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20 仕事中も油断は厳禁
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「なあ、播野、本当に今までもてなかったのか?」
堺が聞いてくる。
「悪かったね。」
「本当に?しおりちゃんの事があったから、特別に予防線はってたとかは?」
「ううん、普通だったし。でも友達でモテる奴からアドバイスもらおうとしたら、その気がなさそうって言われた。」
バリバリありましたっ、・・・・多分。
行くところまでは行けなくても、デートくらいはしたかったと思う。
でも結果的に良かった。いっそ未体験で。
「鈍かったんじゃないか?さりげなく探られたと感じたこともなかったのか?」
しつこいなあ。
「ない。」
何が言いたいんだ、まったく。
「もう勝手にばらしてさ。しかも大人の階段の一歩とかって、さり気なくそっちもばらしただろう。」
「あ~、あれは反省。はぁ~。」
「あ、そんな別にため息つくほど、反省しなくてもいいけど。」
つい優しくしてしまう。
見た目よりいい奴なんだ、堺は。
「タスクの事はどうでもいいけどなあ、あれはどうだったんだろう。まあいいよな、・・・・早くに分かった方がさぁ・・・・・。」
ぶつぶつつぶやく堺。何かあったのか?
まあ、いいや。ほっとこう。
昨日の報告レポートを提出したし、次回の提案を文章に起こしてる。
9月くらいから仕掛ける、題して『秋の月見うさぎ商品展開案。』
ラフな絵を描いてみる前に月見と聞いて思いつくものを数パターン組んでみる。やっぱりうさぎは外せない。
狸とか、猫の夜会とかもいいよな。
月夜の下で踊るタヌキ、輪になってる狸、土管の上の猫たちと遠くに月。
秋の味覚の粘土細工も可愛いかな?
どうせクリスマスには年賀状と一緒に手作りカード特集をするだろう。
手帳のシリーズも始まるのでペンやシールなど平面のデコが多くなる。
だから次は立体でやってみたい。その辺も一応入れて。
あとで具体的な案は・・・・友永さん委相談したいけど。
なんとなく気まずいような。
何だろう?やっぱり、怒ってるのかな?
昨日の事もあって気になる。
今日も一度も目が合わない。
「横田さん、一緒に昨日の事で話をしていい?」
「いいよ。」
堺が誘って休憩室の方へ行ったふたり。
ぼくも横田さんに聞きたいんだけど。
少し時間差で行ってみよう。
取りあえず今のところの考えをまとめて打ち込む。
あっという間に終わる。
これに一応写真をつけて、実際に使用した文具などを併記すればいい。
よし財布を持ってさり気なく休憩室へ。
ふたりは打ち合わせは終わったみたいで、普通に話をしている。
コーヒーを買って加わる。
「こんなところで打ち合わせしてたの?」
「まあな。」
「あのさ、横田さんに聞きたいんだけど。」
ちらりと堺を見る。
昨日気にしない事と言われたけど。
「なんだか友永さん、僕のこと怒ってるかな?ちょっと昨日から態度が・・・・。」
「ああ、昨日のは気にしないで。ちょっと言い方が変だったって、彼女も気にしてたから。私がちゃんと代わりに言っておくって言ったのに忘れてた。ごめん。後今日は体調悪いだけ。本当に気にしないでね。明日には普通になると思うから、きっと。」
「そう?」
「うん、そう。本当に気にしないで、萌のほうが逆に落ち込むと思う。いっそ忘れて。」
「うん。分かった。」
じゃあと言って去って行った横田さん。
「女は機嫌が悪くなるんだよ、すぐに。」
それは堺が何かきついこと言ったりしたからだろう。
昨日の話でそう思ったぞ。
「まあ、体調悪いから、ほら、いろいろあるだろう。」
・・・・・。
元気になったら提案しよう。
そして今日も一人、部屋に帰るのだ。
明日仕事後にしおりが来るかもしれない。
ご飯の下ごしらえをしよう。
材料を買ってすぐできるようにしておこう。
帰りにスーパーのチラシを見てタコご飯と、鮭汁を作ることにした。
なんとなく主婦的感覚。
外のベンチで他に必要なものを調べメモる。
買うものリストを作りいざ買いもの籠を持って。
最初は不経済なんだろうなあ。
その内あるもので作れるくらいのスーパー料理男子になれるだろうか?
しおりがそれを望んでるかな?
