だから、相手が同僚でいい人だって知ってる宮藤君だったらうれしいの。』
『出来たら、協力して欲しい。』
そこまで送って反応を待つ。
読んでくれてるのは分かってる。
『宮藤はいい奴だと僕も思ってる。応援するよ。いい具合に話が出来るようだったら邪魔しないようにする。すごく楽しみだし。』
『うん、ありがとう。仕事が終わる時間が少し遅いの。週末が休みの日もあんまりない仕事だから。』
『大丈夫だよ。日曜日ものんびり過ごす予定しかないし。全然平気。』
『でも宮藤があのランチタイムの時にそんな事を相談してたなんて、何だか意外だったな。』
『もしかして見かけたの?』
『うん、偶然。』
『じゃあ、声かけてくれても良かったのに。あそこで食べる時はたいてい一人だから、二回くらい宮藤君とは一緒になったんだ。今度見かけたら声かけてね。』
文字だけだとどんなトーンで読んでいいのか分からない。
自分で勝手に楽しい声にしてるんだけど、大丈夫かな。
私の文章は元気よく読んでもらってると思う。
それに一緒にランチしたいと誘った文章になったけど、変じゃないよね?
もう、可能な限りあそこでランチにしよう。
でもランチはいつもどうしてるんだろう?
『私は外で空いた時間に取ることが多いけど、小室君はどうしてるの?』
『たいてい社食だよ。そろそろ飽きたから、外に行くことにしようかな。見かけたら声かけるよ。』
『是非是非。』
もううれしい。文字だけで伝わってるかな?
伝わり過ぎても恥ずかしいけど。
『外回りも楽しんでるみたいだね。』
『うん、まだまだだし、今のところはあんまり苦痛じゃないかな。』
『良かったね。』
『うん、ありがとう。』
名残惜しいけどそろそろ私が終わりにしないと困ってるかな?
『ねえ、もし必要だったら前日に相談するかも。また連絡していい?』
『いいよ。作戦会議だよね。』
『うん、傾向と対策。じゃあ、遅くまでありがとう。また連絡します。おやすみなさい。』
『うん、おやすみ。』
あ~、今すごく、感謝してる。
華乃の存在と宮藤君の優しさに。
宮藤君と仲良くなれてよかった~、しみじみ。
でも多香子さんだけのけ者みたいだからちょっとだけ報告しておこう。
『こんばんは。ちょっといろいろと個々人的事情により明かせませんが、二週後にちょっとだけ小室君と話が出来るかも。』
『報告は二週間後。少しでもうれしい報告が出来たらいいなあ。』
『よくわからないだろうけど、詳しくはその時に。お休み。』
『確かに分からない。でもうまくいくといいって思ってるからね。報告待ってます。』
『お休み。』
多香子さんもいい人。本当にいい会社だなあ。
もちろん多香子さんじゃない特別な存在あってこその・・・・まあ、それでもいいよね。
とりあえず仕事を頑張ろう!!
すぐに返事が来た。もしかして一緒に会っていたんだろうか?
私の妹に会いたいと小室君に正直に言ったのだろうか?
『ねえ、いろいろありがとう。華乃はウキウキしてるって気分も表に出すタイプじゃないから、あんまり乗り気は見せなくて。でも絶対楽しんでもらいたいって思ってる。ちゃんと話をしてあげてね。小室君には私の妹って教えたの?』
『いや、梶原さんの知り合いってだけしか教えてない。』
『じゃあ、内緒のままにするの?』
『そうだね。驚くよね、そっくりの妹。』
『そうだね。ちょっと驚く顔が見たいかも。』
『俺も。』
宮藤君も驚くと思うけどね、なんて思ったりして。
『じゃあ、内緒で。』
『了解。』
『小室君は知ってるんだよね、宮藤君が再会を望んだって事。』
『うん、それは言ってある。』
『じゃあ、私がそのことで小室君に連絡しても変じゃないよね。』
『全然、どうぞ。裏の打ち合わせでも何でも。』
やっぱりバレたらしい。
『うん、頼んでおく。』
そう思って何だかドキドキして、画面を開いたまま止まる。
ちょっと、あとでいい。
いろいろやる事の後回しにしていて、もう遅くなる・・・・・って思ってやっとメッセージを送ることが出来た。
ドキドキして打ち込んでも、ぽちっと押すだけで相手に行くんだから、なんだか思い切りがいいのか何なのか。
『こんばんわ。遅くにごめんね。土曜日の予定、付き合ってくれてありがとう。』
お礼を言うのは私じゃない気もするけど、それは表向きだし。
裏ではものすごくうれしいから。
その後は一気に送った。
『ちょっと内気なタイプなの。すごくいい子だから、相手が同僚でいい人だって知ってる宮藤君だったらうれしいの。』
『出来たら、協力して欲しい。』
そこまで送って反応を待つ。
読んでくれてるのは分かってる。
『宮藤はいい奴だと僕も思ってる。応援するよ。いい具合に話が出来るようだったら邪魔しないようにする。すごく楽しみだし。』
『うん、ありがとう。仕事が終わる時間が少し遅いの。週末が休みの日もあんまりない仕事だから。』
『大丈夫だよ。日曜日ものんびり過ごす予定しかないし。全然平気。』
『でも宮藤があのランチタイムの時にそんな事を相談してたなんて、何だか意外だったな。』
『もしかして見かけたの?』
『うん、偶然。』
『じゃあ、声かけてくれても良かったのに。あそこで食べる時はたいてい一人だから、二回くらい宮藤君とは一緒になったんだ。今度見かけたら声かけてね。』
文字だけだとどんなトーンで読んでいいのか分からない。
自分で勝手に楽しい声にしてるんだけど、大丈夫かな。
私の文章は元気よく読んでもらってると思う。
それに一緒にランチしたいと誘った文章になったけど、変じゃないよね?
もう、可能な限りあそこでランチにしよう。
でもランチはいつもどうしてるんだろう?
『私は外で空いた時間に取ることが多いけど、小室君はどうしてるの?』
『たいてい社食だよ。そろそろ飽きたから、外に行くことにしようかな。見かけたら声かけるよ。』
『是非是非。』
もううれしい。文字だけで伝わってるかな?
伝わり過ぎても恥ずかしいけど。
『外回りも楽しんでるみたいだね。』
『うん、まだまだだし、今のところはあんまり苦痛じゃないかな。』
『良かったね。』
『うん、ありがとう。』
名残惜しいけどそろそろ私が終わりにしないと困ってるかな?
『ねえ、もし必要だったら前日に相談するかも。また連絡していい?』
『いいよ。作戦会議だよね。』
『うん、傾向と対策。じゃあ、遅くまでありがとう。また連絡します。おやすみなさい。』
『うん、おやすみ。』
あ~、今すごく、感謝してる。
華乃の存在と宮藤君の優しさに。
宮藤君と仲良くなれてよかった~、しみじみ。
でも多香子さんだけのけ者みたいだからちょっとだけ報告しておこう。
『こんばんは。ちょっといろいろと個々人的事情により明かせませんが、二週後にちょっとだけ小室君と話が出来るかも。』
『報告は二週間後。少しでもうれしい報告が出来たらいいなあ。』
『よくわからないだろうけど、詳しくはその時に。お休み。』
『確かに分からない。でもうまくいくといいって思ってるからね。報告待ってます。』
『お休み。』
多香子さんもいい人。本当にいい会社だなあ。
もちろん多香子さんじゃない特別な存在あってこその・・・・まあ、それでもいいよね。
とりあえず仕事を頑張ろう!!
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