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22 結局悪いのはどっち?
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朝、目が覚めて隣にタスクがいること、自分たちがほとんど服を着ていない事、そんな事にも慣れ始めていた。
昨日は精一杯の意地を張って喧嘩をした。
本当に鈍い、鈍感ボケ。
多分間違ってないと思う。
外回りが多いから、すれ違うから話もしない、なんて言って。
だから安心していいって言ったのに。
一緒に楽しくお酒を飲んで、誤解させるようなこと言って。
どんな甘い顔で言ったのよ。
今、寝てる顔はどこまでも無防備で懐かしいくらいの幼い顔。
自分だけが堪能してる。
頭の上から携帯をとりカメラにしてのぞく。
こっそり撮ってやろう。
でも暗くてフラッシュが光ることに気がついた。
ダメだ、起こしちゃうから。
今度うたた寝した時に絶対取ろう。
それでも動画モードにしてみる。うっすらと暗がりに見える顔。
やっぱりかわいさが出ない。
残念。
写真じゃなくても本物がいるからいいか。
でも、あとでスーツ姿を撮ろう。
ネクタイ選びの参考にもなるかも。
携帯は頭の方に置いて横から顔を見つめる。
タスクの起きる時間まであと30分くらい。
起こしちゃかわいそうだけど、意外につまんないなあ。
もう一度大人しく横になって目を閉じた。
少しくっついた体がいきなり引き寄せられて。
「しおり、何でキスしてくれないの?ワクワクして待ってたのに。」
「なんで、・・・起きてたの?」
「うん、しおりの寝顔見てた。可愛いなあって思ってた。あんなに昨日はいじめられたのに。やっぱり許しちゃうなあって。」
「何?タスクが悪いって話になったじゃない。私が悪いことになってない?」
「だって勝手に怒ってひねくれたしおりもどうかと思うよ。ぼくを信じてくれればなんてことないし、もっと普通に教えてくれても良かったし。」
「タスクは全然分かってない。そんな事教えたくないに決まってるじゃない。」
「何で?」
「タスクのすぐ近くに、もう一人タスクの事を好きな人がいるんだよって事、私が教えたいわけないじゃない。それに彼女も私からそんな事を言われてるって知ったら・・・・私なら嫌よ。」
「・・・うん、分かったけど。」
「けど?」
「もう喧嘩はしたくない。あんなに冷たい無反応のしおりは嫌だよ。怖いよ。ね、あの時は本当にダメだった?そうなるの?」
「タスクのアホ、どアホ。そんなこと聞かないで。」
背中を向けた。
どんなに私が辛かったか分かってない。
あんな態度だってとりたくなかったのに。
精一杯意地はってたのに、唇噛み締めてたのに。
「ねえ、ごめん。喧嘩は嫌だって。こっち向いてよ。お願いだから。」
朝から喧嘩も勿体ないし。向き合うことにした。
「良かった。」
キスをされて腰をくっつけられた。
朝だよ、あと少しで起きる時間、仕事でしょう・・・・。
私は休みだからいいけど、いいの?
知らない、・・・もう。
目覚ましが鳴ってから少しして、やっと起きた。というか起きだした。
シャワーを浴びて準備をするタスク。
私がパンを焼いてコーヒーを準備する。
「タスク、私、どうしたらいい?」
「しおり、ごめん。忘れてた。これあげる。」
渡されたのは鍵。この部屋の鍵。
「いいの?」
「もちろん。洗濯と掃除簡単でいいからお願いしていい?ちょっと今日は遅くなったから時間なさそう。」
「うん。じゃあ、ご飯作った方がいいよね。」
「作ってくれるの?できるだけ早く帰ってくる。」
「多分、タスクの方が上手だよ。」
「いい、何でもいい。楽しみにしていい?」
「分かった。あるもの使うね。」
「うん、その辺は適当にして。」
「会社出る時に時間教えるし、駅からもメールするから。」
「じゃあ、迎えに行く。」
「ダメだよ。危ないからうちから出ないで。」
「子供じゃないのに。」
「だから危ないんじゃないか。お願いだから夕方以降はうちから出ないで。ピンポン押したらドア開けてね。」
「うん、行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
キスをして送り出す。
本当に昔の家族ごっこのままごとのようで笑える。
さすがにあの頃は夕方以降外出禁止令も、行ってきますのキスもなかったけど。
あ、写真撮るのを忘れてた。
朝からバタバタしてたからしょうがない・・・・って、タスク大丈夫なのかな?
洗濯して、掃除したら昼寝したい。買い物して昼寝したい。
朝なのにすっかり疲れてます。
洗濯してる間に掃除して、自分の服をチェックする。
もう少し増やそうかな?
ちょっと服を見て、ご飯の材料買って。
冷蔵庫を見ながらメニューを考える。
サラダの材料しか残ってなかった。
煮込み料理をたくさん作って一人の夜にも簡単に食べれるように作った方がいいかな?