まあ、何事も下手よりは上手いに越したことはない。
買い物袋を提げて部屋に帰る。
一度冷蔵庫にしまって、洗濯物を取り込んでお風呂に入る。
今日は忙しくなかったし。
午後にはだいぶ体調も良くなったのか友永さんが話しかけてくれて、あの提案書を見せてみた。
狸が気に入ったと言ってくれた。
実際に一緒に売込みに行く営業部に顔を出して、又サンプルの商品を物色させてもらった。
この間提案した写真を見せたところ営業の人も楽しんでくれた。
欲しいと言われて提案書ごと渡した。
その流れで今回も聞かれて、急いで提案書を持ってきた。
「今回は立体で、粘土と色付けセットやニス、筆など使っての提案です。」
「面白そうだな、今回も同じものでもらっていいか?」
「もちろんです。」
友永さんと笑い合う。うれしい、役に立つなら。
「なんだか責任が・・・・あとでラフな絵でもいいのでどんな想像してるか書いてもらっていい?」友永さんに言われた。
「もちろん。でも酷いよ。」
「そうなの?」
「だから尊敬するって言ったじゃない。だからお願いしたんだよ。自分じゃ無理だもん。二次元も怪しいのに三次元なんて。」
良かった、すっかり元気になったみたいだ。
自分の席に帰り、残りのふたりにも話をして見る。
「見たい!萌の作る粘土、見たい!」
「うまいのか?」
「凄く上手だよね。」
「そんなハードル上げないでください。とりあえず来週にはなんとか。週末頑張ります。」
「作り方教わってみんなでやろうよ。」
取りあえずみんなのイメージをまずは絵で描いて持ち寄った。
うん、やっぱりみんな酷い。
言い出した自分が一番参考になるらしい。
必要なものをつめて、もう一度さっきの営業の人に声をかけて大量にもらってくる。
「作成過程の写真も撮った方がいいよね。」
携帯で撮り始める。
コアの部分をホイルで作り粘土で顔と胴体を作り尻尾、手足を作る。
パーツをくっつける。
関節はあえてかわいいピンを使って留める。石は石、そのまま使う。
座らせて、ススキを薄い紙を丸めて作りお団子はまた粘土。
皿、粘土。一升瓶とお猪口、粘土。月、粘土。
形だけならなんとかできる。うさぎもそれぞれ個性が出た。
自分の作ったものは愛着がわく。
このまま乾燥させること一時間。また写真を撮っておく。
さて色塗り。
団子や月などは簡単。うさぎも白と黒の二色のうさぎで。
目は小さいビーズをつけて。
しばらく乾かす。また写真。
後はニスを塗ってセットして終わりだろう。
ウサギは簡単だった。タヌキは高度になる。個性が一層爆発してきた4人。
「さすがに萌はおんなじテイストで一番狸らしい。かわいいね。」
「何匹も集めて踊らせるからいいだろう、ユニークなのがいても。」
そういうことでそれぞれ二匹作る。
ポーズをいろいろ取らせて乾燥写真。
色塗り、写真。
ニスを塗って立たせる。立つかな?
オオカミと羊とかは変かな?・・・・・あ、ハロウィーン。
「ねえ、忘れてた。ハロウィーン。」
「ああ、そうだ。今の時代、そっちだろう、まず。」
ということでもう一度営業へ行っていろいろ物色して・・・その前に絵コンテ。
明日までの宿題にしよう。
ひとまず道具を片付けて、明日外でニスを塗ることにした。
机でみんなで絵を描いてる図。
蝙蝠カボチャランタン骸骨。お化け、お墓の石、魔女、帽子。
そういえば仕事ばっかり考えてたけど、しおりと出かけたいなあ。
夜のハロウィーンナイト、仮装も可愛いだろうなあ。
カレンダーを捲ると、日曜日・・・無理か?
でも似合うだろうなあ。
ビシッと頭に消しゴムが飛んできた。
びっくりして現実に戻ると、堺が馬鹿と口パクで言ってきた。
やばい顔してたのか?