使いまわしレシピを検索してひき肉ソースに決めた。
お母さんの作ってくれたソースを参考に。
和風にしよう。いいじゃない。
安心安心。必要なものを書き出して買って来よう。
お昼に何を食べたか、後で忘れずに聞こう。
駅に行きお店を回る。
少しずつ増えていく荷物。
スーパーから出るころにはすっかり両手がふさがっていた。
部屋に戻って冷蔵庫に必要なものをしまい座り込む。
お母さんに電話をする。
『しおり元気?今日はお休みなの?』
「うん、休み。」
『何してたの?』
「掃除と洗濯と買い物。」
『ねえ、しおり、報告したいことないの?』
「聞いたの?タスクのお母さんから。」
『・・・ううん、何にも聞いてない。』
「タスクと、・・・・昨日からタスクの部屋にいた。タスクの部屋の掃除と洗濯とご飯の買い物してたの。」
『そう、楽しい?』
「うん、すごく楽しい。知ってたの?」
『何を?しおりの気持ち?』
「いろいろ。」
『うん、なんとなく分かってた。だからうれしい。しおりが素直になれて。』
「お母さんだって、悪いのよ。タスクが結婚するって思ってすごくショックで、ご飯も食べられなくて、先輩にも心配かけて。」
『だって普通光輝君だって思うじゃない?何で祐君だと思ったのかお母さんが聞きたいくらい。』
「だっていきなり光輝さんなんて、忘れてたくらいなの。一人っ子だと思ってたくらい。」
『かわいそうに。小さい頃は面倒見てくれたのよ。まとめて二人。』
「うん、知ってる。」
『しおり、祐君は優しいから、わがままを可愛いって許してくれるかもしれないけど、ちゃんと伝えることは伝えて、意地を張らないで話をするのよ。昔からいつもしおりが勝手に怒って祐君がごめんねって言ってたけど、もう大人なんだからね。』
昨日の今日。
私が成長してないのか、タスクが成長できなかったのか。
「うん、そうする。昨日も喧嘩してタスクに謝らせたから。」
『そうなの?しおり、とりあえず仲良くしなさいね。』
「うん。ありがとう。今度一緒に帰れたらいいな。」
『うん、待ってるから。』
「うん、お父さんにもよろしく。」
『二人とも元気でね。』
昔からそうだと言われるとやっぱり反省する。
ちゃんと自分も謝ったけど。
結局どっちが悪いってお互いが悪いってことになった?
そんな事もよくあったから、慣れっこよね?
勝手にそう結論づけた。
昨日は精一杯の意地を張って喧嘩をした。
本当に鈍い、鈍感ボケ。
多分間違ってないと思う。
外回りが多いから、すれ違うから話もしない、なんて言って。
だから安心していいって言ったのに。
一緒に楽しくお酒を飲んで、誤解させるようなこと言って。
どんな甘い顔で言ったのよ。
今、寝てる顔はどこまでも無防備で懐かしいくらいの幼い顔。
自分だけが堪能してる。
頭の上から携帯をとりカメラにしてのぞく。
こっそり撮ってやろう。
でも暗くてフラッシュが光ることに気がついた。
ダメだ、起こしちゃうから。
今度うたた寝した時に絶対取ろう。
それでも動画モードにしてみる。うっすらと暗がりに見える顔。
やっぱりかわいさが出ない。
残念。
写真じゃなくても本物がいるからいいか。
でも、あとでスーツ姿を撮ろう。
ネクタイ選びの参考にもなるかも。
携帯は頭の方に置いて横から顔を見つめる。
タスクの起きる時間まであと30分くらい。
起こしちゃかわいそうだけど、意外につまんないなあ。
もう一度大人しく横になって目を閉じた。
少しくっついた体がいきなり引き寄せられて。
「しおり、何でキスしてくれないの?ワクワクして待ってたのに。」
「なんで、・・・起きてたの?」
「うん、しおりの寝顔見てた。可愛いなあって思ってた。あんなに昨日はいじめられたのに。やっぱり許しちゃうなあって。」
「何?タスクが悪いって話になったじゃない。私が悪いことになってない?」
「だって勝手に怒ってひねくれたしおりもどうかと思うよ。ぼくを信じてくれればなんてことないし、もっと普通に教えてくれても良かったし。」
「タスクは全然分かってない。そんな事教えたくないに決まってるじゃない。」
「何で?」
「タスクのすぐ近くに、もう一人タスクの事を好きな人がいるんだよって事、私が教えたいわけないじゃない。それに彼女も私からそんな事を言われてるって知ったら・・・・私なら嫌よ。」
「・・・うん、分かったけど。」
「けど?」
「もう喧嘩はしたくない。あんなに冷たい無反応のしおりは嫌だよ。怖いよ。ね、あの時は本当にダメだった?そうなるの?」
「タスクのアホ、どアホ。そんなこと聞かないで。」
背中を向けた。
どんなに私が辛かったか分かってない。
あんな態度だってとりたくなかったのに。
精一杯意地はってたのに、唇噛み締めてたのに。
「ねえ、ごめん。喧嘩は嫌だって。こっち向いてよ。お願いだから。」
朝から喧嘩も勿体ないし。向き合うことにした。
「良かった。」
キスをされて腰をくっつけられた。
朝だよ、あと少しで起きる時間、仕事でしょう・・・・。
私は休みだからいいけど、いいの?