頬に手を当てて、にやけた顔を戻すように挟んで伸ばす。
さて、疲れた。一気に疲れた。
楽しみにすることに全力を投球して楽しみ疲れた。
でも本当に休みだったら絶対仮装したい!というか、しおりの仮装が見たい。
しまった、急いで下を向いて気分を切り替える。
仕事中仕事中。
残業もなく終了。
「友永さん、明日の予定は外回りある?」
「いえ、特には。」
「僕もそういう感じだから。ニス塗りしたら写真撮って、小さなコマ送りフィルムみたいにしてくっつけたいんだ。」
「了解です。天気のいい日にまとめて塗った方がいいですかね?」
「そうだね。また手が空いたときにいるメンバーでハロウィーンもやろうよ。友永さん技術の中心メンバーね。」
「いいですよ、一人でやるより楽しいです。」
「じゃあ、又ね。お疲れ様。」
「じゃあ。お疲れ様でした。」
他のメンバーにも挨拶して帰った。
堺が聞いてくる。
「悪かったね。」
「本当に?しおりちゃんの事があったから、特別に予防線はってたとかは?」
「ううん、普通だったし。でも友達でモテる奴からアドバイスもらおうとしたら、その気がなさそうって言われた。」
バリバリありましたっ、・・・・多分。
行くところまでは行けなくても、デートくらいはしたかったと思う。
でも結果的に良かった。いっそ未体験で。
「鈍かったんじゃないか?さりげなく探られたと感じたこともなかったのか?」
しつこいなあ。
「ない。」
何が言いたいんだ、まったく。
「もう勝手にばらしてさ。しかも大人の階段の一歩とかって、さり気なくそっちもばらしただろう。」
「あ~、あれは反省。はぁ~。」
「あ、そんな別にため息つくほど、反省しなくてもいいけど。」
つい優しくしてしまう。
見た目よりいい奴なんだ、堺は。
「タスクの事はどうでもいいけどなあ、あれはどうだったんだろう。まあいいよな、・・・・早くに分かった方がさぁ・・・・・。」
ぶつぶつつぶやく堺。何かあったのか?
まあ、いいや。ほっとこう。
昨日の報告レポートを提出したし、次回の提案を文章に起こしてる。
9月くらいから仕掛ける、題して『秋の月見うさぎ商品展開案。』
ラフな絵を描いてみる前に月見と聞いて思いつくものを数パターン組んでみる。やっぱりうさぎは外せない。
狸とか、猫の夜会とかもいいよな。
月夜の下で踊るタヌキ、輪になってる狸、土管の上の猫たちと遠くに月。
秋の味覚の粘土細工も可愛いかな?
どうせクリスマスには年賀状と一緒に手作りカード特集をするだろう。
手帳のシリーズも始まるのでペンやシールなど平面のデコが多くなる。
だから次は立体でやってみたい。その辺も一応入れて。
あとで具体的な案は・・・・友永さん委相談したいけど。
なんとなく気まずいような。
何だろう?やっぱり、怒ってるのかな?
昨日の事もあって気になる。
今日も一度も目が合わない。
「横田さん、一緒に昨日の事で話をしていい?」
「いいよ。」
堺が誘って休憩室の方へ行ったふたり。
ぼくも横田さんに聞きたいんだけど。
少し時間差で行ってみよう。
取りあえず今のところの考えをまとめて打ち込む。
あっという間に終わる。
これに一応写真をつけて、実際に使用した文具などを併記すればいい。
よし財布を持ってさり気なく休憩室へ。
ふたりは打ち合わせは終わったみたいで、普通に話をしている。
コーヒーを買って加わる。
「こんなところで打ち合わせしてたの?」
「まあな。」
「あのさ、横田さんに聞きたいんだけど。」
ちらりと堺を見る。
昨日気にしない事と言われたけど。
「なんだか友永さん、僕のこと怒ってるかな?ちょっと昨日から態度が・・・・。」
「ああ、昨日のは気にしないで。ちょっと言い方が変だったって、彼女も気にしてたから。私がちゃんと代わりに言っておくって言ったのに忘れてた。ごめん。後今日は体調悪いだけ。本当に気にしないでね。明日には普通になると思うから、きっと。」
「そう?」
「うん、そう。本当に気にしないで、萌のほうが逆に落ち込むと思う。いっそ忘れて。」
「うん。分かった。」
じゃあと言って去って行った横田さん。
「女は機嫌が悪くなるんだよ、すぐに。」
それは堺が何かきついこと言ったりしたからだろう。
昨日の話でそう思ったぞ。
「まあ、体調悪いから、ほら、いろいろあるだろう。」
・・・・・。
元気になったら提案しよう。
そして今日も一人、部屋に帰るのだ。
明日仕事後にしおりが来るかもしれない。
ご飯の下ごしらえをしよう。
材料を買ってすぐできるようにしておこう。
帰りにスーパーのチラシを見てタコご飯と、鮭汁を作ることにした。
なんとなく主婦的感覚。
外のベンチで他に必要なものを調べメモる。
買うものリストを作りいざ買いもの籠を持って。
最初は不経済なんだろうなあ。
その内あるもので作れるくらいのスーパー料理男子になれるだろうか?
しおりがそれを望んでるかな?