知らない、・・・もう。
目覚ましが鳴ってから少しして、やっと起きた。というか起きだした。
シャワーを浴びて準備をするタスク。
私がパンを焼いてコーヒーを準備する。
「タスク、私、どうしたらいい?」
「しおり、ごめん。忘れてた。これあげる。」
渡されたのは鍵。この部屋の鍵。
「いいの?」
「もちろん。洗濯と掃除簡単でいいからお願いしていい?ちょっと今日は遅くなったから時間なさそう。」
「うん。じゃあ、ご飯作った方がいいよね。」
「作ってくれるの?できるだけ早く帰ってくる。」
「多分、タスクの方が上手だよ。」
「いい、何でもいい。楽しみにしていい?」
「分かった。あるもの使うね。」
「うん、その辺は適当にして。」
「会社出る時に時間教えるし、駅からもメールするから。」
「じゃあ、迎えに行く。」
「ダメだよ。危ないからうちから出ないで。」
「子供じゃないのに。」
「だから危ないんじゃないか。お願いだから夕方以降はうちから出ないで。ピンポン押したらドア開けてね。」
「うん、行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
キスをして送り出す。
本当に昔の家族ごっこのままごとのようで笑える。
さすがにあの頃は夕方以降外出禁止令も、行ってきますのキスもなかったけど。
あ、写真撮るのを忘れてた。
朝からバタバタしてたからしょうがない・・・・って、タスク大丈夫なのかな?
洗濯して、掃除したら昼寝したい。買い物して昼寝したい。
朝なのにすっかり疲れてます。
洗濯してる間に掃除して、自分の服をチェックする。
もう少し増やそうかな?
ちょっと服を見て、ご飯の材料買って。
冷蔵庫を見ながらメニューを考える。
サラダの材料しか残ってなかった。
煮込み料理をたくさん作って一人の夜にも簡単に食べれるように作った方がいいかな?
使いまわしレシピを検索してひき肉ソースに決めた。
お母さんの作ってくれたソースを参考に。
和風にしよう。いいじゃない。
安心安心。必要なものを書き出して買って来よう。
お昼に何を食べたか、後で忘れずに聞こう。
駅に行きお店を回る。
少しずつ増えていく荷物。
スーパーから出るころにはすっかり両手がふさがっていた。
部屋に戻って冷蔵庫に必要なものをしまい座り込む。
お母さんに電話をする。
『しおり元気?今日はお休みなの?』
「うん、休み。」
『何してたの?』
「掃除と洗濯と買い物。」
『ねえ、しおり、報告したいことないの?』
「聞いたの?タスクのお母さんから。」
『・・・ううん、何にも聞いてない。』
「タスクと、・・・・昨日からタスクの部屋にいた。タスクの部屋の掃除と洗濯とご飯の買い物してたの。」
『そう、楽しい?』
「うん、すごく楽しい。知ってたの?」
『何を?しおりの気持ち?』
「いろいろ。」
『うん、なんとなく分かってた。だからうれしい。しおりが素直になれて。』
「お母さんだって、悪いのよ。タスクが結婚するって思ってすごくショックで、ご飯も食べられなくて、先輩にも心配かけて。」
『だって普通光輝君だって思うじゃない?何で祐君だと思ったのかお母さんが聞きたいくらい。』
「だっていきなり光輝さんなんて、忘れてたくらいなの。一人っ子だと思ってたくらい。」
『かわいそうに。小さい頃は面倒見てくれたのよ。まとめて二人。』
「うん、知ってる。」
『しおり、祐君は優しいから、わがままを可愛いって許してくれるかもしれないけど、ちゃんと伝えることは伝えて、意地を張らないで話をするのよ。昔からいつもしおりが勝手に怒って祐君がごめんねって言ってたけど、もう大人なんだからね。』
昨日の今日。
私が成長してないのか、タスクが成長できなかったのか。
「うん、そうする。昨日も喧嘩してタスクに謝らせたから。」
『そうなの?しおり、とりあえず仲良くしなさいね。』
「うん。ありがとう。今度一緒に帰れたらいいな。」
『うん、待ってるから。』
「うん、お父さんにもよろしく。」
『二人とも元気でね。』
昔からそうだと言われるとやっぱり反省する。
ちゃんと自分も謝ったけど。
結局どっちが悪いってお互いが悪いってことになった?
そんな事もよくあったから、慣れっこよね?
勝手にそう結論づけた。
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