まあ、何事も下手よりは上手いに越したことはない。
買い物袋を提げて部屋に帰る。
一度冷蔵庫にしまって、洗濯物を取り込んでお風呂に入る。
今日は忙しくなかったし。
午後にはだいぶ体調も良くなったのか友永さんが話しかけてくれて、あの提案書を見せてみた。
狸が気に入ったと言ってくれた。
実際に一緒に売込みに行く営業部に顔を出して、又サンプルの商品を物色させてもらった。
この間提案した写真を見せたところ営業の人も楽しんでくれた。
欲しいと言われて提案書ごと渡した。
その流れで今回も聞かれて、急いで提案書を持ってきた。
「今回は立体で、粘土と色付けセットやニス、筆など使っての提案です。」
「面白そうだな、今回も同じものでもらっていいか?」
「もちろんです。」
友永さんと笑い合う。うれしい、役に立つなら。
「なんだか責任が・・・・あとでラフな絵でもいいのでどんな想像してるか書いてもらっていい?」友永さんに言われた。
「もちろん。でも酷いよ。」
「そうなの?」
「だから尊敬するって言ったじゃない。だからお願いしたんだよ。自分じゃ無理だもん。二次元も怪しいのに三次元なんて。」
良かった、すっかり元気になったみたいだ。
自分の席に帰り、残りのふたりにも話をして見る。
「見たい!萌の作る粘土、見たい!」
「うまいのか?」
「凄く上手だよね。」
「そんなハードル上げないでください。とりあえず来週にはなんとか。週末頑張ります。」
「作り方教わってみんなでやろうよ。」
取りあえずみんなのイメージをまずは絵で描いて持ち寄った。
うん、やっぱりみんな酷い。
言い出した自分が一番参考になるらしい。
必要なものをつめて、もう一度さっきの営業の人に声をかけて大量にもらってくる。
「作成過程の写真も撮った方がいいよね。」
携帯で撮り始める。
コアの部分をホイルで作り粘土で顔と胴体を作り尻尾、手足を作る。
パーツをくっつける。
関節はあえてかわいいピンを使って留める。石は石、そのまま使う。
座らせて、ススキを薄い紙を丸めて作りお団子はまた粘土。
皿、粘土。一升瓶とお猪口、粘土。月、粘土。
形だけならなんとかできる。うさぎもそれぞれ個性が出た。
自分の作ったものは愛着がわく。
このまま乾燥させること一時間。また写真を撮っておく。
さて色塗り。
団子や月などは簡単。うさぎも白と黒の二色のうさぎで。
目は小さいビーズをつけて。
しばらく乾かす。また写真。
後はニスを塗ってセットして終わりだろう。
ウサギは簡単だった。タヌキは高度になる。個性が一層爆発してきた4人。
「さすがに萌はおんなじテイストで一番狸らしい。かわいいね。」
「何匹も集めて踊らせるからいいだろう、ユニークなのがいても。」
そういうことでそれぞれ二匹作る。
ポーズをいろいろ取らせて乾燥写真。
色塗り、写真。
ニスを塗って立たせる。立つかな?
オオカミと羊とかは変かな?・・・・・あ、ハロウィーン。
「ねえ、忘れてた。ハロウィーン。」
「ああ、そうだ。今の時代、そっちだろう、まず。」
ということでもう一度営業へ行っていろいろ物色して・・・その前に絵コンテ。
明日までの宿題にしよう。
ひとまず道具を片付けて、明日外でニスを塗ることにした。
机でみんなで絵を描いてる図。
蝙蝠カボチャランタン骸骨。お化け、お墓の石、魔女、帽子。
そういえば仕事ばっかり考えてたけど、しおりと出かけたいなあ。
夜のハロウィーンナイト、仮装も可愛いだろうなあ。
カレンダーを捲ると、日曜日・・・無理か?
でも似合うだろうなあ。
ビシッと頭に消しゴムが飛んできた。
びっくりして現実に戻ると、堺が馬鹿と口パクで言ってきた。
やばい顔してたのか?
頬に手を当てて、にやけた顔を戻すように挟んで伸ばす。
さて、疲れた。一気に疲れた。
楽しみにすることに全力を投球して楽しみ疲れた。
でも本当に休みだったら絶対仮装したい!というか、しおりの仮装が見たい。
しまった、急いで下を向いて気分を切り替える。
仕事中仕事中。
残業もなく終了。
「友永さん、明日の予定は外回りある?」
「いえ、特には。」
「僕もそういう感じだから。ニス塗りしたら写真撮って、小さなコマ送りフィルムみたいにしてくっつけたいんだ。」
「了解です。天気のいい日にまとめて塗った方がいいですかね?」
「そうだね。また手が空いたときにいるメンバーでハロウィーンもやろうよ。友永さん技術の中心メンバーね。」
「いいですよ、一人でやるより楽しいです。」
「じゃあ、又ね。お疲れ様。」
「じゃあ。お疲れ様でした。」
他のメンバーにも挨拶して帰った。
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